夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀

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 その日をきっかけに、マクシミリアン殿下との距離が縮まっていく。

 アンドリューとは、おかげで疎遠になり、あまり絡まれなくなったので安心していたら、気が付かない間に、アンドリューの周りには、結構な人数の取り巻き令嬢が親衛隊として、侍っていた。

 ああ、いいんじゃない?アンドリューは前世でも、平民女を聖女様として崇め、侍らしていたのだから。

 どの令嬢をお手付きにしようとも、前世のリリアーヌより、はるかにマシのはず。

 よかったわね。元・妻としてお祝いしてあげる。

 マクシミリアンは、というと、元々大勢の令嬢を侍らかしていたから、あまり変化はないみたい。

 だけど、あの一件以来、ティアラベルに対する令嬢たちの目つきが険悪になり始めたことも確か。

 ある日の朝のこと、登校して、教室に入ろうとしたら、ちょうど靴紐がほどけて結びなおししていたら、後から来た生徒さんが、先に入られることになってしまった。

 その生徒さんは、教室に入るなり、ずぶ濡れになられた。

 その時は、たまたまかと思っていたのだけど、その次の日は、机の中に生ゴミが入れられていたことがあった。そして、次の日には、ティアラベルローゼの机の上に赤ペンキで、偽聖女!と書かれていた。

 いくらティアラベルローゼが鈍感でも、これはさすがに、放っておけない。それでロバートが学園長に話してくれて、事態は公になり、マクシミリアンの耳に入り、王家が正式に対処することを約束してくれたのだ。

 実は、エレモアは、ロバートとの子をオメデタ中で、大事をとって、産休に入ってもらっている。

 それで女子トイレと着替え以外のところなら、どこでもロバートが付ききりで世話を焼いてくれている。

 イジメの首謀者はすぐにわかる。

 公爵令嬢のキャサリン・ミクロン。マクシミリアンの自称・婚約者だと言っているようなアタマの緩い娘。素行も悪く、いわゆるスケバンのような存在らしい。もちろんマクシミリアンに決まった婚約者はいない。だから自分こそがマクシミリアンの相手として、相応しいと勘違いしているらしい。

 他に侯爵令嬢と伯爵令嬢もいるが、ほとんど実行犯がキャサリン一人の仕業だということが分かった。
 この娘たちは、クリストファー殿下の婚約破棄騒動を知らないから、卒業式に参加していなかったから、この学園に監視魔法が施されていることを知らない。だから、あっさり犯人がバレるということがわからなかったみたい。

ミクロン公爵家も、実のところ、手を焼いている。小さいときからわがまま放題で育ってきて、誰も注意ができない。一言でもお小言を言おうものなら、噛みつくわ。暴れるわで、手を焼いている。

 マクシミリアンも、いろんな女性を侍らかしている割には、女性に対して一途ならしく、まだ誰もマクシミリアンと夜を共にしたことがないという。

 そんなマクシミリアンでさえ、キャサリン嬢のことを「あのオンナだけは、あり得ない」と断じているから、よほどのワガママ娘なのだろうと想像がつく。

 イジメ事件があってから、ますますマクシミリアン殿下との距離が……!もう、完全にマクシミリアンにロックオンされてしまった。まあ、仕方ないけど。

 でも、王子様と言うのも、大変よね。好きでもないオンナと無理やり結婚させられ、相手は玉の輿狙いだから、そう簡単に諦めてくれない。だから、前世、浮気されたティアラベルローゼにも多少、悪いところがあったのかもしれないと、今更ながらに考えに耽る。

 いや、あれは、やっぱりどう考えても、アンドリューが悪いわ。前世のティアラベルローゼは、あの男に置き去りにされたのだから。

 それにティアラベルローゼは、玉の輿狙いではない。アプリコットより大きな国から嫁いできたのだから。

 下校時、いつもの調子でマクシミリアンが花束を抱えてやってきた。
 
 「また、花?」と思いつつも、今回のいじめ事件を解決してくれたから、笑顔で挨拶する。

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