流行りの異世界――転生先が修羅場で阿鼻叫喚だった件について説明と謝罪を求めたい。

されど電波おやぢは妄想を騙る

文字の大きさ
26 / 53

第二六幕。

しおりを挟む
『ぐはァ――!』『ひぎィ――!』

 だが、次の瞬間には、驚愕の表情のまま悲鳴を上げて、床に叩きつけられ突っ伏していた――。

『……な、なニ⁉︎』『……嘘だロ⁉︎』

「手荒な事をして済まない。怪我をさせない様にと配慮はしたが……嫌味では無いので、本当にそこは誤解しないでくれ』

 襲撃者の二人から最も簡単に奪い取った武器を、そう告げて窓から投げ捨てる私。

 襲われた瞬間から、一連の動作が有り得ない程に遅く見えたのだ。
 ゆっくりと近付いて来る二人から武器を取り上げ、背中を押し込んで床につけた後、窓際に戻ると体感速度が今の状態に戻ったのだ。
 そしてその直後、襲撃者の二人が驚く程の勢いで、床に叩きつけられる様に突っ伏して悲鳴を上げるものだから、私の方が逆に驚いてしまったくらいだ。

「紅の力を封じている何かを解除してくれないか? 応じてくれなければ、行き過ぎた悪戯は諌めねばならない。外の数人を全てお仕置きするのは手間だし願い下げなんだけど……」

 心にも思っていない全くの嘘だった――所謂、ハッタリ。
 その証拠に身構えもせず、武器すら手にしていない。今は。

『つつッ……』『ふ、巫山戯た真似ヲ……』

「抵抗はしないでくれ、頼むから。言いたい事はちゃんと聴く。取り敢えず座ってくれ」

『煩イ、死ネ!』『――ま、待テ!』

 静止する連れの言葉にも聴く耳持たずに、激昂した勢いで武器も無く飛び掛かって来た、恐らく血の気が多く短気な襲撃者。

『がはぁーッ!』『――なッ⁉︎』

 面倒臭いので窓から捨てた私。
 
『――くッ、これほど迄とハ。解っタ、提案を飲もウ』

「助かる。少々殺気を孕んではいるが、策略とは無関係で単に私に絡んで来ている――単に試して遊んでいる、と言った所か? そんな印象を受けた。合っているか?」

『――⁉︎ そこ迄お見通シ⁉︎ 参ったナ』
 
「お仲間を連れてくるなら待っている。勿論、逃げてくれても私は追わないと約束しよう」

『――これで逃げたラ、流石に無様すぎル! 仲間に笑者にされル!』

「そうか。ならば仕方無い」

 ゆっくり立ち上がり、私を警戒しつつ窓に近寄って何かの合図を送っている眼帯の襲撃者。
 暫くすると、落とした襲撃者を含む四人が、部屋の窓から入って来た。
 合計で五人の襲撃者が警戒を解かず、床の上で各々自由に座っている。

「さて、本題に入る前にだ、私の最愛の妻、紅の力を削いだのは誰かい?」

『はッ、おれだ――ぐはァ!』

『『『『えッ⁉︎』』』』

 部屋の天井に減り込んで、首から下を振り子の様にぶら下げて気絶した様だ。

「済まない――気分の悪い害虫が居たので」

『『『『は、はいッ!』』』』

「――さて。話を聴くとしよう。幼い子供達に呪いを放ったのは君等か?」

『ご、ごめんな――ぐはァ!』

 部屋のドアを打ち破り、勢い余って廊下に突き刺さり、もれなく気絶した様だった。

「済まない――実は左腕は義手なんだが、どうにも動作不良を起こし気味でな? 時々勝手に暴れるんだ。以後、気を付ける。――そうそう、話しの途中で申し訳無いんだが、左腕が正常かどうか確認する為にも、宝剣を振ってみるが……まぁ、気にしないでくれ」

『『『は、はいッ!』』』

 そう語りながら、腰の宝剣を外し、鞘に収まった状態で左手に携え、上段構えから振り落とす私。

 何故か正座で神妙にしている襲撃者。
 宝剣を軽く振ったにも関わらず、突風が巻き起こり襲撃者を煽った!
 長い髪が大きく棚引き、座った姿勢が崩れる。
 
「さて君等――連帯責任って言葉を知ってるか?」

 私からその言葉を聴いた瞬間、残りの襲撃者の顔は、一気に蒼褪め、凍りついた――。



 ――――――――――
 気になる続きはCMの後!
 チャンネルは、そのまま!(笑)
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

男が英雄でなければならない世界 〜男女比1:20の世界に来たけど簡単にはちやほやしてくれません〜

タナん
ファンタジー
 オタク気質な15歳の少年、原田湊は突然異世界に足を踏み入れる。  その世界は魔法があり、強大な獣が跋扈する男女比が1:20の男が少ないファンタジー世界。  モテない自分にもハーレムが作れると喜ぶ湊だが、弱肉強食のこの世界において、力で女に勝る男は大事にされる側などではなく、女を守り闘うものであった。  温室育ちの普通の日本人である湊がいきなり戦えるはずもなく、この世界の女に失望される。 それでも戦わなければならない。  それがこの世界における男だからだ。  湊は自らの考えの甘さに何度も傷つきながらも成長していく。  そしていつか湊は責任とは何かを知り、多くの命を背負う事になっていくのだった。 挿絵:夢路ぽに様 https://www.pixiv.net/users/14840570 ※注 「」「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

異世界に転移したらぼっちでした〜観察者ぼっちーの日常〜

キノア9g
ファンタジー
「異世界に転移したら、ぼっちでした!?」 20歳の普通の会社員、ぼっちーが目を覚ましたら、そこは見知らぬ異世界の草原。手元には謎のスマホと簡単な日用品だけ。サバイバル知識ゼロでお金もないけど、せっかくの異世界生活、ブログで記録を残していくことに。 一風変わったブログ形式で、異世界の日常や驚き、見知らぬ土地での発見を綴る異世界サバイバル記録です!地道に生き抜くぼっちーの冒険を、どうぞご覧ください。 毎日19時更新予定。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~

あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。 彼は気づいたら異世界にいた。 その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。 科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。

やさしい異世界転移

みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公 神洞 優斗。 彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった! 元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……? この時の優斗は気付いていなかったのだ。 己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。 この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。

アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~

うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」  これしかないと思った!   自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。  奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。  得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。  直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。  このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。  そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。  アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。  助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。

処理中です...