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新しい出会い
29.産業革命
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翌朝、馬車の組み立ても終わり、レバトリー家の領地へ向かう。
馬車には、メイドにつかってもらい、ジャクリーンはシャルマン様の馬車で行く。
昨日は、お邪魔虫がいたので、できなかったから、これから馬車の中で可愛がってもらうつもり。それなのに、シャルマン様は、二日酔いみたい、気分が悪いらしく、途中で何度も馬車から降りられてゲーゲーしている。
うーん。肝臓にアルコールを分解する酵素が足りないのかしら?ワインよりもビールの方が、はるかにアルコール度数が少ないというのに。ワインは、飲みなれていらっしゃるからということもあるのかもしれない。
血中アルコール度数を下げることが手っ取り早いのよね。途中下車の最中にマンションを出し、冷蔵庫から富士山のミネラルウォーターのペットボトルを出す。
キッチンで、レモンを半分切りにして、ペットボトルの中に入れて混ぜ、さらに北海道北見のミントを1滴たらす。蓋を閉め、よく上下左右に振ると、さくら特製の二日酔い薬が完成する。
馬車に戻られたシャルマン様に、そのペットボトルを渡し、飲んでもらうことに成功する。
さらに、首元を緩め、ジャクリーンの膝に頭をのせるようにして、休んでいただくことにした。ジャクリーンは、シャルマン様のおぐしを撫で眠りに誘うようにする。
その甲斐あってか、領地へ到着する頃には、すっかり二日酔いが治まっていた。
そう。今夜は少なくとも2回シてもらわなきゃいけないから。夜まで具合が悪くいられたら、欲求不満になっちゃう。
レバトリー家の領主の館で泊まることになった。ジャクリーンとシャルマンは別々の客室を与えられる。
まだ結婚前のことだから、同衾は許されないことなのかもしれない。
でもマンション出すから、一緒だと思うけど?ただ、一度は、シャルマン様の部屋を見ておかないとマンションは出せない。
今回、婚約者を伴って、領地を訪れたことは、将来、家督を譲り受け領主になった時のための検分と将来の公爵夫人をお披露目する狙いがある。
王都にいるよりは、風が通りやすく涼しいということもある。
それに経営を学ぶ必要もある。経営ね。前世の一般教養でちょろっとやったことがあるぐらいで、ほとんど覚えていない。
とにかく税収を増やすことを考えればいいらしい。税収を増やすには、常識的に考え新しい人口を増やすこと。仕事と済むところがあれば、おのずと人口が増え、税収が増えるというものだろうと思うけど、それには基幹産業の見直しはどうだろうか?新しい産業を興すことも大事で、農業で、何かいいものがないかしらね。
海に面していれば塩田を作るというのも一つの手だと思うけど、あいにくレバトリーの領地は海に面していない。気候が温暖なら、サトウキビを植えて、砂糖を生成するという手もあるわね?
それほど、気候が温暖というわけでもない。それでは、リンゴやミカンなどの果樹園を作り販売するというのは、どうだろうか?桃に栗に柿、サクランボもいいかもしれない。
飢饉になったら、食料の代わりにもなる。
後は、前世の記憶から言えば、ちょうど中世のヨーロッパのあたりというところで、産業革命まで、程遠い歴史がある。それを勝手にだけど、少しだけ前倒しにすることにしよう。
さっき馬車の揺れがちょっと気になったので、とりあえず、馬車にサスペンションを着けたらどうだろうか?
この街をサスペンションの街にすれば、需要はあると思う。農業が今一つなら、工業で街起こしするほかないだろう。もう一つミシンと織機を作って売るというのはどうかな?その前に紡績工場を作ることの方が先決かもしれない。
紡績の元になる繊維は、木綿、麻、羊毛、蚕を生産するところから始まる。まず、それらを育てるところから始めてみよう。
前世、インディアンのオバサンがバージンウールを遣って編み物をしたカーディガンが飛ぶように売れていたことを思い出す。そういえば、この世界で、まだニット製品を見たことがない。羊毛を紡いだ糸を染め、色とりどりのニット製品は、生地よりも暖かく、安い。
ジャクリーンは、事業計画書をシャルマン様に提出し、見てもらうことにした。
「!」
「これも、前世の知識なのか?」
「ええ。わたくしは医者ですから、本来は医療のことしかわかりません。でも大学の1年の時に一般教養で経営学を少し勉強しました。それと後は、歴史の推移から、もう500年か600年ほどすれば、この世界でも産業革命が起きることになるでしょう。それをほんの少し前倒しに考えたら、思いつきましたの。」
「できればいいのだが、とにかく綿花、朝、羊、蚕の生産に取り掛かることにする。そして、果樹園計画も同時に行い、サスペンション?すまないが、見本をドワーフの親父さんに送って、同じものを作ってもらえないか聞いてみてくれ。」
「また、ヘネシーですか?もう、あれは本当に入手不可能なもので……。」
「強い酒なら文句は言わないだろう?なんでもいいから、強めの酒を渡しとけばいい。」
ブランデーよりも、ということならテキーラかウォッカかな?早速、ANAZONを検索してみよっと。
馬車には、メイドにつかってもらい、ジャクリーンはシャルマン様の馬車で行く。
昨日は、お邪魔虫がいたので、できなかったから、これから馬車の中で可愛がってもらうつもり。それなのに、シャルマン様は、二日酔いみたい、気分が悪いらしく、途中で何度も馬車から降りられてゲーゲーしている。
うーん。肝臓にアルコールを分解する酵素が足りないのかしら?ワインよりもビールの方が、はるかにアルコール度数が少ないというのに。ワインは、飲みなれていらっしゃるからということもあるのかもしれない。
血中アルコール度数を下げることが手っ取り早いのよね。途中下車の最中にマンションを出し、冷蔵庫から富士山のミネラルウォーターのペットボトルを出す。
キッチンで、レモンを半分切りにして、ペットボトルの中に入れて混ぜ、さらに北海道北見のミントを1滴たらす。蓋を閉め、よく上下左右に振ると、さくら特製の二日酔い薬が完成する。
馬車に戻られたシャルマン様に、そのペットボトルを渡し、飲んでもらうことに成功する。
さらに、首元を緩め、ジャクリーンの膝に頭をのせるようにして、休んでいただくことにした。ジャクリーンは、シャルマン様のおぐしを撫で眠りに誘うようにする。
その甲斐あってか、領地へ到着する頃には、すっかり二日酔いが治まっていた。
そう。今夜は少なくとも2回シてもらわなきゃいけないから。夜まで具合が悪くいられたら、欲求不満になっちゃう。
レバトリー家の領主の館で泊まることになった。ジャクリーンとシャルマンは別々の客室を与えられる。
まだ結婚前のことだから、同衾は許されないことなのかもしれない。
でもマンション出すから、一緒だと思うけど?ただ、一度は、シャルマン様の部屋を見ておかないとマンションは出せない。
今回、婚約者を伴って、領地を訪れたことは、将来、家督を譲り受け領主になった時のための検分と将来の公爵夫人をお披露目する狙いがある。
王都にいるよりは、風が通りやすく涼しいということもある。
それに経営を学ぶ必要もある。経営ね。前世の一般教養でちょろっとやったことがあるぐらいで、ほとんど覚えていない。
とにかく税収を増やすことを考えればいいらしい。税収を増やすには、常識的に考え新しい人口を増やすこと。仕事と済むところがあれば、おのずと人口が増え、税収が増えるというものだろうと思うけど、それには基幹産業の見直しはどうだろうか?新しい産業を興すことも大事で、農業で、何かいいものがないかしらね。
海に面していれば塩田を作るというのも一つの手だと思うけど、あいにくレバトリーの領地は海に面していない。気候が温暖なら、サトウキビを植えて、砂糖を生成するという手もあるわね?
それほど、気候が温暖というわけでもない。それでは、リンゴやミカンなどの果樹園を作り販売するというのは、どうだろうか?桃に栗に柿、サクランボもいいかもしれない。
飢饉になったら、食料の代わりにもなる。
後は、前世の記憶から言えば、ちょうど中世のヨーロッパのあたりというところで、産業革命まで、程遠い歴史がある。それを勝手にだけど、少しだけ前倒しにすることにしよう。
さっき馬車の揺れがちょっと気になったので、とりあえず、馬車にサスペンションを着けたらどうだろうか?
この街をサスペンションの街にすれば、需要はあると思う。農業が今一つなら、工業で街起こしするほかないだろう。もう一つミシンと織機を作って売るというのはどうかな?その前に紡績工場を作ることの方が先決かもしれない。
紡績の元になる繊維は、木綿、麻、羊毛、蚕を生産するところから始まる。まず、それらを育てるところから始めてみよう。
前世、インディアンのオバサンがバージンウールを遣って編み物をしたカーディガンが飛ぶように売れていたことを思い出す。そういえば、この世界で、まだニット製品を見たことがない。羊毛を紡いだ糸を染め、色とりどりのニット製品は、生地よりも暖かく、安い。
ジャクリーンは、事業計画書をシャルマン様に提出し、見てもらうことにした。
「!」
「これも、前世の知識なのか?」
「ええ。わたくしは医者ですから、本来は医療のことしかわかりません。でも大学の1年の時に一般教養で経営学を少し勉強しました。それと後は、歴史の推移から、もう500年か600年ほどすれば、この世界でも産業革命が起きることになるでしょう。それをほんの少し前倒しに考えたら、思いつきましたの。」
「できればいいのだが、とにかく綿花、朝、羊、蚕の生産に取り掛かることにする。そして、果樹園計画も同時に行い、サスペンション?すまないが、見本をドワーフの親父さんに送って、同じものを作ってもらえないか聞いてみてくれ。」
「また、ヘネシーですか?もう、あれは本当に入手不可能なもので……。」
「強い酒なら文句は言わないだろう?なんでもいいから、強めの酒を渡しとけばいい。」
ブランデーよりも、ということならテキーラかウォッカかな?早速、ANAZONを検索してみよっと。
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