孕むまでオマエを離さない~孤独な御曹司の執着愛~

霧内杳/眼鏡のさきっぽ

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第六章 身籠もり旅行

6-1

あれから予約を入れられ、強制的に病院へ行かされた。
綺麗な病院でちゃんと女性医師のところへしてくれているのが憎い。

「綺麗な子宮ですね」

エコーで確認してそう言われたときにはほっとしたものだ。

ストレスと冷えが原因じゃないかと、漢方を処方された。
高志と付き合っているときは無意識にずっとストレス下にあったし、ここ一ヶ月はさらに高いストレスがかかっている。
きっとそうだろうなと納得した。

「花音、おはよう」

「……おはようございます」

今日も海星さんが私をキスで起こしてくれる。
相変わらず彼は私に甘い。
でも、それに浸っていいのかわからない。



その三連休は海星さんに温泉旅行へ連れていかれた。

『たまには違う環境のほうが妊娠しやすいかもしれないだろ』

……らしい。
あと、プレ新婚旅行もかねているらしいけれど。

朝は遅めの時間に出た。
というか私が起きられない。
明日からそういう旅行に行くというのに、相変わらず海星さんが激しく求めてくるからだ。

「途中でお昼食べてゆっくり行けばちょうど、チェックインの時間くらいに着くと思う。
途中、なにかあったら気兼ねなく言ってくれ」

「わかりました、ありがとうございます」

今日はプライベートだからか車はSUVだ。
滑るように車は進んでいく。
海星さんは運転がとても上手だ。
急ブレーキとか急ハンドルとかよほどのことがなければ、ない。
無理な割り込み運転とか当然、しないし。

「寒くないか」

「大丈夫です」

私の生理痛の原因が冷えだとわかってからは、いろいろ気遣ってくれる。
冷え性に効くらしいといろいろ入浴剤も揃えてくれた。
よく淹れてくれるホットミルクも最近、生姜が追加された。
美味しくて好きだと言ったら気をよくしたのか毎晩、寝る前に淹れてくれるようになって、お気に入りだ。

途中、美味しいピザを堪能させてもらい、宿に着いたのはチェックインが始まる時間くらいだった。

「ここ、ですか?」

「ああ」

鬱蒼と木が生い茂る敷地内を車は進んでいく。
五分ほど走ってようやく、建物が見えた。

「凄い建物ですね」

「だろ?」

それは重文指定されていてもおかしくないほど、古くて立派な和建築の旅館だった。
しかしそこで車は止まらず、まだ進んでいく。
さらに五分ほど走り見えてきた、小さな家のような建物の横に海星さんは車を停めた。

「ようこそいらっしゃいました」

私たちが車を降りるのと同時に、中から宿の人らしき着物姿の女性が出てくる。
たぶん、女将だろう。

「よろしく頼むよ」

女将に案内されて中に入る。
部屋は広い座敷になっており、その向こうに日本庭園が見えた。

「離れなんだ」

そっと海星さんが教えてくれる。
調度はアンティーク調でお洒落だ。
庭側のガラス障子には部分的にステンドグラスがあしらってある。
ふすまにもモダンというのがぴったりな水彩画が描いてあり、大正時代にでもタイムスリップしたみたいだ。

「気に入ったか?」

無言でうんうんと頷いていた。
こんな素敵なお部屋が気に入らないはずがない。

「よかった」

嬉しそうに海星さんが笑い、私も嬉しくなった。

お部屋でチェックインを済ませる。
ウェルカムドリンクだとスパークリングの日本酒が、おまんじゅうと一緒に出された。

「おまんじゅう?」

意外な気がしながら口に運ぶ。
中は白あんだが、ほのかにチーズの香りがする。
それが甘口のスパークリング日本酒と、あう。

「意外とあうな」

海星さんも同意だったみたいで、感心していた。

「帰りに買って帰ろう」

「そうですね」

うちでもぜひ、楽しみたい。
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