50 / 58
第四章 告白の行方
43
しおりを挟む
*****
満ち足りた想いのまま、消えてなくなればいい――
重苦しい感覚が、刻一刻と迫って来る。止まりそうになる心臓の上に手を当て、私は息を凝らしていた。つらそうな様子を彼に見せるわけにはいかないけれど、心地良いこの場所から離れることもできなくて。
寝返りを打ち、最期の時を待つ。朝、目覚めた貴方は私を見て、驚き悲しむでしょうね? それだけが心残りだ。
やがて、暗く深い闇に飲み込まれる気配を感じて、私は死を覚悟した。その時、夢か現か――頭に直接、大好きな声が響く。
『大丈夫、もう怖い思いはさせないから。俺がずっと側にいる』
その瞬間、身体が急に軽くなった気がした。大丈夫、という言葉が心にストンと落ちて、苦しみから解放されたような。ずっと、ということは私は赦されたのかしら? これからも貴方の側にいていいの? 生まれ変わる苦しみを繰り返さなくていいのなら、どんなに幸せだろう。
私は微笑み、真っ白な空間に落ちていく。
もう、何も考えられない……
眩しい光が瞼に当たる。私は眠い目をこすりながら、ゆっくり開く。うすぼんやりした視界の中、見慣れない木の天井が飛び込んできた。
――ああ、また。結局私はまた、生まれ変わってしまったのね?
がっかりし、ため息をつくと悲しい思いで横を向く。信じられないものを目にした途端、私は驚きで息を呑む。
「おはよう、ディア。よく眠れたようだな」
黒髪に青い瞳のクラウス王子が肘をつき、私を眺めて微笑んでいたのだ。
朝から素敵……じゃなくって、なぜここにクラウス様が? 私は慌てて飛び起きた。
「え? あの……どうして?」
愛を告白されて、その後しっかり確かめ合ったはずなのに、私は生きている? 大人の身体のままだから、生まれ変わったわけでもなさそうだ。こんなことは初めてで、頭が真っ白になってしまう。
クラウス王子も身体を起こすと、私に尋ねた。
「どうして、とは? ディア、身体は平気か? 疲れているし初めてなのに、無理をさせてしまったな」
「いえ、あの、それはいいんです……って、正確には良くないんだけど……」
自分でも動揺して、何を言っているのかさっぱりわからない。彼と会えるのは最後だと思ったから、積極的にお願いするという愚行を冒してしまった。純潔が尊重される社会で、貴族の未婚女性が自ら行為をねだるのは、相当はしたない。呆れられても仕方ないけど、後悔はしてないし生きているって素晴らしい……ダメだ、頭が回らないわ。
「ごめん。だが、俺は本気で君を愛した。もちろんこれから……」
「いえ、クラウス様。待ってください」
私が動揺していると勘違いしたクラウス王子が、頭を下げる。彼に続きを言わせるわけにはいかない。だって彼に告白された時、私は未来を諦めた。だからこそ困らせていると知りながら、私を気遣う彼の優しさに付け込んで大胆な願いを口にしたのだ。
愛を交わした私達。けれど、その先を約束したわけではない。いえ、その先があるなんて考えもしていなくて……
責任を取ると言われたらどうしよう? その前に、身持ちが悪いのは良くないとお説教される? クラウス様のことは好きだけど、義務や責任で私に縛りつけるつもりはなかった。第一、今回に限ってどうして生き延びることができたのか、まだよくわからない。
「ディア、クラウスと呼んでほしい。せっかく親密になれたんだ」
朝っぱらから脳天直撃の掠れた声は、ものすごい破壊力だ。彼がほのめかしていることを理解して、恥ずかしくって顔から火が出そう。恥ずかしいといえば、この恰好も……私は急いで上掛けを引っ張ると、身体に巻き付けた。
「朝の君もすごく綺麗だ。隠すなんてもったいないが、まあ仕方がないな」
クラウス王子――クラウスが裸の肩を竦める。細身だけど筋肉質の身体はしっかりしていて、私は目のやり場に困ってしまう。彼はかなり機嫌が良いらしく、青い瞳が嬉しそうに輝いていた。
縋ってしまって申し訳なかったと謝ろう。助かってホッとしたから、いつもの自分では考えられない行動をとった。だから貴方が責任など感じる必要はない、と安心させてあげましょう。
「あの、クラウス。聞いてもらいたいことが……」
「俺も君に言いたいことがある。ディア、俺と結婚してくれないか?」
「……は?」
素っ頓狂な声が出てしまう。昨日愛を告白してきたかと思えば、いきなり結婚? ああ、やはり彼は私に悪いと思っているのだ。確かに初めてだったけど、何もそこまでしなくても責めたりしないのに。
私としてはもちろん嬉しい。夫婦になれば、愛する人とずっと一緒に過ごせるから。
でも残念ながら、王太子となる彼の伴侶に自分が相応しいとは思えない。悪女の評判が広まってしまったし、そもそも私は何人もの男性を騙したせいで、生まれ変わりを繰り返してきたのだ。本当のことを知ったら、彼は私を軽蔑するだろう。
「突然すまない。でもこれからは、俺の婚約者として過ごしてほしい。君さえ良ければ、近いうちに式を挙げよう」
「そんな! 責任を感じる必要など……」
「責任? まさか。俺は君に愛を告白したはずだが?」
嬉しくて胸が震えた。このまま何も言わずにいれば、この先もずっと一緒にいられるかしら? 過去を明かさなかったとしても、貴方は私を許してくれる?
それではきっとダメだろう。偽りやごまかしは良くないし、頭の良い彼ならそのうち私の秘密に気づくはずだ。何より私が自分に恥じる生き方を、もうしたくない。
「お気持ちはありがたいのですが、その前に話しておかなければならないことがあります」
「……ディア?」
「聞いた上で判断なさってください。貴方が離れても、私は責めませんから」
本音を言えば、クラウスの隣で生きていきたい。悪女やいろんな過去を持つ私を、彼が丸ごと愛してくれたなら。でもそれは、贅沢な望みだ。気味が悪いと思われて、避けられてしまうかも。
それでも構わない。私は私を愛してくれた人を、二度と騙したくなかった。今度こそまともに生きたのだと、最後に誇れる自分でいたい。
「わかった。とにかく聞こうか。だがディア、敬語は要らない」
全てを打ち明けた後でも、貴方は親しい口調を許してくれる? いえ、きっとダメよね。どうせあと少しなら、私も貴方の名前を呼びたい。
「わかったわ、クラウス。驚かないで聞いてね」
私はこれまでの生をポツリポツリと語り出した。詐欺で男性を騙していたことや、王女や兵士、料理人やメイド、村人だった記憶を。クラウスは、始めは驚き目を丸くしていたものの、途中からその世界の用語など最低限のことを質問するだけで、あとは黙って耳を傾けていた。
私は痛む胸を押さえながら、当時出会った男性や、自分が死に至るきっかけのことも包み隠さず話す。時々眉をピクリと動かすことを除けば、彼の表情はほとんど変わらなかった。
全てを語り終えた私は、申し訳なさでうつむく。騙すつもりはなかったけれど、過去を隠していた私は、結果として彼に嘘をついていたことになる。商談中、興味深げに尋ねられても、いつも答えをはぐらかしていたから。
「なるほど……信じがたい話だが。ディアが物知りで何でも良く出来ると思っていたら、そういうわけだったのか」
クラウスが顎に手を当て呟いた。目を伏せた考え深げな表情は、怒っているようには見えない。
でももうすぐ、私は彼に別れを告げられるだろう。「犯した罪のせいで、何年も生きてきた女は無理だ」と大好きな人の口から聞かされる。
彼の言葉を待つ私は、自分でも気づかないうちに怯えて涙を浮かべていた。
満ち足りた想いのまま、消えてなくなればいい――
重苦しい感覚が、刻一刻と迫って来る。止まりそうになる心臓の上に手を当て、私は息を凝らしていた。つらそうな様子を彼に見せるわけにはいかないけれど、心地良いこの場所から離れることもできなくて。
寝返りを打ち、最期の時を待つ。朝、目覚めた貴方は私を見て、驚き悲しむでしょうね? それだけが心残りだ。
やがて、暗く深い闇に飲み込まれる気配を感じて、私は死を覚悟した。その時、夢か現か――頭に直接、大好きな声が響く。
『大丈夫、もう怖い思いはさせないから。俺がずっと側にいる』
その瞬間、身体が急に軽くなった気がした。大丈夫、という言葉が心にストンと落ちて、苦しみから解放されたような。ずっと、ということは私は赦されたのかしら? これからも貴方の側にいていいの? 生まれ変わる苦しみを繰り返さなくていいのなら、どんなに幸せだろう。
私は微笑み、真っ白な空間に落ちていく。
もう、何も考えられない……
眩しい光が瞼に当たる。私は眠い目をこすりながら、ゆっくり開く。うすぼんやりした視界の中、見慣れない木の天井が飛び込んできた。
――ああ、また。結局私はまた、生まれ変わってしまったのね?
がっかりし、ため息をつくと悲しい思いで横を向く。信じられないものを目にした途端、私は驚きで息を呑む。
「おはよう、ディア。よく眠れたようだな」
黒髪に青い瞳のクラウス王子が肘をつき、私を眺めて微笑んでいたのだ。
朝から素敵……じゃなくって、なぜここにクラウス様が? 私は慌てて飛び起きた。
「え? あの……どうして?」
愛を告白されて、その後しっかり確かめ合ったはずなのに、私は生きている? 大人の身体のままだから、生まれ変わったわけでもなさそうだ。こんなことは初めてで、頭が真っ白になってしまう。
クラウス王子も身体を起こすと、私に尋ねた。
「どうして、とは? ディア、身体は平気か? 疲れているし初めてなのに、無理をさせてしまったな」
「いえ、あの、それはいいんです……って、正確には良くないんだけど……」
自分でも動揺して、何を言っているのかさっぱりわからない。彼と会えるのは最後だと思ったから、積極的にお願いするという愚行を冒してしまった。純潔が尊重される社会で、貴族の未婚女性が自ら行為をねだるのは、相当はしたない。呆れられても仕方ないけど、後悔はしてないし生きているって素晴らしい……ダメだ、頭が回らないわ。
「ごめん。だが、俺は本気で君を愛した。もちろんこれから……」
「いえ、クラウス様。待ってください」
私が動揺していると勘違いしたクラウス王子が、頭を下げる。彼に続きを言わせるわけにはいかない。だって彼に告白された時、私は未来を諦めた。だからこそ困らせていると知りながら、私を気遣う彼の優しさに付け込んで大胆な願いを口にしたのだ。
愛を交わした私達。けれど、その先を約束したわけではない。いえ、その先があるなんて考えもしていなくて……
責任を取ると言われたらどうしよう? その前に、身持ちが悪いのは良くないとお説教される? クラウス様のことは好きだけど、義務や責任で私に縛りつけるつもりはなかった。第一、今回に限ってどうして生き延びることができたのか、まだよくわからない。
「ディア、クラウスと呼んでほしい。せっかく親密になれたんだ」
朝っぱらから脳天直撃の掠れた声は、ものすごい破壊力だ。彼がほのめかしていることを理解して、恥ずかしくって顔から火が出そう。恥ずかしいといえば、この恰好も……私は急いで上掛けを引っ張ると、身体に巻き付けた。
「朝の君もすごく綺麗だ。隠すなんてもったいないが、まあ仕方がないな」
クラウス王子――クラウスが裸の肩を竦める。細身だけど筋肉質の身体はしっかりしていて、私は目のやり場に困ってしまう。彼はかなり機嫌が良いらしく、青い瞳が嬉しそうに輝いていた。
縋ってしまって申し訳なかったと謝ろう。助かってホッとしたから、いつもの自分では考えられない行動をとった。だから貴方が責任など感じる必要はない、と安心させてあげましょう。
「あの、クラウス。聞いてもらいたいことが……」
「俺も君に言いたいことがある。ディア、俺と結婚してくれないか?」
「……は?」
素っ頓狂な声が出てしまう。昨日愛を告白してきたかと思えば、いきなり結婚? ああ、やはり彼は私に悪いと思っているのだ。確かに初めてだったけど、何もそこまでしなくても責めたりしないのに。
私としてはもちろん嬉しい。夫婦になれば、愛する人とずっと一緒に過ごせるから。
でも残念ながら、王太子となる彼の伴侶に自分が相応しいとは思えない。悪女の評判が広まってしまったし、そもそも私は何人もの男性を騙したせいで、生まれ変わりを繰り返してきたのだ。本当のことを知ったら、彼は私を軽蔑するだろう。
「突然すまない。でもこれからは、俺の婚約者として過ごしてほしい。君さえ良ければ、近いうちに式を挙げよう」
「そんな! 責任を感じる必要など……」
「責任? まさか。俺は君に愛を告白したはずだが?」
嬉しくて胸が震えた。このまま何も言わずにいれば、この先もずっと一緒にいられるかしら? 過去を明かさなかったとしても、貴方は私を許してくれる?
それではきっとダメだろう。偽りやごまかしは良くないし、頭の良い彼ならそのうち私の秘密に気づくはずだ。何より私が自分に恥じる生き方を、もうしたくない。
「お気持ちはありがたいのですが、その前に話しておかなければならないことがあります」
「……ディア?」
「聞いた上で判断なさってください。貴方が離れても、私は責めませんから」
本音を言えば、クラウスの隣で生きていきたい。悪女やいろんな過去を持つ私を、彼が丸ごと愛してくれたなら。でもそれは、贅沢な望みだ。気味が悪いと思われて、避けられてしまうかも。
それでも構わない。私は私を愛してくれた人を、二度と騙したくなかった。今度こそまともに生きたのだと、最後に誇れる自分でいたい。
「わかった。とにかく聞こうか。だがディア、敬語は要らない」
全てを打ち明けた後でも、貴方は親しい口調を許してくれる? いえ、きっとダメよね。どうせあと少しなら、私も貴方の名前を呼びたい。
「わかったわ、クラウス。驚かないで聞いてね」
私はこれまでの生をポツリポツリと語り出した。詐欺で男性を騙していたことや、王女や兵士、料理人やメイド、村人だった記憶を。クラウスは、始めは驚き目を丸くしていたものの、途中からその世界の用語など最低限のことを質問するだけで、あとは黙って耳を傾けていた。
私は痛む胸を押さえながら、当時出会った男性や、自分が死に至るきっかけのことも包み隠さず話す。時々眉をピクリと動かすことを除けば、彼の表情はほとんど変わらなかった。
全てを語り終えた私は、申し訳なさでうつむく。騙すつもりはなかったけれど、過去を隠していた私は、結果として彼に嘘をついていたことになる。商談中、興味深げに尋ねられても、いつも答えをはぐらかしていたから。
「なるほど……信じがたい話だが。ディアが物知りで何でも良く出来ると思っていたら、そういうわけだったのか」
クラウスが顎に手を当て呟いた。目を伏せた考え深げな表情は、怒っているようには見えない。
でももうすぐ、私は彼に別れを告げられるだろう。「犯した罪のせいで、何年も生きてきた女は無理だ」と大好きな人の口から聞かされる。
彼の言葉を待つ私は、自分でも気づかないうちに怯えて涙を浮かべていた。
1
あなたにおすすめの小説
片想い婚〜今日、姉の婚約者と結婚します〜
橘しづき
恋愛
姉には幼い頃から婚約者がいた。両家が決めた相手だった。お互いの家の繁栄のための結婚だという。
私はその彼に、幼い頃からずっと恋心を抱いていた。叶わぬ恋に辟易し、秘めた想いは誰に言わず、二人の結婚式にのぞんだ。
だが当日、姉は結婚式に来なかった。 パニックに陥る両親たち、悲しげな愛しい人。そこで自分の口から声が出た。
「私が……蒼一さんと結婚します」
姉の身代わりに結婚した咲良。好きな人と夫婦になれるも、心も体も通じ合えない片想い。
【完結】御令嬢、あなたが私の本命です!
やまぐちこはる
恋愛
アルストロ王国では成人とともに結婚することが慣例、そして王太子に選ばれるための最低の条件だが、三人いる王子のうち最有力候補の第一王子エルロールはじきに19歳になるのに、まったく女性に興味がない。
焦る側近や王妃。
そんな中、視察先で一目惚れしたのは王族に迎えることはできない身分の男爵令嬢で。
優秀なのに奥手の拗らせ王子の恋を叶えようと、王子とその側近が奮闘する。
=========================
※完結にあたり、外伝にまとめていた
リリアンジェラ編を分離しました。
お立ち寄りありがとうございます。
くすりと笑いながら軽く読める作品・・
のつもりです。
どうぞよろしくおねがいします。
断罪される前に市井で暮らそうとした悪役令嬢は幸せに酔いしれる
葉柚
恋愛
侯爵令嬢であるアマリアは、男爵家の養女であるアンナライラに婚約者のユースフェリア王子を盗られそうになる。
アンナライラに呪いをかけたのはアマリアだと言いアマリアを追い詰める。
アマリアは断罪される前に市井に溶け込み侯爵令嬢ではなく一市民として生きようとする。
市井ではどこかの王子が呪いにより猫になってしまったという噂がまことしやかに流れており……。
将来を誓い合った王子様は聖女と結ばれるそうです
きぬがやあきら
恋愛
「聖女になれなかったなりそこない。こんなところまで追って来るとはな。そんなに俺を忘れられないなら、一度くらい抱いてやろうか?」
5歳のオリヴィエは、神殿で出会ったアルディアの皇太子、ルーカスと恋に落ちた。アルディア王国では、皇太子が代々聖女を妻に迎える慣わしだ。しかし、13歳の選別式を迎えたオリヴィエは、聖女を落選してしまった。
その上盲目の知恵者オルガノに、若くして命を落とすと予言されたオリヴィエは、せめてルーカスの傍にいたいと、ルーカスが団長を務める聖騎士への道へと足を踏み入れる。しかし、やっとの思いで再開したルーカスは、昔の約束を忘れてしまったのではと錯覚するほど冷たい対応で――?
赤貧令嬢の借金返済契約
夏菜しの
恋愛
大病を患った父の治療費がかさみ膨れ上がる借金。
いよいよ返す見込みが無くなった頃。父より爵位と領地を返還すれば借金は国が肩代わりしてくれると聞かされる。
クリスタは病床の父に代わり爵位を返還する為に一人で王都へ向かった。
王宮の中で会ったのは見た目は良いけど傍若無人な大貴族シリル。
彼は令嬢の過激なアプローチに困っていると言い、クリスタに婚約者のフリをしてくれるように依頼してきた。
それを条件に父の医療費に加えて、借金を肩代わりしてくれると言われてクリスタはその契約を承諾する。
赤貧令嬢クリスタと大貴族シリルのお話です。
【完結】消された第二王女は隣国の王妃に熱望される
風子
恋愛
ブルボマーナ国の第二王女アリアンは絶世の美女だった。
しかし側妃の娘だと嫌われて、正妃とその娘の第一王女から虐げられていた。
そんな時、隣国から王太子がやって来た。
王太子ヴィルドルフは、アリアンの美しさに一目惚れをしてしまう。
すぐに婚約を結び、結婚の準備を進める為に帰国したヴィルドルフに、突然の婚約解消の連絡が入る。
アリアンが王宮を追放され、修道院に送られたと知らされた。
そして、新しい婚約者に第一王女のローズが決まったと聞かされるのである。
アリアンを諦めきれないヴィルドルフは、お忍びでアリアンを探しにブルボマーナに乗り込んだ。
そしてある夜、2人は運命の再会を果たすのである。
【完結】王太子と宰相の一人息子は、とある令嬢に恋をする
冬馬亮
恋愛
出会いは、ブライトン公爵邸で行われたガーデンパーティ。それまで婚約者候補の顔合わせのパーティに、一度も顔を出さなかったエレアーナが出席したのが始まりで。
彼女のあまりの美しさに、王太子レオンハルトと宰相の一人息子ケインバッハが声をかけるも、恋愛に興味がないエレアーナの対応はとてもあっさりしていて。
優しくて清廉潔白でちょっと意地悪なところもあるレオンハルトと、真面目で正義感に溢れるロマンチストのケインバッハは、彼女の心を射止めるべく、正々堂々と頑張っていくのだが・・・。
王太子妃の座を狙う政敵が、エレアーナを狙って罠を仕掛ける。
忍びよる魔の手から、エレアーナを無事、守ることは出来るのか?
彼女の心を射止めるのは、レオンハルトか、それともケインバッハか?
お話は、のんびりゆったりペースで進みます。
別れたいようなので、別れることにします
天宮有
恋愛
伯爵令嬢のアリザは、両親が優秀な魔法使いという理由でルグド王子の婚約者になる。
魔法学園の入学前、ルグド王子は自分より優秀なアリザが嫌で「力を抑えろ」と命令していた。
命令のせいでアリザの成績は悪く、ルグドはクラスメイトに「アリザと別れたい」と何度も話している。
王子が婚約者でも別れてしまった方がいいと、アリザは考えるようになっていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる