トラウマSubの愛し方

卵丸

文字の大きさ
15 / 17

愛おしいプレイ

しおりを挟む
~壮真 side~

「これが俺の話なんだけど・・・渚は俺の為に泣いてんの?」

渚は顔と鼻をを赤くして涙を流していた。

「だっ・・・ひっく・・・だってぇ・・あまりにも・・・かわ・いそ・・ずぎて」

「渚・・・。」

渚は嗚咽混じりに話してくれたが鼻水も出てきていたので箱ティッシュを置いてあげたら、お礼を言って鼻を噛んでいた。

「小さい頃は酷かったけど、婆ちゃんに出会って大好きな人に出会って、今は幸せだよ。」

「・・・・・大好き・・・って言った?」

「・・・言ったよ・・・・・渚のことが大好き」

その言葉に更に渚は泣き出し俺に抱きついてきたが頭しか見えなくて今どんな表情をしているのか分からなかった。

「渚の顔が見たいなぁ・・・。」

「・・・多分ブサイクだから嫌だ。」

俺はCommandを使って意地悪をした。

「LOOK (こっちを見て)」

渚は真っ赤な顔で瞳は涙で溢れて、とても可愛らしい顔をしていた。

「・・・うぅぅ・・・ずるいよ・・・。」

「はは、とても可愛い、愛おしい・・・・だぁい好き」

渚の前で囁くと更に顔を赤くして、悔しそうな顔をしていたが一瞬目の前が真っ暗になり、唇に温かい物が触れた。
今、俺は渚にキスをされていた。 唇から離れると、いたずらっ子の顔をした渚が俺を見て微笑んでいた。

「・・・・・えっなっな・・渚!?」

「ふふ、間抜けな顔だね壮真」

「・・・・・キスなんかして大丈夫だった?気分悪くない。」

俺が慌てて問いかけると、首を左右に振って目を輝かせて話してくれた。

「全然、気持ち悪い処か今、凄く気持ちいいんだよね。やっと、壮真のCommandに応えることが出来た・・・うっ・・・嬉しいなあ・・・・・。」

渚が俺にぎゅっと抱きしめてきたので、俺も応えるように抱きしめた。

『・・・あぁ・・離したく無いなぁ・・・・・。』

「・・・・・渚、突然だけど俺の部屋でプレイしないか?」

いきなりの提案に渚がどう答えるか心配だったが、彼は微笑んで言葉にしてくれた。

「うん、プレイしよ」



俺の部屋に入ると渚は緊張していたが俺が優しく微笑むと安心した表情をしていた。

「渚、"Come"(おいで)」

Commandを放つと渚は嬉しそうに俺が座ってるベッドまで来てくれた。

「Good(いい子)」

渚の頭を撫でると、甘い香りのフェロモンが部屋中に漂った。渚はぽやぽやした顔をしていて、とても可愛かったが、少し刺激が欲しくて"Kiss"のCommandを放った。

「渚、今から俺が言った処に"Kiss"をしてね。」

その言葉に恥ずかしかったのか口を噛み締めていたが、こくん と静かに頷いてくれた。

「ありがとう、じゃあ、いくよ」

俺は一呼吸をしてから優しい声で命令した。

「右頬にして」

すると渚は顔を真っ赤に染めて、震える口で俺の右頬に触れるぐらいのキスをした。

「・・・かぁいい・・次は左頬にして」

その後も俺は頭、手首、手の甲、等にキスのCommandを放ち最後に唇にCommandを放ったが渚は固まってしまった。

「・・・・・渚?」

「えっあの・・・その・・・うぅ・・・。」

俺はCommandを放って、手助けをした。

「どうして、口にしないのか"教えて"?」

命令すると渚は顔を更に真っ赤に染めてフェロモンの甘い匂いも濃くなりながら、恥ずかしそうに口にした。

「・・・だって、口のキスは命令じゃなくて自然にしたいじゃん・・・・。」

その言葉が愛おしくて、俺は渚ことベッドの上に寝転んだ。

「うっうわぁ!」

「・・・・・本当、可愛いなぁ・・・・。」

でも、俺は物足りないので、渚の前髪を上げておでこと唇に触れるだけのキスをお見舞いさせた。

「あっ・・・あうぅぅ・・・・・。」

更に渚を抱き締めて「可愛い 」 「大好き」と囁くと渚はそう応える様に俺を抱き締めて、「僕も好き」と囁いてくれた。

「・・・・俺さ、将来、渚の様な奴を助ける為に・・・その・・・・ダイナミクス科の医者になりたいんだよね」

「えっいきなり将来の話?壮真は凄いね。もう決まってるんだ。僕はまだ将来分からないよ。」

俺は渚の頭を撫でて、ある告白を言った。

「・・・・一つだけ、渚の将来は俺の中で決まってるよ。」

「?壮真の中で・・・。」

「・・・・俺の永遠のパートナーってこと・・・。」

「それって・・・・つまり・・・」

「あぁ・・・高校卒業して、専門学校を卒業して、俺が就職出来たら結婚したい。」

俺の告白に渚は笑いながら話してくれた。

「あはは、結構、結婚が遅くなりそうだけど生きるのが楽しみになるね。」

「だから・・・遠距離恋愛になるかもね。」

「遠距離恋愛かぁ・・・浮気しないでよ!」

「渚のお義母さんが恐ろしいから絶対しないし、好きな人を泣かせないよ。」

「うん、僕を泣かせないでよ。」

「俺の愛おしいSubを泣かすわけないでしょ」

俺達は笑いながら抱きしめあっていた。




そして俺達は高校を卒業して、俺はダイナミクス科の専門学校に入学して、イタリアで研修を受けて、ダイナミクス科の医者の免許を修得した。今から、俺は愛おしい人の処に戻る為、日本に帰宅する。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【BL】捨てられたSubが甘やかされる話

橘スミレ
BL
 渚は最低最悪なパートナーに追い出され行く宛もなく彷徨っていた。  もうダメだと倒れ込んだ時、オーナーと呼ばれる男に拾われた。  オーナーさんは理玖さんという名前で、優しくて暖かいDomだ。  ただ執着心がすごく強い。渚の全てを知って管理したがる。  特に食へのこだわりが強く、渚が食べるもの全てを知ろうとする。  でもその執着が捨てられた渚にとっては心地よく、気味が悪いほどの執着が欲しくなってしまう。  理玖さんの執着は日に日に重みを増していくが、渚はどこまでも幸福として受け入れてゆく。  そんな風な激重DomによってドロドロにされちゃうSubのお話です!  アルファポリス限定で連載中  二日に一度を目安に更新しております

隠れSubは大好きなDomに跪きたい

みー
BL
ある日ハイランクDomの榊千鶴に告白してきたのは、Subを怖がらせているという噂のあの子でー。 更新がずいぶん遅れてしまいました。全話加筆修正いたしましたので、また読んでいただけると嬉しいです。

不器用な僕とご主人様の約束

いち
BL
敬語のクラブオーナー×年下のやんちゃっ子。遊んでばかりいるSubの雪はある日ナイトクラブでDomの華藍を知ります。ちょっと暑くなってくる前に出会った二人の短編です。 🍸カンパリオレンジのカクテル言葉は初恋だそうです。素敵ですね。 ※pixivにも同様の作品を掲載しています

世界で一番優しいKNEELをあなたに

珈琲きの子
BL
グレアの圧力の中セーフワードも使えない状態で体を弄ばれる。初めてパートナー契約したDomから卑劣な洗礼を受け、ダイナミクス恐怖症になったSubの一希は、自分のダイナミクスを隠し、Usualとして生きていた。 Usualとして恋をして、Usualとして恋人と愛し合う。 抑制剤を服用しながらだったが、Usualである恋人の省吾と過ごす時間は何物にも代えがたいものだった。 しかし、ある日ある男から「久しぶりに会わないか」と電話がかかってくる。その男は一希の初めてのパートナーでありSubとしての喜びを教えた男だった。 ※Dom/Subユニバース独自設定有り ※やんわりモブレ有り ※Usual✕Sub ※ダイナミクスの変異あり

家事代行サービスにdomの溺愛は必要ありません!

灯璃
BL
家事代行サービスで働く鏑木(かぶらぎ) 慧(けい)はある日、高級マンションの一室に仕事に向かった。だが、住人の男性は入る事すら拒否し、何故かなかなか中に入れてくれない。 何度かの押し問答の後、なんとか慧は中に入れてもらえる事になった。だが、男性からは冷たくオレの部屋には入るなと言われてしまう。 仕方ないと気にせず仕事をし、気が重いまま次の日も訪れると、昨日とは打って変わって男性、秋水(しゅうすい) 龍士郎(りゅうしろう)は慧の料理を褒めた。 思ったより悪い人ではないのかもと慧が思った時、彼がdom、支配する側の人間だという事に気づいてしまう。subである慧は彼と一定の距離を置こうとするがーー。 みたいな、ゆるいdom/subユニバース。ふんわり過ぎてdom/subユニバースにする必要あったのかとか疑問に思ってはいけない。 ※完結しました!ありがとうございました!

不透明な君と。

pAp1Ko
BL
Dom/Subユニバースのお話。 Dom(美人、細い、色素薄め、一人称:僕、168cm) 柚岡璃華(ユズオカ リカ) × Sub(細マッチョ、眼鏡、口悪い、一人称:俺、180cm) 暈來希(ヒカサ ライキ) Subと診断されたがランクが高すぎて誰のcommandも効かず、周りからはNeutralまたは見た目からDomだと思われていた暈來希。 小柄で美人な容姿、色素の薄い外見からSubだと思われやすい高ランクのDom、柚岡璃華。 この二人が出会いパートナーになるまでのお話。 完結済み、5日間に分けて投稿。

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人

こじらせた処女
BL
 幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。 しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。 「風邪をひくことは悪いこと」 社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。 とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。 それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

処理中です...