30 / 80
30改装
しおりを挟む
ジェシード一家は、新しい貴族屋敷で住んでもらうことにするが、本人たちは、あの幽霊話に躊躇している様子。
だって、スカイダウンの家の者でもないのに、辺境伯邸には泊められない。部屋も足りないし、
「あっしらは、下の街で宿を取ってきます。」
「ダメよ。大丈夫よ、除霊もしたし、たぶん。」
「たぶん。って聖女様、怖いものは怖いのです。」
「だったら、一晩、わたくしがこの屋敷で泊まります。何もなかったら、明日からここで寝泊まりしてくださいますか?」
「ん……まぁ、そう言うことなら、聖女様が一緒なら、出てこないかもしれませんし、泊まります。」
「わかりましたわ。じゃあ、しばらくわたくしも、この屋敷で寝泊まりします。たまたまではないということを証明してみせますわ。」
辺境伯邸のオリヴィアの部屋に逢った家具をアイテムカバンに入れ、貴族屋敷の3階の部屋へ移動し、そこで家具を出していく。
「お嬢様が、貴族屋敷に住まわれるのでしたら、私もお隣の部屋に移ります。」
オリヴィア付きの侍女が懸命に訴えるものの、その訴えを退ける。
「大丈夫よ。身の回りのことぐらい自分でできるわ。それにアナタだって、本当は怖いでしょう?無理しなくても、大丈夫よ。それに、わたくしひとりってわけでもなく、ライオンちゃんも一緒だから、大丈夫よ。」
それから一週間が過ぎても、一度も何も出てこない。
やっぱり香草で追い出したことが良かったのかもしれない。
貴族屋敷が安全だということが証明されてから、外壁の一部や屋根を修繕した。ここをレストランにするにしても、前のままだったら、イメージが悪い。
前の貴族屋敷とは、違う建物だと思わせなければならない。
外壁には、色とりどりの花をぶら下げる。外壁の塗装もパステル調に変える。
南国らしい、明るい雰囲気へと変わっていく。
とても前が、幽霊屋敷だとは、誰も気づかない。
内装にもこだわりを見せ、サイジアで買った絨毯を敷く。
裏の森に、川が流れていたので、水車を作り、その動力を利用して、天井に大型の扇風機を回す。
よく銭湯にあるヤツ。
前世医者だったから、元理科系なので、それぐらいのことはすぐにできる。
医者は世間知らずで、医療以外のことは、何もできない医者バカが多いが、オリヴィアは違う。神野太郎時代から、よく日曜大工をしていた。電子ブロックも大好きで、子供の頃に買ってもらったものを、大人になってから、再度大人買いして、充実させた。
だから、この程度の工事なんて、工事のうちに入らない。
昔から、動力源を考えることが好きだった。水力、風力、電力、人力とあるが、今回は水力を使う。
今度は、風力を使って、発電でもしてみようか?構想段階で挫折しそうな気もする。
でも、そんなものもし、この国でしたら、聖女様って大騒ぎになるかも?もう、聖女様呼ばわりされることは懲り懲りだから、なるべく目立たないように、そおっと行動するべき!
