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第参譚
0024:『レオの館』
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【side アデリア・リッツ】
「……マーズ殿下、ここは本当にアデル皇国なのですか?(懐疑的)」
「ああ、そうだよ、ナラフォンス殿。」
皆様はじめまして! ナラ様と共に、マテリア帝国から亡命してきましたアデリア・リッツと申します。(その理由は、『家計を支える為王宮に出仕した子爵令嬢は、憧れの麗人の侍女となる』に書かれていますので、そちらも是非読んでみてくださいね。)
目の前にそびえ立つ大豪邸『レオの館』を仰ぎ見て、私とナラ様は口をあんぐりと開けるのでした。
「以前はこんなに大きくなかったのだがな。……来ていない間に、好き放題やっているみたいだ。(笑)」
マーズ殿下、笑いごとではないような気がするのですが⁉
ここの所有者は、先ほどお会いした魔法使いさん(?)によると、ランドット王国の諜報員とのことでしたが、……マーズ殿下の謎の余裕さは一体、どこからくるのでしょうか。(汗)
「……アリー、絶対に私から離れてはダメよ。」
「はい、ナラ様。(赤面)」
「もう少しすると、あちらから出てくると思うのだが……。あっ、いたいた。レオ、こっちだ‼」
マーズ殿下は、ものすごく遠くに見える黒い人影を捉えると、右手をブンブンと振り回して、勢いよく飛び跳ねていらっしゃいます。
すると、遠くに見えていた黒い人影が、一瞬で目の前までギュイーンと迫ってきて、思わず私はナラ様の後ろに隠れてしまうのでした。(冷や汗)
「やあ、マーズ、久しぶり。君たちが来るのを、今か今かと待っていたよ。(ニコニコ)」
「レオ、見ないうちに建物が立派になったな‼」
「……まあね。アデルのお得意様たちのおかげだよ。(にんまり)」
恐る恐るナラ様の影から見守っておりますと、中性的な出で立ちの男性が、にこやかにマーズ殿下とお話しされていらっしゃいます。このお方が、マーズ殿下たちが仰っていらっしゃったランドット王国の諜報員の魔法使いさんなのでしょうか。
「……それで、後ろのお二人は?(興味津々)」
「ナラフォンス殿とアデリア嬢殿だ。……詳細は館の中で話したいんだが、いいか?」
「もちろん。……みんな、こっちだよ。(にんまり)」
私たちは謎の男性に誘われて、お館の中へと入っていくのでした。
◇ ◇ ◇
「改めまして、僕の名前はレオ・ナユタ。『レオの館』の持ち主で魔法使いだよ。よろしく。(にやにや)」
「……ナラフォンス・ルシエルです。よろしくお願いします。(深く礼)」
「あ、アデリア・リッツです! よろしくお願いします。(深く礼)」
お館内の応接間(?)に通された私たちは、目の前でにやにや顔をなされていらっしゃるレオ様にご挨拶をしました。
「レオ、突然ですまないが、一時、彼らを匿ってくれないか? 勿論報酬は、ドンとはずむつもりだ。」
「……見たところ、マテリア帝国内で一番まともなルシエル公爵のご令嬢様だけど、珍しい吸血鬼の生き残りと、思想がアデル皇国側のリッツ子爵家のご令嬢だね。(にまにま)」
「「――――っ‼」」
私たちの素性をレオ様はいとも簡単に見抜いていらっしゃいますわ!(ハラハラ)
「二人とも、大丈夫だ。……レオは口は悪いがなかなか良い男だからな。(自信満々)」
「……マーズのその根拠のない自信は、ほんと、どこからくるのかなー?(にこにこ)」
マーズ殿下、レオ様もそう仰っていらっしゃいますよ! もう少し、人を疑う心をお持ちになった方がよいのではないのでしょうか。(汗)
「まあ、幼馴染だし、……彼らは良い実験材料……違う違う、良いおもちゃ……これも違うな。……お二人とは、なんだかこれからいろいろと仲良くできそうだから、その依頼、受けてあげるよ‼(ウインク)」
「さすがレオ‼ ありがとな‼」
……あのー、レオ様のお口から実験材料とか、おもちゃとか出てきたのはスルーでいいのでしょうか、マーズ殿下⁉
一抹の不安を抱きながら、私はお二人の会話を聞き入るのでした。
「(小声で)アリー、大丈夫よ。私がアリーのこと、全力で守るからね。(ウインク)」
「(小声で)ナラ様! いつまでもついていきますわ‼」
さすがナラ様、私の不安な気持ちを感じとってくださったのか、心強いお言葉をいただきました! ナラ様となら、なんとかなる気が致します‼
「……それで、レオ、報酬額はいくらだ?」
「うーーん、そうだね……。」
レオ様は、私とナラ様を一瞥なされると、口角をあげて仰いました。
「報酬は、マーキュリー次第かな‼(にんまり)」
「…………?(不思議そうなマーズ殿下)」
……レオ様のにまにま顔を見ていると、なんだかとても嫌な予感がしてしまうのですが、それは、私だけなのでしょうか?(冷や汗)
――魔法使いレオの思惑は誰にも分からない‼――
「……マーズ殿下、ここは本当にアデル皇国なのですか?(懐疑的)」
「ああ、そうだよ、ナラフォンス殿。」
皆様はじめまして! ナラ様と共に、マテリア帝国から亡命してきましたアデリア・リッツと申します。(その理由は、『家計を支える為王宮に出仕した子爵令嬢は、憧れの麗人の侍女となる』に書かれていますので、そちらも是非読んでみてくださいね。)
目の前にそびえ立つ大豪邸『レオの館』を仰ぎ見て、私とナラ様は口をあんぐりと開けるのでした。
「以前はこんなに大きくなかったのだがな。……来ていない間に、好き放題やっているみたいだ。(笑)」
マーズ殿下、笑いごとではないような気がするのですが⁉
ここの所有者は、先ほどお会いした魔法使いさん(?)によると、ランドット王国の諜報員とのことでしたが、……マーズ殿下の謎の余裕さは一体、どこからくるのでしょうか。(汗)
「……アリー、絶対に私から離れてはダメよ。」
「はい、ナラ様。(赤面)」
「もう少しすると、あちらから出てくると思うのだが……。あっ、いたいた。レオ、こっちだ‼」
マーズ殿下は、ものすごく遠くに見える黒い人影を捉えると、右手をブンブンと振り回して、勢いよく飛び跳ねていらっしゃいます。
すると、遠くに見えていた黒い人影が、一瞬で目の前までギュイーンと迫ってきて、思わず私はナラ様の後ろに隠れてしまうのでした。(冷や汗)
「やあ、マーズ、久しぶり。君たちが来るのを、今か今かと待っていたよ。(ニコニコ)」
「レオ、見ないうちに建物が立派になったな‼」
「……まあね。アデルのお得意様たちのおかげだよ。(にんまり)」
恐る恐るナラ様の影から見守っておりますと、中性的な出で立ちの男性が、にこやかにマーズ殿下とお話しされていらっしゃいます。このお方が、マーズ殿下たちが仰っていらっしゃったランドット王国の諜報員の魔法使いさんなのでしょうか。
「……それで、後ろのお二人は?(興味津々)」
「ナラフォンス殿とアデリア嬢殿だ。……詳細は館の中で話したいんだが、いいか?」
「もちろん。……みんな、こっちだよ。(にんまり)」
私たちは謎の男性に誘われて、お館の中へと入っていくのでした。
◇ ◇ ◇
「改めまして、僕の名前はレオ・ナユタ。『レオの館』の持ち主で魔法使いだよ。よろしく。(にやにや)」
「……ナラフォンス・ルシエルです。よろしくお願いします。(深く礼)」
「あ、アデリア・リッツです! よろしくお願いします。(深く礼)」
お館内の応接間(?)に通された私たちは、目の前でにやにや顔をなされていらっしゃるレオ様にご挨拶をしました。
「レオ、突然ですまないが、一時、彼らを匿ってくれないか? 勿論報酬は、ドンとはずむつもりだ。」
「……見たところ、マテリア帝国内で一番まともなルシエル公爵のご令嬢様だけど、珍しい吸血鬼の生き残りと、思想がアデル皇国側のリッツ子爵家のご令嬢だね。(にまにま)」
「「――――っ‼」」
私たちの素性をレオ様はいとも簡単に見抜いていらっしゃいますわ!(ハラハラ)
「二人とも、大丈夫だ。……レオは口は悪いがなかなか良い男だからな。(自信満々)」
「……マーズのその根拠のない自信は、ほんと、どこからくるのかなー?(にこにこ)」
マーズ殿下、レオ様もそう仰っていらっしゃいますよ! もう少し、人を疑う心をお持ちになった方がよいのではないのでしょうか。(汗)
「まあ、幼馴染だし、……彼らは良い実験材料……違う違う、良いおもちゃ……これも違うな。……お二人とは、なんだかこれからいろいろと仲良くできそうだから、その依頼、受けてあげるよ‼(ウインク)」
「さすがレオ‼ ありがとな‼」
……あのー、レオ様のお口から実験材料とか、おもちゃとか出てきたのはスルーでいいのでしょうか、マーズ殿下⁉
一抹の不安を抱きながら、私はお二人の会話を聞き入るのでした。
「(小声で)アリー、大丈夫よ。私がアリーのこと、全力で守るからね。(ウインク)」
「(小声で)ナラ様! いつまでもついていきますわ‼」
さすがナラ様、私の不安な気持ちを感じとってくださったのか、心強いお言葉をいただきました! ナラ様となら、なんとかなる気が致します‼
「……それで、レオ、報酬額はいくらだ?」
「うーーん、そうだね……。」
レオ様は、私とナラ様を一瞥なされると、口角をあげて仰いました。
「報酬は、マーキュリー次第かな‼(にんまり)」
「…………?(不思議そうなマーズ殿下)」
……レオ様のにまにま顔を見ていると、なんだかとても嫌な予感がしてしまうのですが、それは、私だけなのでしょうか?(冷や汗)
――魔法使いレオの思惑は誰にも分からない‼――
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