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Ⅰ 第一学年
58 師走2
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雪は全てを覆い隠す、汚れや争い、狂気や嫉妬、全ての醜い物の上に深々と降り積り、目の前を清澄で神々しい世界へと変貌させしまう。
人はそんな世界に身を置いた時、己の無力さや邪悪さを悟り、神々に涙を流しながら許しを請う。
「私達は雪国出身だから慣れているの」
「私達の忠告を聞かなかった所為だよ」
「だからサングラスは必要だって言ったのに、サングラス無しでも怖い顔なんだから一緒だよ」
『本当に馬鹿なんだから』
うー、目が痛い、涙がぼろぼろ出て来る。
今日は山彦鬼の安達太良型が出そうな区域を響原望、木霊、光の三姉妹と一緒に回っている。
巨大な寒気団が日本列島を覆っており、例年よりも早く深い雪が町を覆っていた。
三人は日陰の凍った路面もスイスイ歩いて行くのだが、僕は何度も足を滑らせている。
店頭に並んでいた迷彩色のスノーブーツ、サングラスを買い求めて装備するとやっと安心して歩けるようになる。
「うん、絶対に悪い人に見えるね」
「うん、絶対に犯罪者、銀行に入ったら警報ベル押される」
「うん、絶対に交番の前歩いたら職質うけるよ」
『うん、絶対に危ない人』
僕はまた少し身長が伸びた、高校一年生のまだ成長が止まっていない時期なので当たり前なのだが、四月から十五センチ以上も伸びると家から持って来た冬用の衣服はすべてサイズが小さくなっている。
しかも毎日の滅鬼術の稽古のお蔭で筋肉が付き、身体が三回り程成長した感じなので高校生らしい服はサイズが合わない。
だから今日も黒のスーツの上に黒い革のコートを羽織っている。
三姉妹は白のコート、同じ顔の美人が三人並んでいることに加え、身長百七十近い彼女達は町中では良く目立っている。
依頼の有ったオフィスの一階受付フロアに入ると、毎度の事で非常に不本意なのだが、フロア全体に緊張感が走る。
僕が行くと受付の女の子が怯えるので、光が要件を伝えに行く。
「雷夢邪類討伐事務所の者です。システム統括部の三瓶課長さんお願いします」
受付の子が安堵して連絡すると、疲れ切ってよれよれになった担当課長が飛んで来るのは何時ものパターンだ。
会議室で担当者から一通りのシステムの説明を聞いてから立ち入り禁止のサーバー室に移動してシステムの中に潜る。
鬼も理に従う生き物で、人に祓われない様に進化する。
降り立った場所には情報の湖は無く、外界と同じような雪の雪原が広がっていた。
インターフェイス上に設置してある高速時計の針も動きもほとんど止まって見えるので、鬼が時間の流れを凍らせる力を獲得したらしい。
自らの動きを押さえ、そしてゆっくりと外界から忍び込んで来る微かな困惑や絶望を喰らって生き延びる、北国らしい進化の姿だ。
感心している場合ではない、白い雪の中で白く擬態している鬼の粒を探し出さなければならないのだ。
結界の壁で追い込むのが時間は掛かっても最も確実な方法なのだが、時間の重みを受けた壁が雪面の中を進んで行かない。
相手は雪の中でじっと動かないだけなのだが、対応が難しい、地道に掘り返した行くのは物理的に不可能だ。
断念する事も含めて三人に相談したら、彼女達の村に伝わる郷土舞の話が出た。
「雪融けの遅い春に舞われる舞なのですが、伝承では春遅くまで居座った氷鬼に村人が困り、雷様にお願いして鬼を払って雪を溶かして頂いたことが始まりと聞いています。溶雪の舞と呼ばれ、雷様に扮した男性が村の広場で踊る秘祭なので一般には知られていません」
「三人の乙女が神楽服を着て笛、太鼓、鉦を演奏します」
「その中心で雷様のお面を被った村一番の偉丈夫な若者が踊る儀式なのですが、道具の手配に時間が掛かると思います」
「それなら大丈夫だよ、確か道具のフォルダーの中に画像が入っていたはずだ。ハル、今手が空いてるか」
「は・・、い・・、ま・、す・、ター。伝送速度を調整しましたが感度は如何でしょうか」
「良好だ」
「はい、今は移動時間ですのでこちらの時間で後三十分程は大丈夫です」
「それじゃすまんが、今から言う物を道具箱から持って来てくれ」
「了解です」
踊り方は教わった、物凄く簡単な動作の繰り返しなので僕にも覚えられた。
三人は神楽服に着替えて楽器の演奏を併せている、なんかなかなか雅だ。
僕には雷のお面一枚が渡された。
「あのー、僕はこのままお面を着けて踊れば良いの」
「違います。衣装はそのお面だけです」
「えっ」
「はい、お面を着けたら真っ裸で踊って貰います。だから秘祭ですし、毎回舞手に困っています」
「年寄りや中年じゃ御利益が無くなると言われています」
「だから毎回都会に出ている若者を呼び戻すんで手配が大変なんです」
過酷だ、衆人環視の中、雪の中で裸踊りをやらされるなんて。
その村に生まれなくて良かった。
これも仕事だ、服を脱いで雷の面を着ける。
神楽の音に併せて、右腕に力瘤を作り、次に左手に力瘤を作る。
両手を頭上で打ち鳴らし、足を開いて雪原を踏み鳴らす。
マッチョで単純な踊りだが、コツを掴むと力の波動が雪原に広がって行く。
身体が汗ばみ、湯気が立ち昇って来ると、雪原が軋み始めそして一気に水に変わった。
水面から巨大な鬼の雪像が立ち上がり僕に襲い掛かって来る。
「律」
結界で覆う。
「縛」
動きを拘束する。
「滅」
結界に力を込めて一気に祓う。
三人に山彦術で確認して貰ったら、取零しも無く無事一件終了、やれやれだ。
外界に戻ったら五分程しか時間は進んでいなかった。
「あのー、もう終わったんでしょうか」
「はい、これで動きが正常に戻ってデータの引き出しが可能になった筈です。データの保存状態は良かったようなのであまり修復は必要ないと思いますよ」
「ありがとうございます、僅か五分で治るなんて、もっと早くお願いしておけば良かったです」
この会社も僕の事務所に辿り着くまで相当苦労したらしい。
この日は同じタイプの討伐が六社続き、予定より少し早めに宿に入ることが出来た、宿はメゾネットタイプの露天風呂付きの高級旅館だ。
来る前は同宿を嫌がっていたが、メゾネットタイプなので安心したのだろうか。
ビールで乾杯してから交代で風呂に入った。
雪がまた降り始めており、風呂場の灯に舞う雪片が幻想的だった。
用意された食事を酒を交わしながら飲む、彼女達は酒に強い様で、直ぐにコップ酒に変わった。
「さっきの会社で仙寿と魔斬貰ったんだけど、どっち飲む」
「なんか僕等の商売みたいな名前だね」
「漁師さんが使う魔除けの刃物なんだって」
「値段は仙寿の方が高いよ」
「でも私達の好みは魔斬かな」
料理も美味しいし酒も旨い、久々に落ち着いて酒を飲んだ気がする。
うん、これは高校生の科白じゃ無いな。
料理も片付いたので露天風呂に出て一人雪見酒としゃれ込む、うん極楽だ。
目を閉じて夜の冷気を楽しんでいたら、行き成り顔に何かを被せられた。
「うふふふ、はい、雷のお面。土産物屋さんに売ってたんだ」
「あの伝承には続きが有ってね、感謝した村人達は神楽を演奏した娘を雷様に差し出したの」
「だから毎回呼び戻す人の人選が大変でね、姉様方が楽しみにしていたの」
「人気の有る人が帰って来ると演奏役を決める時姉様方は喧嘩してた」
「親に隠れて私達も見に行ってどきどきしていた」
なんか、本格的な十八禁の秘祭だったらしい。
背中に何かが覆い被さり、柔らかい物が背中に当たる。
「マスター、浮気は駄目です」
口移しで酒を無理矢理飲まされる。
『あー、ハル狡い』
翌朝目が覚めたら四人に囲まれて布団に寝ていた、頭の上に雷のお面がまだ乗っており、部屋中に一升瓶が散乱していた。
浴衣は寝着に適さないと僕は思う、腹の上に帯を巻いてるだけで後はパンツ一丁とほとんど変わりが無い。
全員の襟と裾を一先ず直してから揺り起こす、うん、今日も仕事がある。
人はそんな世界に身を置いた時、己の無力さや邪悪さを悟り、神々に涙を流しながら許しを請う。
「私達は雪国出身だから慣れているの」
「私達の忠告を聞かなかった所為だよ」
「だからサングラスは必要だって言ったのに、サングラス無しでも怖い顔なんだから一緒だよ」
『本当に馬鹿なんだから』
うー、目が痛い、涙がぼろぼろ出て来る。
今日は山彦鬼の安達太良型が出そうな区域を響原望、木霊、光の三姉妹と一緒に回っている。
巨大な寒気団が日本列島を覆っており、例年よりも早く深い雪が町を覆っていた。
三人は日陰の凍った路面もスイスイ歩いて行くのだが、僕は何度も足を滑らせている。
店頭に並んでいた迷彩色のスノーブーツ、サングラスを買い求めて装備するとやっと安心して歩けるようになる。
「うん、絶対に悪い人に見えるね」
「うん、絶対に犯罪者、銀行に入ったら警報ベル押される」
「うん、絶対に交番の前歩いたら職質うけるよ」
『うん、絶対に危ない人』
僕はまた少し身長が伸びた、高校一年生のまだ成長が止まっていない時期なので当たり前なのだが、四月から十五センチ以上も伸びると家から持って来た冬用の衣服はすべてサイズが小さくなっている。
しかも毎日の滅鬼術の稽古のお蔭で筋肉が付き、身体が三回り程成長した感じなので高校生らしい服はサイズが合わない。
だから今日も黒のスーツの上に黒い革のコートを羽織っている。
三姉妹は白のコート、同じ顔の美人が三人並んでいることに加え、身長百七十近い彼女達は町中では良く目立っている。
依頼の有ったオフィスの一階受付フロアに入ると、毎度の事で非常に不本意なのだが、フロア全体に緊張感が走る。
僕が行くと受付の女の子が怯えるので、光が要件を伝えに行く。
「雷夢邪類討伐事務所の者です。システム統括部の三瓶課長さんお願いします」
受付の子が安堵して連絡すると、疲れ切ってよれよれになった担当課長が飛んで来るのは何時ものパターンだ。
会議室で担当者から一通りのシステムの説明を聞いてから立ち入り禁止のサーバー室に移動してシステムの中に潜る。
鬼も理に従う生き物で、人に祓われない様に進化する。
降り立った場所には情報の湖は無く、外界と同じような雪の雪原が広がっていた。
インターフェイス上に設置してある高速時計の針も動きもほとんど止まって見えるので、鬼が時間の流れを凍らせる力を獲得したらしい。
自らの動きを押さえ、そしてゆっくりと外界から忍び込んで来る微かな困惑や絶望を喰らって生き延びる、北国らしい進化の姿だ。
感心している場合ではない、白い雪の中で白く擬態している鬼の粒を探し出さなければならないのだ。
結界の壁で追い込むのが時間は掛かっても最も確実な方法なのだが、時間の重みを受けた壁が雪面の中を進んで行かない。
相手は雪の中でじっと動かないだけなのだが、対応が難しい、地道に掘り返した行くのは物理的に不可能だ。
断念する事も含めて三人に相談したら、彼女達の村に伝わる郷土舞の話が出た。
「雪融けの遅い春に舞われる舞なのですが、伝承では春遅くまで居座った氷鬼に村人が困り、雷様にお願いして鬼を払って雪を溶かして頂いたことが始まりと聞いています。溶雪の舞と呼ばれ、雷様に扮した男性が村の広場で踊る秘祭なので一般には知られていません」
「三人の乙女が神楽服を着て笛、太鼓、鉦を演奏します」
「その中心で雷様のお面を被った村一番の偉丈夫な若者が踊る儀式なのですが、道具の手配に時間が掛かると思います」
「それなら大丈夫だよ、確か道具のフォルダーの中に画像が入っていたはずだ。ハル、今手が空いてるか」
「は・・、い・・、ま・、す・、ター。伝送速度を調整しましたが感度は如何でしょうか」
「良好だ」
