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新入役員(珍)歓迎会
新入役員情報とデジャヴのしづき
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球技大会から一週間。
広報誌の球技大会ページの作成も終わり、生徒会の仕事が落ち着いてきた頃だった。
「はい、ということで! 新入役員を新たに加えようと思いま~す♡」
朱雀の元気な声が部屋内に響く。
「……と、いいますと?」
生徒総会用の配布書類のデータを確認していた新兎は、手を止めて朱雀を振り返る。
「詳細はびゃーくんからっ」
踊るように白虎のもとまで来た朱雀は「ね」と彼の顔を覗き込む。
「……ああ……生徒会に、書記としての役員を……加えたい……」
白虎はゆっくりと議事録に手を伸ばす。
「生徒会庶務の仕事が……多い、ので……」
生徒会書記といえば、議事録の作成や備品の管理などを行う役割である。
確かに、今までは庶務である新兎がやってきた仕事だ。
もし本当に生徒会書記が加わるとしたら、ありがたいことこの上ない。
新兎は期待の眼差しを向け、白虎の話に耳を傾けた。
「だから、その……歓迎会を開きたい」
「歓迎会?」
クラッカーを引くような仕草をする白虎に、新兎は聞き返す。
「そう、歓迎会……」
「だからね、みんなで準備しよ!」
「なるほど、日頃の業務の充実には相応の褒美が必要ということですね」
先ほどからずっと膝に手を置いて聞き役に徹していたしづきが、いかにもそれらしいことを言う。
「そーゆーこと♡」
ニコリと朱雀がしづきに微笑みかけると、しづきは姿勢を伸ばした。
「そういうことならワタクシにお任せを!」
ピッと勢いよく立ち上がり、臨時生徒会を飛び出していってしまった。
……彼女には前科があるので、とても不安である。
「ちょっと、様子を見てきます」
「気をつけて~♡」
◇
臨時生徒会から出て、しづきの残像を追っていた新兎は、疲弊していた。
(足はっっや……!)
彼女は「廊下は走らない」と書いてあるポスターを揺らしながら全力疾走し、新兎の視界からあっという間に消えていった。
校庭の方向に走り込んでいったのは見えたのだ。
前にもこんなことあったな……と一ヶ月ほど前のさつまいも事件を思い出す。
しづきの下駄箱を確認すると、上履きが雑に詰め込まれていた。外に出たようだ。
(……校庭かな?)
新兎は履物をしっかりと履き替えて校庭へ出る。
(いない)
本格的に彼女を見失ってしまった新兎は、諦めて校舎内に戻ろうとした。
──その時だった。
ザッザッと土を掘るような音。
新兎はまさかと思いつつも振り返る。
……どこかで見たことのある光景だ。
「何を、してるんです……?」
新兎が顔を引きつらせながら聞くと、彼の視線の先にいる人物は振り返る。
「──さつまいも育ててますけど」
広報誌の球技大会ページの作成も終わり、生徒会の仕事が落ち着いてきた頃だった。
「はい、ということで! 新入役員を新たに加えようと思いま~す♡」
朱雀の元気な声が部屋内に響く。
「……と、いいますと?」
生徒総会用の配布書類のデータを確認していた新兎は、手を止めて朱雀を振り返る。
「詳細はびゃーくんからっ」
踊るように白虎のもとまで来た朱雀は「ね」と彼の顔を覗き込む。
「……ああ……生徒会に、書記としての役員を……加えたい……」
白虎はゆっくりと議事録に手を伸ばす。
「生徒会庶務の仕事が……多い、ので……」
生徒会書記といえば、議事録の作成や備品の管理などを行う役割である。
確かに、今までは庶務である新兎がやってきた仕事だ。
もし本当に生徒会書記が加わるとしたら、ありがたいことこの上ない。
新兎は期待の眼差しを向け、白虎の話に耳を傾けた。
「だから、その……歓迎会を開きたい」
「歓迎会?」
クラッカーを引くような仕草をする白虎に、新兎は聞き返す。
「そう、歓迎会……」
「だからね、みんなで準備しよ!」
「なるほど、日頃の業務の充実には相応の褒美が必要ということですね」
先ほどからずっと膝に手を置いて聞き役に徹していたしづきが、いかにもそれらしいことを言う。
「そーゆーこと♡」
ニコリと朱雀がしづきに微笑みかけると、しづきは姿勢を伸ばした。
「そういうことならワタクシにお任せを!」
ピッと勢いよく立ち上がり、臨時生徒会を飛び出していってしまった。
……彼女には前科があるので、とても不安である。
「ちょっと、様子を見てきます」
「気をつけて~♡」
◇
臨時生徒会から出て、しづきの残像を追っていた新兎は、疲弊していた。
(足はっっや……!)
彼女は「廊下は走らない」と書いてあるポスターを揺らしながら全力疾走し、新兎の視界からあっという間に消えていった。
校庭の方向に走り込んでいったのは見えたのだ。
前にもこんなことあったな……と一ヶ月ほど前のさつまいも事件を思い出す。
しづきの下駄箱を確認すると、上履きが雑に詰め込まれていた。外に出たようだ。
(……校庭かな?)
新兎は履物をしっかりと履き替えて校庭へ出る。
(いない)
本格的に彼女を見失ってしまった新兎は、諦めて校舎内に戻ろうとした。
──その時だった。
ザッザッと土を掘るような音。
新兎はまさかと思いつつも振り返る。
……どこかで見たことのある光景だ。
「何を、してるんです……?」
新兎が顔を引きつらせながら聞くと、彼の視線の先にいる人物は振り返る。
「──さつまいも育ててますけど」
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