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第参譚
0022:トラップと魔法使い
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「うーーん。どうしようかなー。」
「ツクヨミさん、どうなされたのですか?」
「灰かぶり姫、……君の継母達のことなんだけどね……。」
皆さん、こんにちは。灰かぶりです。現在、私とツクヨミさんは、アデル皇国第一魔法省イリアルテの修練場にいるのですが、ツクヨミさんが、なにやら頭を悩ませているようなのです。
「マーズ殿下達がアデル皇国を出て、早六日。明日になれば二人とも戻られてくると思うんだけど、先日の侵入者達について、どんな説明をすればいいのかなって思ってさ。(困り眉)」
「『私の身内が勝手に入って来ちゃいました‼(テヘペロ)』ではいけないのですか?」
「うーーん。それはちょっと軽いかもしれないね。(いやいやおかしいでしょ‼ 灰かぶり姫の危機管理意識が低すぎる!)」
「そうですか? でも雰囲気的には、私のことを迎えに来てくれた感じでしたよ。(満面の笑み)」
「……灰かぶり姫、一応ここは、魔法使いが管理している施設なんだ。だからね、本来イリアルテには簡単に入れないように魔法を駆使して細工が施されているんだけれど、彼女たちはいとも簡単に、全てのトラップを解除して侵入してきたんだよ。(難しい顔)」
「トラップをですか?」
「そう。……そして、トラップを設定したのは、僕とお師匠様の二人だけ。後から設定をいじることは可能なんだけれど、お師匠様の魔法はとても面倒くさい術式をわざと使うから、魔法省内で触ろうとする魔法使いは一人もいないんだ。」
「そうなのですね。……ということは、継母様達は、腕の立つ魔法使いさんなのでしょうか?」
「そうかもしれないし、……もしかすると、魔法省内に裏切り者がいる可能性もあるね。(悩)」
「ツクヨミさん、……あまり考えすぎると、身体によくありませんよ。物事というのは、成るように成るのです! 疑いは疑いを呼びますからね。だから、イリアルテに入って来られたご本人達へ聞くのが一番手っ取り早いと思います!」
私はそう言いますと、拘束された状態で壁際の隅っこに縮こまっていらっしゃるお三方を引きずり、ツクヨミさんの前まで連れてきました。
「さあ、ツクヨミさん。継母様達にいろいろと聞いてみましょう‼」
「う、うん。(そう簡単に口を割ってくれるのかな?)」
◇ ◇ ◇
「トラップ? そんなの知らないわ。リリー、トラップなんてあったかしら。(訝し気)」
「いいえ、お母様、ありませんでしたよ。ララ、無かったわよね。」
「ええ。私たち、ただの一般人なので、魔法とかトラップなんて、分かるわけないじゃない。」
「そうですよね、継母様方。でも、ここには簡単に入ることは難しいみたいなのですよ。どんな感じで入ったのか、触りだけでも教えていただけないでしょうか?(困り眉でうるうる)」
「そんなの、なんで灰かぶりなんかに教えないといけないの? 私たちはね、あんたのせいでこんな不気味な気持ちの悪い所へ来ないといけなかったのよ‼」
「「そうよ、そうよ‼」」
思っていた通り、継母様達のお口は固かったです。しかし、正直に話してもらわないと、ツクヨミさんが困ってしまいます。したがって、私は、奥の手を使うことに致しました。
「……継母様、義姉様、私の砂糖菓子が余程、お口に合ったみたいでよかったですわ。……たくさん作っているので、どうぞ、召し上がってくださいな!(砂糖菓子を携えてにっこり笑う)」
「は、灰かぶり⁉」
