公爵令嬢を虐げた自称ヒロインの末路

八代奏多

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7. 処遇

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 放課後、私は担任教授から呼び出されてしまった。

「アンセルさんは1週間の謹慎処分に決まりました。何か不満等あれば遠慮なく言ってください」

 どうやら私の機嫌を伺っているらしい。
 私のお父様は魔導省長官で学院に対しても発言力があるせいなのか、私に不満を抱かせたく無いらしい。

 こんなところで権力が影響するのは嫌だけれど、1つだけ不満があったから言葉にすることにした。

「なぜ脅迫をしていたセラフィに罰がないのか、気になりますわ」
「そちらについては、証拠が集まり次第処分が下る予定です。ですが、最悪の場合でも1週間の停学でしょう。
 怪我人が出たわけではありませんから」

 そう付け加える教授。
 それを聞いて、私はこう返した。

「分かりましたわ。話はこれだけですか?」
「はい。引き止めてしまってすみませんでした」

 この後は簡単な挨拶を交わして、私は学院の正面にある馬車寄せへと向かった。



「お帰りなさいませ、お嬢様。殿下が応接室にお目見えになっております」

 屋敷に戻ると出迎えの侍女達にそんなことを言われた。

「分かったわ」

 元々、今日は殿下が我が家に来る予定の日だったから、驚くこともなく荷物を侍女に預けて応接室へと向かった。

「アルバート様、遅くなってしまって申し訳ないですわ」
「気にしなくていいよ。災難だったのは知っているからね
 そんなに畏まらないで、楽にしていいよ」

 殿下と私は同い年で、その上クラスも同じ上級クラス。私が学院でどんな目に遭っているのか、知らないはずがなかった。

「ありがとうございます」

 お礼を言って、少し姿勢を崩す私。

「出来ればずっと側にいたいんだけど、まだ表向きはレシアは婚約者候補だから……」
「ええ、分かっていますわ」

 ほとんど婚約者みたいなものなのだけど、婚約者を決める期間はあと半月もある。
 その間、殿下はどの令嬢とも親密にしてはいけないことになっている。

 それは婚約者候補達の間で余計な争いを生まないようにするためにそうなっているらしい。
 ちなみに、婚約自体はつい先日結んだばかりで、こうして2人きりで話したのも数えるほどしかない。今だって部屋の扉を開けていて、侍女が外で様子を窺っている。

「今度は馬車に火を放ったりしてきそうだね。これはあくまでも予想だけど、彼女はレシアに火傷させることが目的なんだと思う」
「そういうことですのね……」

 攻撃された時も顔を狙われていて、ようやくその理由が分かった。

「流石に火傷は嫌なので、もう動きますわ」
「分かった。そういうことなら、こちらも動くことにしよう」

 そんな言葉を交わす私達。
 セラフィを追い詰めると決めて、早速行動に移すことになった。
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