【二日に一度更新】とある学校の珍事件簿〜奇人:常人=3:1〜

華凛

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野良猫(珍)捕獲劇

哀れみの目とスタンバってる副会長と会計

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「いいいいいいいいい嫌ですっ! 絶対! 嫌!」

断固としてその場を動こうとしない新兎には、かつてない危機が迫っていた。

「ほ~らっ、早く早く~」
「善は急げだ……」
「なにしてるんですか、早く職員室へ」

「嫌だ!」と悲鳴を上げる新兎を、他の生徒会役員たちは職員室へと誘導する。
彼がこんなに悲鳴を上げている理由は──

「早くトランポリン貸してもらわないと!」

これである。

「なんで俺が届け出さなきゃいけないんですか!」
「生徒会庶務でしょ?」
「庶務ですから」
「庶務だから……」

どうやら味方は一人もいないようだ。
さすがに三対一は分が悪く、そのまま押し切られてしまった。



「はぁ? 校庭に設置ぃ?」
「ひゃぅ……す、すみません、すみません、すみません……」

結局、新兎は貸出希望書を書かされ、職員室への提出を余儀なくされたのだった。

(こんなの通るわけがない!)

職員室の入口にいる教師と新兎の会話は職員室内に筒抜けである。あとで教師全員の笑い者にされることは間違いない。最悪だ。
こちらを見ている職員室内の教師の目には哀れみが籠っている。
生徒会役員たちにこの役割を押し付けられたのを哀れむ目か、精神を心配して哀れむ目なのか……前者であることを願う。

「や、やっぱり取り下げで──」
「──猫が……立てこもっているんです……」

気まずさに視線を逸らした新兎の後ろから、白虎がぬっと現れる。

「猫?」

教師が訝しげに眉をひそめる。

「そう、猫……」

白虎は眠そうな瞳で教師の顔を覗き込む。

「……」
「……」

もう少し説明が要るのではないか、と危惧した新兎だったが、数秒後に「緊急事態なんです……」と緊迫感のない気の抜けた声で呟く。
すると、教師は呆れたような声音で「わかった」と頭を掻く。
そして新兎に哀れみの視線を送ってくる。
「おまえも大変だな……」と言いたげな視線であった。

(なんで承諾しちゃうんですか!)

教師の顔を「信じられない」といった様子で凝視する新兎だったが、理由は概ねわかったような気もする。
まず、白虎はなぜかこの作戦に自信を持っており、簡単には引き下がらなさそうだ。
そして同じような意思を持った副会長と会計が奥にスタンバイしていることに気付いたのだろう。
新兎が教師の立場であっても同じ選択を下すだろう。
話が通じない輩を説得するより、成功するはずのない作戦を勝手に実行させておくほうが圧倒的に楽だからだ。

無論、そのぶん新兎に負担が増えるだけだが。
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