R18の乙女ゲーに男として転生したら攻略者たちに好かれてしまいました

やの有麻

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高年期[一学期編]

歌は素晴らしい!感動!

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部屋からでてピアノが置いてある部屋へ移動する。予め使うと予告していた為、執事や侍女が掃除してテーブルを用意してくれていた。防音になっており外には決して音が漏れないようになっていた。



さっそく取り掛かろうとした時、流依兄さんが現れた。




「こんにちは花塚さん。ようこそ我が家へ。薫風、歌は決まったのかい?」

「あぁ兄さん!陽南さん、こちら僕の兄で流依兄さんです。」

「ごきげんよう八乙女様。お邪魔しております。」

「ゆっくりしていって。あぁ、そうだ薫風、少し歌を聞いても良いかな。」

「大丈夫ですよ。陽南さん・・・良いですか?」

「あ、・・・まだ何も練習せず下手なピアノを聞かせても大丈夫でしょうか?」

「僕が無理に頼んでる事だか、気にしないで。ただ受験勉強の息抜きに、ね。」

「八乙女様が良いのであれば・・・」



そう言って3人でピアノのある部屋へ入る。










~~♪・・・~♪・・・カリカリカリ・・・



音を合わせながらメモを取る陽菜さん。おぉ!凄く集中してる。



僕も歌詞を書かなきゃ。







・・・カリカリ、カリ・・・


この歌、聞いても歌っても涙が出てくるんだよね・・・


意味も調べた事がある。調べた事によりさらに涙が出た。みゆきさん、天才だよね。声も好き!



・・・でも。これ良いのかな?だって僕が作ったわけでもないのに、僕が作った事になるんだよね?・・・うーん。





「う~ん・・・」

「どうしましたか薫風さん?」

「・・・これ、本当に使って良いのかなって。・・・だってこれ、僕が作ったものじゃないんだし・・・」

「・・・でも前回優勝した歌は明らか・・・。ううん、気にする事はないと思います。だって・・・この歌、知ってる人は少数ですから。多分・・・」

「・・・」





流依兄さんに聞こえないようヒソヒソ話す。




・・・うん、気にしてもしょうがないよね。何人転生者がいるかわからないけど、きっと僕がこれを作る事によって僕は転生者だって公言する形になるんだよね・・・




あーなんか嫌な予感がするんだが・・・あぁ!!!!だからこんな目立つような事はしたくなかったのに!




厄介事が起きませんように・・・








「・・・どう?陽南さん。僕は間違ってなければ歌詞は書き終えたけど。」

「とりあえず1番はだいたい書き終えましたわ。・・・では合わせてもらえますか?」

「そうだね。・・・兄さん、これから歌うけど大丈夫?うるさかったらごめんね。」

「ん?あぁ大丈夫だよ。今は暗記してるだけだから・・・音楽が聞こえても気にならないよ。むしろ聞いてみたいし。」

「うん。・・・じゃあ陽南さん、お願い。」

「ええ。」




ポーン♪、ポーン♪、ポーン♪・・・ポーン♪ポポーン♪ポーン♪

「・・・なーぜ、めぐーりーあーうーのかを・・・ーーー。」





あ、涙出そう。前世の転がら悲しい曲や感動する映画とか見ると思わず涙が出てくるんだよね・・・涙もろい。


感情が移っちゃうんだよね・・・これ、ヤバいなぁ~僕、男なのに涙もろいって情けなくないかな?




1番を歌い終わると陽南さんも涙ぐんでいた。あ、僕だけじゃなくて良かったよ。



「ううぅ~・・・この曲凄く好きです・・・はぁ、ピアノにも感情注入できて素晴らしいものになりましたわ!」

「・・・うん。ほんと、この曲を作った人は凄いよね・・・僕は、そんな能力ないよ。」

「でも薫風さんは歌がお上手ですわ。ええ・・・これなら優勝狙えますわ!あと少し、頑張りますわ!」

「有難う・・・」




そう言って互いにハンカチで涙を拭き陽南さんはまた楽譜を書き始めた。



流依兄さんさんは・・・あれ?珍しく呆けてる?




「・・・素晴らしい曲だね。」

「有難う兄さん。優勝・・・狙えるかな?」

「ああ・・・十二分、狙えると思うよ。それに、薫風は変わらず歌が上手だね。惚れ惚れしたよ。」

「 !そ、そう?あ、ありがとう・・・」




うわぁ兄さんに褒められた!てか兄さん最近やたら甘い声で褒めてくるんだよね。思わず照れちゃうよ・・・嬉しいけど。




それから日が暮れるまでひたすら音合わせてしたりアレンジしようと試行錯誤しながら話し合った。



流依兄さんは最後までピアノ部屋に一緒にいたが勉強できたのだろうか?息抜きとか言ってたけど・・・長居しすぎじゃない?





それから夕食を取り、今日は久々(ここ3~4日ずっと兄さんと寝てた)一人で寝ようと風呂に入ってすぐ自室にあるベットに潜る。


前世の時に流行ってた歌を久々に歌って良い気分に浸りながら眠りに就いた・・・
















「花彫・・・何故お前ばかりが辛い目にあうんだ・・・」

「俺達がついていながら・・・結局死なせてしまった・・・花彫だけが何故こんなにも不幸が続いたんだ・・・」

「花彫・・・今度生まれ変わったら・・・せめて皆に愛されて幸せに暮らせる事を祈るよ。」

「不甲斐ない兄たちを許してくれ・・・安らかに眠ってくれ・・・」







ああ・・・憖哲ぎんてつ兄・・・藍人あいと兄・・・泣かないで・・・


私は今、幸せだよ・・・





*********

わかる人にはピンッとくるかな?ふふふ・・・


かなりフラグ建てました。ちょくちょくネタばらしします~
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