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30 地竜
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亜竜を乗せた山車がオルガの町を出発した。
今僕は、マルカートと山車の上に立って、街道沿いの亜竜を見に集まった人々へ手を振っている。
僕は開花したので、治癒魔法の再生を覚えた。
このところ、危険な目に遭う事が多いので、保険を掛けたのだ。
それ以外、相変わらず特には変わったところはない。
動きが急に早くなるとか、力が凄く強くなるとか、頭が物凄く切れるようになるとか、美女がホイホイと寄って来るとかの、目に見える美味しいレベルアップ効果は無かった。
それに比べ、悔しいことに蔓は着実に進化した。
① むくむくと太くなって、蔓が蔦くらいの太さになった。
② 酒場で飲んでいるときの蔓の伸びる範囲が酒場内から店の外の通りまで広がり、店の前を歩いている女性まで、捕まえて来るようになった。
③ 連れ込んで来る女性の美人度が確実にアップし、年齢の守備範囲も広がった。
でも、いくら美人だからと言って、今夜の夕飯の食材を買物籠に入れた主婦を連れて来られても、対処に困ってしまう。
?を盛大に頭へ浮かべている女性達に、取り敢えず椅子を勧めて、飲み物と菓子をご馳走してから帰って頂いた。
まだまだ蔓とのコミニュケーションが必要だ。
しかも、陽が完全に沈み、店の外が光石に彩られる大人の楽しい時間帯になってから、蔓が最初に外から捕まえて来た美人さんは、僕が良く見知った顔だった。
マルカートの侍女で、名前はフィーネ、年齢は二十歳前後。
蔓もやるき満々だし、彼女が御一人様だったら、勿論このまま酒場の二階へ連れ込んでいた。
だが、マルカートという瘤がしっかり着いていた。
年長者として、取り敢えず子供の夜更かしは良くないと説教して、誤魔化そうとしたのだが、天使のような笑みを浮かべられ、右腕にガブリと噛みつかれてしまった。
マルカートの犬歯は鋭く、しかも雷魔法が混じっているようで、電撃が僕の身体を貫いた。
蔓も痛かった様で、じたばたしていた。
鋭い犬歯で脅かされ、僕は大人しく宿へ戻った。
王都へ近付くに連れて、街道幅は少しずつ太くなり、押し掛ける人々も多くなった。
宿泊場所も領主である貴族の城や館が多くなり、夜は必ず領主が主催するパーティーへ呼ばれる様になった。
会場は美人が一杯で、蔓は直ぐに会場全体に伸びて物色を始める。
何故か毎回、主催者である領主の夫人を真っ先に捕まえて来るのだが、さすがに公爵夫人や伯爵夫人は落ち着き払って対応してくれる。
世間話などをしてお茶を濁してくれるのだが、唇を舐めながら、ウインクして戻って行く御夫人には、少々戸惑うことも多かった。
勿論マルカートは脇で監視している。
マルカートが犬歯をキラリと光らせると、蔓も捕まえて来た女性を慌てて解放する。
僕の周囲に女性が増えて行き、周囲の男性の目が険しくなる。
マルカートの犬歯がスパークし始めるので、とても怖かった。
楽団や吟遊詩人は必ず呼ばれている。
最近クリスタル地方での流行詩と言って、初めて聞く詩を歌ってくれた。
~♪~
会いたいの、会いたいよ、お兄ちゃん。僕がこんなに愛しているのに何処へ行ったの。
何度も、何度も、手紙出したのに、何で返事をくれないの。
お兄ちゃんの温もりの無いベットは、とてもとても寂しいよ、お兄ちゃんの腕の中じゃないと、僕は安心して眠れない。
会いたいの、会いたいよ、お兄ちゃん。僕をまたベットの中で抱き締めてよ。
会いたいよ、会いたいよ、お兄ちゃん。今何処にいるの
~♪~
「クリスタル地方では歌唱禁止になってますが、今密かに流行っている詩です。うわさでは、聖都から広がったと聞いています」
「うわー、身体を求め合う恋人同士の凄く情熱的な詩ですわ」
「私も殿方とこんな関係になってみたいです」
「恋人に恋焦がれる気持ちが伝わってきますわ」
「きっと情熱的に愛し合っている恋人同士なんでしょうね」
「・・・・・違うと思うぞ」
王都の衛星都市ビオラへ到着した、明日にも王都へ到着する。
亜竜を見ようと、王都から人が押し寄せてきており、街はお祭りの様な騒ぎになっていた。
ビオラは王領なので、領主の城や館は無い。
久々に宿の酒場で酒を楽しんだ。
酒場の前の通りは、大勢の人達が、街の中央広場に飾ってある亜竜の山車を目指して歩いている。
マルカートは何となく、蔓が女性を捕えに行く気配が解るようになったらしく、蔓が通りに出る度に犬歯を光らせる。
すると蔓も痛いのは嫌いらしく、すごすごと引き揚げて来る。
腰を据えて飲んだので、だいぶ酔いが回って来た。
蔓も酔っているようで、ユラユラしている。
凄く溜まっていたので、マルカートでも良いから、部屋に連れ込んで抜こうかと思い始めた時だった。
外から人々の悲鳴が聞こえてきて、広場と逆方向へと必死に逃げている。
魔素の目で見たら、広場で物凄く大きい生き物が翼を広げ、周囲の人々を一生懸命食べていた。
「地竜です。姫、地下道へ避難を」
ビスさんが走り込んで来た。
僕も一緒に地下道へ逃げようとしたのだが、完全に酔っ払っている蔓が、僕を外へと連れ出した。
「勇者殿、無茶だ」
背後からビスさんの叫び声が聞こえたが、それは僕にも十分わかっている。
蔓が屋根を伝って、逃げ惑う人々の頭の上を越えて、僕を無理やり中央広場へと運ぶ。
竜の大きさは、本体がだいたい五十メール、翼渡しが百メートくらい。
竜の足元で転がっている亜竜が、おもちゃの様に見える。
兵士を口の中に入れ、鎧ごとバリバリと齧っている。
竜が僕をジロリと睨む、恐ろしくて、内股に暖かい物が流落ちた。
逃げようとしても、蔓が僕の足をしっかりと石畳に結わい付けている。
それどころか、周囲の槍や剣を拾い上げ、ブンブン振り回して竜を挑発している。
竜が僕に襲い掛かって来て、蔓が竜に襲い掛かった。
僕はダニの様に竜の首の後ろに貼り付けられている。
亜竜の時と同様に、蔓が僕を竜の首に縛り付けたのだ。
物凄い勢いで振り落そうと首を振るので、目が回って、僕はどっちが上でどっちが下か、どっちが右でどっちが左かもう解らない。
恐怖で、涙と鼻水と涎が出て、顔はもうぐちゃぐちゃだ。
槍を鱗の間に突き立てようとするのだが、無茶苦茶硬くてびくともしない。
短い人生が終わることを悟って、もう一回やっておけば良かったと思った。
竜が僕を建物の壁へ叩き付ける。
槍をしっかりと握って身を縮めたら、槍がつっかえ棒となって、僕を護ってくれた。
竜が三回僕を壁へ叩き付けた時、槍の穂先が竜の鱗の間に食い込んだ。
もう一回竜が僕を壁に叩き付けようとしたので、槍を少し傾けてみる。
”ゲホッ”
壁にぶつかる衝撃が背中に伝わって来て、息が詰まって、意識が半分飛ぶ。
それでも痛みは報われた様で、竜の鱗が一枚浮いていた。
槍を突き入れたら、ズブリと肉に突き刺さる感触があった。
”ギャー”
竜が痛みを感じた様で、叫び声を上げた。
飛んで逃げようとするが、蔓の攻撃で翼はボロボロになっていて飛べない。
溜まっている欲情も込めて、僕は必死で槍を竜の首へ捻じ込んだ。
開花の音が頭に響いて僕は我に返った。
魔素の目で見たら、槍の穂先が竜の頚椎を断ち切っており、竜は動きを止めていた。
壁に叩き付けられて何ヵ所か骨折しているようだったが、身体中の痛む箇所を僕自身が修復している。
動ける様になったので、僕は公衆浴場へと向かった。
街の人々は逃げ出したのだろう、帳場にも人は居らず、僕の貸し切り状態だった。
上衣とズボンとパンツを洗い、湯の中で手足を伸ばす。
身体が細かい傷の修復を始めたようで、身体の表面が泡立つような感覚がする。
思っていたより長い間戦っていたようで、東の空が白くなり始めた。
人の気配がしたので振り向くと、マルカートが裸で歩いて来た。
明美より少し発育が良いようだ。
マルカートが明美の様に僕の膝の上にのる。
「やっぱり伝説の勇者様でした」
マルカートが小さく呟く。
マルカートが小さく震えていたので、そっと背後から抱き締めてやる。
その感覚を楽しんでいたので油断してしまった。
蔓が脱衣所にスルスルと伸びて行き、脱衣所で控えていたフィーネさんを引っ張り込んでしまったのだ。
脱衣所から点々とフィーネさんの服が床に落ちており、湯に引っ張り込んだ時には全裸に剥かれていた。
うん、眼福。
でもマルカートが僕の腕を取り、大きな口を開けている。
背後から見ても、口の回りがスパークしているのが解る。
”ギャー”
気の毒に思ったのか、フィーネさんはそのまま僕の背中を洗ってくれた。
今僕は、マルカートと山車の上に立って、街道沿いの亜竜を見に集まった人々へ手を振っている。
僕は開花したので、治癒魔法の再生を覚えた。
このところ、危険な目に遭う事が多いので、保険を掛けたのだ。
それ以外、相変わらず特には変わったところはない。
動きが急に早くなるとか、力が凄く強くなるとか、頭が物凄く切れるようになるとか、美女がホイホイと寄って来るとかの、目に見える美味しいレベルアップ効果は無かった。
それに比べ、悔しいことに蔓は着実に進化した。
① むくむくと太くなって、蔓が蔦くらいの太さになった。
② 酒場で飲んでいるときの蔓の伸びる範囲が酒場内から店の外の通りまで広がり、店の前を歩いている女性まで、捕まえて来るようになった。
③ 連れ込んで来る女性の美人度が確実にアップし、年齢の守備範囲も広がった。
でも、いくら美人だからと言って、今夜の夕飯の食材を買物籠に入れた主婦を連れて来られても、対処に困ってしまう。
?を盛大に頭へ浮かべている女性達に、取り敢えず椅子を勧めて、飲み物と菓子をご馳走してから帰って頂いた。
まだまだ蔓とのコミニュケーションが必要だ。
しかも、陽が完全に沈み、店の外が光石に彩られる大人の楽しい時間帯になってから、蔓が最初に外から捕まえて来た美人さんは、僕が良く見知った顔だった。
マルカートの侍女で、名前はフィーネ、年齢は二十歳前後。
蔓もやるき満々だし、彼女が御一人様だったら、勿論このまま酒場の二階へ連れ込んでいた。
だが、マルカートという瘤がしっかり着いていた。
年長者として、取り敢えず子供の夜更かしは良くないと説教して、誤魔化そうとしたのだが、天使のような笑みを浮かべられ、右腕にガブリと噛みつかれてしまった。
マルカートの犬歯は鋭く、しかも雷魔法が混じっているようで、電撃が僕の身体を貫いた。
蔓も痛かった様で、じたばたしていた。
鋭い犬歯で脅かされ、僕は大人しく宿へ戻った。
王都へ近付くに連れて、街道幅は少しずつ太くなり、押し掛ける人々も多くなった。
宿泊場所も領主である貴族の城や館が多くなり、夜は必ず領主が主催するパーティーへ呼ばれる様になった。
会場は美人が一杯で、蔓は直ぐに会場全体に伸びて物色を始める。
何故か毎回、主催者である領主の夫人を真っ先に捕まえて来るのだが、さすがに公爵夫人や伯爵夫人は落ち着き払って対応してくれる。
世間話などをしてお茶を濁してくれるのだが、唇を舐めながら、ウインクして戻って行く御夫人には、少々戸惑うことも多かった。
勿論マルカートは脇で監視している。
マルカートが犬歯をキラリと光らせると、蔓も捕まえて来た女性を慌てて解放する。
僕の周囲に女性が増えて行き、周囲の男性の目が険しくなる。
マルカートの犬歯がスパークし始めるので、とても怖かった。
楽団や吟遊詩人は必ず呼ばれている。
最近クリスタル地方での流行詩と言って、初めて聞く詩を歌ってくれた。
~♪~
会いたいの、会いたいよ、お兄ちゃん。僕がこんなに愛しているのに何処へ行ったの。
何度も、何度も、手紙出したのに、何で返事をくれないの。
お兄ちゃんの温もりの無いベットは、とてもとても寂しいよ、お兄ちゃんの腕の中じゃないと、僕は安心して眠れない。
会いたいの、会いたいよ、お兄ちゃん。僕をまたベットの中で抱き締めてよ。
会いたいよ、会いたいよ、お兄ちゃん。今何処にいるの
~♪~
「クリスタル地方では歌唱禁止になってますが、今密かに流行っている詩です。うわさでは、聖都から広がったと聞いています」
「うわー、身体を求め合う恋人同士の凄く情熱的な詩ですわ」
「私も殿方とこんな関係になってみたいです」
「恋人に恋焦がれる気持ちが伝わってきますわ」
「きっと情熱的に愛し合っている恋人同士なんでしょうね」
「・・・・・違うと思うぞ」
王都の衛星都市ビオラへ到着した、明日にも王都へ到着する。
亜竜を見ようと、王都から人が押し寄せてきており、街はお祭りの様な騒ぎになっていた。
ビオラは王領なので、領主の城や館は無い。
久々に宿の酒場で酒を楽しんだ。
酒場の前の通りは、大勢の人達が、街の中央広場に飾ってある亜竜の山車を目指して歩いている。
マルカートは何となく、蔓が女性を捕えに行く気配が解るようになったらしく、蔓が通りに出る度に犬歯を光らせる。
すると蔓も痛いのは嫌いらしく、すごすごと引き揚げて来る。
腰を据えて飲んだので、だいぶ酔いが回って来た。
蔓も酔っているようで、ユラユラしている。
凄く溜まっていたので、マルカートでも良いから、部屋に連れ込んで抜こうかと思い始めた時だった。
外から人々の悲鳴が聞こえてきて、広場と逆方向へと必死に逃げている。
魔素の目で見たら、広場で物凄く大きい生き物が翼を広げ、周囲の人々を一生懸命食べていた。
「地竜です。姫、地下道へ避難を」
ビスさんが走り込んで来た。
僕も一緒に地下道へ逃げようとしたのだが、完全に酔っ払っている蔓が、僕を外へと連れ出した。
「勇者殿、無茶だ」
背後からビスさんの叫び声が聞こえたが、それは僕にも十分わかっている。
蔓が屋根を伝って、逃げ惑う人々の頭の上を越えて、僕を無理やり中央広場へと運ぶ。
竜の大きさは、本体がだいたい五十メール、翼渡しが百メートくらい。
竜の足元で転がっている亜竜が、おもちゃの様に見える。
兵士を口の中に入れ、鎧ごとバリバリと齧っている。
竜が僕をジロリと睨む、恐ろしくて、内股に暖かい物が流落ちた。
逃げようとしても、蔓が僕の足をしっかりと石畳に結わい付けている。
それどころか、周囲の槍や剣を拾い上げ、ブンブン振り回して竜を挑発している。
竜が僕に襲い掛かって来て、蔓が竜に襲い掛かった。
僕はダニの様に竜の首の後ろに貼り付けられている。
亜竜の時と同様に、蔓が僕を竜の首に縛り付けたのだ。
物凄い勢いで振り落そうと首を振るので、目が回って、僕はどっちが上でどっちが下か、どっちが右でどっちが左かもう解らない。
恐怖で、涙と鼻水と涎が出て、顔はもうぐちゃぐちゃだ。
槍を鱗の間に突き立てようとするのだが、無茶苦茶硬くてびくともしない。
短い人生が終わることを悟って、もう一回やっておけば良かったと思った。
竜が僕を建物の壁へ叩き付ける。
槍をしっかりと握って身を縮めたら、槍がつっかえ棒となって、僕を護ってくれた。
竜が三回僕を壁へ叩き付けた時、槍の穂先が竜の鱗の間に食い込んだ。
もう一回竜が僕を壁に叩き付けようとしたので、槍を少し傾けてみる。
”ゲホッ”
壁にぶつかる衝撃が背中に伝わって来て、息が詰まって、意識が半分飛ぶ。
それでも痛みは報われた様で、竜の鱗が一枚浮いていた。
槍を突き入れたら、ズブリと肉に突き刺さる感触があった。
”ギャー”
竜が痛みを感じた様で、叫び声を上げた。
飛んで逃げようとするが、蔓の攻撃で翼はボロボロになっていて飛べない。
溜まっている欲情も込めて、僕は必死で槍を竜の首へ捻じ込んだ。
開花の音が頭に響いて僕は我に返った。
魔素の目で見たら、槍の穂先が竜の頚椎を断ち切っており、竜は動きを止めていた。
壁に叩き付けられて何ヵ所か骨折しているようだったが、身体中の痛む箇所を僕自身が修復している。
動ける様になったので、僕は公衆浴場へと向かった。
街の人々は逃げ出したのだろう、帳場にも人は居らず、僕の貸し切り状態だった。
上衣とズボンとパンツを洗い、湯の中で手足を伸ばす。
身体が細かい傷の修復を始めたようで、身体の表面が泡立つような感覚がする。
思っていたより長い間戦っていたようで、東の空が白くなり始めた。
人の気配がしたので振り向くと、マルカートが裸で歩いて来た。
明美より少し発育が良いようだ。
マルカートが明美の様に僕の膝の上にのる。
「やっぱり伝説の勇者様でした」
マルカートが小さく呟く。
マルカートが小さく震えていたので、そっと背後から抱き締めてやる。
その感覚を楽しんでいたので油断してしまった。
蔓が脱衣所にスルスルと伸びて行き、脱衣所で控えていたフィーネさんを引っ張り込んでしまったのだ。
脱衣所から点々とフィーネさんの服が床に落ちており、湯に引っ張り込んだ時には全裸に剥かれていた。
うん、眼福。
でもマルカートが僕の腕を取り、大きな口を開けている。
背後から見ても、口の回りがスパークしているのが解る。
”ギャー”
気の毒に思ったのか、フィーネさんはそのまま僕の背中を洗ってくれた。
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