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第参譚
0025:マーキュリー殿下とレオ
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【side マーキュリー殿下】
「……ツクヨミ、これは一体何があったんだ?(こめかみピクピク)」
「ま、マーキュリー殿下‼(恐怖)」
「随分と派手になったもんだな。(怒)」
「も、申し訳ありません‼(泣)」
予定より早くランドット王国から帰ってみれば、第一魔法省『イリアルテ』内は大荒れに荒れていた。核であるツクヨミの居室まで来てみると、お部屋は壊滅状態、おまけに室内(?)の片隅では、ツクヨミのローブの中で灰かぶり姫が、スピスピと気持ちよさそうに寝ているではないか。(灰かぶり姫は可愛いから悪くないよ! 悪いのは灰かぶり姫を見てデレデレしているツクヨミだ‼)
「…………僕のいない間に、灰かぶり姫とお楽しみ中であったか、ツクヨミよ。(怒)」
「ち、違うんです、殿下‼ ……マーズ殿下が僕の部屋(核)をぶち壊してしまって、イリアルテ内のセキュリティが弱くなっているので、灰かぶり姫を僕のローブの中で保護しているところなのですよ‼(泣)」
「ほお?(背後ブリザード)」
「本当ですって! マーズ殿下が『レオの館』にいらっしゃるので、行って確かめてくださいよ!(困り眉)」
「なんだって⁉」
『レオの館』の主人、レオ・ナユタは古くからの知人である。僕は陰で『変態サディスト野郎』と呼んでいるのだが、マーズは昔から奴と何故だか馬が合うらしい。……さては、マーズ、あの野郎に仕事の依頼をしに行ったのではないか⁉ これは大変だ‼ 急いで行って止めに入らねばならない!
「ツクヨミ、ちょっと奴の館へ行ってくる!」
「了解なのです、殿下‼」
「……灰かぶり姫にお手付きしたら許さないからな。(ボソッと)」
「そ、そんなことしませんよ‼(脂汗)」
「ツクヨミさーーん。……スピスピ。(気持ちよさそうな寝顔)」
「――――っ‼(茹蛸状態のツクヨミ)」
……早く戻って二人を引き剝がさなければならないな。(遠い目)
僕は転送魔法を発動して、『レオの館』へと向かうのであった。
◇ ◇ ◇
「やあ、マーキュリー、久しぶりだね‼(にこっ)」
「……先月の爆弾事件で会ったはずだが?」
「あっ、ばれてた?(悪びらないテヘペロ)」
「ベルにも会って聞いている‼ ……お前たち、何が目的なんだ‼(テーブルをドンと叩く)」
「まあまあ、落ち着いてよ、マーキュリー。ゆっくり話そうじゃないか。(にんまり)」
『レオの館』へ到着した僕は、初めて見る女の子(彼女曰く、奴の弟子らしい)に促されて、奴のいる応接間へと足を踏み入れた。
「爆弾が弾けたときにあそこにいたのは、只のまぐれだよ。……結構びっくりしちゃったから、ベルには一応報告したけどね。……それよりも、ランドット王国はどうだった?(にやり)」
「相変わらずだったよ。(リリアナ嬢はとても可愛かった。ベルは全然変わらないな。)」
「そうかー。僕も帰りたいんだけどね、今国外追放真っ只中だからさ、……恋しいな。(遠い目)」
「帰りたそうに見えないのは僕だけか?」
「えへへっ! アデル皇国は僕の第二の故郷だからね。ここでの暮らしも存外良いんだよね‼」
「いや帰れ‼ 今すぐにお前の母国に帰れ‼」
「ひどいよ、マーキュリー。……僕たち、心の通い合った幼馴染じゃないか! あの頃は『レオ、大好き!』って僕の後ろを追っかけて来てくれたのに。(ウソ泣き)」
「そんな記憶は僕には無い‼ 頭の片隅に残っているのは、いつも僕の服に蛇を入れて遊んで楽しんでいた悪魔な思い出だけだ‼(怒)」
「……毒への耐性をつける為に、致し方なくやったことなんだよ。(ウソ泣き)」
「言い訳はいらない! マーズはどこだ! 僕は、マーズを連れて戻りにきたんだ‼」
「……そう言うと思ってたよ。(にんまり)」
にやにやしながら、奴はテーブルの上に、一枚の紙きれを置いた。
「なんだ、これは?(怪訝)」
「今回、マーズから依頼されたお仕事の契約書だよ♪」
そこには、こう書かれていた。
【依頼する仕事内容】
其一 ナラフォンス・ルシエル及びアデリア・リッツの保護及び護衛
其二 ベル・ナユタ及びリリアナ・ヘレンの保護及び護衛
以上の仕事を依頼する。マーズ・サイフォン
――マーーズーーっ‼(激おこ)
僕に無断で契約書にサインしやがったな‼
「……これ、破棄は?(ギロリ)」
「もちろんできないよ! 魔法紙をつかっているからね‼(今日一番の悪い笑み)」
「――――っ‼(イライラマックス)」
僕は最後のあがきとして、契約書を両手で引き裂こうとしたが、無理だった。……相手が異次元の魔法マニアであるレオなのだから、仕方がないのだが、解せない。解せないぞ、こら‼
「マーキュリー、下部の報酬の欄も見てみてね♡(ウインク)」
「どうせ、お前のことだから、僕たちに出せないくらいの高額をふっかけたんだろ。(報酬の欄を見て)…………おい、お前、これ‼(ガクブル)」
「えへへ、幼馴染価格だよ‼(にんまり)」
そこには、【報酬】『マーキュリーの男装禁止。永遠に女性として生きること。』と、書かれていたのであった。(汗)
「……ちょっとこれは、無理な願いだな。キャンセルだ。(脂汗)」
「……賢いマーキュリーなら、魔法紙に書かれた契約が実行されないと、瞬時に強制執行になるってわかるよね?(ものすごい圧)」
「ううっ……、卑怯だ、この野郎‼(ガクブル)」
「……何も全然、卑怯ではないよ、僕は。……マーキュリーのやったことに比べたら、僕なんかほんと、優しさマックスなんだからね。(冷たい視線をマーキュリーに向けて)」
「――――っ‼(生まれたての小鹿のような顔)」
「マーキュリー、君は、今からただの女の子だ。もう軍服も着ないし、剣も扱わない。……あと女の子たちを口説いたりしない‼」
「……でも、僕が女の格好をしたら、夢の通りになってしまう‼(ウルウル)」
「……それでいいじゃないか。全く問題ない。」
「でも――っ‼」
「長生きするよりも、彼を守ることよりも、大切なことがあるんだよ、マーキュリー。(真顔)」
「…………‼(打ちひしがれている)」
「明日死んだって、いいじゃないか。三歳の命も、八十歳の命も同じ命だ。……心次第だろ?」
「…………。(言い返せなくて悔しい)」
「……僕は、今生きて、出会っている人たち全員に幸せになってほしいんだ。王族、貴族、平民、関係なく、ね。……マーキュリー、心を犠牲にしている人間は、死んでいるも同然なんだよ。(真顔)」
「…………。(ショックを受けすぎて再起不能)」
「……というわけで、そろそろマーキュリーのドレスができると思うから、さっそく着替えようか‼(どす黒いニヤニヤ)」
「ひいいいいいいい‼(ガクブル)」
「レオ様、指示されたドレスが出来上がりましたけど、どうすればよろしいですか? ……って、お客様、大丈夫ですか⁉」
大丈夫じゃない。……僕は、これから降りかかるであろう災難を思い浮かべて、ショックでその場に気絶するのであった。
――マーキュリー殿下は何かを隠している⁉――
「……ツクヨミ、これは一体何があったんだ?(こめかみピクピク)」
「ま、マーキュリー殿下‼(恐怖)」
「随分と派手になったもんだな。(怒)」
「も、申し訳ありません‼(泣)」
予定より早くランドット王国から帰ってみれば、第一魔法省『イリアルテ』内は大荒れに荒れていた。核であるツクヨミの居室まで来てみると、お部屋は壊滅状態、おまけに室内(?)の片隅では、ツクヨミのローブの中で灰かぶり姫が、スピスピと気持ちよさそうに寝ているではないか。(灰かぶり姫は可愛いから悪くないよ! 悪いのは灰かぶり姫を見てデレデレしているツクヨミだ‼)
「…………僕のいない間に、灰かぶり姫とお楽しみ中であったか、ツクヨミよ。(怒)」
「ち、違うんです、殿下‼ ……マーズ殿下が僕の部屋(核)をぶち壊してしまって、イリアルテ内のセキュリティが弱くなっているので、灰かぶり姫を僕のローブの中で保護しているところなのですよ‼(泣)」
「ほお?(背後ブリザード)」
「本当ですって! マーズ殿下が『レオの館』にいらっしゃるので、行って確かめてくださいよ!(困り眉)」
「なんだって⁉」
『レオの館』の主人、レオ・ナユタは古くからの知人である。僕は陰で『変態サディスト野郎』と呼んでいるのだが、マーズは昔から奴と何故だか馬が合うらしい。……さては、マーズ、あの野郎に仕事の依頼をしに行ったのではないか⁉ これは大変だ‼ 急いで行って止めに入らねばならない!
「ツクヨミ、ちょっと奴の館へ行ってくる!」
「了解なのです、殿下‼」
「……灰かぶり姫にお手付きしたら許さないからな。(ボソッと)」
「そ、そんなことしませんよ‼(脂汗)」
「ツクヨミさーーん。……スピスピ。(気持ちよさそうな寝顔)」
「――――っ‼(茹蛸状態のツクヨミ)」
……早く戻って二人を引き剝がさなければならないな。(遠い目)
僕は転送魔法を発動して、『レオの館』へと向かうのであった。
◇ ◇ ◇
「やあ、マーキュリー、久しぶりだね‼(にこっ)」
「……先月の爆弾事件で会ったはずだが?」
「あっ、ばれてた?(悪びらないテヘペロ)」
「ベルにも会って聞いている‼ ……お前たち、何が目的なんだ‼(テーブルをドンと叩く)」
「まあまあ、落ち着いてよ、マーキュリー。ゆっくり話そうじゃないか。(にんまり)」
『レオの館』へ到着した僕は、初めて見る女の子(彼女曰く、奴の弟子らしい)に促されて、奴のいる応接間へと足を踏み入れた。
「爆弾が弾けたときにあそこにいたのは、只のまぐれだよ。……結構びっくりしちゃったから、ベルには一応報告したけどね。……それよりも、ランドット王国はどうだった?(にやり)」
「相変わらずだったよ。(リリアナ嬢はとても可愛かった。ベルは全然変わらないな。)」
「そうかー。僕も帰りたいんだけどね、今国外追放真っ只中だからさ、……恋しいな。(遠い目)」
「帰りたそうに見えないのは僕だけか?」
「えへへっ! アデル皇国は僕の第二の故郷だからね。ここでの暮らしも存外良いんだよね‼」
「いや帰れ‼ 今すぐにお前の母国に帰れ‼」
「ひどいよ、マーキュリー。……僕たち、心の通い合った幼馴染じゃないか! あの頃は『レオ、大好き!』って僕の後ろを追っかけて来てくれたのに。(ウソ泣き)」
「そんな記憶は僕には無い‼ 頭の片隅に残っているのは、いつも僕の服に蛇を入れて遊んで楽しんでいた悪魔な思い出だけだ‼(怒)」
「……毒への耐性をつける為に、致し方なくやったことなんだよ。(ウソ泣き)」
「言い訳はいらない! マーズはどこだ! 僕は、マーズを連れて戻りにきたんだ‼」
「……そう言うと思ってたよ。(にんまり)」
にやにやしながら、奴はテーブルの上に、一枚の紙きれを置いた。
「なんだ、これは?(怪訝)」
「今回、マーズから依頼されたお仕事の契約書だよ♪」
そこには、こう書かれていた。
【依頼する仕事内容】
其一 ナラフォンス・ルシエル及びアデリア・リッツの保護及び護衛
其二 ベル・ナユタ及びリリアナ・ヘレンの保護及び護衛
以上の仕事を依頼する。マーズ・サイフォン
――マーーズーーっ‼(激おこ)
僕に無断で契約書にサインしやがったな‼
「……これ、破棄は?(ギロリ)」
「もちろんできないよ! 魔法紙をつかっているからね‼(今日一番の悪い笑み)」
「――――っ‼(イライラマックス)」
僕は最後のあがきとして、契約書を両手で引き裂こうとしたが、無理だった。……相手が異次元の魔法マニアであるレオなのだから、仕方がないのだが、解せない。解せないぞ、こら‼
「マーキュリー、下部の報酬の欄も見てみてね♡(ウインク)」
「どうせ、お前のことだから、僕たちに出せないくらいの高額をふっかけたんだろ。(報酬の欄を見て)…………おい、お前、これ‼(ガクブル)」
「えへへ、幼馴染価格だよ‼(にんまり)」
そこには、【報酬】『マーキュリーの男装禁止。永遠に女性として生きること。』と、書かれていたのであった。(汗)
「……ちょっとこれは、無理な願いだな。キャンセルだ。(脂汗)」
「……賢いマーキュリーなら、魔法紙に書かれた契約が実行されないと、瞬時に強制執行になるってわかるよね?(ものすごい圧)」
「ううっ……、卑怯だ、この野郎‼(ガクブル)」
「……何も全然、卑怯ではないよ、僕は。……マーキュリーのやったことに比べたら、僕なんかほんと、優しさマックスなんだからね。(冷たい視線をマーキュリーに向けて)」
「――――っ‼(生まれたての小鹿のような顔)」
「マーキュリー、君は、今からただの女の子だ。もう軍服も着ないし、剣も扱わない。……あと女の子たちを口説いたりしない‼」
「……でも、僕が女の格好をしたら、夢の通りになってしまう‼(ウルウル)」
「……それでいいじゃないか。全く問題ない。」
「でも――っ‼」
「長生きするよりも、彼を守ることよりも、大切なことがあるんだよ、マーキュリー。(真顔)」
「…………‼(打ちひしがれている)」
「明日死んだって、いいじゃないか。三歳の命も、八十歳の命も同じ命だ。……心次第だろ?」
「…………。(言い返せなくて悔しい)」
「……僕は、今生きて、出会っている人たち全員に幸せになってほしいんだ。王族、貴族、平民、関係なく、ね。……マーキュリー、心を犠牲にしている人間は、死んでいるも同然なんだよ。(真顔)」
「…………。(ショックを受けすぎて再起不能)」
「……というわけで、そろそろマーキュリーのドレスができると思うから、さっそく着替えようか‼(どす黒いニヤニヤ)」
「ひいいいいいいい‼(ガクブル)」
「レオ様、指示されたドレスが出来上がりましたけど、どうすればよろしいですか? ……って、お客様、大丈夫ですか⁉」
大丈夫じゃない。……僕は、これから降りかかるであろう災難を思い浮かべて、ショックでその場に気絶するのであった。
――マーキュリー殿下は何かを隠している⁉――
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