70 / 313
高年期[一学期編]
知らなかった事。昔を掘り返さないで欲しい
しおりを挟む・・・なんとクラス長、越名くんは同じエリート校に通ってたらしい。同じクラスになった事がなかったので接触はなく全く気付かなかった。
でも越名くんは僕の事を知っていたとは。・・・なんせ6年間、僕はあの応援合戦でかならず歌ってたからだ。そりゃ目立つよね。なんか僕が廊下をあるくと知らない人に挨拶など話しかけられまくったもんなぁ~・・・うん、黒歴史。
愛ちゃんとかどうしてるかなぁ~小学校卒業してからパッタリだもんね・・・あぁ懐かしい。
・・・でもね、それは小学生の頃の事で、僕も声変わりしたわけ。あの時はまだ発達途中の可愛らしい声が出てたから成せた事であり、今の僕は平凡だと思うわけ。無理に決まってんじゃん!
「クラス長、何故そんな昔の話をだすの?僕、もう声変わりして昔の様な声はでないよ。」
「でも歌のセンスはずば抜けて上手いよ!あぁ、このクラスにも薫風くんを知ってる子沢山いるよ?」
は?そうなの?・・・うわ、全っ然わかんない!同じクラスになった子なら絶対覚えているけど、このクラスに知ってる人はいないぞ!?
「薫風くんのクラスはね、特待生が集まるクラスだったんだよ。僕もある程度勉強はできたんだけど、いつも薫風くんとは同じクラスにはなれなかったよ。」
「・・・へぇ?」
「いっつも首位だったから気付かなかったのかな?」
「・・・確かに今思えばクラスの生徒は何年経っても変わらなかったなぁ・・・うん、変だと思ったよ。まさか特待生クラスがあったとは、ね・・・」
「そうそう。・・・で、話戻して、どう?薫風くん引き受けてくれない?」
「え~・・・他のクラスはどうなの?」
凄く面倒なんですが。避けたいです。
先生いわく、オリジナル曲が多いらしい。皆お貴族様ばかりだから知り合いを通して歌を作ってもらって音楽祭に挑んでるらしい。
・・・ちなみに前回優勝クラスの歌は...
「・・・え?今なんて?」
「だから、『大きな古時計』と言う題名の歌だよ。歌詞もメロディも素晴らしくて満場一致だったらしい。」
「・・・」
あ、陽南さんと目が合った。やっぱりそうだ。この歌、題名に「のっぽの」がないけど有名な歌だ。
この世界に何人か転生者がいるんじゃないだろうか・・・?
うーん・・・でもやりたくない。面倒すぎるし、目立ちたくない!切に願う!
・・・でも、何故か周りの人から熱ぅ~い、かなり熱ぅ~い眼差しを向けられてしまい・・・はい、根気負けしました。
なんと優勝クラスには・・・発表はされてないが褒美があるらしい。貴族学校でどんな褒美があるんだろうねぇ・・・
まぁ、やるからには頑張りましょうか。
________
「へぇ?薫風が今回、作詞作曲するの?それじゃ薫風のクラスが優勝間違いないね!頑張って。」
「・・・そんな持ち上げないでよ兄さん・・・大変なんだよ?期限も1ヶ月ないし、どうしよう・・・」
「とりあえず明日は休みなんだから、ゆっくり考えると良いよ。」
「・・・そうだね。」
「・・・ところで今日も一緒に寝るかい?」
「・・・迷惑じゃなければ、一緒に、寝たい・・・です。」
「迷惑じゃないよ。じゃあ枕持ってきたり準備してきなさい。」
・・・兄さん凄く優しい。
あの保健室での出来事以来、一人で寝ると、どうしても前世の記憶が蘇るようで怖くなるようになった。
風間先輩に拉致された時は風間先輩が一緒に寝たお陰で悪夢は見なかったが家に帰って一人で寝ると寝付きが悪かったり、やはり悪夢を見たりして寝れなくなり、それ以来兄さんに頼んで一緒に寝かせてもらってる。
貴族様らしく大の大人が2人寝ても余裕な程大きなベットなので兄さんに甘えて寝かせてもらっている。
兄さんは嫌がる素振りは見せず、寧ろ僕と寝るまでゆっくり話せるからと言って許してくれる。あー兄さん、良い旦那さんになりそう。愛妻家が似合いそうだなぁ・・・未来の奥さん羨ましい!!