突如、決意表明を思いついたオリヴィアは、ライオンちゃんを呼ぶ。
ライオンちゃんは、あくびをしながら、のそのそと近寄ってくる。
「ねえ、ライオンちゃん、わたくしね、聖女様と呼ばれることがイヤなのよ。だから、ここでは目立たないように暮らしたいと思っているけど、どう思う?」
「たぶん無理だと思うな。あの上のクルクル回っているものを、ここの民が見たらどう思う?同じものを、自分の家にも作ってほしいと依頼するだろう。ひょっとすれば、領主の館に手始めに依頼がくるかもしれない。」
「ええー!どうして?たかが、扇風機ごときで?」
「あれは、扇風機と言うものなのか?それぐらい画期的で珍しい代物だと思うぞ。」
ライオンちゃんの指摘通り、開店早々、料理ではなく、扇風機見物の客ばかりであった。
だって、スカイダウンの家の者でもないのに、辺境伯邸には泊められない。部屋も足りないし、
「あっしらは、下の街で宿を取ってきます。」
「ダメよ。大丈夫よ、除霊もしたし、たぶん。」
「たぶん。って聖女様、怖いものは怖いのです。」
「だったら、一晩、わたくしがこの屋敷で泊まります。何もなかったら、明日からここで寝泊まりしてくださいますか?」
「ん……まぁ、そう言うことなら、聖女様が一緒なら、出てこないかもしれませんし、泊まります。」
「わかりましたわ。じゃあ、しばらくわたくしも、この屋敷で寝泊まりします。たまたまではないということを証明してみせますわ。」
辺境伯邸のオリヴィアの部屋に逢った家具をアイテムカバンに入れ、貴族屋敷の3階の部屋へ移動し、そこで家具を出していく。
「お嬢様が、貴族屋敷に住まわれるのでしたら、私もお隣の部屋に移ります。」
オリヴィア付きの侍女が懸命に訴えるものの、その訴えを退ける。
「大丈夫よ。身の回りのことぐらい自分でできるわ。それにアナタだって、本当は怖いでしょう?無理しなくても、大丈夫よ。それに、わたくしひとりってわけでもなく、ライオンちゃんも一緒だから、大丈夫よ。」
それから一週間が過ぎても、一度も何も出てこない。
やっぱり香草で追い出したことが良かったのかもしれない。
貴族屋敷が安全だということが証明されてから、外壁の一部や屋根を修繕した。ここをレストランにするにしても、前のままだったら、イメージが悪い。
前の貴族屋敷とは、違う建物だと思わせなければならない。
外壁には、色とりどりの花をぶら下げる。外壁の塗装もパステル調に変える。
南国らしい、明るい雰囲気へと変わっていく。
とても前が、幽霊屋敷だとは、誰も気づかない。
内装にもこだわりを見せ、サイジアで買った絨毯を敷く。
裏の森に、川が流れていたので、水車を作り、その動力を利用して、天井に大型の扇風機を回す。
よく銭湯にあるヤツ。
前世医者だったから、元理科系なので、それぐらいのことはすぐにできる。
医者は世間知らずで、医療以外のことは、何もできない医者バカが多いが、オリヴィアは違う。神野太郎時代から、よく日曜大工をしていた。電子ブロックも大好きで、子供の頃に買ってもらったものを、大人になってから、再度大人買いして、充実させた。
だから、この程度の工事なんて、工事のうちに入らない。
昔から、動力源を考えることが好きだった。水力、風力、電力、人力とあるが、今回は水力を使う。
今度は、風力を使って、発電でもしてみようか?構想段階で挫折しそうな気もする。
でも、そんなものもし、この国でしたら、聖女様って大騒ぎになるかも?もう、聖女様呼ばわりされることは懲り懲りだから、なるべく目立たないように、そおっと行動するべき!
突如、決意表明を思いついたオリヴィアは、ライオンちゃんを呼ぶ。
ライオンちゃんは、あくびをしながら、のそのそと近寄ってくる。
「ねえ、ライオンちゃん、わたくしね、聖女様と呼ばれることがイヤなのよ。だから、ここでは目立たないように暮らしたいと思っているけど、どう思う?」
「たぶん無理だと思うな。あの上のクルクル回っているものを、ここの民が見たらどう思う?同じものを、自分の家にも作ってほしいと依頼するだろう。ひょっとすれば、領主の館に手始めに依頼がくるかもしれない。」
「ええー!どうして?たかが、扇風機ごときで?」
「あれは、扇風機と言うものなのか?それぐらい画期的で珍しい代物だと思うぞ。」
ライオンちゃんの指摘通り、開店早々、料理ではなく、扇風機見物の客ばかりであった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
161
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる