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第2部
第2部 39話 婚約証明書と家族の団欒
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その後、私たちは食堂に移動しました。
食堂の中央には長机があり、上座にあたる一番奥に国王陛下が座ります。長辺の片方に王妃陛下と王太子殿下が、もう片方に私とドリィが並んで座りました。
室内には引き続き、侍従長、侍従、侍女、近衛騎士三名と、私たちの背後にシアンが控えています。
全員が席についてすぐ、国王陛下は口を開きました。
「ダヴィッドと会ったことは伏せて欲しい。罪人の処理と今後の為、密かに王城に来ていたのだ」
「御意」
「かしこまりました」
「うむ。その代わりと言ってはなんだが、これを二人に渡そう」
国王陛下の従者が、書状の乗った銀の盆を手に私たちの元に来ました。私とドリィそれぞれに一枚ずつ書状を渡します。それは……。
「っ!こ、これはもしや、私とプランティエ伯爵の婚約証明書ですか?」
「うむ。その通りだ」
私たちは目を合わせました。嬉しいですが、同時に当惑しています。
「恐れながら、貴族院から発行は年明けとうかがっていたのですが……」
疑問に答えたのは王妃陛下でした。
「私たちが働きかけて貴方たちだけ特別に……と、いうわけではありませんよ。他の申請者たちの多くも、今ごろ受け取っているはずです」
「というと……」
「以前から『婚約証明書発行までの時間を短縮して欲しい』との要望は多くありました。さらに、今回の貴方たちの件があったので、貴族院は婚約証明書の査定方法を見直したのです」
王太子殿下が、苦笑いしながら補足してくださります。
「改めて査定方法を見直した結果、かなり無駄が多いことが分かったんだ。
……まあ、正確にいうと上層部の一部が、旧来の手法に固執していたようだけどね。
結果、従来の半分まで短縮できるようになったんだ」
「そうだったのですね」
とはいえ、御三方の働きかけが無いとは思えません。
ドリィと共に頭を下げます。
「貴族院の決定とはいえ、これも両陛下と王太子殿下のの采配あってのこと。感謝申し上げます」
「うむ。頭を上げて楽にせよ。
……話は変わるが、【秋実の大祭】で、大司教が二人に接近したそうだな」
「……はい。お話させて頂きました」
叫びかけました。
思いがけない問いかけに混乱しつつ、お答えします。
どういう意図でのご質問?ただの雑談?会話は聞かれて無いはずだけど、あの離宮は色々と仕掛けがあったからもしかしたら…。
そもそも、国王陛下方は大司教様が教えて下さった聖人と聖女の実態と、私が聖女だということをご存知なの?
私が混乱していると、ドリィが明るい声を上げました。
「私もその場におりました。大司教猊下は流石に徳の高いお方だ。プランティエ伯爵が苦難を乗り越え立身したことを寿ぎ、祝詞を上げて下さったのです」
国王陛下が口の端をあげます。
「アドリアン・ベルダール辺境伯よ。そう警戒するな。其方たちの会話を暴く気はない。
あの大司教は、其方が言う通り徳が高く信頼できる人物だ。プランティエ伯爵にとっては、心強い先達であり後ろ盾だろう」
「ええ。プランティエ伯爵は稀有な存在です。庇護者は多い方がよろしいでしょう」
ああ、この仰りよう!
はっきりとは言葉にされてませんが、やはり大司教様が聖人であることも、私が聖女だということもご存知なのですね。
「プランティエ伯爵。両陛下も私も、貴女の意志を尊重する。愚かな真似をした、かつての為政者たちと同じ轍を踏まないために」
「シャンティリアンの申す通りだ。
……ただし我らは王家。国益のため、其方を犠牲にしないとは限らぬがな」
「国王陛下」
ドリィの硬い声。さほど大きくない声なのに、場をピシャリと打ちます。
「そのような事が起きれば、私はルルティーナ・プランティエ伯爵を守るため、我が魔法と剣をふるうでしょう。
たとえ、魔法と剣をふるう相手がどなたであっても」
「っ!」
肌が冷たい!驚いて隣を見ると、国王陛下を見つめるドリィの身体から冷気があふれています。
国王陛下に敵意をぶつけてるの!?なんてことを!?
近衛騎士様方も己が武器に触れつつ、鋭い敵意をドリィに向けています。
一触即発。
思わず血の気が引いたところで、フッと国王陛下が柔らかな笑みを浮かべました。
「アドリアン・ベルダール辺境伯!その意気や良し!」
「もちろん私たちも、貴方たちの味方でいれるよう努力します」
「ええ。だけど万が一ということがある。私たち王家は個人ではなく国全体を優先させなければならないからね。ベルダール辺境伯。君はそのまま、ルルティーナ・プランティエ伯爵の絶対的な味方でいて欲しい。頼んだよ」
御三方はとても嬉しそうです。もしや、ドリィの覚悟を試したのでしょうか?
ドリィは居住いを正し、頭を下げました。
「は!お言葉を胸に精進いたします!……この非礼、如何なる罰も受け……」
「は?罰?そんな物はいらん!固い話はここまでだ!ここからは身内だけの食事会だ!楽にしてくれ!」
「は?」
「え?」
急に空気が変わりました。国王陛下方は先程までの威厳をかなぐり捨て、顔全体で喜びを……久しぶりに家族全員がそろった喜びをあふれさせていらっしゃいます。
「アディ!プランティエ伯爵!二人とも良く来てくれた!今宵は語り明かそう!」
「ふふふ。この人ったら、ずっと楽しみにしてたのよ。もちろん私とシャンティもだけど。
プランティエ伯爵、お約束通り美味しいお菓子も用意したわ。たくさん食べてくださいね」
「アディもたくさん食べるんだぞ。母上たちと相談して、二人が好きそうなメニューを選んだんだ」
な、なんて切り替え上手な。
私とドリィはというと、戸惑うやら嬉しいやらです。
「え、あ、ありがとうございます。俺も御三方とお会いするのが楽しみでした」
「わ、私もです。たくさん頂きますね」
「うん。ちなみに、ここに居る者たちは二人の事情を知っている者たちばかりだ。気楽にしてくれ。
あ、そうだ」
王太子殿下はにっこり微笑みつつ、両陛下に話をふります。
「父上、母上。プランティエ伯爵は、私たちの大切なアディの婚約者です。内輪の席だというのに、呼び名が固すぎませんか?」
「む?確かにそうだな」
「なあアディ、君もそう思わないか?」
「あ、は、はい。その、王太……」
「アディ、ここは内輪の席だよ?」
「し、シャンティ兄上。確かに固いかもしれません。ルティ、君はどう思う?」
「うふふ!ルティって呼んでるのね!可愛らしい愛称ね!」
「仲睦まじくてなによりだ!」
「は、母上、父上、勘弁して下さい……」
ドリィ可愛い!御三方に愛でられて照れてる!
「ふふっ。私のことは、どうぞお好きにお呼び下さい。ただしルティという愛称だけはご容赦を。ドリィだけの呼び名ですから拗ねてしまいます」
「あらあらまあまあ!素敵ねえ!じゃあ、私たちはルルティーナさんとお呼びするわね!」
「ははは!お熱いな!お二人さん!」
「余とアデラの若い頃を思い出すのう」
「る、ルティ!恥ずかしいからやめてくれ!」
お食事が運ばれてからも話が弾み、笑顔が絶えませんでした。
そんな私たちを、近衛騎士と侍従侍女の皆様は優しく見守って下さります。先ほどの一触即発の雰囲気が嘘のよう。
中でも一際優しい眼差しは、王妃陛下の近衛騎士ブリジット・ラピスラズリ侯爵閣下。
その金色の瞳は、王妃陛下の笑顔を見つめ蜂蜜のように艶やかに潤んでいます。
全身全霊で王妃陛下に忠誠を捧げているのが伝わり、少しだけ冷静な気持ちになりました。
ラピスラズリ侯爵閣下は、イオリリス侯爵令嬢の叔母であり、彼女を罰するために私を利用した一人です。
もう一人であるサフィリス公爵夫人もそうですが、同派閥とはいえ味方とは言い切れないお方です。
恐らくこのお方も、私が聖女であることは察していらっしゃるでしょう。
少し警戒しましたが……。
「この肉料理は最高ですね!ルティ、君も早くお食べ。噛むほどに味が染みて、良い香りが鼻を抜けるよ」
「え?あ、はい。……っ!美味しいです!ドリィの言う通り、味も香りも奥行きがあってたまりません!」
「はっはっは!そうであろう!何せこの料理は、アデラの狩った山鳩と余の採ったキノコを使っているのだ!」
「ふふふ。楽しいわあ。次男と次男の婚約者が可愛い。お酒が進むわねえ。次回はイザベルさんもお誘いしましょうか」
「ええ。アディのこたはまだ打ち明けていませんが、ルルティーナさんと義姉妹になるのです。イザベルも喜ぶでしょう」
「私とイザベルさんと義姉妹に!?なんて素敵!嬉しいです!」
……すぐに楽しいお話と美味しいお料理に夢中になってしまい、警戒心はどこかに行ってしまいました。
夕食会は夜更けまで続き、またお会いすることをお約束してお開きとなりました。
食堂の中央には長机があり、上座にあたる一番奥に国王陛下が座ります。長辺の片方に王妃陛下と王太子殿下が、もう片方に私とドリィが並んで座りました。
室内には引き続き、侍従長、侍従、侍女、近衛騎士三名と、私たちの背後にシアンが控えています。
全員が席についてすぐ、国王陛下は口を開きました。
「ダヴィッドと会ったことは伏せて欲しい。罪人の処理と今後の為、密かに王城に来ていたのだ」
「御意」
「かしこまりました」
「うむ。その代わりと言ってはなんだが、これを二人に渡そう」
国王陛下の従者が、書状の乗った銀の盆を手に私たちの元に来ました。私とドリィそれぞれに一枚ずつ書状を渡します。それは……。
「っ!こ、これはもしや、私とプランティエ伯爵の婚約証明書ですか?」
「うむ。その通りだ」
私たちは目を合わせました。嬉しいですが、同時に当惑しています。
「恐れながら、貴族院から発行は年明けとうかがっていたのですが……」
疑問に答えたのは王妃陛下でした。
「私たちが働きかけて貴方たちだけ特別に……と、いうわけではありませんよ。他の申請者たちの多くも、今ごろ受け取っているはずです」
「というと……」
「以前から『婚約証明書発行までの時間を短縮して欲しい』との要望は多くありました。さらに、今回の貴方たちの件があったので、貴族院は婚約証明書の査定方法を見直したのです」
王太子殿下が、苦笑いしながら補足してくださります。
「改めて査定方法を見直した結果、かなり無駄が多いことが分かったんだ。
……まあ、正確にいうと上層部の一部が、旧来の手法に固執していたようだけどね。
結果、従来の半分まで短縮できるようになったんだ」
「そうだったのですね」
とはいえ、御三方の働きかけが無いとは思えません。
ドリィと共に頭を下げます。
「貴族院の決定とはいえ、これも両陛下と王太子殿下のの采配あってのこと。感謝申し上げます」
「うむ。頭を上げて楽にせよ。
……話は変わるが、【秋実の大祭】で、大司教が二人に接近したそうだな」
「……はい。お話させて頂きました」
叫びかけました。
思いがけない問いかけに混乱しつつ、お答えします。
どういう意図でのご質問?ただの雑談?会話は聞かれて無いはずだけど、あの離宮は色々と仕掛けがあったからもしかしたら…。
そもそも、国王陛下方は大司教様が教えて下さった聖人と聖女の実態と、私が聖女だということをご存知なの?
私が混乱していると、ドリィが明るい声を上げました。
「私もその場におりました。大司教猊下は流石に徳の高いお方だ。プランティエ伯爵が苦難を乗り越え立身したことを寿ぎ、祝詞を上げて下さったのです」
国王陛下が口の端をあげます。
「アドリアン・ベルダール辺境伯よ。そう警戒するな。其方たちの会話を暴く気はない。
あの大司教は、其方が言う通り徳が高く信頼できる人物だ。プランティエ伯爵にとっては、心強い先達であり後ろ盾だろう」
「ええ。プランティエ伯爵は稀有な存在です。庇護者は多い方がよろしいでしょう」
ああ、この仰りよう!
はっきりとは言葉にされてませんが、やはり大司教様が聖人であることも、私が聖女だということもご存知なのですね。
「プランティエ伯爵。両陛下も私も、貴女の意志を尊重する。愚かな真似をした、かつての為政者たちと同じ轍を踏まないために」
「シャンティリアンの申す通りだ。
……ただし我らは王家。国益のため、其方を犠牲にしないとは限らぬがな」
「国王陛下」
ドリィの硬い声。さほど大きくない声なのに、場をピシャリと打ちます。
「そのような事が起きれば、私はルルティーナ・プランティエ伯爵を守るため、我が魔法と剣をふるうでしょう。
たとえ、魔法と剣をふるう相手がどなたであっても」
「っ!」
肌が冷たい!驚いて隣を見ると、国王陛下を見つめるドリィの身体から冷気があふれています。
国王陛下に敵意をぶつけてるの!?なんてことを!?
近衛騎士様方も己が武器に触れつつ、鋭い敵意をドリィに向けています。
一触即発。
思わず血の気が引いたところで、フッと国王陛下が柔らかな笑みを浮かべました。
「アドリアン・ベルダール辺境伯!その意気や良し!」
「もちろん私たちも、貴方たちの味方でいれるよう努力します」
「ええ。だけど万が一ということがある。私たち王家は個人ではなく国全体を優先させなければならないからね。ベルダール辺境伯。君はそのまま、ルルティーナ・プランティエ伯爵の絶対的な味方でいて欲しい。頼んだよ」
御三方はとても嬉しそうです。もしや、ドリィの覚悟を試したのでしょうか?
ドリィは居住いを正し、頭を下げました。
「は!お言葉を胸に精進いたします!……この非礼、如何なる罰も受け……」
「は?罰?そんな物はいらん!固い話はここまでだ!ここからは身内だけの食事会だ!楽にしてくれ!」
「は?」
「え?」
急に空気が変わりました。国王陛下方は先程までの威厳をかなぐり捨て、顔全体で喜びを……久しぶりに家族全員がそろった喜びをあふれさせていらっしゃいます。
「アディ!プランティエ伯爵!二人とも良く来てくれた!今宵は語り明かそう!」
「ふふふ。この人ったら、ずっと楽しみにしてたのよ。もちろん私とシャンティもだけど。
プランティエ伯爵、お約束通り美味しいお菓子も用意したわ。たくさん食べてくださいね」
「アディもたくさん食べるんだぞ。母上たちと相談して、二人が好きそうなメニューを選んだんだ」
な、なんて切り替え上手な。
私とドリィはというと、戸惑うやら嬉しいやらです。
「え、あ、ありがとうございます。俺も御三方とお会いするのが楽しみでした」
「わ、私もです。たくさん頂きますね」
「うん。ちなみに、ここに居る者たちは二人の事情を知っている者たちばかりだ。気楽にしてくれ。
あ、そうだ」
王太子殿下はにっこり微笑みつつ、両陛下に話をふります。
「父上、母上。プランティエ伯爵は、私たちの大切なアディの婚約者です。内輪の席だというのに、呼び名が固すぎませんか?」
「む?確かにそうだな」
「なあアディ、君もそう思わないか?」
「あ、は、はい。その、王太……」
「アディ、ここは内輪の席だよ?」
「し、シャンティ兄上。確かに固いかもしれません。ルティ、君はどう思う?」
「うふふ!ルティって呼んでるのね!可愛らしい愛称ね!」
「仲睦まじくてなによりだ!」
「は、母上、父上、勘弁して下さい……」
ドリィ可愛い!御三方に愛でられて照れてる!
「ふふっ。私のことは、どうぞお好きにお呼び下さい。ただしルティという愛称だけはご容赦を。ドリィだけの呼び名ですから拗ねてしまいます」
「あらあらまあまあ!素敵ねえ!じゃあ、私たちはルルティーナさんとお呼びするわね!」
「ははは!お熱いな!お二人さん!」
「余とアデラの若い頃を思い出すのう」
「る、ルティ!恥ずかしいからやめてくれ!」
お食事が運ばれてからも話が弾み、笑顔が絶えませんでした。
そんな私たちを、近衛騎士と侍従侍女の皆様は優しく見守って下さります。先ほどの一触即発の雰囲気が嘘のよう。
中でも一際優しい眼差しは、王妃陛下の近衛騎士ブリジット・ラピスラズリ侯爵閣下。
その金色の瞳は、王妃陛下の笑顔を見つめ蜂蜜のように艶やかに潤んでいます。
全身全霊で王妃陛下に忠誠を捧げているのが伝わり、少しだけ冷静な気持ちになりました。
ラピスラズリ侯爵閣下は、イオリリス侯爵令嬢の叔母であり、彼女を罰するために私を利用した一人です。
もう一人であるサフィリス公爵夫人もそうですが、同派閥とはいえ味方とは言い切れないお方です。
恐らくこのお方も、私が聖女であることは察していらっしゃるでしょう。
少し警戒しましたが……。
「この肉料理は最高ですね!ルティ、君も早くお食べ。噛むほどに味が染みて、良い香りが鼻を抜けるよ」
「え?あ、はい。……っ!美味しいです!ドリィの言う通り、味も香りも奥行きがあってたまりません!」
「はっはっは!そうであろう!何せこの料理は、アデラの狩った山鳩と余の採ったキノコを使っているのだ!」
「ふふふ。楽しいわあ。次男と次男の婚約者が可愛い。お酒が進むわねえ。次回はイザベルさんもお誘いしましょうか」
「ええ。アディのこたはまだ打ち明けていませんが、ルルティーナさんと義姉妹になるのです。イザベルも喜ぶでしょう」
「私とイザベルさんと義姉妹に!?なんて素敵!嬉しいです!」
……すぐに楽しいお話と美味しいお料理に夢中になってしまい、警戒心はどこかに行ってしまいました。
夕食会は夜更けまで続き、またお会いすることをお約束してお開きとなりました。
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