「はい、今は移動時間ですのでこちらの時間で後三十分程は大丈夫です」
「それじゃすまんが、今から言う物を道具箱から持って来てくれ」
「了解です」
踊り方は教わった、物凄く簡単な動作の繰り返しなので僕にも覚えられた。
三人は神楽服に着替えて楽器の演奏を併せている、なんかなかなか雅だ。
僕には雷のお面一枚が渡された。
「あのー、僕はこのままお面を着けて踊れば良いの」
「違います。衣装はそのお面だけです」
「えっ」
「はい、お面を着けたら真っ裸で踊って貰います。だから秘祭ですし、毎回舞手に困っています」
「年寄りや中年じゃ御利益が無くなると言われています」
「だから毎回都会に出ている若者を呼び戻すんで手配が大変なんです」
過酷だ、衆人環視の中、雪の中で裸踊りをやらされるなんて。
その村に生まれなくて良かった。
これも仕事だ、服を脱いで雷の面を着ける。
神楽の音に併せて、右腕に力瘤を作り、次に左手に力瘤を作る。
両手を頭上で打ち鳴らし、足を開いて雪原を踏み鳴らす。
マッチョで単純な踊りだが、コツを掴むと力の波動が雪原に広がって行く。
身体が汗ばみ、湯気が立ち昇って来ると、雪原が軋み始めそして一気に水に変わった。
水面から巨大な鬼の雪像が立ち上がり僕に襲い掛かって来る。
「律」
結界で覆う。
「縛」
動きを拘束する。
「滅」
結界に力を込めて一気に祓う。
三人に山彦術で確認して貰ったら、取零しも無く無事一件終了、やれやれだ。
外界に戻ったら五分程しか時間は進んでいなかった。
「あのー、もう終わったんでしょうか」
「はい、これで動きが正常に戻ってデータの引き出しが可能になった筈です。データの保存状態は良かったようなのであまり修復は必要ないと思いますよ」
「ありがとうございます、僅か五分で治るなんて、もっと早くお願いしておけば良かったです」
この会社も僕の事務所に辿り着くまで相当苦労したらしい。
この日は同じタイプの討伐が六社続き、予定より少し早めに宿に入ることが出来た、宿はメゾネットタイプの露天風呂付きの高級旅館だ。
来る前は同宿を嫌がっていたが、メゾネットタイプなので安心したのだろうか。
ビールで乾杯してから交代で風呂に入った。
雪がまた降り始めており、風呂場の灯に舞う雪片が幻想的だった。
用意された食事を酒を交わしながら飲む、彼女達は酒に強い様で、直ぐにコップ酒に変わった。
「さっきの会社で仙寿と魔斬貰ったんだけど、どっち飲む」
「なんか僕等の商売みたいな名前だね」
「漁師さんが使う魔除けの刃物なんだって」
「値段は仙寿の方が高いよ」
「でも私達の好みは魔斬かな」
料理も美味しいし酒も旨い、久々に落ち着いて酒を飲んだ気がする。
うん、これは高校生の科白じゃ無いな。
料理も片付いたので露天風呂に出て一人雪見酒としゃれ込む、うん極楽だ。
目を閉じて夜の冷気を楽しんでいたら、行き成り顔に何かを被せられた。
「うふふふ、はい、雷のお面。土産物屋さんに売ってたんだ」
「あの伝承には続きが有ってね、感謝した村人達は神楽を演奏した娘を雷様に差し出したの」
「だから毎回呼び戻す人の人選が大変でね、姉様方が楽しみにしていたの」
「人気の有る人が帰って来ると演奏役を決める時姉様方は喧嘩してた」
「親に隠れて私達も見に行ってどきどきしていた」
なんか、本格的な十八禁の秘祭だったらしい。
背中に何かが覆い被さり、柔らかい物が背中に当たる。
「マスター、浮気は駄目です」
口移しで酒を無理矢理飲まされる。
『あー、ハル狡い』
翌朝目が覚めたら四人に囲まれて布団に寝ていた、頭の上に雷のお面がまだ乗っており、部屋中に一升瓶が散乱していた。
浴衣は寝着に適さないと僕は思う、腹の上に帯を巻いてるだけで後はパンツ一丁とほとんど変わりが無い。
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