【二日に一度更新】とある学校の珍事件簿〜奇人:常人=3:1〜

華凛

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野良猫(珍)捕獲劇

飛んだ会長(物理)は頭から着地

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今すごいとんでもない音が聞こえたような気がする。

「せ、先輩!?」

突如として消え、生徒会室に頭から突っ込んだであろう白虎を心配し、新兎たちは急いで二階につながる階段を駆け上がる。

生徒会室の前に到着すると、扉を開けようとドアノブをガチャガチャと動かしたが、まったく開く気配はない。

「副会長、合鍵は?」
「んー、ここ内側からしか鍵閉められないんだよねぇ」

重要書類を管理する上で問題大アリな気がする。
まあそれは今はどうでもいいとして、新兎はドンドンと扉を叩く。

「会長! 大丈夫ですか会長──」

ドンッ
──ガチャリ

「えっ」

聞き覚えのある音が響く。

「あ、鍵開いたっぽいね~」

新兎の背後で朱雀がのんきに呟く。
新兎がおそるおそる扉を開くと、その間からしづきが素早く生徒会室に入っていった。

「大丈夫ですか?」

新兎はてっきり、彼女なら取り乱して駆け寄っていくものだと思っていたが、存外に冷静な声音だ。

「また……気をつけてください」
「むぅ……痛い……」

慣れているのか、しづきは頭から着地した彼に絆創膏をペタリと貼った。

それよりも、新兎の視線を釘付けにしたのは白虎の体勢だ。

「さ、逆立ち……?」

彼は頭に血が上りそうな体勢で壁に寄りかかっていた。
絆創膏を貼るよりも体勢を直すほうが先ではないか。
そんな疑問を飲み込み、新兎は慌てて白虎のもとへ駆け寄る。
白虎の頭の下には二十センチほどある書類の束と四人分のクッションが重なっていた。奇跡か。

大量の書類の上に逆立ちしている白虎は、いつも通りの眠そうな目で不満そうに体勢を整える。

「会長! 大丈夫ですか!?」
「あぁ……大量の書類の上だったから大丈夫だ」

後処理のことを考えると胃が痛くなるが、今はとりあえず彼が無事でよかった。

「あ、あれ、佐藤さん(仮)は……」
「こーこ♡」

朱雀が佐藤太郎(仮)をひょいと持ち上げ、楽しそうに笑った。

「はぁ、よかっ……」

つい「よかった」と漏らしかけたが、顔を横に向けた途端、目の前の惨状が目に飛び込んできた。
派手に散らかった書類、佐藤太郎(仮)に引っかかれたであろう綿が飛び出たクッション、倒されて一部が破壊された机と椅子。

(…………)

朱雀は書類で佐藤太郎(仮)とじゃれ、しづきは白虎に延々と不要な絆創膏を貼っており、白虎はクッションの綿を引きずり出してフワフワと触っている。
生徒会室の鍵は開いた。佐藤太郎(仮)の救出も成功した。白虎も無事だ。

……だが、果たしてこれは成功と言えるのだろうか。

物品補充を求める報告書、重要資料の復元と仕分け、佐藤太郎(仮)の飼い主探し、原状復帰までの臨時生徒会室の手配、内鍵の扉についての異議申立書、物品貸出制度についての再検討願……代償が多すぎないか。

各々の作業に夢中になっている生徒会役員たちの中で、新兎は膝から崩れ落ちた。
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