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後宮の正面玄関に馬車が横付けされたのだ。
急に視察旅行に同行しろと言う陛下からの命令に、内心嬉しさがこみあげてくる。
だって、馬車の中はやっと二人きりになれるのですもの。
初めての旅行、前世で言えば新婚旅行のようなもの?でも、あまりにもはしゃぎ過ぎははしたない。
陛下の側近から今回の視察の話を聞いたときは、ビックリしたけど嬉しい。
途中で歓迎レセプションがあるということは、パーティがあるからね。
独身時代ならいざ知らず、結婚してからなら一人で出席はおかしい。それに結婚式へ参加できなかった諸侯へのお披露目ということかもしれない。
「妃殿下もご準備早くなさってください。」
侍女たちにせっつかれるけど、わたくしの準備ってなに?何をすればいいの?皆目見当がつかない!
ともあれ、あれから大急ぎで準備は行われ、侍女たちは殺気立っている。
わたくしはあの後、お風呂に入り髪を梳かせてもらっている。
そして今、陛下と二人きりの馬車の中。嬉しくてはしゃぎ過ぎたせいか、何もおっしゃってくださらない陛下をチラチラ見ている。
「何か用か?さっきから俺に言いたいことがあるのか?」
なぜか陛下は不機嫌。
え?それならなぜ?視察に同行しろと?
「いつも後宮の中ばかりで、たまに外の空気も吸いたかったので、嬉しいのです。」
「ああ、そうだろうな。もうじき約束まで3か月だから、はしゃいでいるのか?金貨は約束通り、今日支払ってやる!そのかわり白い結婚にはさせない!この視察旅行で貴様を抱きつくしてやる!」
「今まで一度もお渡りがなかったのに、今さらこの旅行で!?」
バトラーは急に黙り込む。一度も俺が後宮へ足を踏み入れていないだと……?ひょっとして、あのニセモノが!?
「では聞くが、2週間ほど前アイン国の使節団が来たときの夜は風邪を引いて臥せっていたであろう。そして先週もそれが長引いて、まだ治っていなかったな?」
「は?わたくし生まれてこのかた病気知らずでございまして……?何のことを仰せか、見当がつきませんわ。」
バーバラは、小首をかしげる。
やっぱりアイツの仕業か!
「抱きつくすと言った俺が怖くはないのか?」
「妻としての務めでございますから、果たしとう存じます。それに陛下とは……前に一度朝までご一緒したでは、ございませんか?初めての殿方とならいざ知らず……。」
最後まで、言い終わる前にバトラーから唇をふさがれる。
「んん……んふっ。」
「夜が楽しみになってきたな。」
その言葉に、身もだえし顔を赤らめる。前世の記憶があるから、ただ1回だけのセックス。今宵は、もう少し抱いてもらえるのかもしれない。
馬車の窓から見える景色は単調な田園風景、視察旅行は始まったばかり。
バトラーは、あのニセモノ王女のせいで怒り狂っていた。新妻を抱くことさえ邪魔していた事実を知らされてだ。
後宮を解体するか?だいたい父王の代から後宮は機能していなかったというのに。帰ったら王宮の自分の部屋の真横に妻の部屋を作ろう。
この時、バトラーは3か月後に契約が切れることを失念していた。やり場のない怒りで。
急に視察旅行に同行しろと言う陛下からの命令に、内心嬉しさがこみあげてくる。
だって、馬車の中はやっと二人きりになれるのですもの。
初めての旅行、前世で言えば新婚旅行のようなもの?でも、あまりにもはしゃぎ過ぎははしたない。
陛下の側近から今回の視察の話を聞いたときは、ビックリしたけど嬉しい。
途中で歓迎レセプションがあるということは、パーティがあるからね。
独身時代ならいざ知らず、結婚してからなら一人で出席はおかしい。それに結婚式へ参加できなかった諸侯へのお披露目ということかもしれない。
「妃殿下もご準備早くなさってください。」
侍女たちにせっつかれるけど、わたくしの準備ってなに?何をすればいいの?皆目見当がつかない!
ともあれ、あれから大急ぎで準備は行われ、侍女たちは殺気立っている。
わたくしはあの後、お風呂に入り髪を梳かせてもらっている。
そして今、陛下と二人きりの馬車の中。嬉しくてはしゃぎ過ぎたせいか、何もおっしゃってくださらない陛下をチラチラ見ている。
「何か用か?さっきから俺に言いたいことがあるのか?」
なぜか陛下は不機嫌。
え?それならなぜ?視察に同行しろと?
「いつも後宮の中ばかりで、たまに外の空気も吸いたかったので、嬉しいのです。」
「ああ、そうだろうな。もうじき約束まで3か月だから、はしゃいでいるのか?金貨は約束通り、今日支払ってやる!そのかわり白い結婚にはさせない!この視察旅行で貴様を抱きつくしてやる!」
「今まで一度もお渡りがなかったのに、今さらこの旅行で!?」
バトラーは急に黙り込む。一度も俺が後宮へ足を踏み入れていないだと……?ひょっとして、あのニセモノが!?
「では聞くが、2週間ほど前アイン国の使節団が来たときの夜は風邪を引いて臥せっていたであろう。そして先週もそれが長引いて、まだ治っていなかったな?」
「は?わたくし生まれてこのかた病気知らずでございまして……?何のことを仰せか、見当がつきませんわ。」
バーバラは、小首をかしげる。
やっぱりアイツの仕業か!
「抱きつくすと言った俺が怖くはないのか?」
「妻としての務めでございますから、果たしとう存じます。それに陛下とは……前に一度朝までご一緒したでは、ございませんか?初めての殿方とならいざ知らず……。」
最後まで、言い終わる前にバトラーから唇をふさがれる。
「んん……んふっ。」
「夜が楽しみになってきたな。」
その言葉に、身もだえし顔を赤らめる。前世の記憶があるから、ただ1回だけのセックス。今宵は、もう少し抱いてもらえるのかもしれない。
馬車の窓から見える景色は単調な田園風景、視察旅行は始まったばかり。
バトラーは、あのニセモノ王女のせいで怒り狂っていた。新妻を抱くことさえ邪魔していた事実を知らされてだ。
後宮を解体するか?だいたい父王の代から後宮は機能していなかったというのに。帰ったら王宮の自分の部屋の真横に妻の部屋を作ろう。
この時、バトラーは3か月後に契約が切れることを失念していた。やり場のない怒りで。
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