あーベットの中に潜ると兄さんの匂いがして落ち着く・・・いつも侍女さんがシーツ取り替えてるけど、やはり毎日同じ物を使ってれば匂いって染み込むよね。兄さんの匂い好きだなぁ~・・・やばい変態っぽい?
次の日、陽南さんを我が家に招待した。もちろん前世の話と音楽祭の話をするために。
僕の部屋に案内して執事に紅茶とクッキーを用意してもらい出ていってもらった。・・・男女二人っきりになっても何もしませんよ?
「ねぇ、音楽祭なんてイベントありましたっけ?」
「あっ、やはり無かったよね。流依兄さんに聞いた時に「何それ?」って思った。」
「やっぱり・・・ところで薫風くん、何か良い歌、思い付く?」
「う~ん・・・前回優勝したって歌・・・あれ絶対前世の記憶もちの人が作った歌だよね。」
「ええ、私もそう思いました。・・・この世界に何人か転生者がいるみたいですね・・・驚きましたわ。」
「これは負けてられないよ・・・陽南さんはピアノ弾けますか?」
「ええ、前世もやってて今もやってますわ。」
「ふふ、それならピアノの演奏で、尚且合唱で歌える歌か・・・うん、あの歌なら皆歌いやすいだろう!」
「あら、私も知ってますか?」
「中◯みゆきの歌。昔作られた曲が再ブームした曲。」
「ああ!あれ、他のアーティストがカバーに使った曲ね!」
「意味も理解しやすいし、何より歌いやすいかなと。あれなら男女関係なく歌えるし、歌詞の意味がわからないと言われても説明できるしね。」
「わかったわ。・・・う~ん、メロディは覚えてるけど楽譜がねぇ~」
「じゃあピアノの部屋に行こう。」
さて、曲は決まった。じゃあ僕は歌詞をノートに書いてピアノは陽南さんに任せるとしますか。
・・・優勝したらなんの褒美がもらえるのやら・・・
20
あなたにおすすめの小説
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
推しの完璧超人お兄様になっちゃった
紫 もくれん
BL
『君の心臓にたどりつけたら』というゲーム。体が弱くて一生の大半をベットの上で過ごした僕が命を賭けてやり込んだゲーム。
そのクラウス・フォン・シルヴェスターという推しの大好きな完璧超人兄貴に成り代わってしまった。
ずっと好きで好きでたまらなかった推し。その推しに好かれるためならなんだってできるよ。
そんなBLゲーム世界で生きる僕のお話。
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
【BL】捨てられたSubが甘やかされる話
橘スミレ
BL
渚は最低最悪なパートナーに追い出され行く宛もなく彷徨っていた。
もうダメだと倒れ込んだ時、オーナーと呼ばれる男に拾われた。
オーナーさんは理玖さんという名前で、優しくて暖かいDomだ。
ただ執着心がすごく強い。渚の全てを知って管理したがる。
特に食へのこだわりが強く、渚が食べるもの全てを知ろうとする。
でもその執着が捨てられた渚にとっては心地よく、気味が悪いほどの執着が欲しくなってしまう。
理玖さんの執着は日に日に重みを増していくが、渚はどこまでも幸福として受け入れてゆく。
そんな風な激重DomによってドロドロにされちゃうSubのお話です!
アルファポリス限定で連載中
二日に一度を目安に更新しております
主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。
小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。
そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。
先輩×後輩
攻略キャラ×当て馬キャラ
総受けではありません。
嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。
ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。
だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。
え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。
でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!!
……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。
本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。
こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる