王子を身籠りました

青の雀

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 ゲランは、本当に記憶を失っているのだろうか?失っているフリをしている節がある。もし、そうだとしたら、どうしても許せない気持ちがはやる。
 セレンティーは、イチかバチかでゲランの頬を殴った、一応、平手で。驚いた顔はされたものの、やはり目はうつろだ。ただ、抵抗もせず殴られた。

 「もう、ゲランは死人同然なのよね。アランの父親であることもわたくしの夫であることも放棄してしまったのね。そして、遺書にあったように、王位もアランに渡してしまうのね。」

 実際問題として、今のままでは、王位に継ぐことなどできない。それが現実なのだ。しばらく政から遠ざかり、執務もせず、隣国にいても記憶を失い、我が国ザルツブルグ王国の情勢を何も知らないし、興味もなかっただろう。

 セレンティーは、とりあえず、帝王学教育の権威とお妃教育の係を呼び、ゲランのことを相談することにした。一から教育をし直すことによって、記憶を呼び戻すことができるかもしれないと考えた。たとえ、それが無駄になることであっても、将来の国王となるアランの支えになればそれだけで十分である。

 アランは、まだ若い。国王になるための帝王学は、十分に施されているが。なんせ、若すぎる。重臣が言うことを聞いてくれるか?国民から敬愛されるか?
はなはだ、心配であり、不安である。アランの周りには、将来の重臣となるべく存在がたくさんいるにもかかわらず、その心配や不安は親ばかからくるものだろうか。

 -*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-

 その頃、アランには恋の予感が…?

 隣国のアン王女殿下の誕生祝賀会にお呼ばれしていたのだった。

 アランは1メートル88センチの長身で金髪金眼の容姿がアン王女殿下のお目に留まって、ぜひとも婚約を前提としたお付き合いをしたいと申し出があり、アン王女殿下の申し出を受ける形で、一度王宮へ、行くことになったのだ。

 留学先では、誰も止めるものなどいない。アランの将来の側近・重臣たちにも皆、それぞれにお目当ての女の子がいる。

 アランには、まだ閨の教育をしていなかったのだが、こういうものはカラダで?本能で?できるものなのか?

 とにかく、アランはアン王女殿下に押し倒される形で経験をした。アン王女は、初めてではなかったのだろう。とっかえひっかえ、気に入ったオトコを自分の寝室に招き入れているらしい。それでもアランにとっては、初めての経験で、その夜、王城にお泊りした。

 アランは、アン王女のテクニックにおぼれた。完全に我を忘れて、しまったのだ。婚約を前提での交際だから、当然、閨を意味していたのだが、おぼこいアランは、完全に策略に引っかかってしまったようだった。

 父親譲りといえば、それまでだけど、それからしばらくは、アン王女のお気に入りオトコの一人となった。

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