R18の乙女ゲーに男として転生したら攻略者たちに好かれてしまいました

やの有麻

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高年期[一学期編]

なんと予想外・・・

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ゼーハー言いながら逃げ回る僕とクラス長こと越名くん。ちなみにゼーハー言ってるのは・・・






「か、薫風くん・・・はやっ・・・」

「クラス長・・・体力無さすぎっ!」

「僕は体育は3なんだ・・・ごめん足止めの方に行くべきだった・・・」

「いや・・・十分だよ。誰もいなさそうだし休憩とろっか。」





クラス長、体力無さすぎ・・・僕まだまだ余裕あるんだけどなぁ~






「いたぞ、八乙女だ!」

「ゲッ!」

「薫風くん、早く逃げなよ。鳳くんが捕まらない保証はないから薫風くんだけでも出来る限りの逃げ切りなよ!」

「わかった。・・・ありがと万純くん。」

「!」






もうそろそろクラス長呼び卒業しないとね。・・・あーあクラス長、呆気に取られちゃったよ。でも、いつの間にか名前呼びされてたから良いよね?僕だって名前呼び・・・したいし。




手を振って走り出したら我に返った感じにビクッと体が跳ねて僕の顔見て満面の笑みで手を振り返してくれた。・・・うん、友情って良いよね。











はー・・・どこ行っても鬼さんだらけ・・・さすがにキツイって・・・







『はーい。皆さん頑張ってるかな?・・・ここで鬼さんに朗報。・・・鳳克典くんはグラウンド第一倉庫。八乙女薫風くんは裏庭の木陰にいます。・・・残り1時間切りましたので頑張ってくださーい!』






ゲッ!今度はデマじゃない!克典は大丈夫か?






「いた!今度は本当だ!」

「マジかぁ~・・・」





もう少し休んでいたかったんだが・・・逃げなきゃなぁ~






「あっちだー!八乙女はあっち行ったぞー!」

「1年の校舎に入ったぞー!」







ひぇーーー‼





グイッ!




「んうっ!?」

「静かに・・・」






だ、誰かに腕を引っ張られて1ーDの教室へ。口を手で押さえられ背中から抱き締められ抵抗しようと暴れたら制止された。・・・誰だ?




ネームプレートを見るとどうやら2年生らしい。






「・・・クッキー貰った。まさか俺が寝てる間に訪ねてくるとは思わなかったよ。」

「・・・ねこやしき先輩?」

「そうだ。あのクッキー、どこで売ってるの?美味しかったから全部食べちゃったよ。」







顔は見れないが物腰柔らかそうな声で話しかけられた。・・・癒しの部類にはいるなぁ・・・






「あ、あれは僕が作った物です。お口に合ったようで良かったです。」

「えっ!?手作り!?・・・マジか。あー勿体ない事をしちゃった・・・」

「?」

「・・・何枚か仲間にあげちゃった。勿体ない・・・」

「あ、良ければまた作って持ってきますよ?」

「ほんとっ!?」

「あー!いたぞ!」

「「あ・・・」」





急に猫屋敷先輩が大声だしちゃったから見つかっちゃったよ・・・





余程気に入ってくれたようで次回も作ってあげると言ったら目を爛々と輝かして僕をガン見してきました。・・・わぁ、猫屋敷先輩の瞳は真っ赤だ。若干眼孔が縦に長細く見えるのは気のせいかな・・・?うん、気のせいだよね?そんなファンタジーな・・・ねぇ?







「クッキー貰う分働かせてもらいますよ姫さん!」

「ひ、姫さんって・・・うわぁ!」






何故姫呼びした!?ってか何故僕は横抱きされた!?




そして鼻歌を歌って僕を抱っこしながら教室から出て走り出した。てか、速い!







「フン、フフン、フフ~ン♪」

「え、あの、猫屋敷先輩?僕、走れますよ?」

「う~ん、大丈夫!俺が安全な所まで連れてくから。」






あれ、この人も人の話を聞かない部類か?ああ、確かに柔らかい口調だけど、言い換えればマイペースな性格って事だよね。





そして僕を抱っこしながら走る姿は何の息切れもなく軽々と走ってるので、重荷にはなってないみたい?や、痩せ我慢してるわけじゃないよね?






「あらら~?」

「ん?・・・うわぁ・・・」






正に「うわぁ」な状況が目の前に・・・なんか人間のバリケードが出来てるんですが・・・





「ネコ~?お前の行動は読まれやすいんだよ。・・・大人しく八乙女くん捕まえさせて?」

「ん~・・・姫ぇ?この人達に捕まりたい?」

「・・・え、無理?」

「じゃあ無理~」





へにゃっと笑うその姿はネコというよりイヌみたいな可愛らしさが漂った。・・・うーん・・・僕より長身な年上のガタイの良い男性に可愛いはダメかな?





ん?下ろされたけど、どうしたのかな? 






「姫ぇ~悪いけど足止めするから1人で逃げてよ。親衛隊幹部として姫の嫌がるような事をする奴等を排除しなきゃならないからさ。」

「か、幹部!?・・・ってか排除って・・・あ、あの・・・流血沙汰にはしないよね?」

「ん~?姫は血を見るのが苦手?じゃあ打撲程度に留めるね。ほら、次からワラワラと集まってくるから逃げてー。」

「・・・僕、何故姫呼ばわりなんですか?」

「親衛隊は皆姫って呼んでるよ!ほらー早く逃げてー!」





をいっ!聞き捨てにならないぞ!?何?皆僕の事を姫呼びしてるのかよっ!・・・中身は女性だが外見は男なんだけどなぁ~・・・






とりあえず猫屋敷先輩の言うとおり、あちこちから足音が聞こえてきてるから集まり出してるのは確かみたい!



猫屋敷先輩にお礼と一礼して人が少なそうな方へ走り出した。





「あー・・・姫、本当に可愛い。次のイベント早く来ないかなぁ~」







ボソっと独り言を呟く猫屋敷先輩の声は必死に逃げる僕には届きもしなかった・・・








猫屋敷先輩に抱っこされながら移動したため体力が温存された為、だいぶ体が軽い。チラッと時計みたら後20分で17時を迎えようとしていた。・・・よし、逃げ切れる!





そう思った矢先に、また誰かに腕をグイッ!と引っ張られて何処かの教室に引きずられた。






え、今度は誰・・・?







「良かった・・・まだ誰にも捕まってないようだね。」

「・・・二階堂先輩?」

「俺もいる。」

「やっほー薫風!」





この3人がいるって事は・・・ここは生徒会室か。 僕の背後でガチャッという音がした。・・・鍵を閉めたのか?





「生徒会室はイベント中は立ち入り禁止なんだ。・・・私たち以外はね。」

「・・・薫風が捕まらない限り1年が勝つだろう。ここにいればいい。」

「そうそう!薫風が誰かに1日好き勝手されるなんて許せないからねー!」

「・・・あ、有難うございます。でも、これって反則じゃ・・・」





『はーい。ちゅうもく!生徒会の諸君、君たちには1ヶ月の何らかのペナルティを与えるよ。・・・そして朗報!なんと鳳克典くんが捕まりましたー!残るは八乙女薫風くんのみ。今は生徒会室に立て籠ってまーす!皆さん、あと10分です!早く捕まえてねー?1年は八乙女くんを守ってー?以上!あとはチャイムが鳴るまで頑張ってー!』






・・・風間くん、どっからその情報を?え、監視カメラとかあるの?それとも蘇我さんみたいな有能な忍者がいるのかな?







ガチャン!ガチャン!ヂヂヂヂ・・・





「ん?」

「すまんな薫風。他の奴に捕まるなら俺が捕まえた。」

「「あーーーー!!!!!」」







・・・あれ?・・・どうやら捕まってしまったらしい?


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