一年付き合ってた彼女が医大生とラブホから出てきた(NTR……涙)帰り道、川で幼女が溺れていたので助けて家まで送ったら学園のアイドルの家だった
マナシロカナタ✨ねこたま✨GCN文庫
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第7章 優香のお泊まり大作戦
第106話『一生一緒~♪ 一生一緒~♪』
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◇
「じゃあそろそろ帰るね」
食後の一服を終えると、わずかの沈黙ののちに優香が言った。
その口調や態度が少しだけ名残惜しそうに見えたのは、優香との素敵な時間が終わってしまうことを残念に思う、俺の願望が混じっていたのだろうか?
「夜も遅いし、雨も降ってるからバス停まで送るよ」
俺は当然、バス停までのエスコートを申し出た。
「いいよそんなの。蒼太くんに悪いし。雨で濡れちゃうもん」
「いいや、俺に悪いって思うのなら、なおさらバス停まで送らせてくれないか?」
「えっと……なんで?」
両手をパタパタと左右に振って遠慮をアピールしていた手を止めた優香が、不思議そうに小首をかしげた。
「外はかなり雨風が強くなってきてるだろ? もし万が一、優香が事故にでもあったら俺は自分を一生許せなくなるから」
天気予報ではこの辺りは大したことはなさそうだったんだけど、完全に外れたな。
やはりまだまだ、人間が自然を完全に予測するのは難しいようだ。
「い、一生ってそんな、おおげさだよ~」
優香はそう言うけれど、
「大げさなもんか。万が一は、油断した時に限って起こるんだ。俺は絶対に優香と一緒にバス停まで行くからな。これはもう確定事項だから」
雨で滑ったバイクや無灯火の前方不注意自転車に突っ込まれたり、看板が倒れてきて当たることだってあるかもしれない。
「えっと、そこまで言ってくれるなら、お願いしようかな? 蒼太くんを一生は後悔させたくないし」
「そうしてくれるとありがたいな」
「でもそっかぁ、蒼太くんの一生は今、私が握ってるってことだよね……一生一緒、なんちゃって」
「ごめん、何か言ったか?」
俺はちょうど立ちあがろうとして椅子を引いたところだったので、優香の言葉を聞き洩らしてしまった。
「送ってくれてありがとうって言ったんですー!」
「そ、そうか? ……じゃあ行くか」
「うん、行こっか」
その後、なぜか妙に嬉しそうに『一生一緒~♪ 一生一緒~♪』と謎の歌を口ずさみながら、帰り支度をした優香とともに家を出ると、
ゴォォォォォォォ――――ッッ!
家の外は俺が思っていた以上に、ものすごい暴風雨だった。
「うげっ、どんどん雨風が強くなってるな。正直ここまでとは思わなかったぞ」
早めに雨戸を閉めていたせいで、ここまで風雨が強まっていることに気付かなかった。
「わわっ、これは早く帰らないとだね」
通学カバンから折り畳み傘を取り出す優香に、
「はい、傘。折り畳みじゃ小さくてずぶぬれになるぞ。それにこれだけ風が強いと、折り畳みは壊れるだろうし」
俺はうちにあった傘を一本差し出した。
「貸してもらえるなら貸してもらおうかな。こんど学校で返すね」
俺と優香は、折り畳みでない傘をしっかりと差して、最寄りのバス停まで向かったのだが――、
「バス停の案内板が倒れてるね……」
バス停では、案内板が道路脇に横倒しに倒れていた。
「これってたしかバス会社が、バスの運行を取りやめてるって意味だったよな?」
「多分そうだったはず」
案内板が風で突然倒れることがないように、あらかじめ倒しておくのだ。
加えて、今日の運行はしないと利用者に知らせる意味もあるらしい。
今まで一度も経験したことはないが、初めてバスの定期券を買いに行った時にそんな案内をされたような記憶があった。
なにせ1年以上前だから、かなりうろ覚えだけど。
「今から確認してみるよ」
俺はスマホを取り出すと、路線バスのHPを開いて運行状況を確認した。
「どう?」
「どうも30分前くらいにバスは運休したみたいだ。不測の事態に備えてだってさ」
「やっぱり……」
「そこまで酷い状況じゃあないと思うんだけど。まずったな」
「最近は安全第一で、早めに運休したり、翌日の計画運休とかもしてるもんね」
「もう結構遅い時間だし、優香がなかなか帰ってこないとご両親や美月ちゃんが心配するかもだな」
遅い時間+悪天候。
そして優香は高校生の女の子。
ご両親は心配しているはずだ。
「それなら今日は友だちの家に行って晩ご飯を食べてくるって言ってあるから、時間だけなら大丈夫だと思うよ?」
「ってことは、天気の悪さが一番のネックってことか。とりあえずいったん、うちに帰ってから今後の方針を決めよう。ここにいても濡れるだけだから」
「そうだね。ここにいてもバスはもう来ないし」
俺たちは営業を取りやめたバス停を後にして、紺野家へととんぼ返りした。
「じゃあそろそろ帰るね」
食後の一服を終えると、わずかの沈黙ののちに優香が言った。
その口調や態度が少しだけ名残惜しそうに見えたのは、優香との素敵な時間が終わってしまうことを残念に思う、俺の願望が混じっていたのだろうか?
「夜も遅いし、雨も降ってるからバス停まで送るよ」
俺は当然、バス停までのエスコートを申し出た。
「いいよそんなの。蒼太くんに悪いし。雨で濡れちゃうもん」
「いいや、俺に悪いって思うのなら、なおさらバス停まで送らせてくれないか?」
「えっと……なんで?」
両手をパタパタと左右に振って遠慮をアピールしていた手を止めた優香が、不思議そうに小首をかしげた。
「外はかなり雨風が強くなってきてるだろ? もし万が一、優香が事故にでもあったら俺は自分を一生許せなくなるから」
天気予報ではこの辺りは大したことはなさそうだったんだけど、完全に外れたな。
やはりまだまだ、人間が自然を完全に予測するのは難しいようだ。
「い、一生ってそんな、おおげさだよ~」
優香はそう言うけれど、
「大げさなもんか。万が一は、油断した時に限って起こるんだ。俺は絶対に優香と一緒にバス停まで行くからな。これはもう確定事項だから」
雨で滑ったバイクや無灯火の前方不注意自転車に突っ込まれたり、看板が倒れてきて当たることだってあるかもしれない。
「えっと、そこまで言ってくれるなら、お願いしようかな? 蒼太くんを一生は後悔させたくないし」
「そうしてくれるとありがたいな」
「でもそっかぁ、蒼太くんの一生は今、私が握ってるってことだよね……一生一緒、なんちゃって」
「ごめん、何か言ったか?」
俺はちょうど立ちあがろうとして椅子を引いたところだったので、優香の言葉を聞き洩らしてしまった。
「送ってくれてありがとうって言ったんですー!」
「そ、そうか? ……じゃあ行くか」
「うん、行こっか」
その後、なぜか妙に嬉しそうに『一生一緒~♪ 一生一緒~♪』と謎の歌を口ずさみながら、帰り支度をした優香とともに家を出ると、
ゴォォォォォォォ――――ッッ!
家の外は俺が思っていた以上に、ものすごい暴風雨だった。
「うげっ、どんどん雨風が強くなってるな。正直ここまでとは思わなかったぞ」
早めに雨戸を閉めていたせいで、ここまで風雨が強まっていることに気付かなかった。
「わわっ、これは早く帰らないとだね」
通学カバンから折り畳み傘を取り出す優香に、
「はい、傘。折り畳みじゃ小さくてずぶぬれになるぞ。それにこれだけ風が強いと、折り畳みは壊れるだろうし」
俺はうちにあった傘を一本差し出した。
「貸してもらえるなら貸してもらおうかな。こんど学校で返すね」
俺と優香は、折り畳みでない傘をしっかりと差して、最寄りのバス停まで向かったのだが――、
「バス停の案内板が倒れてるね……」
バス停では、案内板が道路脇に横倒しに倒れていた。
「これってたしかバス会社が、バスの運行を取りやめてるって意味だったよな?」
「多分そうだったはず」
案内板が風で突然倒れることがないように、あらかじめ倒しておくのだ。
加えて、今日の運行はしないと利用者に知らせる意味もあるらしい。
今まで一度も経験したことはないが、初めてバスの定期券を買いに行った時にそんな案内をされたような記憶があった。
なにせ1年以上前だから、かなりうろ覚えだけど。
「今から確認してみるよ」
俺はスマホを取り出すと、路線バスのHPを開いて運行状況を確認した。
「どう?」
「どうも30分前くらいにバスは運休したみたいだ。不測の事態に備えてだってさ」
「やっぱり……」
「そこまで酷い状況じゃあないと思うんだけど。まずったな」
「最近は安全第一で、早めに運休したり、翌日の計画運休とかもしてるもんね」
「もう結構遅い時間だし、優香がなかなか帰ってこないとご両親や美月ちゃんが心配するかもだな」
遅い時間+悪天候。
そして優香は高校生の女の子。
ご両親は心配しているはずだ。
「それなら今日は友だちの家に行って晩ご飯を食べてくるって言ってあるから、時間だけなら大丈夫だと思うよ?」
「ってことは、天気の悪さが一番のネックってことか。とりあえずいったん、うちに帰ってから今後の方針を決めよう。ここにいても濡れるだけだから」
「そうだね。ここにいてもバスはもう来ないし」
俺たちは営業を取りやめたバス停を後にして、紺野家へととんぼ返りした。
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