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エピローグ
そーはいくかよ、カイザージムの伊深茉理乃サン~滝島side
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――恋に落ちるのは一瞬。
そんなことをいったのは誰だったのか。
けれどその日、確かに俺は一瞬で恋に落ちた。
Twitterの企業中の人をはじめて四年目、フォロワーも五十万人を突破とそこそこ人気のアカウントになった。
――なのに。
「このように、ツイートから与える印象は……」
「ふぁ……」
出そうになったあくびを噛み殺す。
壇上では机上の空論でしかない講演が、永遠に続いていた。
……数字だけで宣伝効果とかわかったら苦労しないって。
統計学から見る、Twitterでの宣伝効果、だったか? 今日の講演内容は。
俺からすればこんなものを聴いても無駄でしかないが、会社からは行ってこいと無理矢理出席させられた。
まあ、座って聴くフリをしているだけで給料になるんだ、よしとしよう。
退屈な内容、さらに有用性のあることも出ないとなると、会場のほとんどが俺と一緒であくびを噛み殺している状態になっていた。
「……質問はありますか」
ようやくその言葉が出て、そろそろ終わりかとこっそり帰る準備をはじめた、そのとき。
「はい」
ひとりの女性が、手を上げた。
「どうぞ」
「はい」
指されて彼女が立ち上がる。
小柄ながらピンと伸びた背筋は凜々しくて、一瞬で目が奪われた。
「先ほど、同じツイートをあまり繰り返すべきではないとのことでしたが、RTはどうなんでしょうか。
そちらの具体的な数字が出ていないようなのですが」
「それにつきましては……RTは同じツイートをしたと換算し……」
演者の返答はしどろもどろで要領を得ない。
それもそのはず、ありきたりな表面だけを撫でた講演だったから。
流行の内容でやれば企業からの参加者が募れてお金が集まるとでも踏んだのだろう。
「わかりました。
自分で調べます」
落胆か、嘲笑して終わるのかと思ったら、彼女は俺の想像の斜め上をいった。
調べる?
自分で?
この実のない講義を自分の糧にするというのか。
一気に彼女へ興味が湧いた。
講演が終わり、追いかける。
けれど彼女はひとつ前のエレベーターに乗ってしまい、俺が下りたときにはすでに姿はなかった。
同じ中の人であるのは見当がつくが、どこの企業かまではわからない。
TLをチェックして女性がやっていそうなところにいくつか目星をつけたが、決め手は全くなかった。
中の人仲間に訊いてみても、わからない。
もっとも、実際に顔をあわせてまで交流のある企業はさほどないが。
もう二度と会えないのかと悶々と過ごした年明け、合コンに誘われた。
彼女のことで頭がいっぱいな俺は、全く参加する気などなかったが、客寄せパンダが来ないと困るとの幹事の歯に衣を着せぬ発言で、苦笑いで参加する。
「伊深茉理乃、二十三歳です。
会社員、やっています」
彼女だ、すぐに直感した。
けれど笑顔が硬い。
勧められてもほとんど食べない。
無理なダイエットでもしている?
でも彼女がそんな愚かな人間には思えず、ひたすら気になった。
お開きになったもののまだ帰りたくなさそうな彼女を、さりげなく誘ってみる。
「ふたりで飲みに行かないか?」
少しだけ思い詰めた顔で俺を見つめたあと、彼女はこくんと頷いた。
行ったバーで、いい加減酔っていた彼女は、合コンの場では言えなかったであろう愚痴を吐き出しはじめた。
「Twitterの中の人をやってるんですが、上司に理解がなくて。
すぐに怒鳴られるし」
「うん、そうか。
それは大変だな」
中の人、これで間違いなく彼女に確定だ。
しかしあの日と違い、くすんで見えるのが気になる。
「彼氏に他の女ができたみたいで。
デブ、お前みたいなデブ、誰が好きなるかっ、って……」
「酷いな、それは」
確かに彼女は少しふっくらとはしていたが、決して太ってはいない。
……俺の感覚からすれば、だが。
だいたい、最近の女性は不健康に痩せすぎなのだ。
それをもてはやす奴らも俺は嫌いだけど。
「あなたもそんなこと言って、デブだって思っているんですよね」
ぐいっと一気に彼女がグラスのお酒を呷る。
「おい、そんな無理はしない方が……」
「きゅぅー」
くたくたと彼女が俺の腕の中に倒れ込んでくる。
完全に酔い潰れていた。
「困ったなー」
店を出たものの、彼女の家がわからない。
「おい、おいって」
「んんーっ」
揺すってみたけれど、彼女は目を覚ます気配がない。
「仕方ない、か」
俺は彼女を家に連れて帰った。
ベッドに転がしコートを脱がせると、彼女が目を開けた。
「気づいたか?
今日は泊めてやるから……」
一瞬、なにが起きたのかわからなかった。
――彼女の方からいきなり、キスしてきたから。
唇が離れてしばし、見つめあう。
彼女の唇が小さく動いた。
――抱いて。
微かに耳に届いた、たった三文字が理解できない。
なんで彼女が、会ったばかりの俺に。
「いや、俺はソファーで寝るし、別にお前に手を出す気とかねーし」
「……私に魅力がないからですか」
部屋を出ていこうとして足が止まった。
振り返ると、耐えきれなくなった涙が彼女の目からぽろりと落ちる。
綺麗な、まるで水晶のような雫に、心臓がドクッと一度、脈打った。
『彼氏がデブって』
彼女がバーで言っていた、彼氏の言葉がよみがえってくる。
きっと彼女はその言葉に酷く傷つき、自信を失っている。
「そんなことねーよ」
ベッドに戻ってきつく彼女を抱き締めた。
心細そうに震える身体が愛おしい。
「とりあえずシャワー浴びてこい。
話はそれからだ」
腕の中で黙ったまま、彼女が頷いた。
彼女がシャワーを浴びている間に、大急ぎで部屋の中を探した。
「よかった、あった」
恋人がいたのなんてもうかなり前、あれから恋をしていないのはなんでだっけ?
きっと、そんな相手がいなかったから。
使わずに済めばこしたことはない、それに無責任なこともしたくない。
「シャワー、ありがとうございました』
浴室から出てきた彼女がおずおずと俺の隣に座る。
「後悔、しないな」
また彼女がこくんとひとつ、無言で頷いた。
押し倒せば簡単にころんと転がった。
ひたすら、なにかも考えられないくらいまで彼女を喘がせる。
抱き締めれば俺の腕の中にすっぽりと収まってしまう身体は可愛くて堪らない。
「興奮してくれていますか」
彼女は何度も、不安そうに俺に訊ねた。
こんなにも彼女を傷つけた彼氏が憎い。
殴りつけてやりたいくらいに。
「興奮してるからこんなになってるんだろ」
欲望のままに彼女を抱き潰した。
彼女もそう望んでいる気がして。
「……好きだ」
意識を手放しつつある彼女にそっと囁く。
いまはこれでいい、朝になったらちゃんと伝えよう。
しかしながら。
彼女は早朝、俺を起こさずに出ていった。
いや、彼女が起きて着替えているのは知っていたさ。
気合いを入れてスカートのホックを留める様に、吹き出さないように我慢するのに必死だったとも。
「そーくるかよ」
送ったLINEはいつまでたっても既読にならない。
念のためにブロックチェックしてみたら、どうもされているようだ。
「もう二度と会うことはない、なんて思ってるんだろーけど。
そーはいくかよ、カイザージムの伊深茉理乃サン」
彼女はまだ、休み明け、ミツミの俺と再会するだなんて知らない。
【終】
そんなことをいったのは誰だったのか。
けれどその日、確かに俺は一瞬で恋に落ちた。
Twitterの企業中の人をはじめて四年目、フォロワーも五十万人を突破とそこそこ人気のアカウントになった。
――なのに。
「このように、ツイートから与える印象は……」
「ふぁ……」
出そうになったあくびを噛み殺す。
壇上では机上の空論でしかない講演が、永遠に続いていた。
……数字だけで宣伝効果とかわかったら苦労しないって。
統計学から見る、Twitterでの宣伝効果、だったか? 今日の講演内容は。
俺からすればこんなものを聴いても無駄でしかないが、会社からは行ってこいと無理矢理出席させられた。
まあ、座って聴くフリをしているだけで給料になるんだ、よしとしよう。
退屈な内容、さらに有用性のあることも出ないとなると、会場のほとんどが俺と一緒であくびを噛み殺している状態になっていた。
「……質問はありますか」
ようやくその言葉が出て、そろそろ終わりかとこっそり帰る準備をはじめた、そのとき。
「はい」
ひとりの女性が、手を上げた。
「どうぞ」
「はい」
指されて彼女が立ち上がる。
小柄ながらピンと伸びた背筋は凜々しくて、一瞬で目が奪われた。
「先ほど、同じツイートをあまり繰り返すべきではないとのことでしたが、RTはどうなんでしょうか。
そちらの具体的な数字が出ていないようなのですが」
「それにつきましては……RTは同じツイートをしたと換算し……」
演者の返答はしどろもどろで要領を得ない。
それもそのはず、ありきたりな表面だけを撫でた講演だったから。
流行の内容でやれば企業からの参加者が募れてお金が集まるとでも踏んだのだろう。
「わかりました。
自分で調べます」
落胆か、嘲笑して終わるのかと思ったら、彼女は俺の想像の斜め上をいった。
調べる?
自分で?
この実のない講義を自分の糧にするというのか。
一気に彼女へ興味が湧いた。
講演が終わり、追いかける。
けれど彼女はひとつ前のエレベーターに乗ってしまい、俺が下りたときにはすでに姿はなかった。
同じ中の人であるのは見当がつくが、どこの企業かまではわからない。
TLをチェックして女性がやっていそうなところにいくつか目星をつけたが、決め手は全くなかった。
中の人仲間に訊いてみても、わからない。
もっとも、実際に顔をあわせてまで交流のある企業はさほどないが。
もう二度と会えないのかと悶々と過ごした年明け、合コンに誘われた。
彼女のことで頭がいっぱいな俺は、全く参加する気などなかったが、客寄せパンダが来ないと困るとの幹事の歯に衣を着せぬ発言で、苦笑いで参加する。
「伊深茉理乃、二十三歳です。
会社員、やっています」
彼女だ、すぐに直感した。
けれど笑顔が硬い。
勧められてもほとんど食べない。
無理なダイエットでもしている?
でも彼女がそんな愚かな人間には思えず、ひたすら気になった。
お開きになったもののまだ帰りたくなさそうな彼女を、さりげなく誘ってみる。
「ふたりで飲みに行かないか?」
少しだけ思い詰めた顔で俺を見つめたあと、彼女はこくんと頷いた。
行ったバーで、いい加減酔っていた彼女は、合コンの場では言えなかったであろう愚痴を吐き出しはじめた。
「Twitterの中の人をやってるんですが、上司に理解がなくて。
すぐに怒鳴られるし」
「うん、そうか。
それは大変だな」
中の人、これで間違いなく彼女に確定だ。
しかしあの日と違い、くすんで見えるのが気になる。
「彼氏に他の女ができたみたいで。
デブ、お前みたいなデブ、誰が好きなるかっ、って……」
「酷いな、それは」
確かに彼女は少しふっくらとはしていたが、決して太ってはいない。
……俺の感覚からすれば、だが。
だいたい、最近の女性は不健康に痩せすぎなのだ。
それをもてはやす奴らも俺は嫌いだけど。
「あなたもそんなこと言って、デブだって思っているんですよね」
ぐいっと一気に彼女がグラスのお酒を呷る。
「おい、そんな無理はしない方が……」
「きゅぅー」
くたくたと彼女が俺の腕の中に倒れ込んでくる。
完全に酔い潰れていた。
「困ったなー」
店を出たものの、彼女の家がわからない。
「おい、おいって」
「んんーっ」
揺すってみたけれど、彼女は目を覚ます気配がない。
「仕方ない、か」
俺は彼女を家に連れて帰った。
ベッドに転がしコートを脱がせると、彼女が目を開けた。
「気づいたか?
今日は泊めてやるから……」
一瞬、なにが起きたのかわからなかった。
――彼女の方からいきなり、キスしてきたから。
唇が離れてしばし、見つめあう。
彼女の唇が小さく動いた。
――抱いて。
微かに耳に届いた、たった三文字が理解できない。
なんで彼女が、会ったばかりの俺に。
「いや、俺はソファーで寝るし、別にお前に手を出す気とかねーし」
「……私に魅力がないからですか」
部屋を出ていこうとして足が止まった。
振り返ると、耐えきれなくなった涙が彼女の目からぽろりと落ちる。
綺麗な、まるで水晶のような雫に、心臓がドクッと一度、脈打った。
『彼氏がデブって』
彼女がバーで言っていた、彼氏の言葉がよみがえってくる。
きっと彼女はその言葉に酷く傷つき、自信を失っている。
「そんなことねーよ」
ベッドに戻ってきつく彼女を抱き締めた。
心細そうに震える身体が愛おしい。
「とりあえずシャワー浴びてこい。
話はそれからだ」
腕の中で黙ったまま、彼女が頷いた。
彼女がシャワーを浴びている間に、大急ぎで部屋の中を探した。
「よかった、あった」
恋人がいたのなんてもうかなり前、あれから恋をしていないのはなんでだっけ?
きっと、そんな相手がいなかったから。
使わずに済めばこしたことはない、それに無責任なこともしたくない。
「シャワー、ありがとうございました』
浴室から出てきた彼女がおずおずと俺の隣に座る。
「後悔、しないな」
また彼女がこくんとひとつ、無言で頷いた。
押し倒せば簡単にころんと転がった。
ひたすら、なにかも考えられないくらいまで彼女を喘がせる。
抱き締めれば俺の腕の中にすっぽりと収まってしまう身体は可愛くて堪らない。
「興奮してくれていますか」
彼女は何度も、不安そうに俺に訊ねた。
こんなにも彼女を傷つけた彼氏が憎い。
殴りつけてやりたいくらいに。
「興奮してるからこんなになってるんだろ」
欲望のままに彼女を抱き潰した。
彼女もそう望んでいる気がして。
「……好きだ」
意識を手放しつつある彼女にそっと囁く。
いまはこれでいい、朝になったらちゃんと伝えよう。
しかしながら。
彼女は早朝、俺を起こさずに出ていった。
いや、彼女が起きて着替えているのは知っていたさ。
気合いを入れてスカートのホックを留める様に、吹き出さないように我慢するのに必死だったとも。
「そーくるかよ」
送ったLINEはいつまでたっても既読にならない。
念のためにブロックチェックしてみたら、どうもされているようだ。
「もう二度と会うことはない、なんて思ってるんだろーけど。
そーはいくかよ、カイザージムの伊深茉理乃サン」
彼女はまだ、休み明け、ミツミの俺と再会するだなんて知らない。
【終】
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