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第4話 いじめ犯、手加減せずに見つけよう
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ふぅ、とフレデリクがひとつ息をついた。
「さて。なんの話をしていたのだったかな」
「えっと、眼鏡に涙がつくと拭いても跡が残っちゃうよねっていう……」
まさに今目の前にある涙の跡が気になるゼナである。
「そんなことひとっつも話題になっていませんわね」
「君たちをいじめた犯人をゼナの三つ編みで暗殺するという話だ」
「ひぃぃっ」
思わず三つ編み日本を胸の前で握りしめるゼナ。凶器にされてしまうというのか? その場合自分は犯人にされてしまうのか……?
「それも違いますしゼナ様を怯えさせないでください」
「ふふふ。怯えるゼナも可愛いな」
「わざとかよ……ほんとしょうもないですわね」
はぁ、とため息をつくナルティーヌ。その動作はどうにも芝居がかっていて鼻につく。
「いいですかしら、ご両人。ナルがここにきた理由はただ一つでした。ナルをいじめてきた奴に報復するためです。ナルの予想では犯人はゼナ様だったんだけど……違うんだって分かりました。だから真犯人を捜しましょう」
「お、お願いします!」
ゼナは勢いよく頭を下げた。いじめ犯を探してくれるなんて、しかもなんだか頼もしそうなナルティーヌが。最高ではないか。
「ゼナ様をいじめていた犯人と同じ人かどうかは分かりませんわよ? ていうかゼナ様っていまも現在進行形でいじめられているのですか?」
「い、いえ。そういえば最近はめっきり……」
「うーむ、となると同一犯人がいじめのターゲットをゼナからナルティーヌに変えた、という可能性が考えられるな」
「まあ、その可能性もなくはないですわね。すべては捕まえてから吐かせてやりますけど」
ボキリ、と指を鳴らして不敵に笑うナルティーヌ。
「今まではゼナ様がいじめ犯だと思って遠慮していたのですけれど……違うとなれば話は早いですわ。真犯人を捕まえて大腿骨の一本でも追って差し上げましょう」
「え、え……」
大腿骨の一本て折られたらかなりの重傷よね? なんて思ってしまうゼナだった。だがそれよりも、
「私に遠慮してくれていたのですか、ナルティーヌさんは……」
「ええ。いくらいじめてきてるとはいえ、公爵家のご令嬢に手を出したらこっちが悪者になっちゃいますからね。だからできるだけ穏便に婚約破棄ですましたろって思ってたんです」
「うっ。そうだったのですか……」
ゼナは思わず感激してしまった。
(ナルティーヌさん、優しいところがあるのね……これって優しいのよね?)
確かに、大腿骨の一本を折られるよりは婚約破棄された方が身体的外傷は少ない。
婚約破棄か、足を折られるか。
どちらがマシとはなかなか断定できないが、大腿骨よりは婚約破棄というのがこの男爵令嬢ナルティーヌなりの気遣いだったのだ。
「だけど違うのだと分かった以上、もう我慢しなくてもいいわけです。徹底的にヤリましょう。いじめ犯は首を……いえ大腿骨を洗って待っているといいですわ」
足の骨を洗え。なんと頼もしい言葉だろうか。
「ううう。お世話になります、ナルティーヌさん」
もう一度、深く礼をするゼナ。
「それで、どうやって犯人捜すつもりなんだい?」
フレデリクが問うと、ナルティーヌはニヤリと笑った。
「簡単なことです。こんど私のこと階段から落とそうとしたら逆に落としてやればいい。それだけのことですわよ」
こうして、ゼナとフレデリクに仲間が加わったのであった。
「さて。なんの話をしていたのだったかな」
「えっと、眼鏡に涙がつくと拭いても跡が残っちゃうよねっていう……」
まさに今目の前にある涙の跡が気になるゼナである。
「そんなことひとっつも話題になっていませんわね」
「君たちをいじめた犯人をゼナの三つ編みで暗殺するという話だ」
「ひぃぃっ」
思わず三つ編み日本を胸の前で握りしめるゼナ。凶器にされてしまうというのか? その場合自分は犯人にされてしまうのか……?
「それも違いますしゼナ様を怯えさせないでください」
「ふふふ。怯えるゼナも可愛いな」
「わざとかよ……ほんとしょうもないですわね」
はぁ、とため息をつくナルティーヌ。その動作はどうにも芝居がかっていて鼻につく。
「いいですかしら、ご両人。ナルがここにきた理由はただ一つでした。ナルをいじめてきた奴に報復するためです。ナルの予想では犯人はゼナ様だったんだけど……違うんだって分かりました。だから真犯人を捜しましょう」
「お、お願いします!」
ゼナは勢いよく頭を下げた。いじめ犯を探してくれるなんて、しかもなんだか頼もしそうなナルティーヌが。最高ではないか。
「ゼナ様をいじめていた犯人と同じ人かどうかは分かりませんわよ? ていうかゼナ様っていまも現在進行形でいじめられているのですか?」
「い、いえ。そういえば最近はめっきり……」
「うーむ、となると同一犯人がいじめのターゲットをゼナからナルティーヌに変えた、という可能性が考えられるな」
「まあ、その可能性もなくはないですわね。すべては捕まえてから吐かせてやりますけど」
ボキリ、と指を鳴らして不敵に笑うナルティーヌ。
「今まではゼナ様がいじめ犯だと思って遠慮していたのですけれど……違うとなれば話は早いですわ。真犯人を捕まえて大腿骨の一本でも追って差し上げましょう」
「え、え……」
大腿骨の一本て折られたらかなりの重傷よね? なんて思ってしまうゼナだった。だがそれよりも、
「私に遠慮してくれていたのですか、ナルティーヌさんは……」
「ええ。いくらいじめてきてるとはいえ、公爵家のご令嬢に手を出したらこっちが悪者になっちゃいますからね。だからできるだけ穏便に婚約破棄ですましたろって思ってたんです」
「うっ。そうだったのですか……」
ゼナは思わず感激してしまった。
(ナルティーヌさん、優しいところがあるのね……これって優しいのよね?)
確かに、大腿骨の一本を折られるよりは婚約破棄された方が身体的外傷は少ない。
婚約破棄か、足を折られるか。
どちらがマシとはなかなか断定できないが、大腿骨よりは婚約破棄というのがこの男爵令嬢ナルティーヌなりの気遣いだったのだ。
「だけど違うのだと分かった以上、もう我慢しなくてもいいわけです。徹底的にヤリましょう。いじめ犯は首を……いえ大腿骨を洗って待っているといいですわ」
足の骨を洗え。なんと頼もしい言葉だろうか。
「ううう。お世話になります、ナルティーヌさん」
もう一度、深く礼をするゼナ。
「それで、どうやって犯人捜すつもりなんだい?」
フレデリクが問うと、ナルティーヌはニヤリと笑った。
「簡単なことです。こんど私のこと階段から落とそうとしたら逆に落としてやればいい。それだけのことですわよ」
こうして、ゼナとフレデリクに仲間が加わったのであった。
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