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第2章 ブレイビア学園

第30話 歩くえちえち製造機 レベッカ先生

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 ブレイビア学園には各学年2クラスあるが、俺はアリエッタやリューネと同じ1年1組に配属されるらしい。

 自由席だったので3人掛けの横長の机に、俺、アリエッタ、リューネの順に座る。

 アリエッタとリューネに学園の授業がどんな感じなのかを教えてもらっていると──ソシャゲでは授業は一瞬で消化されて経験値などのパラメータに変換されるので、具体的な内容は知らなった──すぐに現役姫騎士でもあるクラス担任の先生がやってきた。

 1年1組のクラス担任ってことは『あのレベッカ先生』だな。

「よーし、お前たち、席に着けー! 授業を始めるぞー!」

 良く通る声でハキハキと告げたレベッカ先生は、20代前半の美人で、スタイル抜群で、王国騎士団の姫騎士の中でも特に優秀なトップランカーだけがまとうことができる真紅の『上級姫騎士』の制服――通称『ブレイビア・レッド』を着用していたんだけど。

 ラフに着こなすというレベルを逸脱して、胸のボタンが3つ目くらいまで開いていて、なんていうかその、すごく視線に困った。
 自慢のスタイル(というかおっぱい)を見せつけるかのようなザ・谷間な主張が、ものすごい。

 さすがにサイズではブレイビア界隈で絶対王者を誇るリューネに負けるが、露出度が段違いにすごかった。

 リューネが隠そうにも隠しきれない深窓の令嬢なおっぱいだとしたら、レベッカ先生のそれは堂々と自己主張をするイケイケパリピでジュリアナ東京(大昔のパリピの聖地がそんな名前だったらしい)なおっぱいだ。

 くっ、さすがはレベッカ先生だ。
 おっぱいも威風堂々としている!
 アオハルでお年頃な青少年には、目に毒過ぎるぞ!

 しかしこんなエロ痴女な格好こそしているけれど、レベッカ先生はもちろん超エリート姫騎士だ。
 細かいルールにはこだわらない性格ではあるが、やることはしっかりやるし、面倒見もよくて学園生徒からも同僚の姫騎士からも好かれている。

 だけどエロい。
 なにせエロい。
 ユーザーの間では『歩くえちえち製造機』とまで呼ばれている。

 『あのレベッカ先生』とはつまりそういうことである。

 ちなみにものすごく人気がある。
 人気投票では毎回のように並み居る人気ヒロイン姫騎士たちを抑え、トップ5あたりをうろうろするほどだ。
(ちなみにアリエッタは最新のランキングでその他圏外=51位以下に沈んでいた)

 運営が人気の高さに悪ノリして、最初は立ち絵しかないモブキャラだったはずなのに、次々にイベントCGが追加され。
 プレイアブルキャラではないにも関わらず、〇周年イベントやら水着イベントやらで、毎回のように新規イラストが追加される超優遇キャラでもあった。

 まぁレベッカ先生が、えちえちで人気があるのはおいといて。

 そのまま授業が始まるのかと思ったら、その前に、

「既に知っているかもしれないが、今日から新しい姫騎士が仲間になる。うちの学園では珍しい転入生って奴だな。しかも男だ。かくいう私も男の姫騎士を見るのは初めてだ。ってわけでカガヤ、まずはみんなに自己紹介をしろ」

「はい」
 自己紹介をするように先生に言われたので、俺は立ち上がって前に出た。

「ちなみに私はこのクラスの担任のレベッカだ。お前のことはローゼンベルク姉や騎士団の方からも聞いている。自分に関する記憶が曖昧だそうだな。分からないことがあったら気軽に相談に来ていいぞ。こう見えて面倒見はいいんだ。遠慮はいらない、独身だからな」

 レベッカ先生はニカっと、それはもう素敵な笑顔を見せると、俺の首にガッシリと腕を回して、グイッと引き寄せた。
 レベッカ先生はモデルのように身長が高いので、自然とあまり背が高くない俺の頭がレベッカ先生の剥き出しの谷間に押し付けられてしまう。

 おふわぁっ!?
 柔らけぇ!?
 もうほんと柔らけぇ!?
 ふわふわでやわやわで、大人の包容力を感じざるを得ないんだが!?

 いつまでも堪能していたい魅惑のソフトメロンだったが、推しのアリエッタが見ている前で、いつまでも鼻の下を伸ばしてはいられない。

 俺は強い気持ちでえちえちな誘惑を断ち切ると、レベッカ先生の腕と谷間から抜け出した。

「ええはい……機会がありましたらお願いします」

 っていうか独身とか、わざわざここで言う必要あるのかな?
 そのアピールはなに?
 俺の気のせい?

「おいカガヤ、なんだその顔は?」
「いえ、なんでもありません」
「別に取って食おうなんて思っちゃいないんだぞ? まぁいい。それよりもまずは自己紹介だ」

 俺は少し乱れた襟元と心を正すと、クラスメイト達の方へ向き直った。

 何ごとも最初が感じだ。
 しくじるなよ――俺!
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