43 / 43
新入役員(珍)歓迎会
首位独走少女の名推理と新役員の登場
しおりを挟む
「──こんなの、十分すぎるヒントですよ」
朱雀から渡された謎の紙切れを手に、笑ってみせた。
「え!?」
これだけでわかったのか。
新兎はしづきをいぶかしむように見つめる。
まさか既に知らされているのでは、と思ったが、そんな素振りはなかった気がする。
「これは間違いなく朱雀先輩の筆跡ですね」
新兎がこくりと頷くと、彼女は紙切れを折りたたみ、人差し指を立てる。
「朱雀先輩が人気な理由を知っていますか?」
急に話題を変えたしづきを不審に思いながらも新兎は考えた。
朱雀は校内の人気者である。
人を惹きつけるようなルックスと仕草以外にも何かあるのだろうか。
「ずばり──ファンサです」
「……はぁ?」
ファンサ、と言ったか。
しづきの話の筋が読み取れず、首を傾げる。
「朱雀先輩は、校内のファンを全員認知しています」
淡々と話すしづきはどこか誇らしげであった。
朱雀先輩はすごい人だ、とでも言いたげである。
「その秘密は、入学直後の行動にあります。先輩は、全学年の自己紹介カードを閲覧します」
自己紹介カードといえば、進級してから一番最初に書くカードである。
それは教室の外の壁に貼り、学年を超えた交流が狙いだそうだ。
それを毎年見ているということだろうか?
「ですので──全校生徒の"身長"と"誕生日"を把握しています」
「身長」「誕生日」というワードで新兎もピンときた。
しづきはほくそ笑み、紙切れを新兎に返した。
「したがって、自己紹介カードを書いていない人物──転校生に絞ることができます」
「もしかして……」
「ええ……今年度の転校生はただ一人だけ」
しづきは渡り廊下を見る。
「──如月恋。あの人しかいません」
「あ、先輩方こんにちは」
しづきが見据える先には恋が立っていた。
しづきは補足のようにぼそりと呟いた。
「加えて、『好きな子がいる』……」
「え、それってまさか」
「──ウサギさんでしょうね」
「ウサギさん言うな」
釘を刺すようにしづきを睨んでから、新兎は恋に近寄る。
「恋くんって……生徒会の新役員だったりする?」
恋は一瞬驚いたように固まり、首を傾げた。
「あれ、僕……それ言いましたっけ」
やはり恋が生徒会書記に就任するようだ。
「やっぱり恋くんだったんだ……」
さすが定期試験の首位独走少女、と感心している新兎に、恋が顔を近づけてきた。
「あ、嬉しいですか? ……嬉しいですよね?」
圧のこもった語尾に思わず頷くと、恋はにっこりと笑って新兎の手を取る。
「行きましょう、生徒会室へ!」
しづきはやれやれといった感じで無言でついてくる。
そうして引きずられるようにして臨時生徒会に到着し、楽しそうな朱雀とコントラストの強い白虎に出迎えられたのであった。
朱雀から渡された謎の紙切れを手に、笑ってみせた。
「え!?」
これだけでわかったのか。
新兎はしづきをいぶかしむように見つめる。
まさか既に知らされているのでは、と思ったが、そんな素振りはなかった気がする。
「これは間違いなく朱雀先輩の筆跡ですね」
新兎がこくりと頷くと、彼女は紙切れを折りたたみ、人差し指を立てる。
「朱雀先輩が人気な理由を知っていますか?」
急に話題を変えたしづきを不審に思いながらも新兎は考えた。
朱雀は校内の人気者である。
人を惹きつけるようなルックスと仕草以外にも何かあるのだろうか。
「ずばり──ファンサです」
「……はぁ?」
ファンサ、と言ったか。
しづきの話の筋が読み取れず、首を傾げる。
「朱雀先輩は、校内のファンを全員認知しています」
淡々と話すしづきはどこか誇らしげであった。
朱雀先輩はすごい人だ、とでも言いたげである。
「その秘密は、入学直後の行動にあります。先輩は、全学年の自己紹介カードを閲覧します」
自己紹介カードといえば、進級してから一番最初に書くカードである。
それは教室の外の壁に貼り、学年を超えた交流が狙いだそうだ。
それを毎年見ているということだろうか?
「ですので──全校生徒の"身長"と"誕生日"を把握しています」
「身長」「誕生日」というワードで新兎もピンときた。
しづきはほくそ笑み、紙切れを新兎に返した。
「したがって、自己紹介カードを書いていない人物──転校生に絞ることができます」
「もしかして……」
「ええ……今年度の転校生はただ一人だけ」
しづきは渡り廊下を見る。
「──如月恋。あの人しかいません」
「あ、先輩方こんにちは」
しづきが見据える先には恋が立っていた。
しづきは補足のようにぼそりと呟いた。
「加えて、『好きな子がいる』……」
「え、それってまさか」
「──ウサギさんでしょうね」
「ウサギさん言うな」
釘を刺すようにしづきを睨んでから、新兎は恋に近寄る。
「恋くんって……生徒会の新役員だったりする?」
恋は一瞬驚いたように固まり、首を傾げた。
「あれ、僕……それ言いましたっけ」
やはり恋が生徒会書記に就任するようだ。
「やっぱり恋くんだったんだ……」
さすが定期試験の首位独走少女、と感心している新兎に、恋が顔を近づけてきた。
「あ、嬉しいですか? ……嬉しいですよね?」
圧のこもった語尾に思わず頷くと、恋はにっこりと笑って新兎の手を取る。
「行きましょう、生徒会室へ!」
しづきはやれやれといった感じで無言でついてくる。
そうして引きずられるようにして臨時生徒会に到着し、楽しそうな朱雀とコントラストの強い白虎に出迎えられたのであった。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
月弥総合病院
御月様(旧名 僕君☽☽︎)
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。
また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。
(小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
ぼっち陰キャはモテ属性らしいぞ
みずがめ
ライト文芸
俺、室井和也。高校二年生。ぼっちで陰キャだけど、自由な一人暮らしで高校生活を穏やかに過ごしていた。
そんなある日、何気なく訪れた深夜のコンビニでクラスの美少女二人に目をつけられてしまう。
渡会アスカ。金髪にピアスというギャル系美少女。そして巨乳。
桐生紗良。黒髪に色白の清楚系美少女。こちらも巨乳。
俺が一人暮らしをしていると知った二人は、ちょっと甘えれば家を自由に使えるとでも考えたのだろう。過激なアプローチをしてくるが、紳士な俺は美少女の誘惑に屈しなかった。
……でも、アスカさんも紗良さんも、ただ遊び場所が欲しいだけで俺を頼ってくるわけではなかった。
これは問題を抱えた俺達三人が、互いを支えたくてしょうがなくなった関係の話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる