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第参譚
0020:月と継母と義姉
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「……三人共、灰かぶり姫がお屋敷から逃げました。」
「「「――――っ‼」」」
ここは、トルネード王国宮殿内のとある一室である。灰かぶりの継母と義姉は、月国の王ユエから呼び出されていた。
「ゆ、ユエ様、申し訳ございません。……私共がお屋敷から離れたばっかりに……。」
「……いいですよ、今回は私が貴女方をトルネード王国へと招集したのですから。……私が灰かぶり姫を貴女達へ預けて、もう十数年近く経ちました。長い間、彼女を監視してくれて、とても感謝していますよ。(微笑)」
「もったいなきお言葉です、ユエ様。(赤面)」
「今宵の舞踏会は如何でしたか、ルージュ?」
薄ら笑いを浮かべるユエは、灰かぶりの継母ルージュ・トランスに尋ねた。
「……とても素晴らしかったです‼ その中でも特に、ユエ様の愛溢れる演説を、会場内の皆様は聴き惚れていらっしゃいましたわ‼(恍惚)」
「それはよかったです。……リリーはどうです?」
「私は、会場内の雰囲気がとてもエレガントでよかったです! 一歩入るだけで、まるで異世界に迷い込んでしまったかのような非現実感が心に刺さりました‼(赤面)」
「あの会場も、私が指示してセッティングしてもらいました。舞踏会に参加される皆さんの喜ぶお顔を思い浮かべながら考えたのですよ。(にっこり)……ララはどうでしたか?」
「はい、ユエ様、リゲル殿下とユエ様が握手をなされた場面にググっと胸を打たれました‼ 大好きな祖国を離れて長い間アデルのお屋敷で我慢して頑張ってきた甲斐があったなと、涙が溢れて止まらなかったです‼(嬉し涙)」
「……王族を陥落させるまでに、長い年月を要しました。第一王子と第二王子は私の思惑に歯向かい、第三王子も最後まで抵抗していましたが、貴女方のような魅力的な女性と協力して、どうにかお披露目までに彼の心を掌握することが出来たのです。今度、貴女方をねぎらうパーティーへ彼女を連れてきますね。(にっこり)」
三人は、真剣に頬を真っ赤にしながら、ユエが主催した舞踏会について語りまくるのであった。
◇ ◇ ◇
「……おっと、そろそろお時間ですね。……三人共、灰かぶり姫は今、アデル皇国の宮殿内へ身を隠しています。」
「――――っ‼」
三人の間に衝撃が走る。
「私は、あの内部へ入り込むことはできません。……三人共、私の言いたいことがわかりますね?(にっこり)」
「「「はいっ‼」」」
「灰かぶり姫は、私がこれから起こそうとしている素晴らしいエンターテイメントに必要な存在です。至急、アデルの宮殿内へ入り込み、彼女を取り返してきてください。」
「「「御意‼」」」
――暗闇に、三人の足音が響き渡る‼――
「「「――――っ‼」」」
ここは、トルネード王国宮殿内のとある一室である。灰かぶりの継母と義姉は、月国の王ユエから呼び出されていた。
「ゆ、ユエ様、申し訳ございません。……私共がお屋敷から離れたばっかりに……。」
「……いいですよ、今回は私が貴女方をトルネード王国へと招集したのですから。……私が灰かぶり姫を貴女達へ預けて、もう十数年近く経ちました。長い間、彼女を監視してくれて、とても感謝していますよ。(微笑)」
「もったいなきお言葉です、ユエ様。(赤面)」
「今宵の舞踏会は如何でしたか、ルージュ?」
薄ら笑いを浮かべるユエは、灰かぶりの継母ルージュ・トランスに尋ねた。
「……とても素晴らしかったです‼ その中でも特に、ユエ様の愛溢れる演説を、会場内の皆様は聴き惚れていらっしゃいましたわ‼(恍惚)」
「それはよかったです。……リリーはどうです?」
「私は、会場内の雰囲気がとてもエレガントでよかったです! 一歩入るだけで、まるで異世界に迷い込んでしまったかのような非現実感が心に刺さりました‼(赤面)」
「あの会場も、私が指示してセッティングしてもらいました。舞踏会に参加される皆さんの喜ぶお顔を思い浮かべながら考えたのですよ。(にっこり)……ララはどうでしたか?」
「はい、ユエ様、リゲル殿下とユエ様が握手をなされた場面にググっと胸を打たれました‼ 大好きな祖国を離れて長い間アデルのお屋敷で我慢して頑張ってきた甲斐があったなと、涙が溢れて止まらなかったです‼(嬉し涙)」
「……王族を陥落させるまでに、長い年月を要しました。第一王子と第二王子は私の思惑に歯向かい、第三王子も最後まで抵抗していましたが、貴女方のような魅力的な女性と協力して、どうにかお披露目までに彼の心を掌握することが出来たのです。今度、貴女方をねぎらうパーティーへ彼女を連れてきますね。(にっこり)」
三人は、真剣に頬を真っ赤にしながら、ユエが主催した舞踏会について語りまくるのであった。
◇ ◇ ◇
「……おっと、そろそろお時間ですね。……三人共、灰かぶり姫は今、アデル皇国の宮殿内へ身を隠しています。」
「――――っ‼」
三人の間に衝撃が走る。
「私は、あの内部へ入り込むことはできません。……三人共、私の言いたいことがわかりますね?(にっこり)」
「「「はいっ‼」」」
「灰かぶり姫は、私がこれから起こそうとしている素晴らしいエンターテイメントに必要な存在です。至急、アデルの宮殿内へ入り込み、彼女を取り返してきてください。」
「「「御意‼」」」
――暗闇に、三人の足音が響き渡る‼――
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