3 / 23
第一章 憧れのお兄ちゃんとの再会
1-2
しおりを挟む
「ひなちゃん」
披露宴が終わり、ほとんどの人間がそれぞれ次の場所へと向かったところで猪狩さんから声をかけられた。
「よかったら少しお茶、しない?」
あの猪狩さんが私をお茶に誘ってくれている。
これって夢でも見ているんだろうか。
「あー、でも、おじさんとおばさんも一緒だよね?」
「大丈夫です!
父と母には断ってきます!」
困ったように彼が笑った瞬間、思いっきり言い切っていた。
「いいの?」
「はい。
どうせまた、今までの兄の成長を聞かされるだけなんで」
兄の結婚が決まってからというもの、ことあるごとに両親はこれまでの兄の話ばかりしている。
そして最後に言うのだ、「あの篤弘だから絶対、お嫁さんを幸せにするだろう」
と。
もうそれには耳にたこができているし、少しくらい私が抜けたって問題はないだろう。
猪狩さんに待っていてもらい、両親に少し知り合いと話してくると伝える。
夕食の時間までには戻ると約束したら、特になにも言われなかった。
今日はもつ鍋を食べに行くのだと張り切っていたし、それは私も少し楽しみだった。
お茶といってもこの近辺には詳しくないので、そのまま披露宴をおこなったホテルのカフェテリアを利用する。
「ひなちゃんは今日、泊まり?」
「はい。
ここのホテルに泊まって、明日の飛行機で帰ります」
兄たちの新居は糸島にあるが、東京から来福する人たちの利便性も考えて挙式と披露宴は博多駅近くのホテルにしてくれた。
「猪狩お……」
つい昔の癖でお兄ちゃんと言いそうになり、慌てて口を噤む。
「猪狩さんも泊まりですか?」
「いや。
俺は明日、仕事があるから日帰り」
小さく咳払いして言い直した私を彼はおかしそうにくすくす笑っていて、頬が熱くなった。
「しかしほんと、びっくりだよ。
あーんな小さかったひなちゃんが、もう立派な女性になってるんだもんな」
思い出しているのか彼の目が遠くを見る。
最後に顔をあわせたのは彼が大学に進学して家を出たときなので、猪狩さんが十八、私が八歳のときになる。
「もう二十年近く会ってないですもんね」
「だよなー。
俺ももう立派なおじさんだし、ひなちゃんも大人になるよな」
はぁっと彼が憂鬱そうなため息をつき、つい笑っていた。
「おじさんって猪狩さんは十分、格好いいですよ」
「そんなこと言ってくれるのはひなちゃんくらいだよ」
彼は笑っているが、きっと今だってモテるに違いない。
さりげなく確認した左手薬指には指環はなかったが同じ年の兄だって結婚したくらいだ、もう結婚してお子さんがいてもおかしくない。
「兄とはあれからも連絡、取ってたんですか」
だったら教えてくれたらよかったのにと兄に恨み言を言いたくなる。
「いや?
大学出るくらいまではちょいちょい連絡取ってたけど、就職してからは忙しくってさー。
ここ十年くらいは年賀状のやりとりくらいしかしてないよ。
それがいきなり結婚する、だろ?
驚いたのなんのって」
猪狩さんは驚いているが、確かにそんな状況で突然、結婚するから出席してくれとか言われたら驚くに決まっている。
しかし彼は〝年賀状のやりとりくらいしか〟と言ったが、十年もそれを続けているなんてそれだけふたりの親友としての絆は今でも続いているのだと感じさせた。
だからこそ兄は、彼を結婚式に招待したのだろう。
「でも、無二の親友の結婚式だろ?
これは出ないわけにはいかないって、駆けつけたってわけ」
おかしそうに彼が笑う。
そういう関係がちょっと、うらやましかった。
「猪狩さんはまだ、結婚とかしてないんですか」
そわそわと返事を待つ。
いや、彼が結婚していなかったとして、私はどうする気なんだろう?
「あー……。
仕事が忙しくてそれどころじゃないっていうか。
というか、彼女ができても長続きしないんだ」
猪狩さんは困ったように笑っているが、長続きしないというのが意外すぎる。
見た目がイケメンなのはもちろん、私の中で彼は優しくて頼れる人なのに。
私基準では恋人として百点満点な彼を振る人間がいるとは信じられない。
「え、猪狩さんを振る人間がいるんですか?」
驚きすぎて思わず考えが口から出てくる。
「社会人になってからふたりの女性と付き合ったけど、どっちにも『私と仕事、どっちが大事!?』ってフラれたな」
はははっと乾いた笑いが彼の口から落ちていく。
「お仕事に理解のない方だったんなら、運がなかったと……」
「違うんだ」
私に最後まで言わせず遮ってきた彼は、少し思い詰めた表情をしていた。
「休みが不規則で、やっとデートの約束を取り付けたかと思ったら当日、しかもデートの最中に急に仕事になったっていきなり置いて帰られたらそりゃ、嫌になるだろ?」
「ああ……」
それは確かに「私と仕事、どっちが大事!?」とキレそうだ。
「かといって部署を変わるとか、ましてや仕事を辞めるとかいう選択肢は俺にはないし、それで喧嘩になって終わり。
そんなことが二度も続くと、もういいやって気になってきてさ」
ひと息つき、彼がコーヒーカップを口に運ぶ。
きっと猪狩さんも傷ついていたのに、別れた彼女たちを悪く言わない彼は私からしたら好感度が高い。
「その。
猪狩さんのお仕事って……」
「公務員だよ」
眼鏡の向こうで目尻を下げ、彼がにっこりと笑う。
「えっと……」
「だから。
公務員だよ。
……って、これも喧嘩の原因だったんだけどね」
はぁっと彼は、憂鬱そうにため息をついた。
「仕事柄、あんまり詳しく話せないんだ。
ごめんね」
「いえ」
気にしていないと笑ってみせる。
「ひなちゃんは気にならないんだ?」
猪狩さんはなぜか、何度かパチパチと瞬きをした。
「正直に言えば気になりますよ?
でも前になんかで、自衛官とか機密情報で乗ってる船とかでも家族にも教えられないとか見たんで、そういうのかな、って。
だったら仕方ないじゃないですか」
「ひなちゃんは相変わらず、可愛いね」
嬉しそうに彼が笑う。
「可愛いって私、もう子供じゃないんですけど」
子供扱いされた気がして、不満で唇を尖らせたが。
「その顔!
昔のまんまだ!」
彼を喜ばせるだけだった。
「いやー、ほんと懐かしいわ。
『猪狩お兄ちゃん、ご本読んで』って俺の膝に上ってきてたあのひなちゃんがこんなに綺麗になっててビビったけど、やっぱり昔のまんま変わってないんだな」
「うっ。
子供の頃の話はいろいろ恥ずかしいので、やめていただけると……」
なんかもう、猪狩さんにいろいろしていた自分の記憶がよみがえる。
いまさらながらあれらを語られるのは恥ずかしすぎる。
「え?
そう?
ひなちゃん、篤弘より俺に懐いてて、家に帰ろうとするたび『帰っちゃダメー!』って泣くから、しょっちゅう泊まってたよな」
「うっ」
ええ、ええ、そうでしたが?
それで兄と猪狩さんと三人で、川の字になって寝ていましたが?
うん、でもこれはまだ、傷が浅いから大丈夫だ。
「女の子連れてきたら絶対、俺にべったりくっついて睨んでたよな」
子供の独占欲って怖い。
でもこれもまだ、耐えられる。
「極めつけは『大きくなったら猪狩お兄ちゃんと結婚する』ってみんなに宣言してさ」
「わーっ、わーっ!」
思わず大きな声が出てしまい、周囲の注目が集まった。
「あっ、……えっと。
すみま、せん」
熱い顔で取り繕い、座り直す。
猪狩さんはおかしそうに喉を鳴らしてくつくつ笑っていた。
「……それを持ち出すとは意地悪です」
「そうか?」
しれっと言い、彼はすっかり冷えてしまったコーヒーを飲み干した。
「子供の言ったことです、気にしないでください」
必ずこれを持ち出されるとわかっていたから、子供の頃の話はしたくなかったのだ。
子供の頃、猪狩さんは私のもうひとりのお兄ちゃんであり、王子様であり、ヒーローだった。
格好よくて優しくて、そんな彼に可愛がってもらえるのが自慢だった。
でもそれは小さな子供からは十も年上の彼がそう見えただけで、定番の「大きくなったらお父さんと結婚する」と同じなのだ、あれは。
「気にしちゃダメなんだ?」
「え?」
彼がなにを言いたいのかわからなくて、まじまじとその顔を見ていた。
「ひなちゃんは俺と、結婚してくれないの?」
「え?
え?」
状況が整理できず、頭の中をクエスチョンマークが大行列で通り過ぎていく。
「ここで再会したのもなにかの縁だ。
ひなちゃん。
結婚、しよ?」
「え?
は?」
私の手を取り、にっこりと笑う彼をただ見ていた。
披露宴が終わり、ほとんどの人間がそれぞれ次の場所へと向かったところで猪狩さんから声をかけられた。
「よかったら少しお茶、しない?」
あの猪狩さんが私をお茶に誘ってくれている。
これって夢でも見ているんだろうか。
「あー、でも、おじさんとおばさんも一緒だよね?」
「大丈夫です!
父と母には断ってきます!」
困ったように彼が笑った瞬間、思いっきり言い切っていた。
「いいの?」
「はい。
どうせまた、今までの兄の成長を聞かされるだけなんで」
兄の結婚が決まってからというもの、ことあるごとに両親はこれまでの兄の話ばかりしている。
そして最後に言うのだ、「あの篤弘だから絶対、お嫁さんを幸せにするだろう」
と。
もうそれには耳にたこができているし、少しくらい私が抜けたって問題はないだろう。
猪狩さんに待っていてもらい、両親に少し知り合いと話してくると伝える。
夕食の時間までには戻ると約束したら、特になにも言われなかった。
今日はもつ鍋を食べに行くのだと張り切っていたし、それは私も少し楽しみだった。
お茶といってもこの近辺には詳しくないので、そのまま披露宴をおこなったホテルのカフェテリアを利用する。
「ひなちゃんは今日、泊まり?」
「はい。
ここのホテルに泊まって、明日の飛行機で帰ります」
兄たちの新居は糸島にあるが、東京から来福する人たちの利便性も考えて挙式と披露宴は博多駅近くのホテルにしてくれた。
「猪狩お……」
つい昔の癖でお兄ちゃんと言いそうになり、慌てて口を噤む。
「猪狩さんも泊まりですか?」
「いや。
俺は明日、仕事があるから日帰り」
小さく咳払いして言い直した私を彼はおかしそうにくすくす笑っていて、頬が熱くなった。
「しかしほんと、びっくりだよ。
あーんな小さかったひなちゃんが、もう立派な女性になってるんだもんな」
思い出しているのか彼の目が遠くを見る。
最後に顔をあわせたのは彼が大学に進学して家を出たときなので、猪狩さんが十八、私が八歳のときになる。
「もう二十年近く会ってないですもんね」
「だよなー。
俺ももう立派なおじさんだし、ひなちゃんも大人になるよな」
はぁっと彼が憂鬱そうなため息をつき、つい笑っていた。
「おじさんって猪狩さんは十分、格好いいですよ」
「そんなこと言ってくれるのはひなちゃんくらいだよ」
彼は笑っているが、きっと今だってモテるに違いない。
さりげなく確認した左手薬指には指環はなかったが同じ年の兄だって結婚したくらいだ、もう結婚してお子さんがいてもおかしくない。
「兄とはあれからも連絡、取ってたんですか」
だったら教えてくれたらよかったのにと兄に恨み言を言いたくなる。
「いや?
大学出るくらいまではちょいちょい連絡取ってたけど、就職してからは忙しくってさー。
ここ十年くらいは年賀状のやりとりくらいしかしてないよ。
それがいきなり結婚する、だろ?
驚いたのなんのって」
猪狩さんは驚いているが、確かにそんな状況で突然、結婚するから出席してくれとか言われたら驚くに決まっている。
しかし彼は〝年賀状のやりとりくらいしか〟と言ったが、十年もそれを続けているなんてそれだけふたりの親友としての絆は今でも続いているのだと感じさせた。
だからこそ兄は、彼を結婚式に招待したのだろう。
「でも、無二の親友の結婚式だろ?
これは出ないわけにはいかないって、駆けつけたってわけ」
おかしそうに彼が笑う。
そういう関係がちょっと、うらやましかった。
「猪狩さんはまだ、結婚とかしてないんですか」
そわそわと返事を待つ。
いや、彼が結婚していなかったとして、私はどうする気なんだろう?
「あー……。
仕事が忙しくてそれどころじゃないっていうか。
というか、彼女ができても長続きしないんだ」
猪狩さんは困ったように笑っているが、長続きしないというのが意外すぎる。
見た目がイケメンなのはもちろん、私の中で彼は優しくて頼れる人なのに。
私基準では恋人として百点満点な彼を振る人間がいるとは信じられない。
「え、猪狩さんを振る人間がいるんですか?」
驚きすぎて思わず考えが口から出てくる。
「社会人になってからふたりの女性と付き合ったけど、どっちにも『私と仕事、どっちが大事!?』ってフラれたな」
はははっと乾いた笑いが彼の口から落ちていく。
「お仕事に理解のない方だったんなら、運がなかったと……」
「違うんだ」
私に最後まで言わせず遮ってきた彼は、少し思い詰めた表情をしていた。
「休みが不規則で、やっとデートの約束を取り付けたかと思ったら当日、しかもデートの最中に急に仕事になったっていきなり置いて帰られたらそりゃ、嫌になるだろ?」
「ああ……」
それは確かに「私と仕事、どっちが大事!?」とキレそうだ。
「かといって部署を変わるとか、ましてや仕事を辞めるとかいう選択肢は俺にはないし、それで喧嘩になって終わり。
そんなことが二度も続くと、もういいやって気になってきてさ」
ひと息つき、彼がコーヒーカップを口に運ぶ。
きっと猪狩さんも傷ついていたのに、別れた彼女たちを悪く言わない彼は私からしたら好感度が高い。
「その。
猪狩さんのお仕事って……」
「公務員だよ」
眼鏡の向こうで目尻を下げ、彼がにっこりと笑う。
「えっと……」
「だから。
公務員だよ。
……って、これも喧嘩の原因だったんだけどね」
はぁっと彼は、憂鬱そうにため息をついた。
「仕事柄、あんまり詳しく話せないんだ。
ごめんね」
「いえ」
気にしていないと笑ってみせる。
「ひなちゃんは気にならないんだ?」
猪狩さんはなぜか、何度かパチパチと瞬きをした。
「正直に言えば気になりますよ?
でも前になんかで、自衛官とか機密情報で乗ってる船とかでも家族にも教えられないとか見たんで、そういうのかな、って。
だったら仕方ないじゃないですか」
「ひなちゃんは相変わらず、可愛いね」
嬉しそうに彼が笑う。
「可愛いって私、もう子供じゃないんですけど」
子供扱いされた気がして、不満で唇を尖らせたが。
「その顔!
昔のまんまだ!」
彼を喜ばせるだけだった。
「いやー、ほんと懐かしいわ。
『猪狩お兄ちゃん、ご本読んで』って俺の膝に上ってきてたあのひなちゃんがこんなに綺麗になっててビビったけど、やっぱり昔のまんま変わってないんだな」
「うっ。
子供の頃の話はいろいろ恥ずかしいので、やめていただけると……」
なんかもう、猪狩さんにいろいろしていた自分の記憶がよみがえる。
いまさらながらあれらを語られるのは恥ずかしすぎる。
「え?
そう?
ひなちゃん、篤弘より俺に懐いてて、家に帰ろうとするたび『帰っちゃダメー!』って泣くから、しょっちゅう泊まってたよな」
「うっ」
ええ、ええ、そうでしたが?
それで兄と猪狩さんと三人で、川の字になって寝ていましたが?
うん、でもこれはまだ、傷が浅いから大丈夫だ。
「女の子連れてきたら絶対、俺にべったりくっついて睨んでたよな」
子供の独占欲って怖い。
でもこれもまだ、耐えられる。
「極めつけは『大きくなったら猪狩お兄ちゃんと結婚する』ってみんなに宣言してさ」
「わーっ、わーっ!」
思わず大きな声が出てしまい、周囲の注目が集まった。
「あっ、……えっと。
すみま、せん」
熱い顔で取り繕い、座り直す。
猪狩さんはおかしそうに喉を鳴らしてくつくつ笑っていた。
「……それを持ち出すとは意地悪です」
「そうか?」
しれっと言い、彼はすっかり冷えてしまったコーヒーを飲み干した。
「子供の言ったことです、気にしないでください」
必ずこれを持ち出されるとわかっていたから、子供の頃の話はしたくなかったのだ。
子供の頃、猪狩さんは私のもうひとりのお兄ちゃんであり、王子様であり、ヒーローだった。
格好よくて優しくて、そんな彼に可愛がってもらえるのが自慢だった。
でもそれは小さな子供からは十も年上の彼がそう見えただけで、定番の「大きくなったらお父さんと結婚する」と同じなのだ、あれは。
「気にしちゃダメなんだ?」
「え?」
彼がなにを言いたいのかわからなくて、まじまじとその顔を見ていた。
「ひなちゃんは俺と、結婚してくれないの?」
「え?
え?」
状況が整理できず、頭の中をクエスチョンマークが大行列で通り過ぎていく。
「ここで再会したのもなにかの縁だ。
ひなちゃん。
結婚、しよ?」
「え?
は?」
私の手を取り、にっこりと笑う彼をただ見ていた。
49
あなたにおすすめの小説
『冷徹社長の秘書をしていたら、いつの間にか専属の妻に選ばれました』
鍛高譚
恋愛
秘書課に異動してきた相沢結衣は、
仕事一筋で冷徹と噂される社長・西園寺蓮の専属秘書を務めることになる。
厳しい指示、膨大な業務、容赦のない会議――
最初はただ必死に食らいつくだけの日々だった。
だが、誰よりも真剣に仕事と向き合う蓮の姿に触れるうち、
結衣は秘書としての誇りを胸に、確かな成長を遂げていく。
そして、蓮もまた陰で彼女を支える姿勢と誠実な仕事ぶりに心を動かされ、
次第に結衣は“ただの秘書”ではなく、唯一無二の存在になっていく。
同期の嫉妬による妨害、ライバル会社の不正、社内の疑惑。
数々の試練が二人を襲うが――
蓮は揺るがない意志で結衣を守り抜き、
結衣もまた社長としてではなく、一人の男性として蓮を信じ続けた。
そしてある夜、蓮がようやく口にした言葉は、
秘書と社長の関係を静かに越えていく。
「これからの人生も、そばで支えてほしい。」
それは、彼が初めて見せた弱さであり、
結衣だけに向けた真剣な想いだった。
秘書として。
一人の女性として。
結衣は蓮の差し伸べた未来を、涙と共に受け取る――。
仕事も恋も全力で駆け抜ける、
“冷徹社長×秘書”のじれ甘オフィスラブストーリー、ここに完結。
この裏切りは、君を守るため
島崎 紗都子
恋愛
幼なじみであるファンローゼとコンツェットは、隣国エスツェリアの侵略の手から逃れようと亡命を決意する。「二人で幸せになろう。僕が君を守るから」しかし逃亡中、敵軍に追いつめられ二人は無残にも引き裂かれてしまう。架空ヨーロッパを舞台にした恋と陰謀 ロマンティック冒険活劇!
