トラウマSubの愛し方

卵丸

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正義のヒーロー

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~日和side~

俺には憧れの人がいた。その名前は

「討伐戦隊サムライジャー!!」

五人が決めゼリフを吐くと煙がドーンと舞い上がって五人は敵に攻撃を仕掛けた。

小さい頃から正義のヒーローになりたかった。それもあって親にお願いを言って柔道を習いに行った。
小学生の頃は困った人がいたら出来るだけ助けて先生のお手伝いをして皆の為に頑張った。ある日体育館裏で虐められてる子がいたので俺は間合いに入って止める様に言った。

「おい!弱いものいじめは良くねーぞ!」

俺が怒鳴るといじめっ子は笑いながらからかってきた。

「うるせぇ!この点数稼ぎ!」

「先生にゴマすってんじゃねーよ」

その言葉に腹が立って俺はそいつらを蹴り飛ばした。

「サムライキック!!」

そいつらは腹を掌で押さえながら俺を叩こうとしたが俺は避けてそいつらに得意技の背負い投げをお見舞いさせた。すると二人は気絶をしてしまった。
俺は虐められてた子にいって大丈夫か話すと彼は大泣きしてて、慌てて俺が不安になりながら聞いた。

「何処か痛いのか?」

俺が聞くとその子が俺を指差して涙を零して顔を上げた。

「新村君が怖い・・・。」

まさかの言葉に俺は固まった。確かにいじめっ子達は体がボロボロになって倒れていたしそれをしたのが俺なのでその子にとっていじめっ子より俺の方が怖かったんだろう。
俺はいつの間にか教室に帰っていた。まさか助けたつもりが泣かせて仕舞うとは思いもよらなかった。

その日から俺を怒らせると酷い目に遭うと噂が経ち、俺に話しかける奴がいなくなった。俺は悲しくて柔道でそのストレスを解消させた。そのおかげなのか中学生になると全国大会で8位をとった。背負い投げで勝ってきたので「背負い投げの太陽」と呼ばれるようになったがひそひそ話から聞こえる言葉は悲惨だった。

「小さいくせにバケモンだよな」

「怖いから関わりたくないかも」

「本当に恐ろしいよな」

「せっかく可愛い顔してるのに持った無いな」

『そんな言葉言われるなんてヒーローじゃなくて悪役だよな・・・悔しい。』

そのせいか高校生になると柔道を辞めた。 

初めての図書委員の仕事を終わらせた俺とナギは帰ろうとすると叫び声が聞こえた。
俺は気になり、校舎裏に行くと女子生徒が男子生徒に無理矢理服を脱がされる処だった。俺は全力で走って男子生徒に久しぶりの背負い投げをお見舞いさせた。

「"いでででで"!!」

男子生徒は起き上がり俺を睨みつけると一瞬で青白くなり捨て台詞を吐いて逃げて行った。

「た・・確か・・・お前・・・背負い投げの怪物!!」

「怪物じゃねーし!」

俺が怒鳴ると彼女が心配になり俺が彼女に近づくと彼女も「ひっ!」と叫び声をあげて逃げていった。

『・・・・・いつもの事か』

俺が溜息を零すと拍手をしたナギが目をキラキラさせて俺を見つめていた。

「・・・・・何?」

「新村君かっこいいね!」

親や先生以外からの初めての言葉に俺は戸惑ってしまった。

「・・・そうか?」

「そうだよ!普通は怖くて無視しちゃうのに迷いなく一直線に彼女を助けに行くんだもん!背負い投げ凄かったね!」

「・・・そんなに?」

「うん!正義のヒーローみたいだったよ」

ナギの言葉に心臓がドクンと鳴った。俺の顔が赤くなったと思う。

『言われたかった言葉を初めて言われた・・・。』

俺は照れながらナギにお礼を言っていた。

「あ・・・ありがとう」

「どうして新村君がありがとうなの?」

ナギは首を傾げたが俺は無視をして言った。

「何となくだよ後、新村だと肩苦しいから日和でいいよ」

その言葉にナギは顔を赤く染めながら名前を呼んでくれた。

「わかったよ、日和くん!」

俺の心臓がドキドキ鳴り響いた。俺はそれを誤魔化すように叫んだ。

「日和で良いよ!」



突然の俺の告白に戸惑いを隠しきれてないナギがいた。

「・・・四月にさ、男子生徒が女子生徒の服を脱がそうとしてきた時あったじゃん」

「あったね、その時日和が助けたよね」

「助けたけど二人から怯えながら逃げられた時、悲しかったけどナギにさヒーローって言われて嬉しかったんだよね」

「・・・それだけ?」

「・・・大体の奴等からは化け物とか怖いとかしか言われてこなかったから、初めて言って欲しかった言葉を言われたらそれだけで好きなっちゃったんだよね」

その言葉に俺達は少し間が空いたがナギが真剣な顔で言ってきた。

「その言葉は凄く嬉しいよありがとう。でもね日和の事は愛してる意味で好きに慣れないよ、僕は友達として日和が大好きなんだ!」

「・・・・・そうか、ありがとう・・それと勝手にキスしてごめん」

ナギは困惑した顔をしてから急に笑顔になり俺の額にデコピンを食らわせた。

「いって!」

「これはお返しだよ!」

少し間が空いたが先にナギが吹き出して笑った。その顔を見て俺も笑っていた。
二人で笑いすぎて疲れてしまった。

「はぁー 振られてしまったな!」

「振ってしまったね」

「・・・瀬戸に宣告したいからナギスマホで電話をかけて」

「宣告?」

ナギは少し戸惑ったがスマホを出して瀬戸に電話をかけた。

「ナギ貸して」

「うっうん」
 
ナギからスマホを受け取り耳元に当てて瀬戸が出るのを待った。

『渚?』

明らかに狼狽えた瀬戸の声がして少し笑いそうになったが、俺は瀬戸に話しかけた。

「瀬戸、俺新村だけど」

『どうして渚のスマホから新村が出んの?』

俺の声に不機嫌になったが気にせず大きな声で宣告を伝えた。

「俺はナギに振られて、これからは友達でいようと思う、そしてお前らを応援する!もし、ナギを泣かせたり勝手にパートナーを解除したらお前をぶん殴りに行く!!以上だ!!」

『はぁ?何いっ・・・』

俺は瀬戸の言葉を聞かず電話を切った。ナギは戸惑った表情をして「いいの?」と聞かれたが俺は頷いて、ナギにスマホを返してお礼を言った。

「ありがとう、これからも友達として宜しくなナギ!」

「うん、こちらこそよろしくね日和!」

俺達は握手をしたがナギが質問してきた。

「日和はもう柔道しないの?」

「うーん、本当はしたいけどまたビビらせるのがな・・・。」

ナギは俺の手を強く握って真剣な笑顔で口にした。

「したいんなら、すればいいよ!僕は日和の背負い投げまた見たいしさ、それに色んな人に怯えられても僕は日和を応援するよ!もし、また怯えられたら僕を思い出して!絶対に怯えないから!」

ナギの言葉にストンと納得いった。怯えられてたら悪役みたいだが一人でも怯えずに真っ直ぐに見つめてくる人がいる限り好きな事をすれば良い事に何故気づかなかったんだろうか・・・。

『普通に自分を苦しめていたな・・・。』

俺は真っ直ぐにナギの目を見てお礼の言葉を言った。

「ありがとう、また柔道を始めるよ!」

その言葉にナギは朗らかに微笑んだ。

「期待してるよ!」

俺達の会話に夕暮れの日が照らしていた。
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