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12 排水路
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日に日に気温が下がり始め、季節は冬になった。
僕達の逃亡生活はまだ続いている。
男爵は執念深く、振り切ったと思う度に追手が現れるのだ。
町から町への移動手段は駅馬車。
追手に待ち伏せされない様にと、目的地に着いたらサイコロを振って次の目的地を決めている。
自分達すら何処へ行くのか解らないのだから、追跡者に行き先を悟られないと考えたのだ。
不思議な物で、僕が振ると必ず何も無い辺鄙な田舎町へ向かう目が出てしまう。
三人から怒られ、僕はサイコロを振る権利を奪われている。
旅はサイコロの目次第なので、一週間馬車に揺られる長旅になる事もあれば、半日で次の目的地に着く事もある。
長くても二週間、早ければ五日で次の町へ移動する。
巡礼の神官の旅を装っているので、町では極力神殿に泊まっている。
ゾンビ退治は結構難しい業務のようで、滞在時の請負可能業務としてゾンビ退治を申告すると、上級神官として扱われた。
それでも、神殿の食事が美味しく無いのは何処も一緒なので、宿の多い観光地などでは、神殿に断わりを入れてから、普通の宿に泊まっている。
巡礼の旅と称して慰安旅行をする神官も多いらしく、慣習的に観光地での一般の宿の利用は認められていた。
そんな時には、三人も欲求不満が溜まっているらしく、普段は怖くて文句が多かったが、すんなりとエッチに応じてくれた。
ーーーーー
今回出た目は、国境に近い山岳地帯の町。
温泉が湧いており、国内有数の保養地兼観光地として賑わっている大きな町だった。
町の名前はフッチ、大きな町なので立派な神殿は有るのだが、温泉宿に泊まる事を届け出ておけば、宿への宿泊は許されている。
それに、神殿へ出向けば、宿に泊まりながらでも、埋葬の儀式などの仕事を斡旋はしてくれる。
前の町からは、橇馬車で四日の行程だった。
何時も通り、朝の早い時間帯に町の駅に到着し、橇から降りて身体を伸ばす。
荷を背負う、旅生活も長くなったので少しづつ必需品が増え、荷物は自分の背丈を越えている。
三人も空身だった頃と違い、自分の服などが入った、背の半分程の葛籠を背負っている。
テオが目を閉じて周囲を探るが異常なし、町中の道を歩いて神殿に向かった。
「水路に蓋をして、下に温泉排水を流しているんですよ。だから町中の道には雪が積もっていないんです」
一緒の馬車に乗っていた商人が教えてくれた。
「わー、ほんとだ、この道暖かい」
道から離れた場所には人の背丈程の雪が積もっているのに、道の上には綺麗に雪が無くなっている。
雪の回廊の中を歩いているような感じがして、独特の雰囲気があった。
「これは噂話なんですが、今年急に、水路に鼠が住み付いて町は困っているらしいですよ」
「駆除はしないんですか」
「冒険者を使って駆除したらしいんですが、結果については、失敗したのか、成功したのか聞いても、あやふやな返事しか返って来ないらしいですよ」
神殿には顔を出すだけで、直ぐに宿を探して温泉に入る積りでいた。
だから届出書を出した途端、必死に引き留められるとは思わなかった。
神官長室に案内され、そこで神官長と町の役人らしき男から説明を聞かされた。
「鼠の駆除に、冒険者ギルドから人を雇って送り込んだのですが、皆さん不慣れで返り討ちに遭いました。慌てて詳しい方を雇って体制を整えてリベンジしたんですが、最初に入った方達がゾンビ化しておりまして被害が拡大してしまいました」
「あのー、それって」
「そうなのよ、今排水路の中にはゾンビがうじゃうじゃ鼠と一緒にいるの。足元にゾンビがウロウロしてるって知られたら、御客さんが減っちゃうから困ってたの。ゾンビ退治できる人は居なくて困ってたの」
「オーク先生頑張って下さい。私達は宿で荷物を整理してますから」
「ええ先生、私達が行っても邪魔になるだけです」
「先生、私、この方達と報酬の相談してますから心配しないで下さい」
「あなた達、見習いなのですから先生と一緒に行かないといけませんよ」
『えー!』
温泉より先に、排水に浸かる事になってしまった。
鼠退治の冒険者と一緒に排水路に潜る。
水位が腰の当りまであり、その中を鼠が泳いで来る。
鼠の数は少ないが、対処は難しい。
三人は溺れそうだったので、背中の背負子に括り付けてある。
鼠を冒険者と協力して追い込んで行くと、逆襲してきた。
「右斜め三十度」
テオが水中の音を聞き分け、僕に鼠の位置を知らせる。
僕は水中に棍棒を押し立てて鼠を突き潰す。
咬まれた個所は、ミューアが治癒の力で癒す。
ファーレは何の役にも立っていない。
「ほっといてよ」
突然水中から人影が立ち上がる、全身に鼠を纏ったゾンビだ。
「ゲリト、メルト、ノリト。ゲリト、メルト、ノリト。ゲリト、メルト、ノリト」
紙の札では字が消えるので、刻印を刻んだ板を投げ付ける。
炎がゾンビに纏わり着き、纏っていた鼠の死体が灰になって崩れて行く。
下から現れた骸骨の脳天を叩いてから尻を叩き上げる。
魂が抜けて一丁上がり。
骸骨が崩れて行き、骸骨が首に架けていたプレートをファーレに渡す。
全てを倒し終わった後数えたら、プレートは全部で二十七枚あった。
僕達の逃亡生活はまだ続いている。
男爵は執念深く、振り切ったと思う度に追手が現れるのだ。
町から町への移動手段は駅馬車。
追手に待ち伏せされない様にと、目的地に着いたらサイコロを振って次の目的地を決めている。
自分達すら何処へ行くのか解らないのだから、追跡者に行き先を悟られないと考えたのだ。
不思議な物で、僕が振ると必ず何も無い辺鄙な田舎町へ向かう目が出てしまう。
三人から怒られ、僕はサイコロを振る権利を奪われている。
旅はサイコロの目次第なので、一週間馬車に揺られる長旅になる事もあれば、半日で次の目的地に着く事もある。
長くても二週間、早ければ五日で次の町へ移動する。
巡礼の神官の旅を装っているので、町では極力神殿に泊まっている。
ゾンビ退治は結構難しい業務のようで、滞在時の請負可能業務としてゾンビ退治を申告すると、上級神官として扱われた。
それでも、神殿の食事が美味しく無いのは何処も一緒なので、宿の多い観光地などでは、神殿に断わりを入れてから、普通の宿に泊まっている。
巡礼の旅と称して慰安旅行をする神官も多いらしく、慣習的に観光地での一般の宿の利用は認められていた。
そんな時には、三人も欲求不満が溜まっているらしく、普段は怖くて文句が多かったが、すんなりとエッチに応じてくれた。
ーーーーー
今回出た目は、国境に近い山岳地帯の町。
温泉が湧いており、国内有数の保養地兼観光地として賑わっている大きな町だった。
町の名前はフッチ、大きな町なので立派な神殿は有るのだが、温泉宿に泊まる事を届け出ておけば、宿への宿泊は許されている。
それに、神殿へ出向けば、宿に泊まりながらでも、埋葬の儀式などの仕事を斡旋はしてくれる。
前の町からは、橇馬車で四日の行程だった。
何時も通り、朝の早い時間帯に町の駅に到着し、橇から降りて身体を伸ばす。
荷を背負う、旅生活も長くなったので少しづつ必需品が増え、荷物は自分の背丈を越えている。
三人も空身だった頃と違い、自分の服などが入った、背の半分程の葛籠を背負っている。
テオが目を閉じて周囲を探るが異常なし、町中の道を歩いて神殿に向かった。
「水路に蓋をして、下に温泉排水を流しているんですよ。だから町中の道には雪が積もっていないんです」
一緒の馬車に乗っていた商人が教えてくれた。
「わー、ほんとだ、この道暖かい」
道から離れた場所には人の背丈程の雪が積もっているのに、道の上には綺麗に雪が無くなっている。
雪の回廊の中を歩いているような感じがして、独特の雰囲気があった。
「これは噂話なんですが、今年急に、水路に鼠が住み付いて町は困っているらしいですよ」
「駆除はしないんですか」
「冒険者を使って駆除したらしいんですが、結果については、失敗したのか、成功したのか聞いても、あやふやな返事しか返って来ないらしいですよ」
神殿には顔を出すだけで、直ぐに宿を探して温泉に入る積りでいた。
だから届出書を出した途端、必死に引き留められるとは思わなかった。
神官長室に案内され、そこで神官長と町の役人らしき男から説明を聞かされた。
「鼠の駆除に、冒険者ギルドから人を雇って送り込んだのですが、皆さん不慣れで返り討ちに遭いました。慌てて詳しい方を雇って体制を整えてリベンジしたんですが、最初に入った方達がゾンビ化しておりまして被害が拡大してしまいました」
「あのー、それって」
「そうなのよ、今排水路の中にはゾンビがうじゃうじゃ鼠と一緒にいるの。足元にゾンビがウロウロしてるって知られたら、御客さんが減っちゃうから困ってたの。ゾンビ退治できる人は居なくて困ってたの」
「オーク先生頑張って下さい。私達は宿で荷物を整理してますから」
「ええ先生、私達が行っても邪魔になるだけです」
「先生、私、この方達と報酬の相談してますから心配しないで下さい」
「あなた達、見習いなのですから先生と一緒に行かないといけませんよ」
『えー!』
温泉より先に、排水に浸かる事になってしまった。
鼠退治の冒険者と一緒に排水路に潜る。
水位が腰の当りまであり、その中を鼠が泳いで来る。
鼠の数は少ないが、対処は難しい。
三人は溺れそうだったので、背中の背負子に括り付けてある。
鼠を冒険者と協力して追い込んで行くと、逆襲してきた。
「右斜め三十度」
テオが水中の音を聞き分け、僕に鼠の位置を知らせる。
僕は水中に棍棒を押し立てて鼠を突き潰す。
咬まれた個所は、ミューアが治癒の力で癒す。
ファーレは何の役にも立っていない。
「ほっといてよ」
突然水中から人影が立ち上がる、全身に鼠を纏ったゾンビだ。
「ゲリト、メルト、ノリト。ゲリト、メルト、ノリト。ゲリト、メルト、ノリト」
紙の札では字が消えるので、刻印を刻んだ板を投げ付ける。
炎がゾンビに纏わり着き、纏っていた鼠の死体が灰になって崩れて行く。
下から現れた骸骨の脳天を叩いてから尻を叩き上げる。
魂が抜けて一丁上がり。
骸骨が崩れて行き、骸骨が首に架けていたプレートをファーレに渡す。
全てを倒し終わった後数えたら、プレートは全部で二十七枚あった。
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