「継母様、義姉様、砂糖菓子で長い眠りにつくのか、正直にお話されて、おいしい晩ご飯を食べるのか、どちらがよろしいですか?(にっこり)」
「(灰かぶり姫、さすがにそれで、口を割ったりしないと思うよ。お三方も命がかかっているんだからね。)」
「……全身黒ずくめの男が私たちをあの赤い扉の部屋へ案内したのよ。(渋々)」
「「お母さま⁉」」
「(小声で)大丈夫よ、二人とも。……ここの入り口の門をこじ開けようとしていたら、その黒ずくめの男が門の内側から出てきたの。それ以外は知らないわ。(そっぽを向く)」
「そうなのですか、継母様。詳しく教えてくださって、ありがとうございます。(にこっ)」
「ふんっ!」
「(ええええええ⁉ 言っていいの⁉ ……いや、言ってもらえた方が助かるからいいんだけどさ。まがりなりにも、お三方から見たら、僕たちは敵だからね‼ ……灰かぶり姫の砂糖菓子の威力がすごすぎる‼)」
「ちなみに、何故私がここにいるって、わかったのですか?」
「それはユエ様に教えてもらって……。」
「「お母さま⁉」」
「――――っ‼(キッと三人を睨むツクヨミ)」
「継母様、ユエ様(?)とは一体、どのようなお方なのですか?(きょとん)」
「あ、あんたは知らなくていいの‼(声を大きくしてはぐらかす)」
「そうですか。(しょんぼり)」
「灰かぶり姫、もういいよ。ありがとう。」
「ツクヨミさん?(困り眉)」
「もうすぐ夕ご飯の時間だからね、お三方には、魔法省特製のディナーをいただいてもらおう。」
「はい、そうですね‼(にぱっ)」
「お三方のお世話は、僕の後輩に頼んであるからそのままで大丈夫だよ。」
「了解なのです‼」
「じゃあ、灰かぶり姫、(小声で)僕の部屋に移動しようか。」
「えっ? どうしてなのですか?(きょとん)」
ツクヨミさんは、少し考えてから、難しいお顔をしたまま私の耳元で囁いたのです。
「僕たちは、盗聴されている。魔法省内に、裏切り者がいるかもしれない――。(囁き声)」
――イリアルテ内に、激震が走る‼――
「ツクヨミさん、どうなされたのですか?」
「灰かぶり姫、……君の継母達のことなんだけどね……。」
皆さん、こんにちは。灰かぶりです。現在、私とツクヨミさんは、アデル皇国第一魔法省イリアルテの修練場にいるのですが、ツクヨミさんが、なにやら頭を悩ませているようなのです。
「マーズ殿下達がアデル皇国を出て、早六日。明日になれば二人とも戻られてくると思うんだけど、先日の侵入者達について、どんな説明をすればいいのかなって思ってさ。(困り眉)」
「『私の身内が勝手に入って来ちゃいました‼(テヘペロ)』ではいけないのですか?」
「うーーん。それはちょっと軽いかもしれないね。(いやいやおかしいでしょ‼ 灰かぶり姫の危機管理意識が低すぎる!)」
「そうですか? でも雰囲気的には、私のことを迎えに来てくれた感じでしたよ。(満面の笑み)」
「……灰かぶり姫、一応ここは、魔法使いが管理している施設なんだ。だからね、本来イリアルテには簡単に入れないように魔法を駆使して細工が施されているんだけれど、彼女たちはいとも簡単に、全てのトラップを解除して侵入してきたんだよ。(難しい顔)」
「トラップをですか?」
「そう。……そして、トラップを設定したのは、僕とお師匠様の二人だけ。後から設定をいじることは可能なんだけれど、お師匠様の魔法はとても面倒くさい術式をわざと使うから、魔法省内で触ろうとする魔法使いは一人もいないんだ。」
「そうなのですね。……ということは、継母様達は、腕の立つ魔法使いさんなのでしょうか?」
「そうかもしれないし、……もしかすると、魔法省内に裏切り者がいる可能性もあるね。(悩)」
「ツクヨミさん、……あまり考えすぎると、身体によくありませんよ。物事というのは、成るように成るのです! 疑いは疑いを呼びますからね。だから、イリアルテに入って来られたご本人達へ聞くのが一番手っ取り早いと思います!」
私はそう言いますと、拘束された状態で壁際の隅っこに縮こまっていらっしゃるお三方を引きずり、ツクヨミさんの前まで連れてきました。
「さあ、ツクヨミさん。継母様達にいろいろと聞いてみましょう‼」
「う、うん。(そう簡単に口を割ってくれるのかな?)」
◇ ◇ ◇
「トラップ? そんなの知らないわ。リリー、トラップなんてあったかしら。(訝し気)」
「いいえ、お母様、ありませんでしたよ。ララ、無かったわよね。」
「ええ。私たち、ただの一般人なので、魔法とかトラップなんて、分かるわけないじゃない。」
「そうですよね、継母様方。でも、ここには簡単に入ることは難しいみたいなのですよ。どんな感じで入ったのか、触りだけでも教えていただけないでしょうか?(困り眉でうるうる)」
「そんなの、なんで灰かぶりなんかに教えないといけないの? 私たちはね、あんたのせいでこんな不気味な気持ちの悪い所へ来ないといけなかったのよ‼」
「「そうよ、そうよ‼」」
思っていた通り、継母様達のお口は固かったです。しかし、正直に話してもらわないと、ツクヨミさんが困ってしまいます。したがって、私は、奥の手を使うことに致しました。
「……継母様、義姉様、私の砂糖菓子が余程、お口に合ったみたいでよかったですわ。……たくさん作っているので、どうぞ、召し上がってくださいな!(砂糖菓子を携えてにっこり笑う)」
「は、灰かぶり⁉」
「継母様、義姉様、砂糖菓子で長い眠りにつくのか、正直にお話されて、おいしい晩ご飯を食べるのか、どちらがよろしいですか?(にっこり)」
「(灰かぶり姫、さすがにそれで、口を割ったりしないと思うよ。お三方も命がかかっているんだからね。)」
「……全身黒ずくめの男が私たちをあの赤い扉の部屋へ案内したのよ。(渋々)」
「「お母さま⁉」」
「(小声で)大丈夫よ、二人とも。……ここの入り口の門をこじ開けようとしていたら、その黒ずくめの男が門の内側から出てきたの。それ以外は知らないわ。(そっぽを向く)」
「そうなのですか、継母様。詳しく教えてくださって、ありがとうございます。(にこっ)」
「ふんっ!」
「(ええええええ⁉ 言っていいの⁉ ……いや、言ってもらえた方が助かるからいいんだけどさ。まがりなりにも、お三方から見たら、僕たちは敵だからね‼ ……灰かぶり姫の砂糖菓子の威力がすごすぎる‼)」
「ちなみに、何故私がここにいるって、わかったのですか?」
「それはユエ様に教えてもらって……。」
「「お母さま⁉」」
「――――っ‼(キッと三人を睨むツクヨミ)」
「継母様、ユエ様(?)とは一体、どのようなお方なのですか?(きょとん)」
「あ、あんたは知らなくていいの‼(声を大きくしてはぐらかす)」
「そうですか。(しょんぼり)」
「灰かぶり姫、もういいよ。ありがとう。」
「ツクヨミさん?(困り眉)」
「もうすぐ夕ご飯の時間だからね、お三方には、魔法省特製のディナーをいただいてもらおう。」
「はい、そうですね‼(にぱっ)」
「お三方のお世話は、僕の後輩に頼んであるからそのままで大丈夫だよ。」
「了解なのです‼」
「じゃあ、灰かぶり姫、(小声で)僕の部屋に移動しようか。」
「えっ? どうしてなのですか?(きょとん)」
ツクヨミさんは、少し考えてから、難しいお顔をしたまま私の耳元で囁いたのです。
「僕たちは、盗聴されている。魔法省内に、裏切り者がいるかもしれない――。(囁き声)」
――イリアルテ内に、激震が走る‼――
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