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第8章 深まりゆく関係

第151話 俺はツイスターマイスター蒼太だ!!

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 こんなことを考えちゃだめだと、理性では分かってはいる。
 せっかく3人でワイワイ楽しく盛り上がって遊んでいるのに、俺だけこっそりえっちなことを考えるとか、かなり最悪だ。

 でもさ!
 気になるものは、気になっちゃうんだよぉぉぉぉ!!!!!!!!!

 下腹部に触れる好きな女の子の柔らかい感触に、どうにも意識が引っ張られちゃうんだよ!!

 いやいや落ち着け、落ち着くんだ紺野蒼太。
 このままではいけない。
 いろいろといけない。

 きつい姿勢を維持するのに体力を使うせいで、呼吸が深くなって、優香の甘くていい匂いをいつも以上に感じているのと、物理的距離が密着ってくらいにそりゃあもう近いせいで、俺は心の奥が無性にモゾモゾしてしまっていた。

 さらには制御できない熱量が、俺の下腹部にじんわりと集まり始めているのを感じてしまう。
 男子なら説明しなくても分かるであろうアレである。

 このままでは聞かん棒でワンパクファイターなリトル蒼太が、スタンディングオベーションしてしまうぞ!
 つまり非っっっ常にマズい状況だった。

 というわけで、まずはこの状態から脱出しようじゃないか。
 話はそれからだ。

 さぁ美月ちゃん!
 ネクスト体位の指示を早くCome on!

「では蒼太おにーちゃん、左足を浮かせてください」

 な、なんだって!?
 この状態で左足を浮かせる!?

 逆四つん這いになった体位から、さらに左足を浮かせるだと!?
 この体勢から足を片方浮かせようと思ったら、どうしても太ももが上がっちゃうんだが?
 俺の下腹部の上には今、優香の一部がパイっと乗っかっちゃっているんだぞ?

 そんな状態で太ももを上げちゃったら……ねぇ?
 優香の胸に、俺の左太ももをギュムッと押し付けちゃうよ??

 だがしかし。
 あまりチンタラうだうだしていては、俺がいやらしいことを意識しまくっているのがバレてしまうかもしれない。

 やるしかない――っ!

 俺は意を決すると、逆四つん這いの体位から、左足を浮かせる行動に出た。

 必然的に太ももが上に上がってしまい、腰の辺りに乗っていた優香の柔らかい部分にことさらに押し付けることになってしまう。

 ふにょふにょのふわふわが、俺の太ももの圧を受けて形を変えて広がった。

 どことはいわないが、なんとなく挟まれるような感触があるような、ないような、あるような、ないような……。

「ん――っ」
 優香がわずかに息をのむ声が聞こえたが、俺は気付いていない振りをする。

 もう『気付いていない振り』で貫き通すしかなかった。

 事ここに至っては、
『え? ツイスターに熱中し過ぎててエッチなことなんて全然考えてる暇はなかったよ? 俺ってツイスターに真剣系の男子だからさ(爽やかスマイルをキラリン☆彡』
 的な態度を示し続けるしかない。

 それにしても柔らかいなぁ、すごく柔らかいよ……って違うから!
 美月ちゃんも見ているんだ、下手な真似はできないんだってば!

(俺はツイスターマイスター蒼太。俺はツイスターマイスター蒼太。俺はツイスターマイスター蒼太だ!!)

 流れがなく完全に制止した水面は、一点の曇りなく明るく輝く鏡のごとし!
 俺はツイスターマイスターの境地である『明鏡止水』へと瞬間的に達すると、ツイスターへと没頭した。

 とはいうものの。
 何事にも終わりはあるもので。

 この危機的状態も、そう長くは続きはしなかった。
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