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ブライアン様は荒くなった呼吸を整えながら、ずるりと小さくなった肉棒を抜くと、蓋が取れたかのように精液がつつう、と太ももを垂れていくのを感じた。
「・・・私は、君を・・・大切に扱い、護る事を誓う」
何度か深呼吸をした後、涙で濡れた頬をブライアン様は優しく拭くと、意味のわからない事を言った。
大切に扱うなら、何故こんな事をしたのか理解出来なかった。
でも、瞳がとても穏やかな光をたたえ、目を細めながらそっと私の頬に口付けをした。
その時初めて気づいた。
自分を抱いている時、一度も唇に口付けをしなかった、と。
それは、私とはしたくない、という事なのだ。
枯れたと思っていた涙がポロポロと出てきて、顔を背けた。
「君の純潔は確認された。トッリュー伯爵家にはすぐに連絡を入れる。毎週末は、私の婚約者として王宮に上がって貰うこととなる」
先程と打って変わったいつもの感情の見えない無表情と、とても冷静な声で私に向けた。
「どうし私なの!?私は・・・私は・・・マクロと婚約するはずだったのに。あなたが1番知ってた筈。どうしてこんな事をしたの!?」
今更だが胸をシーツで隠しながら、涙ながらに訴えた。
「なんと言われようと、私は君を妻にしたかったんだ。それ以外に理由はない」
「どうして?私がマクロを、好きだったのも、知っていた筈でょ!」
私を妻に、なんて気持ちも無いくせ簡単に言わないで欲しかった。そんな素振りも、仕草も見た事がない。
「君には拒否権はないと言った筈だ。私が、この第1王子が言う事は絶対だ。それと、夕食のお茶に避妊薬を混ぜておいたから、懐妊の心配はいらない」
薄暗い中、何か寂しい空気が流れブライアン様は逃げるように立ち上がり、ガウンを羽織った。
「明日、一緒にトッリュー家に挨拶に行く。この事は君の父上も承諾の上だ。君も、これからは未来の国妃として覚悟を決めるんだ。直ぐに召使い達がやってくる。ゆっくりと湯浴みをし、今日ははここ寝ればいい。私は違う部屋に行く。おやすみ」
言いたい事だけ言うと部屋から去っていった。
初めてあんなに喋ったのは聞いた、とつまらない事を思った。
じくじくと下腹部と、入れられた場所が痛かった。香油を塗っていたとしても、初めての時はとても痛いと聞いていた。でも、愛し合っているならそれさえも幸せだ、と教えて貰い、その瞬間をどれだけ待ちわびていたか。
女性にとって、生涯1度しかない大事な破瓜を、女性の気持ちを踏み潰して奪うなんて、最低だ。それがたとえ、一国の王子だとしても許されない。
それも国妃になるなんて、洒落にならない。
ふう、と残った涙をシーツで拭き真っ暗で見えない天井を見た。
ともかく、子供ができないのには安堵した。
まだ学生の身分で、それもそれも、王位継承者を産んだりなんかしたら、と考えるだけでも恐ろしいわ。確か正式な婚約発表は高等部を卒業してからだ。
「それなら、せめて卒業まではいらないわね。ううん、それならいっそ大学まで行って伸ばすのもいいかもね」
そんなふうに少しでも前向きに考えないと、この現実から逃げ出し、ずっと引きこもりになりそうだった。
物音がしたと思ったら、召使い達が静かに部屋に入ってきた。ボロボロの私に、とても優しく声をかけてくれた。
初めては驚きますし怖いですよね。でも、殿下はとてもトッリュー伯爵令嬢を想っております。心配いりませんよ。
口々にそ言いながら、淫らな私の姿を丁寧に扱い湯浴みをさせてくれた。
湯に入ると、ひりひりと痛みが走り、また、同じ言葉ばかりが浮かんだ。
どうして?
何故、私なの?
その言葉ばかり浮かび、こんなに胸が痛くなるんて17年間知らないくらい、苦しくて、辛くて、悲しかった。
流れていく湯を見ながら、私の気持など湯のように流されていくのだ、と体を洗われながら、
私の初夜は酷いものね、
と、寂しく思った。
「・・・私は、君を・・・大切に扱い、護る事を誓う」
何度か深呼吸をした後、涙で濡れた頬をブライアン様は優しく拭くと、意味のわからない事を言った。
大切に扱うなら、何故こんな事をしたのか理解出来なかった。
でも、瞳がとても穏やかな光をたたえ、目を細めながらそっと私の頬に口付けをした。
その時初めて気づいた。
自分を抱いている時、一度も唇に口付けをしなかった、と。
それは、私とはしたくない、という事なのだ。
枯れたと思っていた涙がポロポロと出てきて、顔を背けた。
「君の純潔は確認された。トッリュー伯爵家にはすぐに連絡を入れる。毎週末は、私の婚約者として王宮に上がって貰うこととなる」
先程と打って変わったいつもの感情の見えない無表情と、とても冷静な声で私に向けた。
「どうし私なの!?私は・・・私は・・・マクロと婚約するはずだったのに。あなたが1番知ってた筈。どうしてこんな事をしたの!?」
今更だが胸をシーツで隠しながら、涙ながらに訴えた。
「なんと言われようと、私は君を妻にしたかったんだ。それ以外に理由はない」
「どうして?私がマクロを、好きだったのも、知っていた筈でょ!」
私を妻に、なんて気持ちも無いくせ簡単に言わないで欲しかった。そんな素振りも、仕草も見た事がない。
「君には拒否権はないと言った筈だ。私が、この第1王子が言う事は絶対だ。それと、夕食のお茶に避妊薬を混ぜておいたから、懐妊の心配はいらない」
薄暗い中、何か寂しい空気が流れブライアン様は逃げるように立ち上がり、ガウンを羽織った。
「明日、一緒にトッリュー家に挨拶に行く。この事は君の父上も承諾の上だ。君も、これからは未来の国妃として覚悟を決めるんだ。直ぐに召使い達がやってくる。ゆっくりと湯浴みをし、今日ははここ寝ればいい。私は違う部屋に行く。おやすみ」
言いたい事だけ言うと部屋から去っていった。
初めてあんなに喋ったのは聞いた、とつまらない事を思った。
じくじくと下腹部と、入れられた場所が痛かった。香油を塗っていたとしても、初めての時はとても痛いと聞いていた。でも、愛し合っているならそれさえも幸せだ、と教えて貰い、その瞬間をどれだけ待ちわびていたか。
女性にとって、生涯1度しかない大事な破瓜を、女性の気持ちを踏み潰して奪うなんて、最低だ。それがたとえ、一国の王子だとしても許されない。
それも国妃になるなんて、洒落にならない。
ふう、と残った涙をシーツで拭き真っ暗で見えない天井を見た。
ともかく、子供ができないのには安堵した。
まだ学生の身分で、それもそれも、王位継承者を産んだりなんかしたら、と考えるだけでも恐ろしいわ。確か正式な婚約発表は高等部を卒業してからだ。
「それなら、せめて卒業まではいらないわね。ううん、それならいっそ大学まで行って伸ばすのもいいかもね」
そんなふうに少しでも前向きに考えないと、この現実から逃げ出し、ずっと引きこもりになりそうだった。
物音がしたと思ったら、召使い達が静かに部屋に入ってきた。ボロボロの私に、とても優しく声をかけてくれた。
初めては驚きますし怖いですよね。でも、殿下はとてもトッリュー伯爵令嬢を想っております。心配いりませんよ。
口々にそ言いながら、淫らな私の姿を丁寧に扱い湯浴みをさせてくれた。
湯に入ると、ひりひりと痛みが走り、また、同じ言葉ばかりが浮かんだ。
どうして?
何故、私なの?
その言葉ばかり浮かび、こんなに胸が痛くなるんて17年間知らないくらい、苦しくて、辛くて、悲しかった。
流れていく湯を見ながら、私の気持など湯のように流されていくのだ、と体を洗われながら、
私の初夜は酷いものね、
と、寂しく思った。
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