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第五難 当面の住まい確保に一騒動?【後編】
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天使がピッキング行為と言った謎のシュールさについては、正直、スルーしておくつもりだった……。
だがしかし。
あえて言おう、それは無理であると。
「天使の金冠から謎でもなんでもない、ありふれた針金を引っ張り出す神の使徒たる天使なんぞ知らんし、あまつさえそれでピッキング行為を行い、壊すことなく難なく鍵を開けてしまえる甲羅を背負った美幼女なんぞも、俺は今まで会ったことも見たことも聞いたこともないからな?」
息を潜めて怒涛のツッコミ。存外、器用な俺は更に続ける。
「今回、悪意がない分だけマシなんだろうが、神の使徒たる天使を騙る以上、そんなことはしちゃいけないんじゃね? なぁ、罪亀(推定)?」
一応は天使の分類に身を置く亀(自称)と言う設定……らしい。
だがしかし、俺の見解では堕天使な罪亀(推定)。それでたぶん合ってる。
大方、大金庫の看破だっけ? その所為で下界に追放、或いは別の世界へと島流し食らったん違うか?
それで社会奉仕的な罰の一環か、俺の身の回りの世話係、介護係にまで貶められたんだろうよ。
「過酷な言われようですね、私。ですが、なんと言うことでしょうか。全く返す言葉が思いつかないです」
くわっと目を見開き、堂々と全肯定の罪亀(推定)ときた――って、お前なぁ……。
「まぁ……褒めれた行いでないけども、今は助かったと礼だけは言ってくわ」
頭を撫でてやろうとするも、ふよふよと頭上に揺蕩う天使の金冠に、どうにも嫌な予感がする。
おそらく触れたが最後、俺の手が吹っ飛ぶかなんかの大惨事になりそうで、怖くてやめたのは内緒だ、うん。
◇◇◇
そんなしょーもないやり取りのあと、鍵の開いた扉をほんの少しだけそっと開け、隙間から慎重に慎重を重ね、中の様子をこっそりと覗き見るんだが――。
何かがこっちを見ている。
こっそりと開けた扉の隙間から。
「――どちら様でしょう?」
扉の直ぐ向こうで俺同様に覗き見ている何かから、そう尋ねられたのだった。
「何かが住んでいる……だと?」
カッと目を見開き、そう呟き返した。
「鍵をかけ忘れてたのかしら? おかしいですわね? それで? そちらは私に何用ですの?」
扉を引き、普通に開けて現れた何か。
色々と疑問符だらけに首を傾げ、怪訝そうにそう尋ねてくるんだが。
「罪亀(推定)。どーなんだこれ?」
目にした何かが信じられず、馬鹿らしくなった俺は、もう開き直ることにした。
「私もビックリですが、何か?」
私の所為じゃないですよ? 心外ですと言わんばかりに、俺の後に隠れている罪亀(推定)にしても、気の所為か面食らっているようだった。
何故ならば、鮃が居たから。
最早、前世になるが、俺の元居た世界では魚に分類される新鮮な鮃が居た。
人の手足が身体から生えたシュールな着ぐるみ姿をしているが、その顔は紛うことなく両方の目が片側につくあの鮃だ。
視点が合っていない、めっさクリっとした目の鮃だ。
更には女性物のガウンに身を包んでな?
「聞いてらして? すっ裸なお爺さんが何用ですの? そちらの亀みたいな変な格好の幼女は……お孫さんかしら? そんな滑稽な姿の方々が、この私に何用ですの?」
更に偉そうで高慢ちきなお嬢様的物言いで、自分を棚上げして詰問してくる、鮃。
滑稽って……いや、お前がな?
鏡見てから言えよ?
流暢かつ高圧的に喋るこの鮃は魚? 何? 魚人? 着ぐるみ? ――って、そう言えばここは別の世界だったな。
喋る罪亀(推定)も居ることだし、喋る鮃が居てもなんら不思議じゃないのか?
それにしても、罪亀(推定)も流暢な日本語で喋ってくるし、きちんと意味が通り意思疎通できるのはなんでだ?
「早く答えてくださらない? 私、忙しいんですの」
全然、気にも留めてなかったが……おっと、自問自答してる場合じゃなかった。とりあえずこの妙な鮃に返答せんとな。
「あ……その……すいません。勝手に……」
まさか鍵はかかってましたが、ピッキング行為で開けましたとも言えず、ちょっと言い淀んでしまった。
まぁ、鮃がなんであれ、鍵がかかってるのを不正に開けたのは事実。
住んでいる? 棲んでいる? どっちでも良いけど、知らなかったとは言え中に侵入しようと試みた手前、悪いのは明らかに俺らの方だから。
しかし……半魚人ならぬ鮃か。
日本昔話しの浦島太郎物語でも、竜宮城で舞い踊ってたな……。
俺の知らない色んな世界。色んなものが居たもんだな、うん。
――――――――――
その鮃、めっさ磯臭く(困)
だがしかし。
あえて言おう、それは無理であると。
「天使の金冠から謎でもなんでもない、ありふれた針金を引っ張り出す神の使徒たる天使なんぞ知らんし、あまつさえそれでピッキング行為を行い、壊すことなく難なく鍵を開けてしまえる甲羅を背負った美幼女なんぞも、俺は今まで会ったことも見たことも聞いたこともないからな?」
息を潜めて怒涛のツッコミ。存外、器用な俺は更に続ける。
「今回、悪意がない分だけマシなんだろうが、神の使徒たる天使を騙る以上、そんなことはしちゃいけないんじゃね? なぁ、罪亀(推定)?」
一応は天使の分類に身を置く亀(自称)と言う設定……らしい。
だがしかし、俺の見解では堕天使な罪亀(推定)。それでたぶん合ってる。
大方、大金庫の看破だっけ? その所為で下界に追放、或いは別の世界へと島流し食らったん違うか?
それで社会奉仕的な罰の一環か、俺の身の回りの世話係、介護係にまで貶められたんだろうよ。
「過酷な言われようですね、私。ですが、なんと言うことでしょうか。全く返す言葉が思いつかないです」
くわっと目を見開き、堂々と全肯定の罪亀(推定)ときた――って、お前なぁ……。
「まぁ……褒めれた行いでないけども、今は助かったと礼だけは言ってくわ」
頭を撫でてやろうとするも、ふよふよと頭上に揺蕩う天使の金冠に、どうにも嫌な予感がする。
おそらく触れたが最後、俺の手が吹っ飛ぶかなんかの大惨事になりそうで、怖くてやめたのは内緒だ、うん。
◇◇◇
そんなしょーもないやり取りのあと、鍵の開いた扉をほんの少しだけそっと開け、隙間から慎重に慎重を重ね、中の様子をこっそりと覗き見るんだが――。
何かがこっちを見ている。
こっそりと開けた扉の隙間から。
「――どちら様でしょう?」
扉の直ぐ向こうで俺同様に覗き見ている何かから、そう尋ねられたのだった。
「何かが住んでいる……だと?」
カッと目を見開き、そう呟き返した。
「鍵をかけ忘れてたのかしら? おかしいですわね? それで? そちらは私に何用ですの?」
扉を引き、普通に開けて現れた何か。
色々と疑問符だらけに首を傾げ、怪訝そうにそう尋ねてくるんだが。
「罪亀(推定)。どーなんだこれ?」
目にした何かが信じられず、馬鹿らしくなった俺は、もう開き直ることにした。
「私もビックリですが、何か?」
私の所為じゃないですよ? 心外ですと言わんばかりに、俺の後に隠れている罪亀(推定)にしても、気の所為か面食らっているようだった。
何故ならば、鮃が居たから。
最早、前世になるが、俺の元居た世界では魚に分類される新鮮な鮃が居た。
人の手足が身体から生えたシュールな着ぐるみ姿をしているが、その顔は紛うことなく両方の目が片側につくあの鮃だ。
視点が合っていない、めっさクリっとした目の鮃だ。
更には女性物のガウンに身を包んでな?
「聞いてらして? すっ裸なお爺さんが何用ですの? そちらの亀みたいな変な格好の幼女は……お孫さんかしら? そんな滑稽な姿の方々が、この私に何用ですの?」
更に偉そうで高慢ちきなお嬢様的物言いで、自分を棚上げして詰問してくる、鮃。
滑稽って……いや、お前がな?
鏡見てから言えよ?
流暢かつ高圧的に喋るこの鮃は魚? 何? 魚人? 着ぐるみ? ――って、そう言えばここは別の世界だったな。
喋る罪亀(推定)も居ることだし、喋る鮃が居てもなんら不思議じゃないのか?
それにしても、罪亀(推定)も流暢な日本語で喋ってくるし、きちんと意味が通り意思疎通できるのはなんでだ?
「早く答えてくださらない? 私、忙しいんですの」
全然、気にも留めてなかったが……おっと、自問自答してる場合じゃなかった。とりあえずこの妙な鮃に返答せんとな。
「あ……その……すいません。勝手に……」
まさか鍵はかかってましたが、ピッキング行為で開けましたとも言えず、ちょっと言い淀んでしまった。
まぁ、鮃がなんであれ、鍵がかかってるのを不正に開けたのは事実。
住んでいる? 棲んでいる? どっちでも良いけど、知らなかったとは言え中に侵入しようと試みた手前、悪いのは明らかに俺らの方だから。
しかし……半魚人ならぬ鮃か。
日本昔話しの浦島太郎物語でも、竜宮城で舞い踊ってたな……。
俺の知らない色んな世界。色んなものが居たもんだな、うん。
――――――――――
その鮃、めっさ磯臭く(困)
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