【モフモフは正義‼︎】親友に裏切られて国外追放された悪役令嬢は、聖女になって返り咲く

星 佑紀

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第壱譚(修正前)

0005:リゲル殿下の居室にて

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 ――トルネード王国宮殿第三王子居室にて――



「リゲルでんかー、今日もおしごと、ご苦労様ですうー♡」


「シェリー、待たせたな。(デレデレ)」



 シェリー・ステビア侯爵令嬢は、執務を終えた第三王子リゲル殿下が帰ってくるや否や、リゲル殿下にべったりとくっつき、室内の中心に置かれたソファへと促した。そして、ソファへと腰を下ろしたリゲル殿下の膝に乗っかって、更に身体を密着させる。二人は、婚約関係にはなっていないのだが、そんな事はお構い無しに、熱い抱擁を交わすのであった。(汗)



「……最近、でんかのお帰りが遅いから、シェリー、とても心配なんですぅ。(ウルウル)」


「すまん、すまん。……明日開催される新型爆弾のお披露目会の準備で忙しくてな。(デレデレ)」


「そうなんですかぁ。……てっきり、でんかが新しいご令嬢様とよろしくやってるのかなって思っておりましたぁ。(あざとい目)」


「そんなこと、私がするはずないだろう!(怒)」


「だって、…………でんかは、とてもカッコいいし、お優しいし、おしごとも完璧にできるし、世の中の女性達からの人気も沢山あって、……シェリー、でんかに捨てられるんじゃないかなって、不安で夜眠れないのです。(ウルウル涙)」


「私が愛するのは、シェリー、お前だけだ!」


「でんか。…………シェリー、今、とても幸せです♡(恥じらいつつ赤面)」


「心配しなくていい。私は、シェリーしかいらない。(真剣な顔をしながら、ステビア侯爵令嬢の身体をベタベタまさぐる)」


「でんか、愛してます♡ ……でも、何故、婚約のお話がなかなか進まないのでしょう?(ウルウル)」


「それは、……父上からの了承は得たのだが、母上がまだ首を縦に振ってくれないのだ。(困り眉)」


「――っ‼ …………やはり、侯爵家の娘である私では、でんかの正妻にはなれないのですね。(儚く悲しげな表情)」


「ち、違うぞ、シェリー。……ラーズベルト公爵令嬢との婚約を破棄したばかりだから、少し時間を空けたいらしいのだ。」


「……そうですね。気長に待ちましょう。(微笑)……でももし、でんかの正妻になれなかったとしても、でんか、……私を側室として、でんかのお側においてくださいまし。」


「シェリー。…………私には、シェリーしかしないのだ。こちらこそ、シェリーの側にずっと居させてくれ。(両手をステビア侯爵令嬢の両手に絡める)」


「…………でんか、いい案を思いつきましたわ!」


「それはなんだい、シェリー?(デレデレ)」


「私が、でんかの赤ちゃんを身籠ってしまえば、ずっと一緒にいられると思います♡」


「既成事実か、…………それは良い案だな。(ニヤニヤ)」


「でんかー、だからですね、……赤ちゃんを身籠るまで、このお部屋に泊まっててもいいですか?(あざとく懇願)」


「……いいよ。他の輩どもにシェリーの姿を見せたくないしな。……ずっとここにいなさい。(デレデレ)」


「ありがとうございます、でんか♡ では、毎日恒例ののお時間ですわ!(にんまり)」


「――っ! ありがとう、また作ってきてくれたのか?」


「はいなのです♡ でんかの喜ぶお顔を思い浮かべながら作りました!」



 ステビア侯爵令嬢は、ローテーブルに置かれた小さな箱を取って、蓋を開ける。そこには、のような形をしたクッキーらしきものが入っていた。ステビア侯爵令嬢は、その内の一つを手に取り、リゲル殿下の口元へと運ぶ。



「でんか、はい、あーーん♡」


「あーーん。(モグモグモグ)」


「……でんか、お味はどうですか?(にんまり)」


「美味しいよ、シェリー。口に入れた途端に、疲れが吹き飛ぶな。(目がバキバキ)」


「えへへ、まだまだたくさんありますから、全部食べてくださいね♡」


「シェリー、…………クッキーは後だ。私は、先にシェリーを食べたいぞ‼(シェリーをソファに押し倒して首筋を甘噛みする)」


「もう、でんかったら、…………続きはベッドに行ってからですよ♡(小悪魔)」


「――っ‼ わ、わかった。シェリー、今夜も寝かさないからな!(お目々バキバキ)」


「望むところですわ♡」



 リゲル殿下は、ステビア侯爵令嬢を横抱きに抱えると、足早に寝室へと向かうのであった。(汗)



 ◇  ◇  ◇



 ――一方、第二王子パトリック殿下はというと……。マリア・ラーズベルト公爵令嬢の歓迎会を仲間達と行っているところであった。――



「ぱ、パトリック殿下、いい加減、目隠しを外してください!(あと、殿下のお膝から降りたいです。 ガクブル)」


「駄目だよ、マリア様。…………マリア様が屈強な男達を見て、その中の誰かに惚れてしまったら、僕、マリア様をどうにかしてしまいそうになるからね。(マリア嬢の耳元で甘く囁く)」


「――――っ‼(赤面して震える)」


「――パトリック殿下、少々よろしいですか?(冷や汗をダラダラかきながら殿下にお伺いを立てるモブ)」


「なんだ、敵襲か?(マリア嬢へのイタズラをしたままモブの問いに応える殿下)」


「えっと…………、明日、予定通り、首都中央広場にて、リゲル殿下が新型爆弾のお披露目会を催されますが、どうなされますか?(マリア嬢にセクハラしている殿下を見て、ショックを受けつつ、関わりたくないと切に願うモブ)」


「もちろん、行くよ。…………マリア様も、変装して行こうね!(悪魔の微笑み)」


「――――っ‼ …………もが、んぐぐぐ!(断ろうとしたが殿下の手で口を塞がれており言えずに慌てるマリア嬢)」


「………………承知致しました。では、明日の夜明け前頃の出発になります。マリア様の用意もこちらでやっておきますので、今夜はゆっくりと休まれてください。(イチャイチャしている二人から早く離れたいモブ)」


「ありがとう。(にっこり)…………じゃあ、マリア様、の寝床で続きを楽しもうか!(魔王パトリック殿下)」


「ふごご、ふぐぐー!(誰かー、助けてー! 大汗)」



 …………トルネード王国は、今宵も賑やかに更けゆくのであった。(これ、大丈夫なの?)



 ――『マリアよ、どんまい。(笑) 神より』次回、トルネード王国首都中央広場にて、互い互いの想いが交差する⁉ ……かもしれない。(不安)――
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