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第四難 当面の住まい確保に一騒動?【前編】
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見晴らしも良く、広く見渡すことができる草原のような一角。
周りに障害物や遮る物が全くないそんな開けた場所に、何故かポツンと立っている新築に等しい丸太小屋、他、諸々。
俺は裸一貫……海パンは履いてるけども。何も持たずにここに転生? まぁ、飛ばされたわけだ。
生活道具や資材をどうにか調達するまで、どうやって衣食住を確保しようか悩んでいたところに、都合良く発見できた正しく住居となるわけで。
何故にこんなところに都合良く? と、胡散臭さも半端ないが、そこはやむなし。
そう言った答えの得られない疑問には華麗にスルーしておき、どうにか手に入れておきたいところ。
「なぁ、亀(自称)。良い感じの住まいだけども、人、或いは別の何かが住んでいる可能性も否定できん。その痕跡がないか、先ずは調べて確かめてみてから、どーすべきかの結論を論じるべきだと俺は思うんだが。どうだろう?」
「確かに。主神さまがご用意下さったと言う、確固たる証拠もありませんしね。私も知り得てませんし、そーすべきと同意します」
「そうか、ありがとう。ならば行け、亀(自称)! GO、GO、GO、GO!」
「嫌ですが、何か?」
「その甲羅は伊達か? 俺は見ての通り、ほぼ裸族なか弱い爺い。つまり身を守る盾を持っているお前の方が、万一の荒事には適任だろうが?」
「伊達ですが、何か?」
「えっ、伊達なん? そうかそうか。幼女姿で平然と背負ってるもんな。重ければ無理だもんな――って、おいっ⁉︎ 何の為に背負ってんだよっ⁉︎」
「私が私である為の――」「喧しいわ!」
◇◇◇
とりあえず危険はないだろうとは思うが、見様見真似の似非スニーキングスキル(自称)を発動しつつ、慎重に家屋に近づいて行く。
地面などに人や何かの足跡やらがないか、痕跡が周辺に残っていないかも注意深く見ながら。
ここがどんな世界なのかも現時点では不明。ゆえに想定外のあり得ないことが起きるかも知れない。
どんだけ前世で見慣れた家屋だろうと、一応、別の世界にある家屋になるわけだから。
あり得ないとは思うが家屋型モンスター、或いは人知を超えた存在なのかも知れない。
役に立つかと思っていた亀(自称)はあてにできないうえ、こっちはすっ裸に近いんだから、慎重に慎重を重ねて行動するしかない。
抜き足、差し足、忍足で扉前までやってくると、徐に聞き耳を立て中の様子を窺ってみる――のだが。
「海パン一丁で玄関に聞き耳とか……見てて恥ずかしいですね」
亀(自称)からそんな風に言われた。
「喧しい」
実際、俺もそう思うけども。
「RPGごっこにしか見えませんよ? 良い歳して――」
「それ以上は言うな……心が折れそうだ」
「絶対に大丈夫だと思いますけど?」
「解ってる、解ってはいる。たぶんそーだと俺も思う。けどな? 僅かな油断が大惨事を招くと、俺が読んでたラノベの主人公たるおっさんが何度も言っていたんだ。だからあえて慎重に事を進めてるだけだ」
「左様で……」「もうツッコまないでくれ」
中から物音は聞こえてこない。扉が開くかどうか、ドアノブをゆっくりと捻ってみる。
「鍵が掛かってるな……」
「そりゃそう……いえ。用意された家屋であれば……」
「だよな? 開いてて普通だよな?」
「では……誰か、或いは何かの持ち家と言う線も……」
「そーなるな。断定はできんけども」
亀(自称)と玄関先で息を殺し、ひそひそと相談する。
亀(自称)曰くの主神たる高次存在がだ、俺らの為に用意した物であれば、鍵を掛ける筈がない……と思う。なきにしもあらずだけども。
その場合、中にどうやって入れってなるからな?
「私の出番ですね?」「なんで?」
「亀天使、舐めんなですよ?」
「――は? 意味が解らん」
そう言った先からドヤ顔になって、天使の金冠に手を伸ばす亀(自称)。
そして何ぞ細い金属のような物を手にすると、鍵穴に差し込みカチャカチャしだした。
「お、おまっ、それって……」
「針金ですが、何か? 鍵開けは得意ですが、何か?」
なんだろう。無意味に甲羅を背負っているとは言え、その姿は息を呑むほどの天使然とした美幼女姿……なんですけども……う~む。
「天界の大金庫を破ったこの手腕、とくと見るが良いです……クッフッフ」
その容姿に不釣り合い過ぎる、退っ引きならないエグさ増し増しの薄ら笑いを携えて、口端をニヤリと釣り上げ、くりっとした可愛い目を怪しげに細めてキラン。
罰として亀に姿を変えられて、地上送りにされた堕天使――なんじゃね?
甲羅の他にも、退っ引きならない罪も背負ってるんじゃね?
色々とツッコミどころ満載だが、触れたが最後、俺がヤバさテラMAXの緊急事態に陥りそーだったので思うだけに留め、あえて触れないようにスルーした――。
――――――――――
その亀、罪亀につき(たぶん合ってる)
周りに障害物や遮る物が全くないそんな開けた場所に、何故かポツンと立っている新築に等しい丸太小屋、他、諸々。
俺は裸一貫……海パンは履いてるけども。何も持たずにここに転生? まぁ、飛ばされたわけだ。
生活道具や資材をどうにか調達するまで、どうやって衣食住を確保しようか悩んでいたところに、都合良く発見できた正しく住居となるわけで。
何故にこんなところに都合良く? と、胡散臭さも半端ないが、そこはやむなし。
そう言った答えの得られない疑問には華麗にスルーしておき、どうにか手に入れておきたいところ。
「なぁ、亀(自称)。良い感じの住まいだけども、人、或いは別の何かが住んでいる可能性も否定できん。その痕跡がないか、先ずは調べて確かめてみてから、どーすべきかの結論を論じるべきだと俺は思うんだが。どうだろう?」
「確かに。主神さまがご用意下さったと言う、確固たる証拠もありませんしね。私も知り得てませんし、そーすべきと同意します」
「そうか、ありがとう。ならば行け、亀(自称)! GO、GO、GO、GO!」
「嫌ですが、何か?」
「その甲羅は伊達か? 俺は見ての通り、ほぼ裸族なか弱い爺い。つまり身を守る盾を持っているお前の方が、万一の荒事には適任だろうが?」
「伊達ですが、何か?」
「えっ、伊達なん? そうかそうか。幼女姿で平然と背負ってるもんな。重ければ無理だもんな――って、おいっ⁉︎ 何の為に背負ってんだよっ⁉︎」
「私が私である為の――」「喧しいわ!」
◇◇◇
とりあえず危険はないだろうとは思うが、見様見真似の似非スニーキングスキル(自称)を発動しつつ、慎重に家屋に近づいて行く。
地面などに人や何かの足跡やらがないか、痕跡が周辺に残っていないかも注意深く見ながら。
ここがどんな世界なのかも現時点では不明。ゆえに想定外のあり得ないことが起きるかも知れない。
どんだけ前世で見慣れた家屋だろうと、一応、別の世界にある家屋になるわけだから。
あり得ないとは思うが家屋型モンスター、或いは人知を超えた存在なのかも知れない。
役に立つかと思っていた亀(自称)はあてにできないうえ、こっちはすっ裸に近いんだから、慎重に慎重を重ねて行動するしかない。
抜き足、差し足、忍足で扉前までやってくると、徐に聞き耳を立て中の様子を窺ってみる――のだが。
「海パン一丁で玄関に聞き耳とか……見てて恥ずかしいですね」
亀(自称)からそんな風に言われた。
「喧しい」
実際、俺もそう思うけども。
「RPGごっこにしか見えませんよ? 良い歳して――」
「それ以上は言うな……心が折れそうだ」
「絶対に大丈夫だと思いますけど?」
「解ってる、解ってはいる。たぶんそーだと俺も思う。けどな? 僅かな油断が大惨事を招くと、俺が読んでたラノベの主人公たるおっさんが何度も言っていたんだ。だからあえて慎重に事を進めてるだけだ」
「左様で……」「もうツッコまないでくれ」
中から物音は聞こえてこない。扉が開くかどうか、ドアノブをゆっくりと捻ってみる。
「鍵が掛かってるな……」
「そりゃそう……いえ。用意された家屋であれば……」
「だよな? 開いてて普通だよな?」
「では……誰か、或いは何かの持ち家と言う線も……」
「そーなるな。断定はできんけども」
亀(自称)と玄関先で息を殺し、ひそひそと相談する。
亀(自称)曰くの主神たる高次存在がだ、俺らの為に用意した物であれば、鍵を掛ける筈がない……と思う。なきにしもあらずだけども。
その場合、中にどうやって入れってなるからな?
「私の出番ですね?」「なんで?」
「亀天使、舐めんなですよ?」
「――は? 意味が解らん」
そう言った先からドヤ顔になって、天使の金冠に手を伸ばす亀(自称)。
そして何ぞ細い金属のような物を手にすると、鍵穴に差し込みカチャカチャしだした。
「お、おまっ、それって……」
「針金ですが、何か? 鍵開けは得意ですが、何か?」
なんだろう。無意味に甲羅を背負っているとは言え、その姿は息を呑むほどの天使然とした美幼女姿……なんですけども……う~む。
「天界の大金庫を破ったこの手腕、とくと見るが良いです……クッフッフ」
その容姿に不釣り合い過ぎる、退っ引きならないエグさ増し増しの薄ら笑いを携えて、口端をニヤリと釣り上げ、くりっとした可愛い目を怪しげに細めてキラン。
罰として亀に姿を変えられて、地上送りにされた堕天使――なんじゃね?
甲羅の他にも、退っ引きならない罪も背負ってるんじゃね?
色々とツッコミどころ満載だが、触れたが最後、俺がヤバさテラMAXの緊急事態に陥りそーだったので思うだけに留め、あえて触れないようにスルーした――。
――――――――――
その亀、罪亀につき(たぶん合ってる)
応援ありがとうございます!
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