バクオン エッセイ

ぽむぽむ

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あんたの奴隷

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あんたのどれい

歌詞の一部である。
私は自身の彫刻家であり、誰の奴隷にもならないつもりである。
そうなれと言われたら、きっと舌を噛んで死ねる。
いや。舌を噛むのは怖いから、川に飛び込んで死ぬ。
それが無理だったら。
考えてもしょうがないのでそうなったときに考えよう。


少し前。
ある人の音の更新が途絶えた。
この歌詞を書いた人物だ。
人生の半分以上彼の声を聴いてきた。
苦しいときも、嬉しいときも、ワクワクするときも、腹が立つときも。
頭の中を彼らの音でイッパイにした。
解散しても、また新たな音を聞かせてくれていたのに。

途絶えてしまった。

2度、ライブに行っただけ。
いうなら赤の他人。
実在することは知っていた。
顔を合わせるわけでもない。
知らなければ、この世界に今いないことなど、気にもならない。
知らないまま音を聴いて、映像をみて、そうやって過ごしていける。
そんな程度の繋がりしか無いのに。
だけど、何の接点も無い彼が居なくなって私はぽっかり心に穴が空いてしまったかのようになってしまった。
バカバカしくて、イライラした。
自分の中で折り合いがつけられず、ただ、彼が居なくなったという事実だけが頭の中で居座っていた。

もしかしたら、この思いは、崇拝というものなのかも知れない。
大丈夫だと。
お前らを愛していると。
ずっと肯定してもらっていた。

もっともっと、あいしてほしかった。
もっともっと、聞かせてほしかった。

もしかしたら、彼の奴隷になってしまっていたのだろうか。
心を支配されてしまっているのだろうか。
私は、己を作っているつもりで、彼の言葉のノミで作られていたのだろうか。

それなら奴隷のままでいい。
あなたの言葉で作られた奴隷なら、それがいい。
支配されたままでいい。

考える余地もなく、最初っから奴隷だったのか。

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