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第二十四章 機能家族
第506話 資産家
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テオが乗ってきたプライベートジェット機は、同乗者を一人増やし帰りの空を飛んでいた。
その一人とは、テオの向かいの席に座る徐福である。
「お前、どんな脅し文句を言ったんダ」
「脅してなんかないよっ!」
機内はジェット機の中とは思えないほど贅沢な作りだった。中央には革張りのソファにウォールナットで作られた木製テーブル、天井はガラス張りで空が見え、壁には大きなテレビが備え付けられている。機内の奥にはキングベットも置いてあるらしい。
徐福にとっては非現実的すぎる空間。場違いすぎて、夢の中なのではと錯覚するほどだ。
「オレはね~。ジョーさんは学校はどこ通っているの~? って聞いただけっ! オレそこに入学したいっ! って」
「学校……」
学校など、徐福は通った事がない。貧しい家では子供も貴重な労働力だ。学ぶ暇があれば畑を耕す。それが常識で、日常。
世間では普通とされる事とズレている、と何となく気付いてはいたが、特に夢も希望も持たない徐福はそこから脱却するような気力も湧かず、ただ波風を立てないように過ごすだけだった。
「そしたら口篭っちゃってさぁ! 通信教育しているならパソコンあるよね? アドレス知りたいな~? って質問にも答えてくれなくてっ!」
テオはソファの上で足をばたつかせて不機嫌を露わにしている。
突然現れて質問攻めにして、よく殴られなかったなと徐福は思ったが、そういえばプライベートジェット機からはテオだけでなく黒服の使用人も降りてきて、遠巻きにテオを見守っていた事を思い出し、「あれが抑止力になったのカ……」と一人納得した。
「学校に行かせていないだなんて、そんな事ないよね~? 違法だものね~。犯罪者になっちゃうもんね~。って言った後で、ジョーさんを家庭教師としてホームステイさせたいんだ! ってお願いしたら聞いてくれたよ!」
「人はそれを脅迫と呼ブ」
「そんな事ないもんっ! ちゃんと家庭教師代前払いしたもんっ! これでジョーさんはオレの先生で友達でルームメイトなのっ!」
「それ、人身売買に抵触している気がするんだガ?」
知らぬ間に金銭取引が発生していた事を知り、徐福は片手で顔を覆って脱力する。
幾ら払ったか知らないが、徐福を送り出すのをゴネなかった事を考えると、10年は贅沢できる金額ではないだろうか。こうなれば徐福は労働力から穀潰しへ変換され、万が一にも降って湧いてきた金銭の返金を要求されないよう、帰ってこない事を望まれるに違いない。徐福は長男ではないので、跡取りを気にする必要もない所も大きい。
実質、退路と実家を失ったなと、溜め息を吐く徐福。尤も売られた事実に対し寂しさや悲しみなど、これっぽっちも抱いていない。ただ、これから生活環境が変わる事を思うと、早くも疲労感が押し寄せてくるのだ。高級ホテルと見紛う機内にいるだけでも疲れるというのに。
「一応言っておくガ……。アタシは家庭教師など引き受けないからナ? そもそもアタシにお前に何か教えられるような学などなイ」
「ジョーさんの仕事はオレと遊ぶ事だよっ! そうすれば情操教育になるって! お父さんとお母さんが言ってた!」
「情操……」
「それでね、それでね! お給料はこのぐらいで~。あ、あとジョーさんが使う部屋は、このゲストルームがいいかなって思うんだけど、他にも部屋はあるから好きな所を選んでねっ! 別荘もあるよっ!」
テオははしゃいだ様子でテーブルの上にホログラム画面を投影し、徐福に支給する給料という名のお小遣いの金額を提示したり、いつだか捨てられた雑誌に載っていたような、高級ホテルのスイートルームにしか見えない部屋の数々を表示し、徐福を盛大にドン引きさせた。
「学校の候補はこれね~。留学生の支援が充実しているところピックアップしてみたよ! あっ、通うのが嫌だったら通信教育でもいいから! スイスの学校が嫌なら中国の学校に遠隔通学もありだよ! うちの卵型機器を使えば大抵の学校に行けるからさ~」
「お前……。いや、もういイ……」
いちいち突っ込むのも疲れてしまった徐福は、全てを投げ出し流れるまま生きる事に決める。
「アタシに飽きても身一つで捨てさえしなければ、もう何でもいいヨ……」
「捨てる!? 友達を!? なんでなんでっ!?」
そうして徐福の今後の暮らしについて話しているうちに、プライベートジェット機は無事にテオの家へ到着し、敷地内にある離着陸場へ危なげなく着地したのだった。
◇
「ここは宮殿カ?」
「オレの家だよ?」
テオの家――それは「家」と呼ぶにはあまりに大きく、まるで王侯貴族が住む宮殿のようだった。
敷地の外周は高い石垣と鋳鉄の門で囲まれ、門を抜けると石畳の並木道がまっすぐ屋敷へと続いている。その両脇には噴水が配され、真ん中で水が陽光を浴びて虹を作っていた。
庭園はまるで絵画の一枚。整然と刈り込まれた生垣と季節ごとに植え替えられた花壇が広がり、赤や紫の花々が鮮やかに咲き乱れている。中央の大温室はすべてガラス張り。テオ曰く夜になると灯りが内側から透け、宙に浮かぶ宝石のように輝くらしい。
遠くには人工の池があり、白鳥や鯉が悠然と泳いでいる。池にかかるアーチ状の橋は彫刻を施された白い大理石製で、観光地の名所と見まごう美しさだ。
肝心の屋敷は3階建ての石造りで、外壁は淡いクリーム色、屋根は深緑の瓦が葺かれている。正面玄関には大理石の柱が並び、2階にはテラスが張り出し、そこから庭全体を見渡せる。
見上げるほどの大窓には金の縁取りが施され、夜になればシャンデリアの光が燦然と零れ出すだろう。
徐福の足元に広がるのはただの芝生ではない。ふかふかに整備された緑の絨毯だ。土の上で裸足を汚してきた彼にとって、それは歩くのさえためらうほど眩しく贅沢な景色だった。
それらを見た徐福が抱いた感想は、ただ一つ。
「……憂鬱ダ」
「えっ!? なんでなんで!?」
その一人とは、テオの向かいの席に座る徐福である。
「お前、どんな脅し文句を言ったんダ」
「脅してなんかないよっ!」
機内はジェット機の中とは思えないほど贅沢な作りだった。中央には革張りのソファにウォールナットで作られた木製テーブル、天井はガラス張りで空が見え、壁には大きなテレビが備え付けられている。機内の奥にはキングベットも置いてあるらしい。
徐福にとっては非現実的すぎる空間。場違いすぎて、夢の中なのではと錯覚するほどだ。
「オレはね~。ジョーさんは学校はどこ通っているの~? って聞いただけっ! オレそこに入学したいっ! って」
「学校……」
学校など、徐福は通った事がない。貧しい家では子供も貴重な労働力だ。学ぶ暇があれば畑を耕す。それが常識で、日常。
世間では普通とされる事とズレている、と何となく気付いてはいたが、特に夢も希望も持たない徐福はそこから脱却するような気力も湧かず、ただ波風を立てないように過ごすだけだった。
「そしたら口篭っちゃってさぁ! 通信教育しているならパソコンあるよね? アドレス知りたいな~? って質問にも答えてくれなくてっ!」
テオはソファの上で足をばたつかせて不機嫌を露わにしている。
突然現れて質問攻めにして、よく殴られなかったなと徐福は思ったが、そういえばプライベートジェット機からはテオだけでなく黒服の使用人も降りてきて、遠巻きにテオを見守っていた事を思い出し、「あれが抑止力になったのカ……」と一人納得した。
「学校に行かせていないだなんて、そんな事ないよね~? 違法だものね~。犯罪者になっちゃうもんね~。って言った後で、ジョーさんを家庭教師としてホームステイさせたいんだ! ってお願いしたら聞いてくれたよ!」
「人はそれを脅迫と呼ブ」
「そんな事ないもんっ! ちゃんと家庭教師代前払いしたもんっ! これでジョーさんはオレの先生で友達でルームメイトなのっ!」
「それ、人身売買に抵触している気がするんだガ?」
知らぬ間に金銭取引が発生していた事を知り、徐福は片手で顔を覆って脱力する。
幾ら払ったか知らないが、徐福を送り出すのをゴネなかった事を考えると、10年は贅沢できる金額ではないだろうか。こうなれば徐福は労働力から穀潰しへ変換され、万が一にも降って湧いてきた金銭の返金を要求されないよう、帰ってこない事を望まれるに違いない。徐福は長男ではないので、跡取りを気にする必要もない所も大きい。
実質、退路と実家を失ったなと、溜め息を吐く徐福。尤も売られた事実に対し寂しさや悲しみなど、これっぽっちも抱いていない。ただ、これから生活環境が変わる事を思うと、早くも疲労感が押し寄せてくるのだ。高級ホテルと見紛う機内にいるだけでも疲れるというのに。
「一応言っておくガ……。アタシは家庭教師など引き受けないからナ? そもそもアタシにお前に何か教えられるような学などなイ」
「ジョーさんの仕事はオレと遊ぶ事だよっ! そうすれば情操教育になるって! お父さんとお母さんが言ってた!」
「情操……」
「それでね、それでね! お給料はこのぐらいで~。あ、あとジョーさんが使う部屋は、このゲストルームがいいかなって思うんだけど、他にも部屋はあるから好きな所を選んでねっ! 別荘もあるよっ!」
テオははしゃいだ様子でテーブルの上にホログラム画面を投影し、徐福に支給する給料という名のお小遣いの金額を提示したり、いつだか捨てられた雑誌に載っていたような、高級ホテルのスイートルームにしか見えない部屋の数々を表示し、徐福を盛大にドン引きさせた。
「学校の候補はこれね~。留学生の支援が充実しているところピックアップしてみたよ! あっ、通うのが嫌だったら通信教育でもいいから! スイスの学校が嫌なら中国の学校に遠隔通学もありだよ! うちの卵型機器を使えば大抵の学校に行けるからさ~」
「お前……。いや、もういイ……」
いちいち突っ込むのも疲れてしまった徐福は、全てを投げ出し流れるまま生きる事に決める。
「アタシに飽きても身一つで捨てさえしなければ、もう何でもいいヨ……」
「捨てる!? 友達を!? なんでなんでっ!?」
そうして徐福の今後の暮らしについて話しているうちに、プライベートジェット機は無事にテオの家へ到着し、敷地内にある離着陸場へ危なげなく着地したのだった。
◇
「ここは宮殿カ?」
「オレの家だよ?」
テオの家――それは「家」と呼ぶにはあまりに大きく、まるで王侯貴族が住む宮殿のようだった。
敷地の外周は高い石垣と鋳鉄の門で囲まれ、門を抜けると石畳の並木道がまっすぐ屋敷へと続いている。その両脇には噴水が配され、真ん中で水が陽光を浴びて虹を作っていた。
庭園はまるで絵画の一枚。整然と刈り込まれた生垣と季節ごとに植え替えられた花壇が広がり、赤や紫の花々が鮮やかに咲き乱れている。中央の大温室はすべてガラス張り。テオ曰く夜になると灯りが内側から透け、宙に浮かぶ宝石のように輝くらしい。
遠くには人工の池があり、白鳥や鯉が悠然と泳いでいる。池にかかるアーチ状の橋は彫刻を施された白い大理石製で、観光地の名所と見まごう美しさだ。
肝心の屋敷は3階建ての石造りで、外壁は淡いクリーム色、屋根は深緑の瓦が葺かれている。正面玄関には大理石の柱が並び、2階にはテラスが張り出し、そこから庭全体を見渡せる。
見上げるほどの大窓には金の縁取りが施され、夜になればシャンデリアの光が燦然と零れ出すだろう。
徐福の足元に広がるのはただの芝生ではない。ふかふかに整備された緑の絨毯だ。土の上で裸足を汚してきた彼にとって、それは歩くのさえためらうほど眩しく贅沢な景色だった。
それらを見た徐福が抱いた感想は、ただ一つ。
「……憂鬱ダ」
「えっ!? なんでなんで!?」
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