俺を信じろ〜財閥俺様御曹司とのニューヨークでの熱い夜
ラヴ KAZU
恋愛
二年間付き合った恋人に振られた亜紀は傷心旅行でニューヨークへ旅立つ。
そこで東條ホールディングス社長東條理樹にはじめてを捧げてしまう。結婚を約束するも日本に戻ると連絡を貰えず、会社へ乗り込むも、
理樹は亜紀の父親の会社を倒産に追い込んだ東條財閥東條理三郎の息子だった。
しかも理樹には婚約者がいたのである。
全てを捧げた相手の真実を知り翻弄される亜紀。
二人は結婚出来るのであろうか。
男に間違えられる私は女嫌いの冷徹若社長に溺愛される
山口三
恋愛
「俺と結婚してほしい」
出会ってまだ何時間も経っていない相手から沙耶(さや)は告白された・・・のでは無く契約結婚の提案だった。旅先で危ない所を助けられた沙耶は契約結婚を申し出られたのだ。相手は五瀬馨(いつせかおる)彼は国内でも有数の巨大企業、五瀬グループの若き社長だった。沙耶は自分の夢を追いかける資金を得る為、養女として窮屈な暮らしを強いられている今の家から脱出する為にもこの提案を受ける事にする。
冷酷で女嫌いの社長とお人好しの沙耶。二人の契約結婚の行方は?
定時で帰りたい私と、残業常習犯の美形部長。秘密の夜食がきっかけで、胃袋も心も掴みました
藤森瑠璃香
恋愛
「お先に失礼しまーす!」がモットーの私、中堅社員の結城志穂。
そんな私の天敵は、仕事の鬼で社内では氷の王子と恐れられる完璧美男子・一条部長だ。
ある夜、忘れ物を取りに戻ったオフィスで、デスクで倒れるように眠る部長を発見してしまう。差し入れた温かいスープを、彼は疲れ切った顔で、でも少しだけ嬉しそうに飲んでくれた。
その日を境に、誰もいないオフィスでの「秘密の夜食」が始まった。
仕事では見せない、少しだけ抜けた素顔、美味しそうにご飯を食べる姿、ふとした時に見せる優しい笑顔。
会社での厳しい上司と、二人きりの時の可愛い人。そのギャップを知ってしまったら、もう、ただの上司だなんて思えない。
これは、美味しいご飯から始まる、少し大人で、甘くて温かいオフィスラブ。
俺と結婚してくれ〜若き御曹司の真実の愛
ラヴ KAZU
恋愛
村藤潤一郎
潤一郎は村藤コーポレーションの社長を就任したばかりの二十五歳。
大学卒業後、海外に留学した。
過去の恋愛にトラウマを抱えていた。
そんな時、気になる女性社員と巡り会う。
八神あやか
村藤コーポレーション社員の四十歳。
過去の恋愛にトラウマを抱えて、男性の言葉を信じられない。
恋人に騙されて借金を払う生活を送っていた。
そんな時、バッグを取られ、怪我をして潤一郎のマンションでお世話になる羽目に......
八神あやかは元恋人に騙されて借金を払う生活を送っていた。そんな矢先あやかの勤める村藤コーポレーション社長村藤潤一郎と巡り会う。ある日あやかはバッグを取られ、怪我をする。あやかを放っておけない潤一郎は自分のマンションへ誘った。あやかは優しい潤一郎に惹かれて行くが、会社が倒産の危機にあり、合併先のお嬢さんと婚約すると知る。潤一郎はあやかへの愛を貫こうとするが、あやかは潤一郎の前から姿を消すのであった。
社長は身代わり婚約者を溺愛する
日下奈緒
恋愛
ある日礼奈は、社長令嬢で友人の芹香から「お見合いを断って欲しい」と頼まれる。
引き受ける礼奈だが、お見合いの相手は、優しくて素敵な人。
そして礼奈は、芹香だと偽りお見合いを受けるのだが……
エリート役員は空飛ぶ天使を溺愛したくてたまらない
如月 そら
恋愛
「二度目は偶然だが、三度目は必然だ。三度目がないことを願っているよ」
(三度目はないからっ!)
──そう心で叫んだはずなのに目の前のエリート役員から逃げられない!
「俺と君が出会ったのはつまり必然だ」
倉木莉桜(くらきりお)は大手エアラインで日々奮闘する客室乗務員だ。
ある日、自社の機体を製造している五十里重工の重役がトラブルから莉桜を救ってくれる。
それで彼との関係は終わったと思っていたのに!?
エリート役員からの溺れそうな溺愛に戸惑うばかり。
客室乗務員(CA)倉木莉桜
×
五十里重工(取締役部長)五十里武尊
『空が好き』という共通点を持つ二人の恋の行方は……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる