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4 魔火
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ーーーーー
カイ
服を受け取った後、宿に帰るのかと思ったのだが違った。
門とは逆方向なので採取では無いと判るのだが、怪訝に思いつつも一緒に歩いて行った。
なんだか二人はとても楽しそうだった。
着いた先は高い木の塀に囲まれた場所だった。
アリサさんが受付らしき帳場でお金を払い、木札と干草と大きな布切れを数枚受け取っていた。
木の塀の迷路の中に入って行き、突き当りの塀に木札を差し込むと塀が左右に開いた。
そこは木に囲まれた露天の岩風呂だった。
湯船は十人くらい入れそうな広さがあり、洗い場も広かった。
入り口の直ぐ脇に木の棚が設けてあり、そこが脱衣場のようだった。
ん?混浴。
アリサさんが入口の木塀に木札を差し入れると、カチャリと音がして内側からロックされたようだった。
二人が服を脱ぎ始めたので、幸福感満載で暫く眺めていたのだが、振り向いた二人の目が怪しい。
慌てて逃げようとしたら、アリサさんに押し倒された。
アリサさんのふくよかな胸が顔に押し当てられている、物凄く嬉しいのだが、鼻と口を塞がれて息ができない。
目の前が真っ暗、いや、ピンク色になった。
ーーーーー
王宮薬師見習い シオン
うーん、ガラス瓶に採取したサンプルを見比べると、明らかに量も減って薄くなっています。
「薬材で使えるのは三回目くらいまでが限度みたいね」
「濃縮はできないのかしら」
「うーん、生ものだからねー、無理だと思うわ」
「もう出ないと思うけど、行く時の顔が可愛いからもう一回実験してみましょうか」
「うん、じゃっ十二回目と」
公衆浴場にカイを連れ込んで色々と研究しています。
逃げようとしたのでアリサが抑え込んだら気絶してしまいました。
気絶していてもちゃんと反応してたので丁度良かったです。
男性器とお尻の間に疑似女性器が存在するとの噂は嘘だった様で、何も有りませんでした。
お尻を使うとの説の方が正しかったようです。
お尻に指を突っ込んでみたら、ピクピクと反応しました、ここにも性感帯が存在するようです。
男性器の膨張率は予想以上で、長さが九倍、体積に至っては百五十倍という計測結果でした。
サンプリングも終わって模写も終わって、欲しかったデータも十分に取れたので大満足です。
カイは半分くらい意識が戻っている感じでしたが、魂が半分抜けているような感じだったので、身体を洗って、着替えさせてあげました。
ーーーーー
カイ
我に返ったら表通りをアリサさんに手を引かれて歩いていた。
お尻がヒリヒリするし、腰がやけにすっきりしている。
なんか物凄く不安なのだが、言葉が通じないので聞く事もできない。
サンプリングは終わったのだろう、ガラス瓶は保存箱に移されている。
温泉のお湯が欲しかったのだろうか。
髪の毛が濡れているので、風呂に入れて着替えさせてくれたのだろうが、なぜか僕はブラウスにエプロン、そしてひざ下丈のスカートという恰好だった。
僕の身体にフィットしているから、これはさっき仕立てた服なのだろう。
男の服が欲しいと伝えた積りだったのだが、僕の意思は通じていなかったようだ。
夜飯は宿の食堂だった、僕の恰好を見て護衛の人達は喜んでいた、困ったもんだ。
食事の挨拶をアリサさんから教わったのだが、なんか護衛の人達と違う挨拶だった。
看板に偽りは無かったようで、猪の丸焼きが出て来た。
耳を切って皿に乗せられても僕には少々ハードルが高い。
仕方ないので、芋とパンと野菜とスープを一生懸命に食った。
酒も出された、紫色のワインの様な感じだった。
勿論僕は未成年なのでお酒は飲んだことがない、好奇心で口に含んでみたら、咽返りそうになり、喉がヒリヒリした。
それをここの人達は水のように飲んでいる。
口に含んだだけなのに、身体が火照って来た、たぶんアルコール度数が無茶苦茶高いのだろう。
ーーーーー
王宮薬師見習い アリサ
「この命が、良い知恵となりますように」
「この命が、良い魔力となりますように」
「この命が、良い魔力となりますように」
「この命が、良い子宝となりますように」
「この命が、強い力となりますように」
「この命が、正しい力となりますように」
「この命が、正しい正義となりますように」
カイは教えてあげた科白が上手く唱えられたようです。
猪を怖がっているし、お酒も一口で真っ赤になっています。
着替えさせたら女子度五割アップでキュンとしてしまいます。
酔わせて、ベットで介抱してあげたくなりました。
ーーーーー
王宮薬師見習い シオン
翌日は生憎の雨だったので、出発は一日遅らせました。
護衛達は食堂で酒を飲んだ暮れていますが、私達は先生から直接技を教わる数少ない貴重な機会です。
屋根瓦を叩く雨音を聞きながら、私達は先生の手元に有る薬研に神経を集中しています。
先生は根気良く薬研車を一定のリズムで動かしています。
私達は、その薬研車に込められる魔力を感じ取り、その技を盗むために無言でじっと息を詰めて見詰めているのです。
「こんなもんかね、ほれ、お前達もやってみな」
『はい』
普段忙しい先生の作業を、こんなに間近で見られる機会は滅多にありません。
薬研を用意し、深呼吸をして精神を集中しようとしたときです。
「カイお前もやってみな」
「○×△?」
『えっ!』
「何だい、お前達」
「いえ、何でもありません」
薬草が勿体ないと思ったのも確かなのですが、旅行の携帯用とはいえ、先生が自分の道具を人に使わせているのを見た事が無かったのです。
一度私達の前任者であるククル先生が使おうとして、物凄く怒られているのを見た事があります。
その先生がカイに自分の薬研を使わせています。
しかも手取り足取りです、う~~羨ましい。
でも今は集中です、日々の修練の結果を先生に見て貰いましょう。
「はい、そこまで」
うん、納得の行くものが出来た気がします。
部屋の真ん中で車座になって座ります。
先生が小皿を取出し真ん中に置き、先生が摩り下ろした薬草を一つまみ乗せました。
「それじゃ私のからだよ」
先生が魔火を灯すと炎が私達の頭の上まで燃え上がりました、さすが先生です。
「次はシオンじゃ」
「はい、先生」
小皿の上に私の摩り下ろした薬草を乗せます。
「多く乗せても一緒じゃぞ」
「はい、すいません先生」
私の炎は胸の高さまで燃え上がりました。
「ほう、だいぶ上達したのう」
「ありがとうございます、先生」
次はアリサの番です、まあ、余分な力を胸に取られて私には敵わないでしょう。
うっ!私と良い勝負でした、こいつ私に隠れて特訓してたな。
「ほう、アリサも上達したな」
「ありがとうございます」
「次はカイの番じゃ」
『えっ!』
「なんじゃ」
『いえ、何でもありません』
きっと先生の冗談なのでしょう、きっと魔火すら着かないと思います。
小皿にカイの摩り下ろした薬草を入れて先生が魔火を灯します。
”ブワッ”
『えー!』
私もアリサも驚いて跳び上がりました、カイは訳が判らないようで座ったままキョトンとしています。
炎が天井近くまで燃え上がったのです。
「ほっ、ほっ、ほっ。やはりのー」
先生は判っていたようですが、魔力何て全然籠って無かったのに訳が判りません。
『先生!』
「ほっ、ほっ、ほっ。宿題じゃ」
カイ
服を受け取った後、宿に帰るのかと思ったのだが違った。
門とは逆方向なので採取では無いと判るのだが、怪訝に思いつつも一緒に歩いて行った。
なんだか二人はとても楽しそうだった。
着いた先は高い木の塀に囲まれた場所だった。
アリサさんが受付らしき帳場でお金を払い、木札と干草と大きな布切れを数枚受け取っていた。
木の塀の迷路の中に入って行き、突き当りの塀に木札を差し込むと塀が左右に開いた。
そこは木に囲まれた露天の岩風呂だった。
湯船は十人くらい入れそうな広さがあり、洗い場も広かった。
入り口の直ぐ脇に木の棚が設けてあり、そこが脱衣場のようだった。
ん?混浴。
アリサさんが入口の木塀に木札を差し入れると、カチャリと音がして内側からロックされたようだった。
二人が服を脱ぎ始めたので、幸福感満載で暫く眺めていたのだが、振り向いた二人の目が怪しい。
慌てて逃げようとしたら、アリサさんに押し倒された。
アリサさんのふくよかな胸が顔に押し当てられている、物凄く嬉しいのだが、鼻と口を塞がれて息ができない。
目の前が真っ暗、いや、ピンク色になった。
ーーーーー
王宮薬師見習い シオン
うーん、ガラス瓶に採取したサンプルを見比べると、明らかに量も減って薄くなっています。
「薬材で使えるのは三回目くらいまでが限度みたいね」
「濃縮はできないのかしら」
「うーん、生ものだからねー、無理だと思うわ」
「もう出ないと思うけど、行く時の顔が可愛いからもう一回実験してみましょうか」
「うん、じゃっ十二回目と」
公衆浴場にカイを連れ込んで色々と研究しています。
逃げようとしたのでアリサが抑え込んだら気絶してしまいました。
気絶していてもちゃんと反応してたので丁度良かったです。
男性器とお尻の間に疑似女性器が存在するとの噂は嘘だった様で、何も有りませんでした。
お尻を使うとの説の方が正しかったようです。
お尻に指を突っ込んでみたら、ピクピクと反応しました、ここにも性感帯が存在するようです。
男性器の膨張率は予想以上で、長さが九倍、体積に至っては百五十倍という計測結果でした。
サンプリングも終わって模写も終わって、欲しかったデータも十分に取れたので大満足です。
カイは半分くらい意識が戻っている感じでしたが、魂が半分抜けているような感じだったので、身体を洗って、着替えさせてあげました。
ーーーーー
カイ
我に返ったら表通りをアリサさんに手を引かれて歩いていた。
お尻がヒリヒリするし、腰がやけにすっきりしている。
なんか物凄く不安なのだが、言葉が通じないので聞く事もできない。
サンプリングは終わったのだろう、ガラス瓶は保存箱に移されている。
温泉のお湯が欲しかったのだろうか。
髪の毛が濡れているので、風呂に入れて着替えさせてくれたのだろうが、なぜか僕はブラウスにエプロン、そしてひざ下丈のスカートという恰好だった。
僕の身体にフィットしているから、これはさっき仕立てた服なのだろう。
男の服が欲しいと伝えた積りだったのだが、僕の意思は通じていなかったようだ。
夜飯は宿の食堂だった、僕の恰好を見て護衛の人達は喜んでいた、困ったもんだ。
食事の挨拶をアリサさんから教わったのだが、なんか護衛の人達と違う挨拶だった。
看板に偽りは無かったようで、猪の丸焼きが出て来た。
耳を切って皿に乗せられても僕には少々ハードルが高い。
仕方ないので、芋とパンと野菜とスープを一生懸命に食った。
酒も出された、紫色のワインの様な感じだった。
勿論僕は未成年なのでお酒は飲んだことがない、好奇心で口に含んでみたら、咽返りそうになり、喉がヒリヒリした。
それをここの人達は水のように飲んでいる。
口に含んだだけなのに、身体が火照って来た、たぶんアルコール度数が無茶苦茶高いのだろう。
ーーーーー
王宮薬師見習い アリサ
「この命が、良い知恵となりますように」
「この命が、良い魔力となりますように」
「この命が、良い魔力となりますように」
「この命が、良い子宝となりますように」
「この命が、強い力となりますように」
「この命が、正しい力となりますように」
「この命が、正しい正義となりますように」
カイは教えてあげた科白が上手く唱えられたようです。
猪を怖がっているし、お酒も一口で真っ赤になっています。
着替えさせたら女子度五割アップでキュンとしてしまいます。
酔わせて、ベットで介抱してあげたくなりました。
ーーーーー
王宮薬師見習い シオン
翌日は生憎の雨だったので、出発は一日遅らせました。
護衛達は食堂で酒を飲んだ暮れていますが、私達は先生から直接技を教わる数少ない貴重な機会です。
屋根瓦を叩く雨音を聞きながら、私達は先生の手元に有る薬研に神経を集中しています。
先生は根気良く薬研車を一定のリズムで動かしています。
私達は、その薬研車に込められる魔力を感じ取り、その技を盗むために無言でじっと息を詰めて見詰めているのです。
「こんなもんかね、ほれ、お前達もやってみな」
『はい』
普段忙しい先生の作業を、こんなに間近で見られる機会は滅多にありません。
薬研を用意し、深呼吸をして精神を集中しようとしたときです。
「カイお前もやってみな」
「○×△?」
『えっ!』
「何だい、お前達」
「いえ、何でもありません」
薬草が勿体ないと思ったのも確かなのですが、旅行の携帯用とはいえ、先生が自分の道具を人に使わせているのを見た事が無かったのです。
一度私達の前任者であるククル先生が使おうとして、物凄く怒られているのを見た事があります。
その先生がカイに自分の薬研を使わせています。
しかも手取り足取りです、う~~羨ましい。
でも今は集中です、日々の修練の結果を先生に見て貰いましょう。
「はい、そこまで」
うん、納得の行くものが出来た気がします。
部屋の真ん中で車座になって座ります。
先生が小皿を取出し真ん中に置き、先生が摩り下ろした薬草を一つまみ乗せました。
「それじゃ私のからだよ」
先生が魔火を灯すと炎が私達の頭の上まで燃え上がりました、さすが先生です。
「次はシオンじゃ」
「はい、先生」
小皿の上に私の摩り下ろした薬草を乗せます。
「多く乗せても一緒じゃぞ」
「はい、すいません先生」
私の炎は胸の高さまで燃え上がりました。
「ほう、だいぶ上達したのう」
「ありがとうございます、先生」
次はアリサの番です、まあ、余分な力を胸に取られて私には敵わないでしょう。
うっ!私と良い勝負でした、こいつ私に隠れて特訓してたな。
「ほう、アリサも上達したな」
「ありがとうございます」
「次はカイの番じゃ」
『えっ!』
「なんじゃ」
『いえ、何でもありません』
きっと先生の冗談なのでしょう、きっと魔火すら着かないと思います。
小皿にカイの摩り下ろした薬草を入れて先生が魔火を灯します。
”ブワッ”
『えー!』
私もアリサも驚いて跳び上がりました、カイは訳が判らないようで座ったままキョトンとしています。
炎が天井近くまで燃え上がったのです。
「ほっ、ほっ、ほっ。やはりのー」
先生は判っていたようですが、魔力何て全然籠って無かったのに訳が判りません。
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