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少年期
今悔やんでもどうしようもない
しおりを挟む風間くんと五十嵐くんが離れていき、僕はせっせと花壇の手入れをした。
雑草を抜いたり、少し肥料を混ぜたり、水をやったり・・・やることは沢山ある。
元から土いじりが大好きだったので、風間くんの妨害に合い周りより少し遅れてたがテキパキこなして終わらせた。
風間くんが手伝えなかった事に不満があったようだが知ったこっちゃない!
それから軽く校外のゴミ拾いをして解散となった。
「あの、五十嵐先輩。」
「なんだ八乙女弟。」
「先程は有り難うございました。」
「・・・風間はいつまでたっても我が儘だからな。気に入られた八乙女弟には悪いが少しでも良いから構ってやってくれ。」
「・・・え?」
・・・マジか。
風間くんと五十嵐くんは近所という事で幼馴染だったのか。
ハッ!?・・・まさか?
五十嵐・・・銀徹?・・・いがらしぎんてつ・・・?
まさか、ね・・・
ハハハハ・・・ハァ~・・・
たいてい、メイン・サブキャラの周りのキャラ達は、よく隠しキャラとして攻略対象になる事が多い。
五十嵐くんは割りと顔が整ってるので、僕が知らないだけでサブキャラなのかもしれない・・・
ああ・・・僕、高校に入るまでに何人の攻略対象者と会う事になるのだろうか?
ゲームの中だと知ってるから尚更変に勘繰ってしまう・・・
・・・なんだ?
もしかして、自分で勝手にモブキャラだ!・・・とか喚いてるだけで、実は僕は隠しキャラだったとか?
・・・でも家族の中でも僕は一番平凡な顔なわけで、学校だって先生やクラスの子の方が美男美女が多いわけで・・・
勘繰りすぎだよね?
ここ最近告白されまくって自惚れたかな?
うん。気のせい!
あーそうなると前世でやり残したこの世界のゲームを完全攻略できなかったのが悔やまれる!
神よ!
何故この世界に男性として私を転生したのですか!
今現在、未練がましです!
せめて!せめて完全攻略してから転生させてほしかったです!
未練たらたらです・・・
はぁ・・・
とりあえず話を戻して・・・
五十嵐いわく、風間くんの親は仕事が忙しく家には世話係の人しかいなく、その世話係が人の目を盗んで風間くんに襲いかかっていたらしい。
下ネタの方ね。そして未遂らしい。
それは男女共に色仕掛けてきたらしく人間不振になったらしい。
けど親に心配させたくないから作り笑顔で今まで生きていたらしい。
12歳で過酷な選択をした風間くんには同情するしかなかった。
そんななか五十嵐くんや生徒会副会長は信頼をおける友人らしく、いつも風間を気にかけているらしい。
健気だねぇ。
ちなみに五十嵐くんは他に好きな女性がいるらしく風間くんは論外らしい。
それも信頼における理由なんだろうね。
「何も飾らない八乙女弟は色仕掛けするどころか嫌がってるだろう?そういう奴は風間の周りにいなくて新鮮だったんだろうな。」
「でも僕は本当に生徒会長さんが嫌です。」
「ははは!」
うわあ!初めて五十嵐くんの笑顔みた!
やっぱり12歳なだけあって子供らしい無邪気な感じと男らしい逞しい大人っぽい優しい笑顔に見えた。
一瞬ドキッとしちゃったよ・・・
ギャップ萌え?
イケメンの笑顔は破壊力ハンパじゃないですよ。
「まぁ許せる範囲で相手してやってくれ。さすがに恋人になってやってくれとは言わないがな。」
「はは・・・」
「まぁ・・・八乙女弟ならアリだな。」
「ん?」
今何か気になる単語が聞こえたような・・・
「いや、こっちの事だ。気にするな。じゃあ解散だ。よい夏休みを。」
「あっはい。お疲れ様でした。」
いつの間にか僕と五十嵐くん以外いなくなっていた。
みんな気を聞かせてくれたみたい。
うん、皆さんのお心遣いが身に染みる・・・
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