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2人目の妻 なおみ

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 理科系の大学を卒業した俺は、一流メーカーの製造部へ就職した。一流メーカーとはいえ、大学夜間部を卒業の俺には、コースは最初から外れている。
 
 それでも、かなこから離れられて本当に良かったと思う。かなこには、いろいろな意味で感謝しているが、しつこい女には、うんざりしていた。

 なおみと知り合ったのは、残業後、ふと立ち寄った一杯飲み屋だった。物欲しそうにしていた女だ。

 向こうから誘ってきた。据え膳食わぬは男の恥だと言われ、カッとして押し倒した。

 まぁ、それなりにいい女だったが、挑発に乗った俺の完敗だった。

 なおみも男に尽くすタイプの女だった。また、なおみの情夫になってしまった。
 仕事から帰ってきた俺を、とことん甘やかす女だ。
 俺は、なおみのカラダにのめりこんだ。かなこに懲りていたのに、また、年上の女にのめりこんでしまった。

 なおみは、水商売をやっていた。場末の女だ。さんざん男に煮え湯を飲まされながらも、尽くして、尽くして、捨てられる。重い女だ。

 かかわってはいけないと思いながらも、なおみが俺を離さない。

 ピルを常用していたはずなのに、俺の子を身ごもったらしい。

 「結婚しよう。」と言ったら、泣いて喜んでくれた。可愛い女だ。

 なおみも俺との生活費のすべてを負担してくれた。何も言わなかったが、母と妹、弟を養っていたことを知っていてくれた。

 そんな中、俺が考え開発した製品が形になった。実験段階で、会社に内緒で特許申請した。知的財産は、会社で守ってくれない。後々、揉めることになるから早めに手を打った。

 半年後、特許が認められた。勤めている会社を辞め、独立した。

 かなことなおみを取締役にして、有限会社を設立した。

 特許の使用権を求め、前の会社をはじめ、日本の大企業からオファがきた。
 大学夜学を卒業している俺に、お偉いさんが頭を下げに来る光景は、ざまぁみろといったところだった。

 俺は調子に乗って、他にも研究開発を進めた。大学を苦学し、企業に入ってからはコースを外れ、他の同期に馬鹿にされながら、黙々と研究開発を進めてきた結果が出始めていた。

 その後も次々、特許を申請しては、取得する日々が続いた。

 そんな頃、飲みに行った先で、ホステスから「どうしても抱いてほしい。1度だけでいいから。」と懇願され、魔が差した。
 いやいやながら抱いた、その夜は、枕を女の顔に押し付けバックから攻めた。枕カバーに、つけまつげが全部付着し、朝起きてみたら、別人のような顔になっていた。
 
 一夜限りの遊びだったが、それがなおみに知られた。

 泣いて謝っても許してもらえず、結局、離婚された。25歳の時だった。
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