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レンとヒナタ、その後の話。
#3 夢を見て【レンSide】
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夢を、見た。
怖い夢だった気もするし、優しい夢だった気もする。
一面暗闇で、どこに何があるかなんてわからない。
でも僕の、僕の大好きな人がいた。
彼は僕に背を向けて歩いていく。
「……まってよ…………トオル……」
無意識に発された言葉は暗闇の中に溶けていく。
トオルに背中には、届かない。
目尻が熱くなり、頬に大粒の涙が伝う。
(ねぇ……側にいてよ……)
心の中で悲痛に叫ぶと、彼はこちらを振り返る。
仕方ないなあ、とでも言うような優しい表情をしている。
『側にに居てやるよ……』
彼らしからぬ、高慢な言葉。
でも、その言葉に確かな安心感と安らぎを得たのは確かだった。
僕はトオルへと歩みを進める。
彼は動かずに、ただただこちらを穏やかな表情で見つめる。
──トオル。僕、聞きたいことがあるんだ。
ようやく隣に並んだ彼に視線を投げる。
その視線に気づいたように、トオルは目を合わせる。
(ずっと、聞きたいと思っていたんだ)
あの手紙を読んでからずっと。
ねぇトオル。君は──────
怖い夢だった気もするし、優しい夢だった気もする。
一面暗闇で、どこに何があるかなんてわからない。
でも僕の、僕の大好きな人がいた。
彼は僕に背を向けて歩いていく。
「……まってよ…………トオル……」
無意識に発された言葉は暗闇の中に溶けていく。
トオルに背中には、届かない。
目尻が熱くなり、頬に大粒の涙が伝う。
(ねぇ……側にいてよ……)
心の中で悲痛に叫ぶと、彼はこちらを振り返る。
仕方ないなあ、とでも言うような優しい表情をしている。
『側にに居てやるよ……』
彼らしからぬ、高慢な言葉。
でも、その言葉に確かな安心感と安らぎを得たのは確かだった。
僕はトオルへと歩みを進める。
彼は動かずに、ただただこちらを穏やかな表情で見つめる。
──トオル。僕、聞きたいことがあるんだ。
ようやく隣に並んだ彼に視線を投げる。
その視線に気づいたように、トオルは目を合わせる。
(ずっと、聞きたいと思っていたんだ)
あの手紙を読んでからずっと。
ねぇトオル。君は──────
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