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26タンポポ
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次の寄港先タンポポは、ちょうどお昼時、下船して、ここでランチタイムにすることにする。
港の傍には、屋台が立ち並び、焼きそば、お好み焼きなどの粉モンが多い。
火を通して、食べるものなので、食中毒の心配はいらない。
お父様は、お祭りのお小遣いの残り銭と一人当たり、銀貨1枚を支給する。
「この前のカーニバルの残り銭は、そのまま持っていてもいい。プラス銀貨1枚を支給するので、これで食べられるものを食べてきなさい。」
「旦那様、ありがとうございます。」
銀貨1枚は、ジェシード家にももたらされる。
「ええ!旦那さん、いいんですかい?あっしらにももらっちゃって。」
「サイジアで、儲け話を教えてくれた礼さ。」
執事が銀貨3枚をマルコスに渡す。
「毎度、ありぃ~!って、違うか?てへへ。」
本当にマルコスは、調子がいいだけの男。でも、ヤーパン国の商人をしていただけのことはあり、人懐っこく敵を作らず、儲け話を拾ってくる。
タンポポでは、ジェシード家の3人は仲良く、下船し、ご隠居さんも温泉宿の若嫁を虐めていたとは思えないほど、温和だ。
息子の嫁と甥の嫁では、違うということか。
スカイダウン家も下船し、何を食べようかと相談する。
カーニバルの時と同じように6人単位のグループで行動する。
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
その頃、ヤーパン国の第2王子以下、王子連中は、カーニバルの後、王都のはずれで、まとまった人数がたむろしていたが、やがて、どこかに消え去ったという情報をもってきた。
カーニバルの時、王都の宿をしらみつぶしにして、若い娘だけを集め、水晶玉判定をしたが、全員ハズレであったから、その情報に色めき立つ。
「聖女様はまだ、国内にいられるかどうかも、不明だが、そこから行ける街すべてに遣いを出し、情報収集を図るのだ。早くいたせ!」
王太子も自分が廃嫡される可能性が出てきたことに、焦る。さりとて、美人妻を手放すには、あまりにも惜しい。
廃嫡されず、美人妻を手放さなくてもよい方法は、一つだけある。
聖女様を誰にも分らないように始末すること。
そのために王太子は動いた。王太子直奥の暗殺部隊を作り、他の王子が聖女様を見つけ出す前に、闇から闇へと仕留めるつもりでいる。
そして、聖女様など最初からいなかったというデマを流し、この話を終わりとするつもりでいる。
王太子の暗殺部隊は、人目を避け、なるべく夜に行動をする。黒装束を身にまとい、闇夜に紛れ、馬も黒い馬ばかりを選んで走らせる。
そして、1日経たずに、聖女様らしき一行は、海へ向かったことがわかる。
「海と言うのは、好都合ではないか?」
聖女様とそのお供を皆殺しにしてしまい、海に流す。だれもいない海岸線では、叫び声も聞こえない。
街道沿いを海に向かって、まっしぐらに走らせるも、そこには聖女様の姿はない。
次の集落まで、馬を走らせることには、朝日が上っていたのだ。早朝に黒集団は目立つが、着替えをしている時間がもったいない。
少なくとも、聖女様の情報を収集しなければ、ここへ立ち寄ったのか?それとも、次の集落に向かわれたのかさえも、わからない。
波止場に停留急いている、渡し船の船長に話を聞くことができら。
少し、金を渡せば、ペラペラとなんでも喋ってくれる。
「聖女様?えーと、一週間ぐらい前だったっペか?海の化け物トリトンが出て、あやうく転覆しかけたところを聖女様が船主に立ち、祈りを捧げてくださったのさ。……へ?聖女様の行方?モルマ島の商人、ジェシードが詳しく聞いてみたいだけどさ、オイラには、わかんねぇ。」
「モルマ島へは、ここから渡し船が出ているのか?」
「ああ、8時に一便が出る。」
暗殺部隊は、金貨の入った袋を船頭に見せ、今すぐ出航するように命じる。
港の傍には、屋台が立ち並び、焼きそば、お好み焼きなどの粉モンが多い。
火を通して、食べるものなので、食中毒の心配はいらない。
お父様は、お祭りのお小遣いの残り銭と一人当たり、銀貨1枚を支給する。
「この前のカーニバルの残り銭は、そのまま持っていてもいい。プラス銀貨1枚を支給するので、これで食べられるものを食べてきなさい。」
「旦那様、ありがとうございます。」
銀貨1枚は、ジェシード家にももたらされる。
「ええ!旦那さん、いいんですかい?あっしらにももらっちゃって。」
「サイジアで、儲け話を教えてくれた礼さ。」
執事が銀貨3枚をマルコスに渡す。
「毎度、ありぃ~!って、違うか?てへへ。」
本当にマルコスは、調子がいいだけの男。でも、ヤーパン国の商人をしていただけのことはあり、人懐っこく敵を作らず、儲け話を拾ってくる。
タンポポでは、ジェシード家の3人は仲良く、下船し、ご隠居さんも温泉宿の若嫁を虐めていたとは思えないほど、温和だ。
息子の嫁と甥の嫁では、違うということか。
スカイダウン家も下船し、何を食べようかと相談する。
カーニバルの時と同じように6人単位のグループで行動する。
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
その頃、ヤーパン国の第2王子以下、王子連中は、カーニバルの後、王都のはずれで、まとまった人数がたむろしていたが、やがて、どこかに消え去ったという情報をもってきた。
カーニバルの時、王都の宿をしらみつぶしにして、若い娘だけを集め、水晶玉判定をしたが、全員ハズレであったから、その情報に色めき立つ。
「聖女様はまだ、国内にいられるかどうかも、不明だが、そこから行ける街すべてに遣いを出し、情報収集を図るのだ。早くいたせ!」
王太子も自分が廃嫡される可能性が出てきたことに、焦る。さりとて、美人妻を手放すには、あまりにも惜しい。
廃嫡されず、美人妻を手放さなくてもよい方法は、一つだけある。
聖女様を誰にも分らないように始末すること。
そのために王太子は動いた。王太子直奥の暗殺部隊を作り、他の王子が聖女様を見つけ出す前に、闇から闇へと仕留めるつもりでいる。
そして、聖女様など最初からいなかったというデマを流し、この話を終わりとするつもりでいる。
王太子の暗殺部隊は、人目を避け、なるべく夜に行動をする。黒装束を身にまとい、闇夜に紛れ、馬も黒い馬ばかりを選んで走らせる。
そして、1日経たずに、聖女様らしき一行は、海へ向かったことがわかる。
「海と言うのは、好都合ではないか?」
聖女様とそのお供を皆殺しにしてしまい、海に流す。だれもいない海岸線では、叫び声も聞こえない。
街道沿いを海に向かって、まっしぐらに走らせるも、そこには聖女様の姿はない。
次の集落まで、馬を走らせることには、朝日が上っていたのだ。早朝に黒集団は目立つが、着替えをしている時間がもったいない。
少なくとも、聖女様の情報を収集しなければ、ここへ立ち寄ったのか?それとも、次の集落に向かわれたのかさえも、わからない。
波止場に停留急いている、渡し船の船長に話を聞くことができら。
少し、金を渡せば、ペラペラとなんでも喋ってくれる。
「聖女様?えーと、一週間ぐらい前だったっペか?海の化け物トリトンが出て、あやうく転覆しかけたところを聖女様が船主に立ち、祈りを捧げてくださったのさ。……へ?聖女様の行方?モルマ島の商人、ジェシードが詳しく聞いてみたいだけどさ、オイラには、わかんねぇ。」
「モルマ島へは、ここから渡し船が出ているのか?」
「ああ、8時に一便が出る。」
暗殺部隊は、金貨の入った袋を船頭に見せ、今すぐ出航するように命じる。
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