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4.婚約解消の条件
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国王陛下から、エドモンドが浮気をするか、もしくは心変わりしていたなら、婚約解消を認め、王太子を廃嫡するという言質をいただいた。
すぐ、帝国へ帰ろうと思ったが、久しぶりの我が家。故郷の風に当たっていたいという希望から、逗留することにした。
侍女やハロイド様には、申し訳ないけど、あと2年半は、この地を踏まないつもりでいたから。
その間に、王太子の婚約者としてのパーティもこなした。相変わらず、バカ王太子加減は突き抜けていたが、ファーストダンスを一緒に踊ったら、機嫌が良くなった。
「アマリア嬢、そなたとは、学園で一度も会わぬが、なぜだ?」
「殿下の気のせいですよ。」
「そうか、ならいいが、今度見かけたら、声をかけてくれ。たまには、そなたと語り合いたい。」
へー、珍しいことを言うこともあるんだな。と思った。
その後のパーティでは、また、いつものように無視され避けられた。
この人の頭の中は、どうなっているの?と思ったが、いつものことなので、気にしないでいた。
久しぶりに、街へ買い物に出かけた時、たまたま侍女3人が試着室に入っているときに、ハロイド様と二人きりになり、少しドキドキした。
サラシア様によく似た緑色の瞳で見つめられると、格好いいな~と惚れ惚れしていたら、馬車が突っ込んできた。とっさにハロイド様に腕を引かれ、転倒こそしなかったもののハロイド様に抱きかかえられる様な形になってしまった。
ハロイド様もアマリアも顔を真っ赤にしてしまった。そこを試着から戻ってきた侍女3人に見られ、「なに?な~に?」と冷やかされた。
その後もお茶会やらパーティやらの予定をこなし、隣国へ旅立つ日が近づいた。
また、あのバカ王太子が難癖をつけてきた。
先日、行った街でのショッピングの最中、突然、馬車に突っ込まれたときのことをどこかで聞いたらしく、あの男は誰だ?男を引っ張り込む性悪女だとか、そのあともいろいろ悪口三昧を言われ、釈明しに王宮へ来い。と言われた。
ハロイド様は、「無礼にもほどがある。」と怒っていらっしゃいましたが、相手は、この国の王太子、どうしようかと思っていたら、パパが、ハロイド様のことを当家の執事で、あの時は、馬車が突っ込んできた不測の事態に対処したまでのことと釈明してくださり、事なきを得た。
国王陛下が「無事でよかった。」とおっしゃってくださったからなのだけどね。
もうそれ以上、釈明しろ、とかなんとか言われずに済んだ。
まったく勝手に一目惚れして、その後、ほったらかしで、やきもちだけ一人前以上に焼く、とんでもなくバカ王太子に、ほとほと呆れるわ。
こんなことなら、さっさと帰ろう。荷物をまとめた。
それから瞬く間に、2年の月日が流れた。アマリアは学園で3年生になった。
今年の夏休みも帰れない。まだだ。もう少し辛抱しなければ、リリカ嬢がうまい具合にエドモンドを引っ掛けてもらわなければ、婚約解消できない。
王国の学園の様子は、さっぱりわからない。ただ、最近は、あれほどしつこかったエドモンドからのラブレターも途絶えている。
リリカ嬢がうまく立ち回っているのかしら。リリカ嬢は魅了の魔法を使っているらしい。と1年前、王都の学園にいた人から、連絡があった。連絡は、それきりでその後のことは皆目見当がつかない。きっと、その人も魅了されたのかしらね。
アマリアは、聖女としての仕事を学園内の教会で拝む以外は、特にしていないが、最近、聖魔法の威力が上がったような気がする。毎日、教会で祈りを捧げる日を送っているだけで、聖女としてのスキルが上がってきた。
「継続は力なり。」とは、よく言ったものね。
今なら、リリカ様の魅了も解けるかもしれない。
魅了魔法は、それを使っただけで、獄門台に送られるという禁忌魔法である。
いくら、王太子妃になりたいからって、そこまで危険を冒すとは、普通は考えられない。普通は。でも男爵の庶子だったリリカ様なら、やりかねない。つい最近まで、平民として育ってきたリリカ様なら、危険を危険とも思わないかもしれない。
少し魔法の勉強をしたほうがいいかもしれない。
もう少し、魔力を増やしといたほうが、あの卒園パーティで打ち勝たなければ、今までの苦労が水の泡となる。
学園長室に向かった。
「聖女アマリア様、真でございますか?やっと本気を出してくださいましたね。」
「そのお言葉を今か今かと待ち望んでおりました。」
「明日から、優秀な教員を付けます。しっかり励んでくださいませ。」
こうして、魔法の特訓が行われることになった。
すぐ、帝国へ帰ろうと思ったが、久しぶりの我が家。故郷の風に当たっていたいという希望から、逗留することにした。
侍女やハロイド様には、申し訳ないけど、あと2年半は、この地を踏まないつもりでいたから。
その間に、王太子の婚約者としてのパーティもこなした。相変わらず、バカ王太子加減は突き抜けていたが、ファーストダンスを一緒に踊ったら、機嫌が良くなった。
「アマリア嬢、そなたとは、学園で一度も会わぬが、なぜだ?」
「殿下の気のせいですよ。」
「そうか、ならいいが、今度見かけたら、声をかけてくれ。たまには、そなたと語り合いたい。」
へー、珍しいことを言うこともあるんだな。と思った。
その後のパーティでは、また、いつものように無視され避けられた。
この人の頭の中は、どうなっているの?と思ったが、いつものことなので、気にしないでいた。
久しぶりに、街へ買い物に出かけた時、たまたま侍女3人が試着室に入っているときに、ハロイド様と二人きりになり、少しドキドキした。
サラシア様によく似た緑色の瞳で見つめられると、格好いいな~と惚れ惚れしていたら、馬車が突っ込んできた。とっさにハロイド様に腕を引かれ、転倒こそしなかったもののハロイド様に抱きかかえられる様な形になってしまった。
ハロイド様もアマリアも顔を真っ赤にしてしまった。そこを試着から戻ってきた侍女3人に見られ、「なに?な~に?」と冷やかされた。
その後もお茶会やらパーティやらの予定をこなし、隣国へ旅立つ日が近づいた。
また、あのバカ王太子が難癖をつけてきた。
先日、行った街でのショッピングの最中、突然、馬車に突っ込まれたときのことをどこかで聞いたらしく、あの男は誰だ?男を引っ張り込む性悪女だとか、そのあともいろいろ悪口三昧を言われ、釈明しに王宮へ来い。と言われた。
ハロイド様は、「無礼にもほどがある。」と怒っていらっしゃいましたが、相手は、この国の王太子、どうしようかと思っていたら、パパが、ハロイド様のことを当家の執事で、あの時は、馬車が突っ込んできた不測の事態に対処したまでのことと釈明してくださり、事なきを得た。
国王陛下が「無事でよかった。」とおっしゃってくださったからなのだけどね。
もうそれ以上、釈明しろ、とかなんとか言われずに済んだ。
まったく勝手に一目惚れして、その後、ほったらかしで、やきもちだけ一人前以上に焼く、とんでもなくバカ王太子に、ほとほと呆れるわ。
こんなことなら、さっさと帰ろう。荷物をまとめた。
それから瞬く間に、2年の月日が流れた。アマリアは学園で3年生になった。
今年の夏休みも帰れない。まだだ。もう少し辛抱しなければ、リリカ嬢がうまい具合にエドモンドを引っ掛けてもらわなければ、婚約解消できない。
王国の学園の様子は、さっぱりわからない。ただ、最近は、あれほどしつこかったエドモンドからのラブレターも途絶えている。
リリカ嬢がうまく立ち回っているのかしら。リリカ嬢は魅了の魔法を使っているらしい。と1年前、王都の学園にいた人から、連絡があった。連絡は、それきりでその後のことは皆目見当がつかない。きっと、その人も魅了されたのかしらね。
アマリアは、聖女としての仕事を学園内の教会で拝む以外は、特にしていないが、最近、聖魔法の威力が上がったような気がする。毎日、教会で祈りを捧げる日を送っているだけで、聖女としてのスキルが上がってきた。
「継続は力なり。」とは、よく言ったものね。
今なら、リリカ様の魅了も解けるかもしれない。
魅了魔法は、それを使っただけで、獄門台に送られるという禁忌魔法である。
いくら、王太子妃になりたいからって、そこまで危険を冒すとは、普通は考えられない。普通は。でも男爵の庶子だったリリカ様なら、やりかねない。つい最近まで、平民として育ってきたリリカ様なら、危険を危険とも思わないかもしれない。
少し魔法の勉強をしたほうがいいかもしれない。
もう少し、魔力を増やしといたほうが、あの卒園パーティで打ち勝たなければ、今までの苦労が水の泡となる。
学園長室に向かった。
「聖女アマリア様、真でございますか?やっと本気を出してくださいましたね。」
「そのお言葉を今か今かと待ち望んでおりました。」
「明日から、優秀な教員を付けます。しっかり励んでくださいませ。」
こうして、魔法の特訓が行われることになった。
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