25 / 80
25サイジア
しおりを挟む
温泉に一泊して、次の日はもう出立する。
宿屋の御隠居さんを連れて、ご隠居さんの甥夫婦とともに、船に乗り込むつもりでいる。
この世界にパスポートはない。
どこかほかの国に、入国するとき、主にその国の王都に入国するときだけ、入国税を取るところもあるが、ヤーパン国では支払いを求められなかった。
入国税を支払うのが面倒な商人や冒険者は、それぞれのギルドに所属すると、ギルド証を提示するだけで、入国税が減免される。
アンダルシア辺境領から、ジャングルのある国は、クランベール国であるが、ジャングルなので、入国税はいらない。
今のところ、一度も支払っていない入国税というところ。
ご隠居さんと甥夫婦の入国税は、いったんオリヴィアたちが立て替え払いして、後から請求する方法にすることにした。
今後支払わなければならない可能性のある入国税について、きちんと取り決めをする。
入るときに足らないとか、人数をごまかしているなどと言いがかりをつけられないための予防策である。
一応、聖女様と謳われているオリヴィアに傷がつかないように、との配慮である。
ヤーパン国で拾った3人は、ジェシードと呼ぶようにした。マルコス・ジェシードが最初に船で会った男の名前だから。
ご隠居さんをジェシードの御隠居さんと呼べば、よくわかる。
マルコスの妻は、ジェシード夫人で通る。
乗船料金はひとり金貨2枚、それはそれぞれ支払ってもらう。スカイダウン家の使用人の乗船料はスカイダウン家で支払う。
団体割引と言うものがあり、たくさん乗れば乗るほど、割引率が高くなることを知り、ジェシードの分も結局、立て替え払いすることにしたのだ。
入国税の団体割引もあればいいのに、と思う。
最初の停留国は、サイジア国、織物が豊富な国で、港にも数多くの織物店がある。ここでの滞在時間は1時間半、その間に戻ってくれば、また乗船できる。
ひとます、サイジア国で降り、何かいいものはないかと物色する。お母様は、絨毯ばかりを5枚買われた。
玄関ホール用とリビング、食堂、応接間、お母様のお部屋用に、とである。
もうすっかり、オリヴィアのアイテムカバンをアテにされたうえでのお買い物。
1枚当たりの重量はおよそ12kg、5枚でしめて60kgもある。
ひぃーと思っていたら、ジェシードがウチの父に
「だんなさん、余裕があるのなら、もっとたくさん値切って買って、次に行く国で売りさばいたらいかがでしょうか?サイジアの絨毯は、10倍ぐらいの値で売れますぜ。」
父も路銀が増えることを喜び、言われるがまま、サイジアの絨毯をたくさん買い込んだ。いったい、誰が持つって言うのよ!重くはないけど……。
もし、売れなかったとしても、アンダルシアへ持っていけば、最低でも1枚あたり金貨100枚で引き取ってもらえるから、儲けものだ、ここでの仕入れ額は、ジェシードが言うように、お母様が買った店で、
「さっきも5枚買ったのだから、もっと勉強してくれ。」
お母様の買った金額の半値、つまり1枚当たり金貨5枚にしてもらえたので、店の中にある品物を全部、買い取ったので、さらに値引きをしてもらえたのだ。
店主は、在庫一掃できたことを喜び、お父様は、利ザヤ分を皮算用して喜ぶ。
そうこうしているうちに、出航時間が迫ってきたので、慌てて、船に戻る。
船では、食べ物を持ち込んだ場合だけ、申告しなければならないシステムがあったが、スカイダウン家は飲食物を何も買っていないので、フリーパスだ。
対してジェシードは、お酒と塩辛を買い、
「船での飲酒はお断りします。ほかのお客様の御迷惑になります。」
ピシャリと言われ、へこんでいる。
宿屋の御隠居さんを連れて、ご隠居さんの甥夫婦とともに、船に乗り込むつもりでいる。
この世界にパスポートはない。
どこかほかの国に、入国するとき、主にその国の王都に入国するときだけ、入国税を取るところもあるが、ヤーパン国では支払いを求められなかった。
入国税を支払うのが面倒な商人や冒険者は、それぞれのギルドに所属すると、ギルド証を提示するだけで、入国税が減免される。
アンダルシア辺境領から、ジャングルのある国は、クランベール国であるが、ジャングルなので、入国税はいらない。
今のところ、一度も支払っていない入国税というところ。
ご隠居さんと甥夫婦の入国税は、いったんオリヴィアたちが立て替え払いして、後から請求する方法にすることにした。
今後支払わなければならない可能性のある入国税について、きちんと取り決めをする。
入るときに足らないとか、人数をごまかしているなどと言いがかりをつけられないための予防策である。
一応、聖女様と謳われているオリヴィアに傷がつかないように、との配慮である。
ヤーパン国で拾った3人は、ジェシードと呼ぶようにした。マルコス・ジェシードが最初に船で会った男の名前だから。
ご隠居さんをジェシードの御隠居さんと呼べば、よくわかる。
マルコスの妻は、ジェシード夫人で通る。
乗船料金はひとり金貨2枚、それはそれぞれ支払ってもらう。スカイダウン家の使用人の乗船料はスカイダウン家で支払う。
団体割引と言うものがあり、たくさん乗れば乗るほど、割引率が高くなることを知り、ジェシードの分も結局、立て替え払いすることにしたのだ。
入国税の団体割引もあればいいのに、と思う。
最初の停留国は、サイジア国、織物が豊富な国で、港にも数多くの織物店がある。ここでの滞在時間は1時間半、その間に戻ってくれば、また乗船できる。
ひとます、サイジア国で降り、何かいいものはないかと物色する。お母様は、絨毯ばかりを5枚買われた。
玄関ホール用とリビング、食堂、応接間、お母様のお部屋用に、とである。
もうすっかり、オリヴィアのアイテムカバンをアテにされたうえでのお買い物。
1枚当たりの重量はおよそ12kg、5枚でしめて60kgもある。
ひぃーと思っていたら、ジェシードがウチの父に
「だんなさん、余裕があるのなら、もっとたくさん値切って買って、次に行く国で売りさばいたらいかがでしょうか?サイジアの絨毯は、10倍ぐらいの値で売れますぜ。」
父も路銀が増えることを喜び、言われるがまま、サイジアの絨毯をたくさん買い込んだ。いったい、誰が持つって言うのよ!重くはないけど……。
もし、売れなかったとしても、アンダルシアへ持っていけば、最低でも1枚あたり金貨100枚で引き取ってもらえるから、儲けものだ、ここでの仕入れ額は、ジェシードが言うように、お母様が買った店で、
「さっきも5枚買ったのだから、もっと勉強してくれ。」
お母様の買った金額の半値、つまり1枚当たり金貨5枚にしてもらえたので、店の中にある品物を全部、買い取ったので、さらに値引きをしてもらえたのだ。
店主は、在庫一掃できたことを喜び、お父様は、利ザヤ分を皮算用して喜ぶ。
そうこうしているうちに、出航時間が迫ってきたので、慌てて、船に戻る。
船では、食べ物を持ち込んだ場合だけ、申告しなければならないシステムがあったが、スカイダウン家は飲食物を何も買っていないので、フリーパスだ。
対してジェシードは、お酒と塩辛を買い、
「船での飲酒はお断りします。ほかのお客様の御迷惑になります。」
ピシャリと言われ、へこんでいる。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
161
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる