人生を斜交いに生きた男 実話

人生を斜交いに生きた男 実話 ２３

将来、自分のお店を持てる　恵まれた人には良いが、職業ですれば低賃金なので家族を養うにはかなり苦しい。共働きで何とかやれる世界だ。安定を求める人には向いていない職業だ。
　ここは個人なので１ヶ月もしないうちに色々させてくれるので楽しい、面白いのだがレベルが上がるにつれて大きな壁に、義眼というハンディが出てきた。雑用の時は何とか乗り切れたが四角や丸型のケーキをカットする時に綺麗に均等に切れず斜めになったり、大小の不具合になり定めた数が取れずにコストアップになり、作業行程が遅れたりと、、、　「遅い仕事なら誰でも出来る。早くて綺麗な仕事をしてこそ１人前の職人や！！」
　叱られた。仕上げのセンスと繊細さも要求されるが、隠れていたのか⁈私は大雑把な性格が表面化し、慌てものも災いを招いたりで丁寧な正確に欠けるようだ。将来的に慣れとか技術力でカバー出来るのか⁉️１人で悩みの世界に突入した。
　オーナーに片目だとオープンにすると色眼鏡や障がい者差別扱いをされたりで結局はい辛くなったりと、、、先輩の職人さんを見ていると速くて、手際が良く仕上げもスッキリして美しい。この時に親身になってくれる友人も無く、自分なりに熟慮してある日オーナーに
　「一寸話してない事があるのですが」
　「何や？」
　少し人目を避けて片目の件を打ち明けた。　「そうか！何か変とは思っていたが、うーん」
　こういう条件で職人になれるのかと尋ねた　「うーん」
　黙ってしまい。３０秒程経ってから
　「そうやな、この条件でなぁー、身近にはいないしな」
　１人前に成れないと給与も上がらず半人前扱いでいつまでも下働きに耐えれるか⁈後輩にどんどん追い抜かれる屈辱に耐えれるかと
　「うちも雑用だけで雇う余裕もないし、個人経営やしオールマイティを優先するしなぁ」
　結局、この月で辞める事に、オーナーも少し同情してくれ
　「「ゆっくり探しや、、、」
　１ヶ月分の部屋代は免除してくれた。
　さて、どうしたものか？当時は片目では車の免許も取れないと思い込んでいたのと、教習所に通う余裕すら無く、その日を生きて行くのがやっとだったし。仮に取れてても夜の運転とか、雨降りは目が疲れて視野が狭くなり事故率が高いのでは？マイナス思考が強くて諦めていたのだ。　　続く