一年付き合ってた彼女が医大生とラブホから出てきた(NTR……涙)帰り道、川で幼女が溺れていたので助けて家まで送ったら学園のアイドルの家だった
マナシロカナタ✨ラノベ作家✨子犬を助けた
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第7章 優香のお泊まり大作戦
第119話 優しい香り
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(うーむ。羊を数えるのは日本人にはあまり意味が無さそうだから、あとはもう気分を落ち着けるための定番、深呼吸でもするか……)
俺はベッドに横になったままで数度、深呼吸をした。
スー、ハー……スー、ハー……。
(……なんだ? なんだか甘くていい匂いがするような?)
と、呼吸に意識を集中したことで嗅覚が鋭敏になったのか、俺の鼻は何かしらのいい匂いを感じ取っていた。
甘くて優しい匂いが、部屋の中にかすかに漂っているのだ。
だけど嫌な匂いじゃない。
むしろそっと穏やかに包みこんで安心感を与えてくれるような、優しい香りだった。
(それに、どこかで嗅いだことのある匂いだよな? どこだったかな……?)
寝ないといけないのに目がらんらんと冴えわたっているのもあって、どうせ寝られないならと、俺はかすかに香る優しい匂いについて頭を巡らせることにした。
スー……ハー……、スー……ハー……。
もう一度二度、大きく息を吸って吐いてしてみる。
(間違いなく覚えのある匂いなんだけどな。なんだったかなぁ……)
もうあとちょっと、のど元まで出かかってるんだけどな。
しかし最後の最後のところで、俺はどうしても何の匂いだったのか思い出すことができないでいた。
(ま、どうせすることもないしな。考えている内に寝落ちできるかもしれないし。逆にちょうどいいかも)
どうにも気になってしょうがなかった俺は、優しい香りの出所を探ってみることにした。
スー……ハー……、スー……ハー……。
ソムリエがテイスティングするように、何度も深呼吸を繰り返しては優しい香りを分析する。
(うーん、何の匂いだったかなぁ)
スー……ハー……、スー……ハー……。
(今だけじゃないよな。多分、普段も時々嗅いでる匂いだ。ってことは花の匂いとか? 秋に咲く金木犀とか、かなり特徴的な匂いがするもんな)
スー……ハー……、スー……ハー……。
(なんだかなぁ、何の匂いだったかなぁ――って、そうか!)
ピキーン!
(これは優香の匂いだよ! 優香の匂いがするんだ!)
俺はわずかに漂ってくる甘くて優しい香りが、優香の匂いだということに思い至った。
(なるほどそっかそっか、これは優香の匂いだよ。優香の近くにいる時に時々フワッと漂ってくる甘い匂いだ。ずっと部屋で一緒に話をしてたから、部屋の中にこもったんだな。納得納得)
胸の奥にあったつっかえ棒が、綺麗に外れた気がした。
お風呂上りだったのもあって、いつにも増していい匂いがしていたんだろうな。
いやー、世界の真理にたどり着けて良かった良かった――そう思ってた時期が俺にもありました。
そう、これは優香の匂いだったのだ。
そしてそうだと意識してしまった途端に、俺は優香の存在をものすごく意識してしまう。
(くっ、まるで息をするごとに、優香が俺の中に入って来るみたいだ)
甘くて優しい女の子の匂いが、呼吸をするたびに俺の中に分け入ってくるのだ。
胸の奥が刺激されて、いいようのないムラムラした感情がこみ上げてくる。
(こ、このままではイケナイ――!!)
一線を超えてしまいそうな感情の高まりを察した俺は、慌てて鼻呼吸をやめて口呼吸に切り替えた。
少し寝にくくなってしまうが、イケナイ情動を暴発させてしまわないためには仕方がない。
だがしかし。
(これで俺は、視覚(真っ暗)と聴覚に続いて、嗅覚(口呼吸)までもを失ってしまったぞ)
俺はベッドに横になったままで数度、深呼吸をした。
スー、ハー……スー、ハー……。
(……なんだ? なんだか甘くていい匂いがするような?)
と、呼吸に意識を集中したことで嗅覚が鋭敏になったのか、俺の鼻は何かしらのいい匂いを感じ取っていた。
甘くて優しい匂いが、部屋の中にかすかに漂っているのだ。
だけど嫌な匂いじゃない。
むしろそっと穏やかに包みこんで安心感を与えてくれるような、優しい香りだった。
(それに、どこかで嗅いだことのある匂いだよな? どこだったかな……?)
寝ないといけないのに目がらんらんと冴えわたっているのもあって、どうせ寝られないならと、俺はかすかに香る優しい匂いについて頭を巡らせることにした。
スー……ハー……、スー……ハー……。
もう一度二度、大きく息を吸って吐いてしてみる。
(間違いなく覚えのある匂いなんだけどな。なんだったかなぁ……)
もうあとちょっと、のど元まで出かかってるんだけどな。
しかし最後の最後のところで、俺はどうしても何の匂いだったのか思い出すことができないでいた。
(ま、どうせすることもないしな。考えている内に寝落ちできるかもしれないし。逆にちょうどいいかも)
どうにも気になってしょうがなかった俺は、優しい香りの出所を探ってみることにした。
スー……ハー……、スー……ハー……。
ソムリエがテイスティングするように、何度も深呼吸を繰り返しては優しい香りを分析する。
(うーん、何の匂いだったかなぁ)
スー……ハー……、スー……ハー……。
(今だけじゃないよな。多分、普段も時々嗅いでる匂いだ。ってことは花の匂いとか? 秋に咲く金木犀とか、かなり特徴的な匂いがするもんな)
スー……ハー……、スー……ハー……。
(なんだかなぁ、何の匂いだったかなぁ――って、そうか!)
ピキーン!
(これは優香の匂いだよ! 優香の匂いがするんだ!)
俺はわずかに漂ってくる甘くて優しい香りが、優香の匂いだということに思い至った。
(なるほどそっかそっか、これは優香の匂いだよ。優香の近くにいる時に時々フワッと漂ってくる甘い匂いだ。ずっと部屋で一緒に話をしてたから、部屋の中にこもったんだな。納得納得)
胸の奥にあったつっかえ棒が、綺麗に外れた気がした。
お風呂上りだったのもあって、いつにも増していい匂いがしていたんだろうな。
いやー、世界の真理にたどり着けて良かった良かった――そう思ってた時期が俺にもありました。
そう、これは優香の匂いだったのだ。
そしてそうだと意識してしまった途端に、俺は優香の存在をものすごく意識してしまう。
(くっ、まるで息をするごとに、優香が俺の中に入って来るみたいだ)
甘くて優しい女の子の匂いが、呼吸をするたびに俺の中に分け入ってくるのだ。
胸の奥が刺激されて、いいようのないムラムラした感情がこみ上げてくる。
(こ、このままではイケナイ――!!)
一線を超えてしまいそうな感情の高まりを察した俺は、慌てて鼻呼吸をやめて口呼吸に切り替えた。
少し寝にくくなってしまうが、イケナイ情動を暴発させてしまわないためには仕方がない。
だがしかし。
(これで俺は、視覚(真っ暗)と聴覚に続いて、嗅覚(口呼吸)までもを失ってしまったぞ)
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