7 / 42
(七)邂逅、淡河弾正定範
しおりを挟む
堺北荘の屋敷を引き払った則頼は、数名の小者や従者、そして妻の振を連れて三津田の地に足を踏み入れた。
空は晴れ渡り、強い夏の日射しが降り注いでいる。
(この景色を見るのは、四年ぶりとなるのか……)
懐かしい山の稜線が濃い緑に覆われている様を望見する則頼は、父に連れられて三田城に向かった時の雨模様の景色を思い返さずにはいられない。
あの時は、まさかこれほど長期に渡って城を離れることになるとは想像にしていなかった。
ましてや、嫁を連れて戻ることになるとは、完全に予想外であった。
之虎に見せてもらった則重からの書状には、今も淡河勢に攻囲されているかのような書きぶりであり、三津田城に近づく際は緊張感が高まった。
しかし、則頼らが戻った時は幸いにも、淡河の兵の姿は周囲にみられなかった。
ただ、城下には焼け残った人家などもあり、最近戦さがあった事実を示していた。
無事に三津田城に戻った際にはそれなりに感慨深い思いを抱いた則頼であるが、出迎えた則重は対面の挨拶もそこそこに、三木城から登城の命令が届いていると告げた。
なお別所家においても、当主が代替わりしている。
かつて三好に三木城を攻められて従属を決意した別所村治は、弘治二年(一五五六年)に家督を長男・安治に譲っていた。
別所安治は天文元年(一五三二年)生まれ。この時二十七歳の青年大名である。
「夫婦そろって顔を出せとのことじゃ。これで、先般よりの淡河の動きも抑えられよう」
書院の上座に座る則重は、整った面立ちに愛想笑いじみた表情を浮かべて言葉を付け足した。
「まあ、別所一門から嫁御を迎えている以上、一度は挨拶しておくのは当然ですな」
己の不甲斐なさを棚に上げたような則重の態度に腹を立て、則頼はぶっきらぼうに応じた。
振を連れて三木城に登ってまず驚いたのは、淡河範之・定範父子が同じ日、同じ刻限にやってきていたことだ。
案内役に付いた若い侍に尋ねたところ、彼らは淡河城を奪還するにあたり、別所家から武具や兵糧のみならず、ある程度の数の兵を借りていたと教えられた。
今日の淡河家の登城は淡河城周辺の仕置きに一段落がついたため、助力に対する御礼を言上するためで、前もって予定されていたものだという。
つまり最初から、別所安治は有馬と淡河を手打ちさせるため、両家が顔を合わせることを仕組んだことになる。
(嫌らしい手管を使われるものだ)
則頼は腹立たしく思うが、その思いは淡河の父子も同じかもしれない。
安治の立場からしてみれば、有馬家と淡河家をこの際きちんと和睦させておきたいとの思惑があるのだろう。
案の定、別所家の家臣が居並ぶ本丸御殿の広間には、則頼と淡河父子が同時に通された。
なお、振は実家の元へと里帰りしており、この場には呼ばれていない。
この時、則頼ははじめて淡河定範をみた。
(この男が、淡河家自慢の養子か)
則頼は既に、三津田城で則重から改めて定範の人となりについて聞いている。
弘治年間に範之の養子となった淡河弾正忠定範は、天文八年(一五三九年)生まれ。
美作国江見荘江見城の城主である江見又次郎祐春の次男として生まれ、初名を江見次郎行定であるという。
則頼が見たところ、上背こそ常人なみであるが、小袖を着ていてもその下の四肢はたくましく引き締まっているのが判った。
顎は四角く張り出し、さながら目の粗い木を荒々しくノミで削りだしたような、厳めしい面構えをしていた。眉は太く、切れ長の目に宿る光は鋭い。
この年二十歳の若武者であるが、どこかふてぶてしい貫禄があった。
鶏卵を連想させる丸顔で、頑健さを誇るとは言い難い則頼とは、何もかもが対照的な存在だった。
一方、傍らの養父・淡河範之は子も為せない蒲柳の質であり、見た目にも頼りない。
やはり淡河城を奪い返すにあたっては、定範の働きが大きかったのだろうと推察された。
まず、淡河範之が安治に対して手勢を借りたことの御礼を述べ、別所の助けがあってこそ淡河城と野瀬城を取り戻すことができたと報告する。
それを真横で聞いている則頼としては、どのような顔をするべきか判らない。
いくら自分が城を攻め落とされた訳ではないとはいえ、決して気持ちの良いものではなかった。
