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異世界。
赤い契約。
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カチャ・・。
あの緑色のウラン弾が銃に込められた。
廻された弾は、銃口のから人間を狙うのだ・・。
昔、戦争でも使われたことのあるウラン弾は深刻な副作用を引き起こしてしまった。
恐ろしい核の兵器にも応用されていく。
「皆殺しって・・?貴方はこの人数を相手に戦う気なの??」
ここには、神力の使い手が3人、魔術騎士団長と副団長・・・そして団員。
アルベルディアのノア王子がいる。
私は、その人物に強い視線を向けた。
「このコンビクションタワーの内部にはね、シェンブルグ、ルーベリア、アルベルディア
の王城にあのウラン結晶を濃縮してセットされた爆弾が搭載してあるんだ。
アデルは、楽しそうに話してくれていたんだけど・・。
発射を見ることもなく、あっさりと殺されちゃった。
そのコントロールスィッチをあの女の闇の力が込められた魔法石結晶を再凝固して作り上げたんだ。
これで、兵器は私の意のままなんだ・・。
世界が恐怖で支配される、楽しみだねぇ、美月。あはははははっ。」
いつものお道化た口調で私に笑いかけるアレクシスが、赤い瞳を細めた。
「ウランが搭載って・・それ、まるで核兵器じゃない・・。」
ゴクリと喉を鳴らして瞳を揺らした私と、その言葉の意味をよく理解しているノアは
顔色を失って信じられない表情で彼を見た。
「エストラが、神の冒涜だって言っていた・・。人間が手にしてはいけない兵器なんだって?
蒸発してしまう・・。一瞬で人が消え去る兵器だってね??
闇の魔術を加えて、飛距離もセットしてあるから王族は瞬間的に死んでしまうよね。」
漆黒の騎士団服が似合う、黒い髪をふわりと掻き揚げて妖艶に微笑んだ。
クレイドルは真っ青な顔でアレクシスへと走り出す。
「アレクシス!!?お前・・。一体何があった??どうしてこんな事をするんだ!!!」
瓜二つの相貌を持ち、幼いころから共に育ったクレイドルのショックは計り知れないもの
だった。
瞳の色も瓜二つだったアメジストの瞳は、別色に輝く・・・。
何故・・。
さっきまで、赤紫の瞳だったのに。
「・・・・あの女と契約をした。私はあの女の22年前の呪いのせいで「孤独」を
強いられた。シェンブルグの王子の呪いは、私が一番強く出たのだ。」
「お前・・。だって、お前も心が読めたのか??同じ孤独を感じていたと言うのか??
予知だけでなく・・。」
クレイドルは、アレクシスの肩を掴もうと手を伸ばすと、バチッと強い紫色の光に阻まれる。
「予知??そんな能力など無かった・・・。
生まれた時から、そもそも私に魔力などなかったよ。
魔術の国に生まれた王子の私がな・・。
王子である、アルベルト、双子の兄であるお前にはあった魔力と心を読める特殊能力すら・・。
何も持ってなかったんだよ!!!」
バァン・・・!!!!
ウラン弾を込めた銃が放たれ、避けたクレイドルの髪を掠めた。
揺れる瞳でアレクシスを見るクレイドルと、その体を咄嗟に支えたアルベルトは驚きの
表情で見上げた。
「お前・・。クレイドルに何するんだ・・。力がないなんて・・。だってお前、魔術騎士団で
共に戦っていたじゃないか・・・。」
アルベルトは、青い瞳を激しく揺らしてアレクシスに怒鳴りつけた。
「あの女と、祖母のアデルと4歳の時に契約をした・・。闇の強い魔術が込められた
魔法石を渡された。枯渇したら、またあいつに頼んで入れてもらう・・。
あはははは・・・。私は、無力な王子だからいいように利用されたよ。
8年前に、現れたエストラと出会ってから少しだけ罪の意識も消えたけどな。
一人よりは二人で背負った方が楽だったのに・・。あいつも裏切った。」
苦しそうに、エミリアンは息子に向けて帯剣していた剣を抜いた。
「・・・・お前は、何を恐れていたんだ。
魔力などなくても、お前は私の大事な息子だ!!
他の誰かと比べる必要もない。それに、何故あんな女に騙されたのだ!!!
自分さえ良ければいい、身勝手な女だぞ・・。」
「だけど・・。父さんの母君だ・・。貴方が本来なら王だったはずなのに。
それを横から奪ったカイザル王が憎いんだよ!!!
黙ってそれを許した、情けない・・・あんたもな!!!!」
・・・パァァァン。
その銃弾をカイザルはエミリアンの前で手を翳して止めた。
そしてその玉をひと睨みで粉砕した。
パラパラ・・・。
アレクシスは、粉々に落ちていくその破片を信じられない目で見つめていた。
圧倒的なその力の差に、薄く笑った。
「・・・祝福の子か・・。血と力が王を決める国か・・。
そんな国にどうして僕は生まれてきたのかな・・。」
苦し気に、カイザルを見ると悲しそうに吐き捨てた。
「エミリアンは、父を殺すのを躊躇わなかった訳じゃない・・。
本当は誰よりも、お前の父が王に相応しかったのかもしれないな。
民の痛みをよく知っていた・・・。
あの国の民を救いたいと言ったんだよ。
エミリアンは、私よりも遥かにシェンブルグの民を愛した賢き名君だ・・・。」
その言葉に、後ろに立ちすくむエミリアンは痛みを堪えた表情を浮かべた。
目の前に立ち聳える、強大な力を誇る名君主が自分を褒めた・・・。
アメジストの瞳は揺れていた。
「だから何だ!!!・・・結局はお前が王となり、覚えめでたい国となった・・。
それが先の戦いの結果だろ??
こんな世界・・。血や力で全てが決まり、人間の序列さえもつけられる間違った世界など
私が壊すんだ・・!!!」
あの緑色のウラン弾が銃に込められた。
廻された弾は、銃口のから人間を狙うのだ・・。
昔、戦争でも使われたことのあるウラン弾は深刻な副作用を引き起こしてしまった。
恐ろしい核の兵器にも応用されていく。
「皆殺しって・・?貴方はこの人数を相手に戦う気なの??」
ここには、神力の使い手が3人、魔術騎士団長と副団長・・・そして団員。
アルベルディアのノア王子がいる。
私は、その人物に強い視線を向けた。
「このコンビクションタワーの内部にはね、シェンブルグ、ルーベリア、アルベルディア
の王城にあのウラン結晶を濃縮してセットされた爆弾が搭載してあるんだ。
アデルは、楽しそうに話してくれていたんだけど・・。
発射を見ることもなく、あっさりと殺されちゃった。
そのコントロールスィッチをあの女の闇の力が込められた魔法石結晶を再凝固して作り上げたんだ。
これで、兵器は私の意のままなんだ・・。
世界が恐怖で支配される、楽しみだねぇ、美月。あはははははっ。」
いつものお道化た口調で私に笑いかけるアレクシスが、赤い瞳を細めた。
「ウランが搭載って・・それ、まるで核兵器じゃない・・。」
ゴクリと喉を鳴らして瞳を揺らした私と、その言葉の意味をよく理解しているノアは
顔色を失って信じられない表情で彼を見た。
「エストラが、神の冒涜だって言っていた・・。人間が手にしてはいけない兵器なんだって?
蒸発してしまう・・。一瞬で人が消え去る兵器だってね??
闇の魔術を加えて、飛距離もセットしてあるから王族は瞬間的に死んでしまうよね。」
漆黒の騎士団服が似合う、黒い髪をふわりと掻き揚げて妖艶に微笑んだ。
クレイドルは真っ青な顔でアレクシスへと走り出す。
「アレクシス!!?お前・・。一体何があった??どうしてこんな事をするんだ!!!」
瓜二つの相貌を持ち、幼いころから共に育ったクレイドルのショックは計り知れないもの
だった。
瞳の色も瓜二つだったアメジストの瞳は、別色に輝く・・・。
何故・・。
さっきまで、赤紫の瞳だったのに。
「・・・・あの女と契約をした。私はあの女の22年前の呪いのせいで「孤独」を
強いられた。シェンブルグの王子の呪いは、私が一番強く出たのだ。」
「お前・・。だって、お前も心が読めたのか??同じ孤独を感じていたと言うのか??
予知だけでなく・・。」
クレイドルは、アレクシスの肩を掴もうと手を伸ばすと、バチッと強い紫色の光に阻まれる。
「予知??そんな能力など無かった・・・。
生まれた時から、そもそも私に魔力などなかったよ。
魔術の国に生まれた王子の私がな・・。
王子である、アルベルト、双子の兄であるお前にはあった魔力と心を読める特殊能力すら・・。
何も持ってなかったんだよ!!!」
バァン・・・!!!!
ウラン弾を込めた銃が放たれ、避けたクレイドルの髪を掠めた。
揺れる瞳でアレクシスを見るクレイドルと、その体を咄嗟に支えたアルベルトは驚きの
表情で見上げた。
「お前・・。クレイドルに何するんだ・・。力がないなんて・・。だってお前、魔術騎士団で
共に戦っていたじゃないか・・・。」
アルベルトは、青い瞳を激しく揺らしてアレクシスに怒鳴りつけた。
「あの女と、祖母のアデルと4歳の時に契約をした・・。闇の強い魔術が込められた
魔法石を渡された。枯渇したら、またあいつに頼んで入れてもらう・・。
あはははは・・・。私は、無力な王子だからいいように利用されたよ。
8年前に、現れたエストラと出会ってから少しだけ罪の意識も消えたけどな。
一人よりは二人で背負った方が楽だったのに・・。あいつも裏切った。」
苦しそうに、エミリアンは息子に向けて帯剣していた剣を抜いた。
「・・・・お前は、何を恐れていたんだ。
魔力などなくても、お前は私の大事な息子だ!!
他の誰かと比べる必要もない。それに、何故あんな女に騙されたのだ!!!
自分さえ良ければいい、身勝手な女だぞ・・。」
「だけど・・。父さんの母君だ・・。貴方が本来なら王だったはずなのに。
それを横から奪ったカイザル王が憎いんだよ!!!
黙ってそれを許した、情けない・・・あんたもな!!!!」
・・・パァァァン。
その銃弾をカイザルはエミリアンの前で手を翳して止めた。
そしてその玉をひと睨みで粉砕した。
パラパラ・・・。
アレクシスは、粉々に落ちていくその破片を信じられない目で見つめていた。
圧倒的なその力の差に、薄く笑った。
「・・・祝福の子か・・。血と力が王を決める国か・・。
そんな国にどうして僕は生まれてきたのかな・・。」
苦し気に、カイザルを見ると悲しそうに吐き捨てた。
「エミリアンは、父を殺すのを躊躇わなかった訳じゃない・・。
本当は誰よりも、お前の父が王に相応しかったのかもしれないな。
民の痛みをよく知っていた・・・。
あの国の民を救いたいと言ったんだよ。
エミリアンは、私よりも遥かにシェンブルグの民を愛した賢き名君だ・・・。」
その言葉に、後ろに立ちすくむエミリアンは痛みを堪えた表情を浮かべた。
目の前に立ち聳える、強大な力を誇る名君主が自分を褒めた・・・。
アメジストの瞳は揺れていた。
「だから何だ!!!・・・結局はお前が王となり、覚えめでたい国となった・・。
それが先の戦いの結果だろ??
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