R18の乙女ゲーに男として転生したら攻略者たちに好かれてしまいました

やの有麻

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高年期[一学期編]

おふぅ・・・なにこの空気は!?

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花塚、もとい陽南さんと仲良く昼食から帰ると紫音さんが急かさず僕の方へ駆け寄ってきて腕を引っ張られた。・・・え?何事!?




「・・・花塚さん、あんまり薫風さんに気安く近付かないで頂けますか?」

「ん?どうしたの紫音さん?」

「あらどうも邪答院さん。・・・昼休みに呼ばれたのは私の方なのですが・・・?」

「っ!薫風さん、何をお話に?」

「えっ!?・・・うーん・・・相談事、かな。」

「その内容は何ですの?」

「えぇ!?いや、それは申し訳ないが話せないよ・・・」

「何故ですの!?」

「あの、邪答院さん・・・ちょっと・・・」




おっ、陽南さん、紫音さんを僕から剥がして廊下へ連れてっちゃったよ?・・・大丈夫か?悪役令嬢に戻さないでくれよ?僕がせっかく更正させたんだからね!



・・・そんな心配なかったみたい。廊下から帰って来た2人は笑顔で仲良く帰って来た。・・・話まとまったかな。




まぁ、ゲームの時は紫音さんはヒロインと同じ人を好きになりヒロインに対してなにかと邪魔していたからなぁ~。今はヒロインである陽南さんは二階堂くん、紫音さんは二階堂くん以外の人を好いているから邪魔はする事はないんだろうがな。


うんうん・・・とりあえず2年に上がるまでに何事もなければ没落しないだろうから今のままキープしててくれよぉ~!




紫音さんは普通に陽南さんに手を振り席に戻る。すると陽南さんが耳打ちしてくる。



「ふふふ・・・私が薫風くんが好きなんじゃないかと勘違いしたみたいです。私が二階堂くんが好きで相談したって言ったら安堵してましたわ。・・・薫風さん、邪魔キャラ攻略してしまったみたいね。」

「・・・えっ?マジで!?」




あ、素がでちゃった。そっか~だから僕に引っ付いたり何かあると心配してきたのか・・・



悪役令嬢にならないようお節介をやいた結果、僕に想いを寄せてしまったのか・・・困ったな・・・



「うーん・・・どうしよう。」

「薫風くんは本当誰にでも好かれますね。何かチートでもあるのかしら?ステータスとか相手の好感度とか見れれば一瞬でわかるのに・・・あーもどかしい!」

「陽南さん・・・所々おっとりキャラが崩壊してない?」

「っ!?あらやだ!・・・ふふ。気を付けます。」




ふふふふ~と笑いながら自席へと歩いていく陽南さん。・・・大丈夫か?




とりあえず予鈴がなったので自席へ着く。



隣の紫音さんは超ご機嫌。そして隣のクラス長は何やらニヤニヤしてる。・・・すごく居心地悪い・・・ナニコレ?




そしてこれが切っ掛けとなり何故か紫音さんと陽南さんが仲良しになった。・・・うーん、ゲームじゃあライバル同士だったんだけどなぁ~・・・もうゲーム補正とか入らないの、かな?




なーんか蚊帳の外にいる感じ・・・なんか勝手に話進んでるし・・・



まぁ良いか。もう問題事に巻き込まれないと思うと気が楽になるしね~。



それより紫音さんが僕の事が好き?うーん・・・次の休みに兄さん所に行って相談してみようかな。










「ああ、うん。知ってたよ。」



ナンデ?兄さん知っててほったらかしにしてたの?てか何故教えてくれなかったの?



「ん~結構紫音さん積極的に薫風にアピールしてたけど・・・気付かなかったの?」

「・・・え?」

「うん、薫風は言葉で言われなきゃ気付かないのかな?・・・鈍感?」



・・・ショック。え?僕、鈍感なのかな?



また顔に現れてたらしく「ふふふ」と流依兄さんに微笑まられた・・・腑に落ちない。



「ところで薫風、もうすぐ音楽祭があるけど1ーAはどんな歌唱うの?」

「・・・ん?音楽祭って何ですか?」

「あれ?・・・ああ、多分HR(ホームルーム)の時にでも担任から聞かされるんじゃないかな。2~3年は恒例行事はだいたい覚えてるからね。僕達3年の担任は特に気合い入ってるよ。・・・B組の担任、あの神馬先生だからね・・・」

「・・・えっ!?体育教師が何故担任に?」

「・・・まぁ不思議じゃないよ?薫風の担任は数学教師だろう?」

「あっ、確かに・・・」

「この学校はね、全教師が担任、副担任を2~3年に1回は回ってくる仕組みになってるみたいだよ。・・・何故か今年に入り神馬さんがB組の担任になったんだよ・・・」

「うわぁ・・・」



あっ、ちょっと同情しちゃった。神馬さん、熱血教師っぽいんだよね。しかも爽やかだから生徒に人気なんだよね。・・・あの松◯修造を爽やかイケメンにした感じ?


うわぁ・・・めんどくさそう。流依兄さん遠い目をしてるよ。兄さん頑張って!





・・・案の定、最後の授業が終わりHRの時に音楽祭の話が出た。


担任の朝倉先生とクラス長で簡単に説明が入る。









「八乙女薫風くん!君は歌が得意だったよね?薫風くん、何か良い歌知ってないかい?なんやら作詞作曲してもいいよ!」







・・・は?
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