続いて則頼の番となる。
「お陰様を持ちまして、この度、三好より証人の役目を解かれ、三津田に戻りましてございます。また、振姫様を妻に迎え、これほどの喜びはございませぬ。これからも別所の為に尽くしたく存じます」
我ながら歯の浮くような台詞よ、と思いながら則頼は滔々と口上を述べた。
則頼の帰還を受けて、三津田城攻めの矛を収めざるを得なくなった淡河父子としては、わざわざ聞きたくもない内容であっただろう。
なんとも微妙な空気が広間に漂う。
満足気な表情を見せているのは上座の安治だけと言っても過言ではなかった。
(この御仁、よほどの大器なのか、単なる変わり者なのか判らんな)
則頼がそんなことを考えながら平伏していると、不意に広間にざわめきが広がった。
そっと顔をあげて様子を伺った則頼は、思わず息をのんだ。
上座の安治とその両脇に流れる家臣たちの間から、薄紅色の打掛の裾を翻した娘が顔をのぞかせているのが見えたのだ。
まるでその娘の周囲にだけ、陽の光が差し込んでいるかのようだった。
(おお、皐姫様か)
則頼は内心で感嘆の声をあげる。
記憶の中の朗らかなお転婆な少女は、華やかな気品を保ったまま、さらに美しく成長した娘となっていた。
比べてはならぬと思いつつ、則頼は正妻・振の冷えた目の光を、脳裏に描かずにはいられない。
場違いな姫の乱入にも別所の家臣たちは慣れっこになっているのか、やれやれと言った調子で、特にとがめだてする者もいない。
兄である安治ですら、首をすくめているだけだ。
「姫様、何事でございましょうか」
最初に皐姫に向かって困惑げに声を発したのは、定範であった。
「いえ。先ほどから、聞き慣れぬ声が耳に届いたものですから」
皐姫の涼やかな声が広間に響く。
二人のやりとりからは、既に旧知の間柄であることが伺えた。
則頼はつい、その様子を妬ましげに眺めてしまう。
すると、皐姫の視線が則頼に向いた。
「有馬源次郎様、この度の帰参、おめでとうございます。既に当家の御一門になられたとのこと、頼もしく思っております」
皐姫の言葉はありきたりな挨拶であったが、その言葉の温かみに、則頼は震えるような感動に襲われた。
「はっ。ありがたきお言葉にござりまする」
思わず、皐姫に対して這いつくばるようにして平伏する。
居並ぶ別所家の家臣から失笑が漏れたが、まるで気にならなかった。
安治への挨拶を終えて広間から次の間へと下がったところで、則頼は定範に呼び止められた。
「互いの遺恨を水に流すことは、やはり難しいでしょうかな」
定範の口ぶりは決して喧嘩腰ではないのだが、定範の目に宿る力の強さに、則頼は内心でたじろぎそうになる。
言うまでもなく淡河家と有馬家は、淡河城を奪い、また奪い返した相手同志である。
とはいえ、当事者である定範にとっては、淡河城の失陥は養子となる前の出来事である。
対する則頼にしても、人質に出された三好之虎の元に身を寄せていた時期の話であって、淡河城を巡る攻防は伝聞でしか知らない。
加えて、今日に至る事態を引き起こした張本人である有馬重則は誅殺され、既にこの世の人ではない。
つまり、当人同士に際だった遺恨がある訳ではなく、痛み分けとすることも可能だとも考えられる。
「さて。そればかりは、相手があることですからな」
則頼は曖昧に応じた。
無闇に事を荒立てる気はない。しかし、だからといって不用意に言質を取られるつもりもなかった。
「もちろんのこと、今日明日という話ではござらぬ。いずれ、良き間柄となりたいものにござる」
そう言い残して、定範は範之と共に去って行った。
この日の邂逅こそ、則頼にとって宿敵となる淡河定範との出会いであった。
ただしその因縁を則頼が思い知るまでには、まだしばらくの時が必要となる。
空は晴れ渡り、強い夏の日射しが降り注いでいる。
(この景色を見るのは、四年ぶりとなるのか……)
懐かしい山の稜線が濃い緑に覆われている様を望見する則頼は、父に連れられて三田城に向かった時の雨模様の景色を思い返さずにはいられない。
あの時は、まさかこれほど長期に渡って城を離れることになるとは想像にしていなかった。
ましてや、嫁を連れて戻ることになるとは、完全に予想外であった。
之虎に見せてもらった則重からの書状には、今も淡河勢に攻囲されているかのような書きぶりであり、三津田城に近づく際は緊張感が高まった。
しかし、則頼らが戻った時は幸いにも、淡河の兵の姿は周囲にみられなかった。
ただ、城下には焼け残った人家などもあり、最近戦さがあった事実を示していた。
無事に三津田城に戻った際にはそれなりに感慨深い思いを抱いた則頼であるが、出迎えた則重は対面の挨拶もそこそこに、三木城から登城の命令が届いていると告げた。
なお別所家においても、当主が代替わりしている。
かつて三好に三木城を攻められて従属を決意した別所村治は、弘治二年(一五五六年)に家督を長男・安治に譲っていた。
別所安治は天文元年(一五三二年)生まれ。この時二十七歳の青年大名である。
「夫婦そろって顔を出せとのことじゃ。これで、先般よりの淡河の動きも抑えられよう」
書院の上座に座る則重は、整った面立ちに愛想笑いじみた表情を浮かべて言葉を付け足した。
「まあ、別所一門から嫁御を迎えている以上、一度は挨拶しておくのは当然ですな」
己の不甲斐なさを棚に上げたような則重の態度に腹を立て、則頼はぶっきらぼうに応じた。
振を連れて三木城に登ってまず驚いたのは、淡河範之・定範父子が同じ日、同じ刻限にやってきていたことだ。
案内役に付いた若い侍に尋ねたところ、彼らは淡河城を奪還するにあたり、別所家から武具や兵糧のみならず、ある程度の数の兵を借りていたと教えられた。
今日の淡河家の登城は淡河城周辺の仕置きに一段落がついたため、助力に対する御礼を言上するためで、前もって予定されていたものだという。
つまり最初から、別所安治は有馬と淡河を手打ちさせるため、両家が顔を合わせることを仕組んだことになる。
(嫌らしい手管を使われるものだ)
則頼は腹立たしく思うが、その思いは淡河の父子も同じかもしれない。
安治の立場からしてみれば、有馬家と淡河家をこの際きちんと和睦させておきたいとの思惑があるのだろう。
案の定、別所家の家臣が居並ぶ本丸御殿の広間には、則頼と淡河父子が同時に通された。
なお、振は実家の元へと里帰りしており、この場には呼ばれていない。
この時、則頼ははじめて淡河定範をみた。
(この男が、淡河家自慢の養子か)
則頼は既に、三津田城で則重から改めて定範の人となりについて聞いている。
弘治年間に範之の養子となった淡河弾正忠定範は、天文八年(一五三九年)生まれ。
美作国江見荘江見城の城主である江見又次郎祐春の次男として生まれ、初名を江見次郎行定であるという。
則頼が見たところ、上背こそ常人なみであるが、小袖を着ていてもその下の四肢はたくましく引き締まっているのが判った。
顎は四角く張り出し、さながら目の粗い木を荒々しくノミで削りだしたような、厳めしい面構えをしていた。眉は太く、切れ長の目に宿る光は鋭い。
この年二十歳の若武者であるが、どこかふてぶてしい貫禄があった。
鶏卵を連想させる丸顔で、頑健さを誇るとは言い難い則頼とは、何もかもが対照的な存在だった。
一方、傍らの養父・淡河範之は子も為せない蒲柳の質であり、見た目にも頼りない。
やはり淡河城を奪い返すにあたっては、定範の働きが大きかったのだろうと推察された。
まず、淡河範之が安治に対して手勢を借りたことの御礼を述べ、別所の助けがあってこそ淡河城と野瀬城を取り戻すことができたと報告する。
それを真横で聞いている則頼としては、どのような顔をするべきか判らない。
いくら自分が城を攻め落とされた訳ではないとはいえ、決して気持ちの良いものではなかった。
続いて則頼の番となる。
「お陰様を持ちまして、この度、三好より証人の役目を解かれ、三津田に戻りましてございます。また、振姫様を妻に迎え、これほどの喜びはございませぬ。これからも別所の為に尽くしたく存じます」
我ながら歯の浮くような台詞よ、と思いながら則頼は滔々と口上を述べた。
則頼の帰還を受けて、三津田城攻めの矛を収めざるを得なくなった淡河父子としては、わざわざ聞きたくもない内容であっただろう。
なんとも微妙な空気が広間に漂う。
満足気な表情を見せているのは上座の安治だけと言っても過言ではなかった。
(この御仁、よほどの大器なのか、単なる変わり者なのか判らんな)
則頼がそんなことを考えながら平伏していると、不意に広間にざわめきが広がった。
そっと顔をあげて様子を伺った則頼は、思わず息をのんだ。
上座の安治とその両脇に流れる家臣たちの間から、薄紅色の打掛の裾を翻した娘が顔をのぞかせているのが見えたのだ。
まるでその娘の周囲にだけ、陽の光が差し込んでいるかのようだった。
(おお、皐姫様か)
則頼は内心で感嘆の声をあげる。
記憶の中の朗らかなお転婆な少女は、華やかな気品を保ったまま、さらに美しく成長した娘となっていた。
比べてはならぬと思いつつ、則頼は正妻・振の冷えた目の光を、脳裏に描かずにはいられない。
場違いな姫の乱入にも別所の家臣たちは慣れっこになっているのか、やれやれと言った調子で、特にとがめだてする者もいない。
兄である安治ですら、首をすくめているだけだ。
「姫様、何事でございましょうか」
最初に皐姫に向かって困惑げに声を発したのは、定範であった。
「いえ。先ほどから、聞き慣れぬ声が耳に届いたものですから」
皐姫の涼やかな声が広間に響く。
二人のやりとりからは、既に旧知の間柄であることが伺えた。
則頼はつい、その様子を妬ましげに眺めてしまう。
すると、皐姫の視線が則頼に向いた。
「有馬源次郎様、この度の帰参、おめでとうございます。既に当家の御一門になられたとのこと、頼もしく思っております」
皐姫の言葉はありきたりな挨拶であったが、その言葉の温かみに、則頼は震えるような感動に襲われた。
「はっ。ありがたきお言葉にござりまする」
思わず、皐姫に対して這いつくばるようにして平伏する。
居並ぶ別所家の家臣から失笑が漏れたが、まるで気にならなかった。
安治への挨拶を終えて広間から次の間へと下がったところで、則頼は定範に呼び止められた。
「互いの遺恨を水に流すことは、やはり難しいでしょうかな」
定範の口ぶりは決して喧嘩腰ではないのだが、定範の目に宿る力の強さに、則頼は内心でたじろぎそうになる。
言うまでもなく淡河家と有馬家は、淡河城を奪い、また奪い返した相手同志である。
とはいえ、当事者である定範にとっては、淡河城の失陥は養子となる前の出来事である。
対する則頼にしても、人質に出された三好之虎の元に身を寄せていた時期の話であって、淡河城を巡る攻防は伝聞でしか知らない。
加えて、今日に至る事態を引き起こした張本人である有馬重則は誅殺され、既にこの世の人ではない。
つまり、当人同士に際だった遺恨がある訳ではなく、痛み分けとすることも可能だとも考えられる。
「さて。そればかりは、相手があることですからな」
則頼は曖昧に応じた。
無闇に事を荒立てる気はない。しかし、だからといって不用意に言質を取られるつもりもなかった。
「もちろんのこと、今日明日という話ではござらぬ。いずれ、良き間柄となりたいものにござる」
そう言い残して、定範は範之と共に去って行った。
この日の邂逅こそ、則頼にとって宿敵となる淡河定範との出会いであった。
ただしその因縁を則頼が思い知るまでには、まだしばらくの時が必要となる。
4
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
アブナイお殿様-月野家江戸屋敷騒動顛末-(R15版)
三矢由巳
歴史・時代
時は江戸、老中水野忠邦が失脚した頃のこと。
佳穂(かほ)は江戸の望月藩月野家上屋敷の奥方様に仕える中臈。
幼い頃に会った千代という少女に憧れ、奥での一生奉公を望んでいた。
ところが、若殿様が急死し事態は一変、分家から養子に入った慶温(よしはる)こと又四郎に侍ることに。
又四郎はずっと前にも会ったことがあると言うが、佳穂には心当たりがない。
海外の事情や英吉利語を教える又四郎に翻弄されるも、惹かれていく佳穂。
一方、二人の周辺では次々に不可解な事件が起きる。
事件の真相を追うのは又四郎や屋敷の人々、そしてスタンダードプードルのシロ。
果たして、佳穂は又四郎と結ばれるのか。
シロの鼻が真実を追い詰める!
別サイトで発表した作品のR15版です。
もし石田三成が島津義弘の意見に耳を傾けていたら
俣彦
歴史・時代
慶長5年9月14日。
赤坂に到着した徳川家康を狙うべく夜襲を提案する宇喜多秀家と島津義弘。
史実では、これを退けた石田三成でありましたが……。
もしここで彼らの意見に耳を傾けていたら……。
日本の運命を変えた天才少年-日本が世界一の帝国になる日-
ましゅまろ
歴史・時代
――もしも、日本の運命を変える“少年”が現れたなら。
1941年、戦争の影が世界を覆うなか、日本に突如として現れた一人の少年――蒼月レイ。
わずか13歳の彼は、天才的な頭脳で、戦争そのものを再設計し、歴史を変え、英米独ソをも巻き込みながら、日本を敗戦の未来から救い出す。
だがその歩みは、同時に多くの敵を生み、命を狙われることも――。
これは、一人の少年の手で、世界一の帝国へと昇りつめた日本の物語。
希望と混乱の20世紀を超え、未来に語り継がれる“蒼き伝説”が、いま始まる。
※アルファポリス限定投稿
世界はあるべき姿へ戻される 第二次世界大戦if戦記
颯野秋乃
歴史・時代
1929年に起きた、世界を巻き込んだ大恐慌。世界の大国たちはそれからの脱却を目指し、躍起になっていた。第一次世界大戦の敗戦国となったドイツ第三帝国は多額の賠償金に加えて襲いかかる恐慌に国の存続の危機に陥っていた。援助の約束をしたアメリカは恐慌を理由に賠償金の支援を破棄。フランスは、自らを救うために支払いの延期は認めない姿勢を貫く。
ドイツ第三帝国は自らの存続のために、世界に隠しながら軍備の拡張に奔走することになる。
また、極東の国大日本帝国。関係の悪化の一途を辿る日米関係によって受ける経済的打撃に苦しんでいた。
その解決法として提案された大東亜共栄圏。東南アジア諸国及び中国を含めた大経済圏、生存圏の構築に力を注ごうとしていた。
この小説は、ドイツ第三帝国と大日本帝国の2視点で進んでいく。現代では有り得なかった様々なイフが含まれる。それを楽しんで貰えたらと思う。
またこの小説はいかなる思想を賛美、賞賛するものでは無い。
この小説は現代とは似て非なるもの。登場人物は史実には沿わないので悪しからず…
大日本帝国視点は都合上休止中です。気分により再開するらもしれません。
【重要】
不定期更新。超絶不定期更新です。
別れし夫婦の御定書(おさだめがき)
佐倉 蘭
歴史・時代
★第11回歴史・時代小説大賞 奨励賞受賞★
嫡男を産めぬがゆえに、姑の策略で南町奉行所の例繰方与力・進藤 又十蔵と離縁させられた与岐(よき)。
離縁後、生家の父の猛反対を押し切って生まれ育った八丁堀の組屋敷を出ると、小伝馬町の仕舞屋に居を定めて一人暮らしを始めた。
月日は流れ、姑の思惑どおり後妻が嫡男を産み、婚家に置いてきた娘は二人とも無事与力の御家に嫁いだ。
おのれに起こったことは綺麗さっぱり水に流した与岐は、今では女だてらに離縁を望む町家の女房たちの代わりに亭主どもから去り状(三行半)をもぎ取るなどをする「公事師(くじし)」の生業(なりわい)をして生計を立てていた。
されどもある日突然、与岐の仕舞屋にとっくの昔に離縁したはずの元夫・又十蔵が転がり込んできて——
※「今宵は遣らずの雨」「大江戸ロミオ&ジュリエット」「大江戸シンデレラ」「大江戸の番人 〜吉原髪切り捕物帖〜」にうっすらと関連したお話ですが単独でお読みいただけます。
滝川家の人びと
卯花月影
歴史・時代
勝利のために走るのではない。
生きるために走る者は、
傷を負いながらも、歩みを止めない。
戦国という時代の只中で、
彼らは何を失い、
走り続けたのか。
滝川一益と、その郎党。
これは、勝者の物語ではない。
生き延びた者たちの記録である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる